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2023.11.17

クラウド運用管理の3つのメリットや課題、対策方法をまとめて解説

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目次

クラウドの運用管理をするときに、どのように管理をするべきか悩む担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、クラウド運用管理のメリットやデメリット、課題をまとめて解説しています。適切なクラウドの運用管理を目指すときに知っておきたいポイントですので、ぜひお役立てください。

トラブルは最小限に! サーバー、ネットワーク 管理を最適化するポイント

クラウド運用管理とは

クラウド運用管理とは、インターネットなどのネットワークを通じて外部サービスを利用し社内システムを運用管理することです。クラウドサービスには様々な種類がありますが、下記のようなサービスが主流です。

  • 社内で活用できるソフトウェアの提供
  • 開発環境のプラットフォームの提供
  • サーバーの提供
  • 保守管理サービスの提供

例えば、クラウドサービスを利用すると自社でハードウェアやソフトウェアを購入しなくても、Webサイトやメールサーバーの運用管理が実現します。

クラウド運用管理の種類

クラウド運用管理には、パブリッククラウドとプライベートクラウドの2つの方法があります。

種類 概要 メリット・デメリット
パブリッククラウド 個人・企業問わず不特定多数でサービスを共同利用する
  • プライベートクラウドよりも安価で導入しやすい
  • サービスの利用開始や停止が柔軟にできる
  • プライベートクラウドと比較すると自由度が低い
プライベートクラウド
(ホステッド型)
契約している企業専用でクラウドサービスを利用する
  • カスタマイズ性が高い
  • 企業内のみで使用するためセキュリティを高められる
  • 導入までに時間とコストがかかる

パブリッククラウドは、ひとつのサービスを複数人で共同利用するタイプです。導入ハードルが低く、手軽に利用できることが特長です。

プライベートクラウドは、クラウド上に独自環境を構築し自社のみで占有できるタイプです。自社の目的に応じて柔軟にカスタマイズしたい場合やセキュリティを高めたい場合に向いています。

また、ハイブリッドクラウドで運用管理することも可能です。ハイブリッドクラウドとはパブリッククラウドとプライベートクラウド、オンプレミス環境を組み合わせて互いのメリットを生かしながら運用管理する方法を指します。

ハイブリッドクラウドならプライベートクラウドとパブリッククラウドのどちらかに絞る必要がなく、運用管理のしやすいサービスを取捨選択できるメリットがあります。

システム運用管理に関する詳しい記事もご用意しております。
▼システム運用管理とは? 安定稼働を実現するための方法を解説

クラウド運用管理のメリット

ここからは、クラウド運用管理のメリットをご紹介します。

リモートワークを始め多様な環境に対応できる

クラウドは、社員の多様な働き方に対応しながら運用管理ができます。

オンプレミスの場合は設備を自社で保有しているため、社外からのアクセスや運用管理が難しい側面がありました。
オンプレミス環境で管理している情報をUSBメモリや紙面で持ち出しすると、紛失や置き忘れなど情報漏えいにつながるリスクもあります。

一方のクラウドは、アクセス権限とインターネット環境さえあれば、セキュリティを担保しながら必要な情報にアクセスできます。リモートワークや出張など社員の利用環境に左右されない運用管理が可能です。

物理的なIT資産を管理する必要がない

クラウドはサービス提供業者が保守点検を行うため、運用管理の負担を軽減できます。一方、オンプレミスの場合は自社でサーバーやソフトウェアなどを保有し運用しているので、下記のようなIT資産管理を行わなければなりません。

  • セキュリティ対策
  • ソフトウェアのアップデート
  • ネットワーク利用の監視
  • ライセンスの管理や更新

これに加えて、ハードウェアやサーバーなどにトラブルが発生したときには、その都度対応や修理を行う必要があります。

比較してクラウドは、先ほども触れたようにサービス提供業者が保守点検を行います。トラブルが発生した場合も自社で復旧作業を行う必要はありません。クラウドは運用管理の手間を大幅に削減でき、長期的な管理がしやすいところもメリットだといえるでしょう。

初期費用を抑えられる

クラウドは機材購入や環境構築の必要がなく、導入時の費用や管理負担を軽減できます。

オンプレミス環境の場合は自社の課題や目的に応じたハードウェアやソフトウェアを購入し、構築しなければなりません。初期費用として設備購入費と人件費などがかかるので、導入のハードルが高くなる傾向があります。

この点、クラウドは導入時の負担を軽減しながら、短期間で導入することが可能です。

  • パブリッククラウドの場合:オンライン経由で即時導入ができる
  • プライベートクラウドの場合:機器購入が不要で短期間で導入できる

特にパブリッククラウドの場合は、必要なサービスを選択し契約すれば即時導入できます。初期費用が無料であることも多いため、導入ハードルが低いのです。

クラウド活用のメリットは下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
▼クラウド活用のメリットとは? DX化を推進するコツも紹介

クラウド運用の費用面については下記の記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
▼クラウド運用の費用はどのくらい? オンプレミスとの比較、クラウドサービス同士の比較も

クラウド運用管理のデメリット

続いて、クラウド運用管理のデメリットをご紹介します。事前にどのような点に注意して導入するべきか理解できるはずです。

機能やセキュリティが提供サービスに依存する

クラウドは基本的に提供サービスのセキュリティや機能に依存するため、運用管理側でコントロールできない部分があります。

例えば、クラウド運用開始後に欲しい機能があっても、提供サービスになければ、追加は難しくでしょう。また、提供サービスに不具合やトラブルが発生しても、運用管理側で修正できません。復旧するまで待つしかなく、一時的にシステムが利用できず業務に支障をきたすリスクがあります。

クラウドを運用管理する場合、自社でコントロールできない部分があることを理解し、信頼できるサービスを選択することが大切です。

クラウドとオンプレミスのセキュリティ対策の違いは下記でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
▼オンプレミスとクラウドのセキュリティ対策を比較! メリットや違いを解説

インターネット環境が必要となる

クラウドは利用条件として、基本的にインターネット環境が必要です。リモートワークや外出先からもクラウドにアクセスはできますが、安定してインターネットに接続できる環境でなければなりません。

また、インターネットを経由することで機密情報への不正アクセスやウイルス感染のリスクがあることも理解すべきです。実際にオープンネットワークやルーター経由で、ウイルス感染や不正アクセスが発生している事例もあります。クラウドを利用するときには、セキュリティ対策を強化することも欠かせないでしょう。

クラウド運用管理の課題と解決策

クラウド運用管理では、セキュリティや運用方法などに課題を感じることがあります。ここでは、クラウド運用管理で起こりやすい課題と解決策をまとめてご紹介します。

セキュリティリスクがある

クラウドは提供サービスのセキュリティレベルに依存するため、自社のセキュリティ要件やコンプライアンスに応じ、柔軟にカスタマイズすることが難しくなります
また、アクセス権限とインターネット環境さえあればどこからでもアクセスできるため、情報の持ち出しや不正アクセスのリスクが高くなることが課題です。
クラウドの特徴を理解して、下記のようなセキュリティ対策を検討しましょう。

  • クラウドサービスのセキュリティレベルやインシデント時の対応を確認する
  • クラウドの利用権限やアクセス権を設定する
  • クラウドの利用ルールを明確にする
  • 二要素認証を導入する
  • データのバックアップを行う
  • 監視システムなどセキュリティを強化するシステムを導入する

特に、クラウドサービスを選択するときにはセキュリティレベルを把握し、自社の基準を満たしているか確認しておきましょう。

カスタマイズ性が低い

クラウドはオンプレミスと比較すると、カスタマイズ性が低いという課題があります。クラウドの機能は提供サービスに依存するため、自由にカスタマイズし機能をアップデートできないからです。この課題をカバーする方法としては、次を検討すると良いでしょう。

  • 自社の目的に応じたクラウドを選定する
  • ハイブリッドクラウドを選択する

まずは、ノンカスタマイズで使える自社に合うクラウドを検討することです。社内の要件を整理し、カスタマイズしなくても使えるクラウドを選定します。
クラウドだけでは機能を備えることが難しい場合は、ハイブリッドクラウドを検討するといいでしょう。ハイブリッドクラウドはオンプレミスとクラウドを組み合わせることで、カスタマイズができないデメリットをカバーできるからです。

運用負荷が大きい

クラウドサービスを複数利用すると、運用管理の負荷が増えるケースがあります。サービスにより設定や管理方法などが異なるため、利用サービスが増えれば増えるほど運用工程が煩雑になります。

この課題を解決するにはクラウド監視ツールを使い、クラウドの運用や管理をある程度、自動化するといいでしょう。

運用負荷を軽減するクラウド監視については下記の記事で解説しています。
▼クラウド監視とは? 運用負荷を軽減させるポイントを解説

社内でのルールの策定が必要

クラウドを安全に運用管理するには、社内ルールの策定が必要です。とはいえ、ルールの策定にはノウハウが必要となるため、なかなか進まないという状況に陥る場合もあるでしょう。ルールの策定が遅れると運用管理が難しくなる場合もあります。できるだけ早く定めることが大切です。
クラウドの利用ルール策定には、下記の点を明確にしてください。

  • アクセス権限や利用環境
  • パスワード設定(定期的に変更する・2段階認証にするなど)
  • 情報の管理方法(外部には持ち出ししないなど)
  • トラブルが発生したときの対処法

ルールが策定できたら、社員に浸透するよう教育を行うことも欠かせません。社員全員がルールに従って利用できるようになれば、運用管理がしやすくなるのです。

想定以上にコストがかかる

クラウドは、従量課金制が一般的です。サービス単体で見ると導入コストやランニングコストを抑えられますが、下記のケースでは予想以上にコストがかかることもあります。

  • 複数のクラウドサービスを継続的に利用する
  • オンプレミスからクラウドに移行する

コストがかさむと運用管理しにくい状況になるため、クラウド導入時にはランニングコストを見据えて取捨選択することが重要です。

クラウドインフラの導入はプロに相談

テクバンは、企業の課題やお悩みに応じたITインフラの提案・構築から運用まで、ご支援しております。

  • 自社に合うクラウドサービスがわからない
  • クラウドの運用管理が煩雑になっている

上記のようなクラウド運用管理をする際に課題を抱える組織は多く、お客様のITインフラの状況を把握・分析したうえで、最適なプランをご提案しています。
導入支援だけでなく、運用支援まで一貫して行っており、導入後の不安も払しょくいたします。詳しいサービス内容は下記でまとめています。ぜひ一度ご相談してはいかがでしょうか。
ITインフラ構築/運用支援
オンプレミスサーバー構築支援サービス

クラウド運用管理は最適化がポイント

クラウド運用管理はメリットとデメリットを理解し、自社の目的や用途に応じて最適化することがポイントです。
特にクラウドはサービスの選択やセキュリティ、運用方法で課題を抱えやすいため、今回ご紹介した解決策を念頭に置いて検討するといいでしょう。

テクバンでは最適なインフラプランの提案から運用管理までを一貫して行っていますので、お気軽にご相談ください。

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