定型的な業務の多いシステム運用管理ですが、その業務負荷に頭を抱える現場も多いのではないでしょうか。業務のIT化が進む一方で、IT運用管理の量、範囲が広がり続け、IT人材不足に悩む組織が少なくありません。
この課題を解消するシステムの運用管理を自動化するソリューションが今、注目されています。
そこで本記事では、システムの運用管理を自動化するソリューションのうち、統合運用管理ツールについて解説します。人材不足を補い、運用管理業務の効率化を実現するため、参考になさってください。
IT資産管理ソリューション
システム運用管理ツールとは?
まず、システム運用管理業務の内容とともに、ツール導入や自動化する必要性について解説します。
システム運用管理の特徴
システム運用管理業務とは、システムが常に安定稼働できるよう、運用やメンテナンスを定期的に行うことです。システムの稼働状態を監視することでトラブルを防ぐ、重要な役割を担っています。具体的には下記が主な業務です。
- ネットワーク管理
セキュリティ管理や障害対策、性能管理、設備管理など、社内のネットワークの運用管理を行う - 業務運用管理
各工程やバックアップが予定通りに行われているかなど、システム全体の業務の運用管理を行う - 基本運用
サーバーや周辺機器、関連文書などの管理を行う - バックアップ対応
範囲やスケジュールを明確に決めてバックアップを実行する - 資産管理
サーバー、ハードウェア、ソフトウェア、ドキュメントなど、システムの資産を管理する - 備品管理
システムに必要な備品や消耗品を管理する
システム運用管理について、さらに詳しい記事をご用意しております。
▼システム運用管理とは? 安定稼働を実現するための方法を解説
システム運用管理が抱える問題点
安定稼働を担うシステム運用管理は管理や監視範囲が広く、なくてはならない業務である半面、システムが多様化し複雑になる中、人によるアナログ監視では難しく、人的ミスも起こりがちです。
また、システム運用管理は業務内容が細かく多様であるものの、安定稼働は当たり前とされ、評価が見えづらいため、管理担当者がモチベーションを維持しにくい側面もあります。この点がIT人材不足につながる課題といえるでしょう。
システム運用管理の自動化メリット
そこで、システム運用管理業務の課題を解消する方法として、監視や設定などの定型業務をツールで自動化することが挙げられます。単純ながら手間のかかる業務を自動化すれば、業務の効率化がなされ、余力が生まれることで、質の高い運用管理を行えるでしょう。また、あらゆる運用管理コストの削減も期待できるはずです。
システム運用の課題と改善については、こちらの記事もご参考ください。
▼システム運用改善の目的やポイントは? プロセスとアプローチも解説
システム全般を一元管理する統合運用管理ツールの機能
システム運用管理をサポートする様々なツールがある中で、統合運用管理ツールは特にシステム全般を一元管理するのに役立ちます。システムだけでなく、ハードウェアやネットワークに加え、セキュリティも含めたあらゆるITインフラを一元管理、自動化できるものです。
そこで、統合運用管理ツールの具体的な機能について、ご紹介します。
- ジョブ管理
決まった時間にバックアップするといった定型処理や進捗監視などを行う - 可用性管理
ITシステムとして一定レベルを保つのに役立ち、十分に機能しているか管理する - 性能管理
データの処理能力や処理スピードなど、パフォーマンスが一定水準を保っているか管理する - 構成管理
サーバー、ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェアといったITシステムの周辺環境をまとめて把握し管理する - セキュリティ管理
アクセス制限やファイアウォールの構築など、部外者がシステムに侵入しないようセキュリティを管理する - IT資産管理
セキュリティやOSのアップデート、ハードウェアやソフトウェアのライセンス期限など、IT資産をまとめて管理する
システム運用管理に役立つツールの選び方
システム運用管理を効率化する統合運用管理ツールは複数あり、それぞれに特徴があります。そこで、ツールを適切に選ぶためのポイントをご紹介します。
導入形態と機能面で自社に合うかどうか
自社システムと相性が良く、求める機能を備えている統合運用管理ツールを選ぶことは当たり前ですが、製品ごとの特徴を見る前に、あらかじめ自社の抱える課題や要件を洗い出しておくことが重要です。
また、ツールにはオンプレミス型・クラウド型があります。ツールの導入からメンテナンスまでを含めすべて自社の責任で行うオンプレミス型が適しているのか、あるいはサービスの月額費用を支払いつつ、提供事業者の管理下で最新機能を利用できるクラウド型かという点も検討します。
課題やニーズが部分的なら特化型ツールも選択肢に
システム運用管理の自動化には統合運用管理ツールが便利ですが、例えば運用管理の大部分はすでに効率化され、パフォーマンス管理やセキュリティ管理など一部業務を自動化したい場合は、特化型ツールのほうが適していることもあります。
そのようなケースでは、統合型だけに注目せず特化型にも視野を広げながら、自社にとって最適なツールやサービスを活用しましょう。
ツールだけでなく、マネジメントサービスもおすすめ
システム運用管理では、ツールの導入に限らず、プロに業務委託することで解決する方法もあります。
システム運用管理を行う情シスの負担をできる限り減らして業務の効率を上げたい、そもそも情シス担当者がいないといった場合にも役立ちます。業務を委託し、外部のITエンジニアに業務を補ってもらうことで、自社の本来の業務に集中できるでしょう。
システム運用管理の問題解決には、こうした業務委託サービスの利用も視野に入れ、ツールとサービス両方の側面から自社に合う手段を探すこともポイントです。
そこで、システム運用管理の委託サービスを提供しているテクバンのサービスをいくつかご紹介いたします。
「IT資産管理ソリューション」では、IT資産管理の一元化に加えて、セキュリティやコンプライアンス対策、運用支援なども行っています。
IT資産の状況がひと目でわかるダッシュボードを備えたツールや、様々な機能をもつオールインワンツールなど、各種ツールを組み合わせてIT資産の適正化と運用を効率よく進めます。
お客様の環境やご要望をお伺いした上で、プロの視点から最適なソリューションをご提案いたします。
テクバンのIT資産管理ソリューション
デバイス管理ツール
テクバンでは、社内外のモバイル端末やアプリを統合的に管理できる「Workspace ONE導入支援サービス」をご提供しております。
セキュリティリスクの軽減に役立つほか、デバイスのアクセス制限やアプリ間のデータ連携の制御など、セキュリティ対策に優れていることも特徴です。
また、WorkspaceはSSO(シングルサインオン)機能を備えているため、アクセス時に毎回ログインしなくてもいい利点もあります。
テクバンのWorkspace ONE 導入支援サービス
システム運用マネジメント
テクバンの「システム運用マネジメント」は、24時間365日、ITエンジニアによるサポートが受けられるサービスです。
専門スタッフがサーバーやネットワークをリモート監視するため、情シスが抱える問題が多過ぎる場合や、情シス担当がいない場合などに役立ちます。
オプションメニューの用意もあり、ニーズに合わせたサービスの提供が可能です。まずはお気軽にご相談ください。
テクバンのシステム運用マネジメント
システム運用管理の悩みは、関連ツールやサービスで解決しよう
システム運用管理の業務や課題とともに、システム運用管理をサポートする統合運用管理ツールや業務委託サービスについて、解説しました。システム運用管理を効率的に行うことができるツールやサービスは多く、選択肢は多彩です。ソリューションを選ぶポイントについても、こちらで紹介した内容を参考に、検討してみてはいかがでしょうか。
システム運用管理を効率化する方法を取り入れ、さらに組織全体の業務のスリム化も実現していきましょう。