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2023.04.28

サーバー障害の主な原因は? 対処と回避策について徹底解説

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目次

ネットワークを通じてデータや情報を提供するサーバーは、システムの中心的な位置に存在し、様々なITサービスを支えています。
通信障害同様、サーバーに障害が発生すると、業務が遂行できなくなったり、適切なサービスを提供できなくなったりと様々なリスクが発生します。

本記事では、サーバー障害が発生する原因と発生した場合の対処法、さらに障害を未然に防ぐ対策について解説します。「サーバー障害が発生したらどうしたらよいか」「サーバーダウンを防ぐには何が必要か」など、いざという時に備えた情報収集にお役立てください。

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サーバー障害とはどんな事象?

サーバー障害とは、何らかの原因によってサーバーに異常が発生し、機能が停止してしまうことをいいます。
多くのシステムは「クライアントサーバー型」方式を採用しています。例えば、我々ユーザーがWebサイトを閲覧したい時、システム上では「Webサイトを表示させて」というサービスを受ける側のコンピューター(クライアント)のリクエストに対して、サーバーがWebサイト表示に必要なデータを送信するといった情報のやり取りが行われています。

Webサーバーやメールサーバー、データベースサーバーなど種類は様々ですが、いずれもシステムを安定稼働させるために必要不可欠な存在です。
運営側によってメンテナンスなどで計画的にサーバーを停止させることもありますが、なんらかの理由でサーバー機能が阻害され、予定外にサーバーが停止するのは、「サーバー障害」あるいは「サーバーダウン」と呼ばれます。

サーバー運用業務について、詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼サーバー運用の業務とは? 内容や管理/保守との違い、効率化の方法を紹介

サーバー障害による影響とは?

サーバー障害が発生し、企業の根幹ともいえるシステムが利用できなくなることで、業務遂行を妨げ、ビジネスの機会損失につながります。

サーバー障害によって企業が受ける主な損失は以下の通りです。

  • 業務の停止、または作業効率の低下
  • 販売機会の損失
  • 社会的信用の低下
  • 関係者への賠償責任

サーバー障害が発生すると、メールの送受信ができない、社内システムにアクセスできないなど、一部またはすべての業務が停止せざるを得なくなります。

また、ECサイトやWebサイトを運営している場合、サイトへのアクセスができなくなるためユーザーが離脱し、その間のビジネス機会を損失することになります。サーバー障害が頻繁に起こると、「このサイトは繋がりにくい」という印象を持たれ、利用者からの信頼は失われていくでしょう。
さらには、お客様に適切なサービスを提供できないことで、何らかの補償や賠償責任を負う可能性もあります。

サーバー保守について詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
サーバー保守ってどんな業務? 業務内容や保守の重要性を解説

サーバー障害の主な原因

ここでは、なぜサーバー障害が起こるのか主な原因について解説します。

サーバー障害は、サイバー攻撃などの外部的な要因と機器の故障など内部的要因の2つに分けられます。

1.アクセスの集中

外部的な要因の1つ目は、アクセス集中による過剰な負荷です。
先述の通り、サーバーはクライアントのリクエストに対してレスポンスを返す仕組みになっていますが、同時に対応できるリクエスト数には限りがあります。
一度に大量のリクエストが送られ、その許容範囲を超えてしまうと、サーバーに大きな負荷がかかり機能が一時停止してしまいます。
オンライン上で新商品や人気チケットを販売すると、発売と同時にアクセスが集中し、サーバーダウンが起こってしまう現象は、度々見かける光景です。

2.外部からの攻撃

外部的な要因の2つ目は、サーバー攻撃など外部からの攻撃によるものです。
サーバーをターゲットにした攻撃として「DDoS(ディードス)攻撃」が挙げられます。サーバーに大量のリクエストを送り付け、故意にサーバーダウンを引き起こす攻撃手法で、多くの企業が被害にあっています。
他にも、ランサムウェアや不正アクセス、データ改ざんなどの攻撃を受けることで、サーバー障害が起こる可能性があります。

3.自然災害

外部的な要因の3つ目は、地震や水害などの自然災害です。
地震の影響でサーバーの接続障害が起こり、「メールの送受信ができない」「ネットにつながらない」といった事象は、各地で見受けられます。また、台風や豪雨による浸水など、サーバー自体が物理的に故障するケースもあるでしょう。地震や台風が多い日本では、こうした災害による影響も受けやすいため、事前に想定した対策が必要とされています。

4.ハードウェアの不具合

内部的な要因の1つ目は、サーバーのハードウェア自体の不具合や故障によるものです。
家電製品と同じく、サーバーの部品やパーツにも耐用年数があり、使い続ければ劣化していきます。それらの一部でも故障すれば、正常に動作しなくなりサーバー障害につながることがあります。
サーバーは熱を持ったまま24時間稼働し続けるため過剰な負荷がかかり、劣化しやすいといわれているため、定期的なメンテナンスが必要です。

5.ソフトウェアの不具合

内部的な要因の2つ目は、ソフトウェアのバグによる不具合です。
ソフトウェアの開発やメンテナンスを行う際にバグが発生し、サーバー障害につながるケースもあります。開発初期や設定変更などを行うタイミングに、不具合や想定外の挙動が起こりやすいため、環境を変更する際には入念なテストやシミュレーションが必要です。

6.人為的なミス

内部的な原因の3つ目は、人為的なミスによるものです。
サーバー障害の原因としてヒューマンエラーは非常に多く、具体的には作業ミスや設定ミス、メンテナンス不備などが挙げられます。
重要なファイルを破損させてしまう、またはバックアップを削除してしまうことで、サーバー障害が起こるケースもあります。

サーバー障害が発生した場合の対処法

実際にサーバー障害が発生した場合は、どのような対処をすればよいのでしょうか。
ここでは、障害発生時の基本的な対処の流れについて解説します。以下の3つのステップに沿って対処をしましょう。

1.発生状況と影響範囲の確認する

まずは、サーバー障害の発生状況と影響範囲を確認します。
「いつ」「どこで」「何が」起きたのか、関連した障害が発生していないかなど、できる限り情報を収集します。また、お客様へのサービス提供に影響が出ていないかなど影響範囲を確認し、速やかに関係各所へ連絡を行います。
突然サイトにアクセスできなくなったり、メールが送信できなくなったりすると現場や取引先は混乱してしまうため、可能な限り現在の状況を具体的に報告しましょう。
サービス提供に影響が出ない場合は、事後報告など社内のフローに沿った連絡でも問題ありません。

2.サーバー障害の原因を特定する

次に、サーバー障害の発生原因を特定します。サーバー障害が発生すると、主に以下のような事象が発生します。

  • Webサイトにアクセスできない
  • ファイルやフォルダが開けない
  • メールの送受信ができない
  • エラーメッセージが表示される

レンタルサーバーを使用している場合は、前項の状況報告を基に管理会社へ確認を行い、復旧作業を依頼します。

自社でサーバーを管理している場合は、ハードウェアやネットワーク、アプリケーションなど、サーバーのどこに問題があるのかを1つずつ確認していきましょう。初歩的なこととして、サーバー自体の電源が落ちているという可能性もあります。

あらかじめチェックリストを用意しておくと確認項目が見える化し、抜け漏れを防ぐことができます。

3.原因に基づいて復旧作業を行う

原因の特定ができれば、その原因を基に復旧作業を行います。
一時的なアクセスの集中が原因であれば、アクセスが落ち着けば自然に復旧します。継続的なアクセス集中が予想される場合は、サーバーの同時接続数を増やすといった対処が必要です。
外部からの攻撃が原因の場合は、保守会社やセキュリティの専門家に相談し、対処法について確認しましょう。一次対応としてバックアップデータを利用して復旧作業も行います。
ハードウェアの故障が原因であれば、修理または交換をする必要があります。

復旧が無事完了したら、再発防止策についても検討しましょう。サーバー障害を繰り返さないために、原因や経緯、対処について社内で共有しておくことが大事です。

サーバー障害を未然に防ぐ対策

サーバー障害の主な原因が分かれば、障害を未然に防ぐことや被害を最小限にすることもできます。ここでは、サーバー障害に備えた具体的な対策について解説します。

1.予備サーバーを設置する

1つ目は、障害時用の予備サーバーを用意しておくことです。
サーバー1台だけで稼働している場合、例えばハードウェアの故障が原因で障害が発生すれば修理や交換などに時間を要して、復旧までに時間がかかってしまいます。
メインサーバーとは別に予備サーバーを用意し、冗長化構成をとることで、メインに障害
が発生したらすぐに予備サーバーに切り替えることができます。
ただし、サーバーを複数台設置するには、当然導入コストや管理コストがかかるため、予備の必要性をよく社内で検討する必要があるでしょう。

2.ロードバランサーを活用する

2つ目は、ロードバランサー(負担分散装置)を活用して負荷を分散させる方法です。

アクセスが集中するとサーバーに過度な負担がかかりますが、ロードバランサーを使えば予備のサーバーに自動で負荷を分散させることができます。普段の処理速度も向上し、障害時には即座に切り替えができるため、システムの完全停止を回避することが可能です。

3.クラウドサービスを利用する

3つ目の対策としては、サーバーをオンプレミスからクラウドに移行する方法です。

自社で管理するサーバーは、ハードウェアによる故障など物理的な問題が発生するリスクがあり、定期的なメンテナンスなど運用面にも負担がかかります。
クラウドサービスではあれば、ハードウェアの用意が不要であり、アカウントを発行するだけなど導入もスピーディーです。
また、Web上で必要な容量や機能を拡張するこがとでき、利用した分だけ課金される従量課金制のため、初期費用だけでなく毎月のコストも削減できるでしょう。

クラウドサービス移行に関する詳細な記事はこちらから
▼オンプレミスとクラウドって何が違うの? 移行の特徴も解説

4.バックアップを取得する

サーバー障害が発生しても、バックアップデータがあれば迅速な復旧が可能です。
サーバーのハードウェアが故障し修理できたとしても、データが損傷していれば元に戻すことはできません。
各社が提供しているバックアップサービスを利用すれば、サーバーの全データを定期的に自動バックアップし、フォルダやファイル単位でリストアできるためおすすめです。

データを消失するリスクを避ける、また障害時に速やかな復旧を行うため、定期的なバックアップ取得は欠かせません。

5.監視システムを導入する

5つ目は、サーバー監視システムを導入し、スピーディーに異常を検知する方法です。
サーバーは基本的に24時間365日稼働していますが、それらが正常に稼働しているかどうかを確認するには、運用監視体制を整える必要があります。しかし、IT人材が不足している中、社内で必要な人的リソースを確保するのは難しく、管理者への負担も大きいことから、監視システムの導入に注目が集まっています。
サーバー監視システムなら、サーバーの状態を常に把握し、異常があれば通知してくれるため、効率的な運用が可能です。各社から様々な監視システムが提供されているので、自社に合ったサービスをよく比較検討してみましょう。

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▼サーバー監視ツールとは? 導入のメリット・デメリットを解説
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テクバンのITインフラ運用/監視/障害支援

テクバンは、各種サーバーやネットワークなどITインフラの運用監視や障害対応を代行するサービスを提供しております。

システム開発で培った確かな技術と幅広いシステムの導入実績で培ったノウハウを生かし、
経験豊富なテクバンのITエンジニアが、お客様に代わって24時間365日リモートでサーバー監視を行います。少しでも異常を検知したら、障害の一次~二次対応を行うことも可能です。
「夜間や休日のみだけ対応してほしい」などお客様のご要望に合わせたサポート体制をご提案しますので、お気軽にご相談ください。

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サーバー障害を防ぐ対策を検討しよう

サーバー障害が発生すると、業務の停止やビジネス機会の損失など企業に大きな影響を与えます。その障害の原因は、アクセスの集中や外部からの攻撃、ハードウェアの故障などが多く、あらかじめ対策をしておくことが可能です。

本記事を参考に、サーバー障害を未然に防ぐ、あるいは被害を最小限にするために、自社に適した対策を行いましょう。自社の課題が見えず、サーバー監視システムなど何が自社に適しているか分からない場合は、プロに相談してみるのもおすすめです。
本記事が、サーバー管理体制の見直しを検討しているお客様の一助となれば幸いです。

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