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2023.01.31

情シス代行でIT課題を解決! サービス内容、メリット、選定ポイントを徹底解説

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企業の情報システム(以下、情シス)部門は、業務範囲の拡大、リソース不足、専門知識を持つ人材の確保が難しいといった共通の悩みを抱えています。
これらのIT課題を解決し、企業の競争力向上に貢献するのが「情シス代行サービス」です。
本記事では、情シス代行の具体的なサービス内容から、導入によって得られるメリット、そして自社に最適なベンダーを選定するための重要ポイントまでを徹底解説します。
情シス代行の活用は、コア業務への集中を促し、高品質なIT環境と強固なセキュリティ体制を実現することで、運用コストの最適化と効率化をもたらし、企業の持続的な成長を力強く支援するでしょう。

情シスの業務効率を改善! 社内SEのアウトソースで 選定の注意点とは?

情シス部門が抱える共通の悩み

現代の企業活動において、情報システム(情シス)部門はITインフラの維持管理からDX推進まで、多岐にわたる重要な役割を担っています。しかし、その重要性が増す一方で、多くの情シス部門が共通の悩みを抱えているのが実情です。

情シス部門が抱える課題は多岐にわたりますが、一言でいえば、多すぎるビジネスニーズに対して、不十分なリソースでしか持たせてもらえない部門といえるでしょう。
そこで、情シス業務代行サービスについて解説する前に、改めて情シス部門の現状と抱える課題について深く考えてみましょう。

業務範囲の拡大とリソース不足

情シス部門はITやシステムに関連するすべての業務を請け負うため、その業務範囲は広すぎるといえるでしょう。IT技術の急速な進化とビジネスの多様化に伴い、情シス部門の業務範囲は年々拡大の一途を辿っています。
例えば、ITシステムや機器に障害が発生すれば緊急対応を求められ、3~4月には社員の異動や入社が増えるため、PCキッティングやアカウント登録・削除作業は膨大になります。また、定常業務の上にシステム改修や調達、急を要するセキュリティ対策などが積み重なる場合も多く、常に業務負荷が高い状態が続いています。
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このような広範な業務を限られた人員でこなさなければならないため、慢性的なリソース不足に陥りやすいことが情シス部門の大きな課題です。IT市場の成長と人材供給のギャップが深刻化。新しい技術の導入や既存システムの最適化といった戦略的な業務に時間を割くことができず、結果として企業の競争力強化に貢献しきれない状況が生まれています。

日常業務に忙殺される現状

情シス部門は社内ヘルプデスクやセキュリティ対策など、常に対応しなければならない役割を担い、重要な課題に対峙しています。機密情報の保護、データ侵害の予防、及びセキュリティ対策の実施と更新は、情シス部門にとって重要な責任です。
しかし、直接は事業利益につながらないノンコア業務が多いことから、非収益部門と見なされるケースもあり、情シス部門にとって非常に悩ましい課題となっています。

重要度の高いITシステム企画やDX推進といったコア業務に取り組みたいと考えているにもかかわらず、社内から寄せられるIT関連の問い合わせや、PCキッティング、インフラ運用・保守といったノンコア業務に時間を侵食され、結果として生産性が低いと見られる悪循環に陥りがちです。ある意味、“シャドーワーク”化しているともいえるでしょう。これにより、本来注力すべき企業の成長戦略に関わる業務への着手が遅れ、IT投資の効果を最大化できないという問題も生じています。

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業務範囲が広すぎる情シス部門

専門知識を持つ人材の確保難

情シス部門で人材不足が常態化している組織は多いといわれています。
経済産業省の予測によると、2030年には最大約79万人ものIT人材が不足するとされており、ガートナージャパンの2024年の調査でも、日本企業のIT人材に関する課題で「質的な人材不足」が最多の31.9%を占めています。
もともと世の中にIT人材が少ないところに、先ほど紹介した対応範囲の広さから業務過多となり、成長の実感が持てず、仕事で実現したい夢も霧散してしまうでしょう。このように貴重なIT人材が疲弊して辞めていくという、負のスパイラルが続いているのです。

特に、クラウド技術、データサイエンス、AI、最新のサイバーセキュリティといった分野では、高度な専門知識と経験を持つ人材が不足しており、採用競争は激化しています。また、既存の情シス担当者も、日々の運用業務に追われる中で新しい技術や知識を習得する機会が限られ、スキルの陳腐化に直面するリスクも抱えています。
そのため、社内でのIT人材育成も難しく、専門知識を持つ人材の確保は企業にとって喫緊の課題です。多くの企業が採用活動の難しさから、IT人材の「社内育成」に力を入れ始めていますが、これもまた時間とコストを要する大きな課題です。

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情シス代行サービスで解決できること

情報システム(情シス)部門が抱える多岐にわたる課題は、多くの企業にとって深刻な問題です。業務範囲の拡大、リソース不足、専門知識を持つ人材の確保難といった悩みは、日々の業務に忙殺され、本来注力すべきコア業務への集中を妨げています。
このような状況を打開し、企業のIT環境を最適化するために有効なのが、情シス代行サービスの活用です。

情シス代行サービスは、企業のIT部門が直面する様々な課題に対し、外部の専門家が業務の一部または全体を代行することで、効率的かつ高品質なIT運用を実現します。これにより、社内情シス部門は戦略的な業務に集中できるようになり、企業全体の生産性向上と競争力強化に貢献します。

このサービスは情シス業務の一部を代行するもので、主に以下の代行サービスがあります。

  • 社内ITヘルプデスク代行
  • システム構築業務代行
  • 保守運用業務代行

活用するなら、どの代行サービスが自社にマッチするかを検討できるよう、それぞれ詳しく解説します。

情シス代行の役割と提供範囲

情シス代行サービスは、企業のIT環境を支える多種多様な業務を外部の専門ベンダーが引き受けることで、社内情シス部門の負担を軽減し、ITインフラの安定稼働と最適化を支援する役割を担います。その提供範囲は非常に幅広く、企業のニーズや課題に応じて柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。

具体的には、日常的なヘルプデスク対応から、サーバーやネットワークといったITインフラの構築・運用・保守、PCやスマートデバイスの管理、そして企業の根幹を支えるセキュリティ対策まで、ITに関するあらゆる業務をカバーすることが可能です。ベンダーは専門知識と豊富な経験を持つプロフェッショナル集団であり、最新の技術動向やセキュリティ脅威にも迅速に対応できるため、社内リソースだけでは難しい高度なIT運用を実現します。

また、情シス代行は、単に業務を肩代わりするだけでなく、IT戦略の立案支援や既存システムの改善提案など、より戦略的な側面でのサポートも提供することがあります。これにより、企業はIT投資の最適化を図り、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた基盤を強化することができます。

代表的な代行サービス例

情シス代行サービスには様々な種類があり、企業の具体的な課題やニーズに合わせて選択することが重要です。ここでは、特に需要の高い代表的な代行サービスをいくつかご紹介します。

ヘルプデスク代行

情シス部門が担っていた社内ITヘルプデスクの業務を代行するサービスです。従業員が業務用で使うPCやスマートフォン、タブレットなどのデバイス、そしてソフトウェアやシステムの操作方法、発生した問題についての問い合わせに対応します。リモートワーク環境でのPCトラブルに対しては、遠隔操作で問題解決に取り組むことも可能です。

ヘルプデスク代行を活用することで、社内情シス部門は日常的な問い合わせ対応から解放され、より専門性の高い業務や戦略的なプロジェクトに集中できます。また、専門のベンダーは多言語対応や24時間365日対応など、企業のグローバル展開や多様な働き方にも柔軟に対応できる体制を構築している場合が多く、従業員のIT利用における満足度向上にも貢献します。

テクバンでは、社内ヘルプデスクやIT資産管理といったノンコア業務を代行する「TECHVAN Support Center」サービスを提供しております。実績とノウハウが豊富のため、安心してお任せください。
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インフラ運用・保守代行

ビジネスに欠かせないITインフラの構築から運用、保守までを一貫して代行するサービスです。サーバー、ネットワーク機器、ストレージ、クラウド環境など、企業活動の基盤となるITインフラ全般を対象とします。ITインフラの構築には高度な経験や知識、リソースが必要なため、情シスの中でも専門性の高い業務といえるでしょう。

代行サービスでは、インフラの設計・構築だけでなく、日々の稼働監視、障害発生時の迅速な復旧対応、定期的なバックアップ、OSやソフトウェアのパッチ適用、リソース最適化などの運用業務も含まれます。これにより、システムの安定稼働を維持し、予期せぬトラブルによるビジネスへの影響を最小限に抑えることが可能になります。また、最新情報を取り入れながら検討し提案してもらえるため、組織にとって最適なITインフラ構築がなされます。

テクバンでは経験豊富なITエンジニアが、お客様のサーバーとネットワークを年中無休で監視する「システム運用マネジメント」サービスを提供しております。お客様のシステム環境に合わせた、最適な保守運用・監視プランをご提案いたしますので、コスト面での最適化を図ります。あらゆるトラブルの芽を摘み、システムの安定稼働を守るテクバンの保守運用・監視サービスに、安心してお任せください。
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PC・デバイス管理代行

企業内で使用されるPCやタブレット、スマートフォンなどのデバイスに関する一連の管理業務を代行するサービスです。具体的には、新規導入時のPCキッティング(初期設定)、既存デバイスのソフトウェアインストールやアップデート、資産管理、故障時の修理手配や交換、そしてリース期間満了時のデータ消去・廃棄処理などが含まれます。

このサービスを活用することで、情シス部門は膨大な数のデバイス管理業務から解放され、より戦略的なIT活用に時間を割くことができます。
また、専門ベンダーは効率的なキッティング手法や資産管理ツールを導入しているため、作業品質の向上とコスト削減にもつながります。モバイルデバイス管理(MDM)ソリューションの導入支援や運用代行も行い、セキュリティリスクの低減にも貢献します。

テクバンの「LCMサービス」では、キッティング代行・レンタルPC・ユーザーサポート・資産管理・動作検証対応など、多岐にわたり、IT資産管理を支援いたします。
お客様のIT資産を一元管理することで情シス部門の業務負担を軽減し、PCやスマホの運用を適切に管理することで、セキュリティの向上を図ります。
また、代行サービスではなく、組織内でIT資産管理を効率化したいとお考えの場合、IT資産管理ツール導入もご提案いたします。
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セキュリティ運用代行

企業のIT環境をサイバー攻撃の脅威から守るためのセキュリティ対策の運用業務を代行するサービスです。情報漏洩やシステム停止などの重大なリスクを回避するために、専門的な知識と継続的な監視が不可欠なセキュリティ分野は、多くの企業にとって大きな課題となっています。

セキュリティ運用代行では、ファイアウォールやIDS/IPS(不正侵入検知・防御システム)の監視・設定、アンチウイルスソフトウェアの管理、脆弱性診断の実施、セキュリティパッチの適用、そして万が一のインシデント発生時の初動対応や原因究明、復旧支援など、多角的な視点から企業のセキュリティ体制を強化します。常に進化するサイバー攻撃の手法に対応するためには、最新の脅威情報に基づいた専門家の知見が不可欠であり、このサービスはそのニーズに応えるものです。

これにより、企業は専門性の高いセキュリティ人材を自社で抱えることなく、高度なセキュリティ運用を実現し、コンプライアンス要件への対応も強化できます。情報セキュリティに関する懸念を軽減し、安心して事業活動に集中できる環境を構築します。
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情シス代行導入による企業へのインパクト

情シス代行サービスは、単にIT業務を外部に委託するだけでなく、企業全体に多岐にわたるポジティブな影響をもたらします。そして、ビジネスの競争力強化、持続的な成長、そして安定した経営基盤の構築に貢献します。

情シス業務代行サービスの利用で業務の効率化が進み、コストを抑えられる

コア業務への集中で企業価値向上

情報システム部門が日々の煩雑なノンコア業務から解放されることで、本来注力すべきIT戦略の立案やDX推進といったコア業務に集中できるようになります。
IT人材が戦略的なプロジェクトに時間を割けるようになれば、新たな技術導入やシステム改善が加速し、企業の競争優位性を確立することが可能です。そして、製品やサービスの品質向上、顧客満足度の高まり、さらには市場におけるブランド価値向上へと直結し、結果として企業全体の価値向上に大きく貢献します。
情シス部門がコストセンターから、事業成長を牽引する戦略的な推進役へと進化する重要な機会となるでしょう。

専門家による高品質なIT環境の実現

情シス代行サービスを利用することで、企業はIT分野の専門知識と豊富な経験を持つプロフェッショナルによる高品質なIT環境を手に入れることができます。外部の専門家は、最新のITトレンドやセキュリティ動向に常に精通しており、自社だけでは対応が難しい高度な技術要件や複雑なシステム運用にも柔軟に対応します。
このため、システム障害のリスクが低減され、安定稼働が実現するだけでなく、従業員は快適で効率的なIT環境で業務に取り組むことが可能になります。
また、不明点があればすぐに専門家に相談できる体制が整うことで、社内IT担当者の安心感にもつながります。

運用コストの最適化と効率化

情シス代行サービスの導入は、IT運用におけるコスト構造を大きく変革します。専任のIT担当者を雇用する場合に発生する採用コスト、教育費用、人件費、福利厚生費といった固定費を削減し、必要なときに必要な範囲で外部リソースを活用する変動費型へと移行できるため、コストの最適化が図れます。
特に、繁忙期や特定のプロジェクト期間だけリソースを増強できる柔軟性は、無駄な投資を抑え、予算を効率的に配分する上で非常に有効です。
また、プロによる効率的な業務遂行は、長期的に見て運用コストの削減と業務全体の効率化をもたらします。

社内IT人材のモチベーション向上と定着

情シス部門がノンコア業務に忙殺される現状は、IT人材のモチベーション低下や離職につながる大きな要因です。情シス代行によってこれらの業務が外部に委託されることで、社内IT人材は本来の専門性を活かしたコア業務に集中できるようになり、仕事へのやりがいや達成感を高めることができます
このため、キャリアパスが明確になり、成長を実感できる環境が整備されるため、IT人材の定着率向上に貢献します。採用コストの削減だけでなく、社内に貴重なITノウハウが蓄積されやすくなるという、人的資本経営における重要なインパクトをもたらします。

社内のIT人材の定着につながる情シス業務代行

強固なセキュリティ体制の構築

サイバー攻撃の高度化・巧妙化が進む現代において、情報セキュリティ対策は企業の存続に関わる喫緊の課題です。情シス代行サービスは、専門家による最新かつ堅牢なセキュリティ体制の構築と運用を可能にします
セキュリティポリシーの策定から、不正アクセス防止、データ暗号化、ウイルス対策ソフトの導入、24時間365日の監視体制、そしてインシデント発生時の迅速な対応まで、多角的なアプローチで企業のIT資産を保護します。
そして、情報漏洩やシステム停止のリスクを最小限に抑え、企業の信頼性とブランドイメージを守る上で不可欠な基盤を確立します。

情シス代行を選ぶ際の重要ポイント

情シス代行サービスの導入は、企業のIT環境や業務効率に大きな影響を与えるため、慎重な選定が不可欠です。適切なベンダーを選ぶことで、IT課題の解決だけでなく、企業価値の向上にもつながります。ここでは、情シス代行サービスを選定する際に特に注目すべき重要ポイントを詳しく解説します。

自社の課題と依頼範囲の明確化

情シス代行サービスを選定する上で、まず最も重要となるのが、自社が抱えるIT課題を明確にし、どの業務をどこまで外部に委託したいのかを具体的に定義することです。代行企業によって得意な領域や提供範囲、サービススタイルは大きく異なるため、単に比較表を見るだけでは自社に最適なベンダーを見極めることはできません。

例えば、社内ヘルプデスクの負担軽減が目的であれば問い合わせ対応に強みを持つ企業を、セキュリティ体制の強化を目指すのであればセキュリティ専門性の高い企業を選ぶべきでしょう。 既存の情シス業務を洗い出し、ノンコア業務とコア業務を明確に区分けすることで、委託すべき範囲を具体化できます。この際、「キッティングだけを依頼したい」「特定のシステム運用のみを任せたい」といったピンポイントなニーズから、「IT戦略の立案から運用まで包括的にサポートしてほしい」といった広範な要望まで、詳細に言語化することが求められます。

また、依頼範囲を明確にすることは、導入後のトラブル防止やサービス品質の維持にも直結します。事前に代行サービス事業者と書面を交わし、具体的なタスクや対応してほしい点を細かく確認し合うことで、「依頼内容に沿ったものと思っていた業務が、イレギュラー対応として追加料金の対象となった」といった認識の齟齬を防ぐことができます。

しかし、多くの組織が課題の洗い出しや業務の切り分けに苦労し、アウトソーシングまでに時間がかかる、または成果が出にくいという悩みを抱えていると聞きます。

テクバンでは、こうしたお客様をサポートする「Techvan Management Center」サービスを提供しています。
このサービスでは、豊富な経験を持つスタッフが業務全体を整理し、迅速に課題を特定して、アウトソーシングで効果を出すための具体的な改善策を提案いたします。これにより、コスト効率を高め、トータルな業務最適化を実現します。
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提供ベンダーの実績と専門性

情シス代行サービスを選定する際には、提供ベンダーの実績と専門性を多角的に評価することが不可欠です。IT業務は専門性が高く、企業の基盤を支える重要な役割を担うため、信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵となります。

具体的には、まずベンダーの「導入実績」や「成功事例」を確認しましょう。 自社と同業種や同規模の企業での導入実績があるか、また、どのような課題を解決し、どのような成果を出したのかを把握することで、自社のニーズに合致するサービスを提供できるかを判断できます。

次に、ベンダーが保有する「専門資格」や「技術者の経験」も重要な評価ポイントです。 経験豊富なITエンジニアやITコンサルタントが在籍しているか、最新のIT技術や情報セキュリティに関する知見を持っているかを確認することで、高品質なサービスと適切な提案を期待できます。 ベンダーが単なる「代行業」に留まらず、豊富な実績に基づく知見を活かして課題解決や改善提案を行う「コンサルティング」にも対応しているかも確認すべき点です。

さらに、サービス提供の柔軟性も重要です。一律のパッケージサービスだけでなく、業種や企業規模に応じて柔軟に対応し、不必要な業務をカットして依頼できるかといった点もチェックすることで、導入後のミスマッチを防ぎ、現場で真に機能するパートナーを見つけることができます。
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セキュリティ対策と情報管理体制

情シス代行サービスは企業の機密情報や個人情報を取り扱うため、ベンダーのセキュリティ対策と情報管理体制は最優先で確認すべき重要項目です。情報漏えいなどのセキュリティインシデントは、企業の信頼失墜や事業継続に深刻な影響を与える可能性があります。

まず、ベンダーが「ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)」や「Pマーク(プライバシーマーク)」などの第三者認証を取得しているかを確認しましょう。これらの認証は、情報セキュリティ対策が一定の基準を満たしていることを示す客観的な指標となります。

次に、具体的なセキュリティ対策の内容として、データ管理やバックアップ体制、情報取り扱いポリシーが明確に定められているかをチェックします。 特に、リモートワークの普及により社外からのアクセスが増加している現状では、IT管理の重要性が増しており、ベンダーがこれに対応できる強固なセキュリティ体制を構築しているかが問われます。

また、万が一トラブルやセキュリティインシデントが発生した場合の「対応策」についても、事前にベンダーと詳細に認識合わせを行い、これを明確に文書化しておくことが不可欠です。 どのような状況で、誰が、どのように対応するのか、連絡体制や復旧までのプロセスなどを具体的に取り決めることで、緊急時にも迅速かつ適切な対応が可能になります。 ベンダーがセキュリティポリシーの策定からインシデント対応まで、体系的なリスク管理を支援できるかどうかも重要な判断基準となります。

サービスレベル契約(SLA)の確認

情シス代行サービスを導入する際には、サービスレベル契約(SLA:Service Level Agreement)の内容を詳細に確認し、双方で合意することが極めて重要です。SLAは、サービス提供者と利用者(委託者)の間で、提供されるサービスの品質水準や責任範囲、運用ルールを明確に定めたものです。

SLAには、具体的にどのような項目が盛り込まれているかを確認しましょう。例えば、「対応時間(受付時間、解決までの目標時間)」「システムの可用性(稼働率)」「障害発生時の初動対応時間」「復旧目標時間」「データバックアップの頻度と保存期間」「ヘルプデスクの応答時間や一次回答率」など、客観的かつ定量的な指標が明確に定められていることが望ましいです。

SLAを締結することで、提供されるサービスの品質が曖昧にならず、常に定義通りの品質が確保できているかを検証する基準となります。 また、サービスレベルが高ければ高いほど、それに伴いコストも高くなる傾向があるため、自社の業務への影響度を考慮し、優先順位を見極めた上で、必要なサービスレベルとコストのバランスが取れているかを慎重に検討することが重要です。

さらに、契約期間や解約条件、料金改定の可能性、そしてSLA自体の「変更手順」についても、事前に確認しておくことで、長期的なパートナーシップを円滑に進めることができます。

費用体系と見積もりの比較

情シス代行サービスを選ぶ上で、費用体系と見積もりの比較は、コストパフォーマンスを最大化するために欠かせないプロセスです。単に料金の安さだけで選ぶのではなく、提供されるサービス内容やサポート体制とのバランスを総合的に評価する必要があります。

まず、ベンダーが採用している「料金体系」を理解することが重要です。一般的には、月額固定制と従量課金制の2種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。 月額固定制は予算が立てやすい一方で、従量課金制は利用した分だけ支払うため、変動の大きい業務に適しています。自社の利用状況や予算に合わせて、最適な料金体系を選ぶことが求められます。

次に、「業務の範囲」「契約期間やスポット依頼の有無」「専門的なシステム開発やサーバー保守のレベル」など、料金に影響を与える要素を確認しましょう。 高度な専門知識を要する業務や、24時間365日の監視体制などは、一般的に費用が高くなる傾向があります。また、複数の業務をまとめて「情シス代行パック」として依頼することで、個別に依頼するよりも費用を抑えられるケースもあります。

最適なサービスを見つけるためには、複数のベンダーから「相見積もり」を取得し、サービス内容と費用を詳細に比較検討することが不可欠です。 見積もり内容に何が含まれ、何が追加料金の対象となるのかを明確にし、不明な点は積極的に質問して解消しておくことで、導入後の予期せぬ費用発生を防ぐことができます。 コスト削減だけでなく、安定したシステム環境整備による生産性向上や、専門人材の採用・育成コストとの比較も考慮に入れ、費用対効果を総合的に判断しましょう。

導入後のサポート体制

情シス代行サービスは導入して終わりではありません。導入後の継続的なサポート体制が充実しているかは、長期的なIT環境の安定稼働と業務効率化において非常に重要なポイントです。

まず、ベンダーの「提供スタイル」を確認しましょう。リモート対応がメインなのか、必要に応じてオンサイト(訪問)サポートが含まれるのか、あるいは常駐型で手厚いサポートを受けられるのかなど、自社のニーズに合った提供形態を選ぶことが重要です。 特に、基幹システムなど迅速な対応が求められる業務を委託する場合は、常駐型や緊急時の訪問対応が可能かを確認しておくべきです。

次に、「レスポンス速度」や「コミュニケーションチャネル」も重要な要素です。問題発生時に迅速に連絡が取れる窓口があるか、専任の担当者がつくのか、定期的な報告会や改善提案の機会があるかなどを確認しましょう。 継続的なフィードバックと改善対応を通じて、サービス品質の向上が図られるような体制が理想的です。

さらに、導入後のIT環境の変化や、新たなITツールの導入、セキュリティ対策の強化など、将来的なIT戦略を見据えたサポートを提供してくれるかも確認すべき点です。
ベンダーが単なる運用代行に留まらず、ITコンサルティングや業務効率化の提案、社内IT人材の育成支援など、幅広いサポートを提供しているかを確認することで、企業の成長とともにIT環境を最適化していくことが可能になります。 計画段階から運用フェーズに至るまで、段階的に協働できる体制が整っているベンダーを選ぶことで、業務上の混乱を回避しつつスムーズな導入と継続的な効果を期待できるでしょう。

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情シス代行導入後の効果を最大化するために

情シス代行サービスは、導入するだけで終わるものではありません。その効果を最大限に引き出し、持続的な企業成長に繋げるためには、導入後の運用と改善が極めて重要です。ここでは、情シス代行の効果をさらに高めるための具体的なポイントを解説します。

定期的な効果測定と改善

情シス代行サービスの効果を最大化するには、定期的な効果測定と、それに基づく継続的な改善サイクルを確立することが不可欠です。サービスレベルアグリーメント(SLA)で合意した内容に加え、具体的なパフォーマンス指標(KPI)を設定し、その達成度を継続的に評価しましょう。例えば、ヘルプデスクの応答時間、問題解決率、システムの稼働率、従業員からの満足度、そして削減された運用コストなどを定量的に測定することが有効です。

測定結果は、ベンダーとの定期的なレビュー会議で共有し、課題や改善点を洗い出す重要な材料となります。これにより、サービスの品質維持・向上だけでなく、予期せぬトラブルの早期発見・解決にも繋がります。 効果測定の結果に基づき、ベンダーから業務フローの最適化や最新技術の導入に関する改善提案を積極的に受け入れ、実行に移すことで、情シス代行サービスは単なる業務委託に留まらず、継続的な業務効率化や生産性向上、IT環境の最適化に貢献します。

ベンダーとの密な連携

情シス代行サービスの成功は、ベンダーとの密な連携に大きく左右されます。定期的な報告会や情報共有はもちろんのこと、日々の業務におけるオープンで透明性の高いコミュニケーションが不可欠です。特に、突発的なシステムトラブルやセキュリティインシデントといった緊急時には、迅速かつ的確な連携体制を構築しておくことが、被害を最小限に抑える上で極めて重要となります。

ベンダーを単なる「外部委託先」としてではなく、自社のIT戦略を共に推進する「ビジネスパートナー」として位置づけ、長期的な信頼関係を築くことが成功の鍵です。 企業の経営目標やIT戦略をベンダーと共有し、情シス代行サービスがその目標達成にどのように貢献するかを明確にすることで、ベンダーはより戦略的な視点からサービスを提供できるようになります。 このようなベンダーマネジメントを契約管理、ベンダー関係管理、パフォーマンス管理の3つの視点から体系的に実施することで、ベンダーのパフォーマンスを安定させ、品質担保・改善を促すことが可能となります。
ベンダーについて、さらに詳しくはこちらの記事もご参照ください。
▼BPOベンダーとは? 基礎から活用事例、選定の注意点まで情報システム部門向けにわかりやすく解説

社内IT部門の役割再定義

情シス代行の導入は、社内IT部門にとって大きな変革の機会となります。ノンコア業務を外部に委託することで、社内IT部門はIT戦略の立案、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進、新規技術の調査・導入、そしてビジネス部門との連携強化といった、より付加価値の高いコア業務に注力できるようになります。

この新しい役割において特に重要となるのが、外部ベンダーを適切に管理する「ベンダーマネジメント」です。具体的には、ベンダーの選定、契約交渉、サービスレベルの監視、パフォーマンス評価、そして改善提案の受領と実行など、ベンダーとの連携を円滑に進めるための専門性が求められます。 繰り返し発生する定型業務から解放されることで、社内IT人材は新たなスキル習得や専門性の深化に時間を割けるようになり、キャリアパスの多様化とモチベーション向上に繋がります。

さらに、社内IT部門は、ITとビジネス部門の連携を強化し、事業部門のニーズをITに落とし込み、ITの視点からビジネス課題を解決する「ビジネスとITの架け橋」としての役割が期待されます。 これにより、企業全体のITリテラシー向上にも貢献し、ITを経営戦略の中心に据えた「攻めのIT」を実現するための重要な存在となるでしょう。

まとめ:情シス代行利用で業務の効率化を

情シス部門が抱える多岐にわたる課題は、専門知識を持つ人材の確保難やリソース不足により、企業の成長を阻害する要因となり得ます。情シス代行サービスは、これらの課題を解決し、コア業務への集中、高品質なIT環境の実現、運用コストの最適化、強固なセキュリティ体制の構築を可能にします。サービス選定においては、自社の課題明確化とベンダーの実績、セキュリティ対策、SLAなどを慎重に比較検討することが重要です。適切なパートナーを選び、密な連携を図ることで、情シス代行の効果を最大限に引き出し、企業のIT基盤を強化できます。
お悩みの際はテクバンまでお気軽にご相談ください。

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