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2023.02.28

ヘルプデスク業務効率化を進めよう!課題から具体的な改善方法をステップで徹底解説

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ヘルプデスクは企業の円滑な運営を支える重要な役割ですが、属人化や対応遅延、コア業務への集中阻害といった課題が、企業全体の生産性を低下させる原因となることも少なくありません。
本記事では、ヘルプデスクが直面する具体的な課題を深掘りし、ナレッジマネジメントの徹底、チャットボットやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による自動化、チケット管理システムの活用、アウトソーシングといった多角的な視点から、効率化を実現するための具体的な方法と、ステップを徹底解説します。
従業員満足度向上とIT部門の戦略的業務へのシフトを促進し、企業全体の生産性向上に貢献するヒントとなるはずです。ぜひ参考にしていただければと思います。

事例紹介!社内ITサポートを1日3時間削減し、IT人材の価値を最大化した秘訣とは?【マンダム様】

ヘルプデスクの役割と現状の課題とは

ヘルプデスクは、企業活動を円滑に進める上で不可欠な存在として、顧客や従業員からの様々な問い合わせに対応し、問題解決を支援する重要な役割を担っています。
しかし、その業務は多岐にわたり、多くの課題を抱えているのが現状です。
本章では、ヘルプデスクの基本的な役割と、特に社内ヘルプデスクが直面する具体的な課題について解説します。

ヘルプデスクの基本と社内外の種類

ヘルプデスクは、企業内外からの困りごとや要望に応えることで、製品・サービスの品質向上や従業員の生産性向上に貢献する、企業成長の鍵を握る重要な部署です。オペレーターといった従事者が電話、メール、チャットといった多様なチャネルを通じて、顧客や従業員の問い合わせに対応します。

ヘルプデスク業務には、製品やサービスに関する知識はもちろん、システムやIT機器に関する最新の専門知識が求められます。
また、質問の意図を正確に理解し、わかりやすく説明するコミュニケーション能力や、状況を把握して関連部門と連携する調整力、スケジュール管理力なども不可欠です。
これらの知識やスキルは経験を通じて習得されることが多く、優秀なヘルプデスク人材の育成には時間を要するといわれています。

ヘルプデスクは、その対応対象によって大きく2つの種類に分けられます。

1つは「社外ヘルプデスク」で、主に顧客からの自社製品やサービスに関する問い合わせ、要望、クレームなどに対応します。一般的に「カスタマーサポート」や「コールセンター」と呼ばれることもあり、顧客満足度を直接左右する重要な窓口です。

もう1つは「社内ヘルプデスク」です。これは、自社従業員からの社内システムやツールの使い方、PCなどのIT機器の操作方法、エラーや不具合といった技術的な問い合わせに応対する業務です。多くの場合、社内ヘルプデスクは情報システム部門内に窓口が設置されており、従業員の業務を円滑に進めるためのサポートを行います。社内ヘルプデスクの詳細は、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
▼社内ヘルプデスクとは? メリット、業務課題と効率化する方法のヒントを紹介

ヘルプデスクの存在は、企業全体の生産性向上や従業員満足度向上に直結するため、その業務効率化は現代企業にとって喫緊の課題となっています。

社外ヘルプデスクと社内ヘルプデスクの違い

膨大な問い合わせ範囲と専門知識の要求

企業では現在、デジタル化の進展により、勤怠管理、顧客管理、経費精算、承認ワークフロー、オンライン会議など、様々なシステムやツールが各部署で導入されています。
これにより業務の利便性は向上したものの、その反面、従業員が自力で解決できる環境が十分に整備されていない場合、社内ヘルプデスクへの問い合わせ件数が大幅に増加する傾向にあります。特に従業員規模の大きい企業ほど、この傾向は顕著です。

社内ヘルプデスクは、ツールの使い方やトラブル解消といった基本的な内容から、より専門的なITインフラに関する問題まで、多岐にわたる問い合わせに対応しなければなりません。その結果、「困ったらとりあえず社内ヘルプデスクに連絡しよう」という認識が社内に広まり、「何でも屋」となってしまっているケースがほとんどです。この状況は、社内ヘルプデスクの業務過多を招き、個々の担当者に求められる専門知識の範囲も膨大になるため、大きな負担となっています。

属人化による業務停滞と品質低下

社内ヘルプデスクが抱える深刻な課題の一つに、業務の属人化があります。問い合わせ内容が多岐にわたり、特に頻度が少なく複雑で専門的な問題になると、経験豊富な特定の個人に対応が集中しがちです。これにより、対応品質が担当者個人のスキルや経験に大きく依存し、標準化された対応が困難になります。

さらに、日々の業務に追われる中で、問い合わせ対応のナレッジ化や対応履歴の情報共有が十分に実施されないことも少なくありません。結果として、特定の担当者が不在の場合に業務が停滞したり、対応に時間がかかったり、あるいは対応品質が低下したりといった問題が発生します。このような属人化は、担当者への過度な負担を強いるだけでなく、組織全体の業務効率と従業員満足度の低下を招く要因となります。

【業務改善事例のご紹介はこちら】属人化していたヘルプデスク業務。品質・業務効率ともに向上

即時対応の困難さと業務負荷

社内ヘルプデスクに寄せられる問い合わせの中には、従業員の業務に直接的な支障をきたすような緊急性の高い問題や、迅速な対応が求められるものが多く含まれます。しかし、前述の属人化や人員不足、あるいは確認フローの未整備などにより、即時対応が困難となるケースが頻繁に発生します。

社内ヘルプデスクの業務は、いつ、どのような問い合わせが来るか予測が難しく、突発的な対応が求められることが特徴です。このため、適切な人員配置が難しく、問い合わせが集中した際には担当者が捌ききれなくなり、対応が遅延してしまいます。緊急度によっては、担当者が残業や休日出勤を余儀なくされることもあり、業務負担が非常に大きいことが問題視されています。即時対応の困難さは、従業員の業務停滞を招くだけでなく、ストレスの増加や生産性の低下にも直結するため、早急な改善が求められます。

社内のあらゆる問い合わせに対応しなければならない

コア業務への集中阻害

多くの企業において、社内ヘルプデスク業務は情報システム部門の他の業務と兼任しているケースが少なくありません。本来、情報システム部門が担うべき企業の根幹を成す戦略的なコア業務があるにもかかわらず、日々のヘルプデスク業務に多くの時間を費やしているのが現状です。

社内ヘルプデスクへの問い合わせは、個別の状況に応じた回答が必要となることが多く、質問者に対する説明に時間と手間がかかります。さらに、緊急性の高い問い合わせが発生した場合は、これを優先せざるを得ないため、情報システム部門の担当者が本来集中すべきコア業務にかける時間がどんどん削られてしまいます。結果として、新規システム導入の検討やセキュリティ対策の強化といった、企業の成長に直結する戦略的な業務が滞り、社員のモチベーション低下や企業全体の生産性低下にもつながるという深刻な課題を抱えています。

ヘルプデスク業務効率化の具体的な方法とステップ

ヘルプデスク業務の効率化は、単に「問い合わせ対応を速くする」だけでなく、従業員満足度の向上、IT部門の戦略的業務への集中、ひいては企業全体の生産性向上に直結する重要な取り組みです。
そこで、ヘルプデスクが抱える課題を解決し、持続可能な効率化を実現するための具体的な方法とステップを詳しく解説します。

ステップ1:現状把握と課題の可視化

ヘルプデスク業務の効率化を進める上で、まず不可欠なのが現状の正確な把握と課題の可視化です。漠然とした「忙しい」「問い合わせが多い」といった認識だけでは、効果的な改善策を講じることはできません。

具体的には、以下の項目についてデータを収集し、分析することが重要です。

  • 問い合わせ件数と内容
    月間・年間あたりの問い合わせ総数、問い合わせ内容のカテゴリ分け(例:PCトラブル、システム操作、アカウント関連など)、緊急度、頻度などを集計します。
  • 対応時間と解決率
    1件あたりの平均対応時間、初回解決率、解決までの平均日数、エスカレーション(上位部門への引き継ぎ)の発生率などを測定します。
  • 担当者の業務負荷
    各担当者の対応件数、残業時間、コア業務との兼務状況などを把握します。
  • 利用者からのフィードバック
    問い合わせ対応後のアンケートやヒアリングを通じて、利用者の満足度や改善要望を収集します。

これらのデータを収集・分析することで、「どの種類の問い合わせに時間がかかっているのか」、「どの担当者に業務が集中しているのか」、「利用者が不満を感じている点は何か」といった具体的な課題が明確になります。現状を定量的に把握し、課題を可視化することで、優先順位をつけ、効果的な改善策の立案が可能となります。

ステップ2:ナレッジマネジメントの徹底と自己解決促進

ヘルプデスクへの問い合わせを削減し、業務負荷を軽減するためには、利用者が自ら問題を解決できる環境を整備することが極めて重要です。その核となるのが、ナレッジマネジメントの徹底と自己解決の促進です。過去の問い合わせ内容や解決策を体系的に蓄積・共有することで、属人化を防ぎ、対応品質の向上にもつながります。

FAQシステム導入と運用

FAQ(よくある質問)システムは、ヘルプデスクに寄せられる定型的な質問とその回答をデータベース化し、利用者がいつでも検索・閲覧できるようにするツールです。これにより、利用者はヘルプデスクに問い合わせる前に自分で疑問を解決できるため、ヘルプデスクへの問い合わせ件数を大幅に削減できます。

導入にあたっては、以下の点が成功の鍵となります。

  • 網羅性と分かりやすさ
    頻繁に寄せられる質問はもちろん、将来的に発生しうる質問も想定し、網羅的なコンテンツを作成します。専門用語を避け、誰にでも理解しやすい平易な言葉で記述することが重要です。
  • 検索性の向上
    キーワード検索機能の充実や、カテゴリ分け、タグ付けなどにより、利用者が目的の情報に素早くたどり着けるように工夫します。
  • 定期的な更新とメンテナンス
    システムやツールの更新、業務プロセスの変更などに合わせて、FAQの内容も常に最新の状態に保つ必要があります。利用状況(閲覧数、検索キーワードなど)を分析し、参照されていないFAQの見直しや、新たなFAQの追加を定期的に行いましょう。

FAQシステムは、一度導入すれば終わりではなく、継続的な運用と改善が求められることで、その効果を最大化できます。

マニュアル・手順書の整備

FAQシステムと同様に、マニュアルや手順書の整備も自己解決を促進する上で不可欠です。特に、システムの操作方法、トラブルシューティング、各種申請手続きなど、具体的な手順を要する内容については、詳細なマニュアルが役立ちます。

効果的なマニュアル・手順書を作成するためのポイントは以下の通りです。

  • 具体的なステップ
    「何を」「どのように」行うかを、スクリーンショットや図解を多用し、具体的なステップで説明します。
  • 対象読者の明確化
    マニュアルの対象となる従業員のITリテラシーを考慮し、専門知識の有無に関わらず理解できる内容にします。
  • アクセスしやすい場所への配置
    社内ポータルサイトや共有フォルダなど、従業員が簡単にアクセスできる場所に保管し、周知を徹底します。
  • ナレッジの共有
    ヘルプデスク担当者間でもマニュアルを共有し、対応品質の均一化を図るとともに、新人教育の教材としても活用します。これにより、特定の個人に知識が集中する「属人化」を解消し、業務の継続性を確保できます。

これらの取り組みにより、従業員は自力で問題を解決できるようになり、ヘルプデスクはより複雑な問題や緊急性の高い問い合わせに集中できるようになるでしょう。

ステップ3:対応プロセスの標準化と自動化

ヘルプデスク業務の効率化には、問い合わせ対応プロセスの標準化と、可能な範囲での自動化が不可欠です。これにより、対応品質の均一化、対応時間の短縮、人的ミスの削減、そして担当者の業務負荷軽減を実現できます。

チャットボットによる一次対応の自動化

チャットボットは、チャット形式で質問に自動応答するプログラムです。簡単な質問やよくある質問に対して、24時間365日いつでも即座に回答できるため、ヘルプデスクの一次対応を大幅に自動化し、担当者の負担を軽減します。

チャットボット導入のメリットは以下の通りです。

  • 即時対応
    利用者は待ち時間なく回答を得られるため、問題解決までの時間が短縮され、従業員満足度が向上します。
  • 業務負荷軽減
    定型的な問い合わせ対応から解放されたヘルプデスク担当者は、より複雑な問題や、人による判断が必要な業務に集中できます。
  • データ収集
    チャットボットとのやり取り履歴は、どのような質問が多いか、どのような回答が求められているかといった貴重なデータとして蓄積され、FAQの改善やナレッジベースの充実に役立てられます。

チャットボットは、AIを搭載した高度なものから、シナリオベースで動作するシンプルなものまで多岐にわたります。自社のヘルプデスクに寄せられる問い合わせ内容や予算に合わせて、最適なチャットボットを選定しましょう。

FAQシステムやチャットボットなどのヘルプデスクツール

チケット管理システムによる進捗管理

チケット管理システム(またはITSMツール)は、問い合わせ内容を「チケット」として一元的に管理し、対応状況や進捗を可視化するためのシステムです。これにより、問い合わせの対応漏れや重複対応を防ぎ、対応プロセスの透明性と効率性を高めます。

主な機能とメリットは以下の通りです。

  • 問い合わせの一元管理
    電話、メール、チャットなど、複数のチャネルから寄せられる問い合わせを一つのシステムで管理できます。
  • 進捗状況の可視化
    各チケットのステータス(未対応、対応中、解決済みなど)や担当者、期日などを明確にし、対応の遅延を防止します。
  • 情報共有と連携
    担当者間でチケット情報を共有し、必要に応じて他部署へのエスカレーションもスムーズに行えます。過去の対応履歴も参照できるため、類似の問い合わせに対して迅速に対応できます。
  • レポート機能: 問い合わせ件数、解決までの平均時間、担当者別の対応状況などを自動で集計・分析し、ヘルプデスク業務の改善に役立つデータを提供します。

チケット管理システムは、ヘルプデスク業務の標準化と効率化を強力に推進し、サービスレベルアグリーメント(SLA)の達成にも貢献します。

RPAを活用した定型業務の自動化

RPA(Robotic Process Automation)は、人間が行う定型的なPC操作をソフトウェアロボットが自動で行う技術です。ヘルプデスク業務においても、繰り返し発生する単純作業やデータ入力作業をRPAで自動化することで、人的ミスを削減し、担当者の時間を大幅に節約できます。

RPAの活用例としては、以下のようなものがあります。

  • アカウント発行・パスワードリセット
    新規入社者のアカウント発行や、パスワードリセット依頼があった際のシステム操作を自動化します。
  • データ入力・更新
    問い合わせ内容の記録、対応履歴のシステムへの入力、各種台帳の更新などを自動で行います。
  • 報告書作成
    日次・週次・月次のレポート作成に必要なデータ収集や集計作業を自動化します。
  • システム監視とアラート通知
    特定のシステムのエラーログ監視や、異常を検知した際のアラート通知を自動化します。

RPAの導入により、ヘルプデスク担当者は単純作業から解放され、より高度な問題解決や利用者とのコミュニケーションに集中できるようになります。これにより、業務の生産性が向上し、従業員満足度も高まります。

業務範囲の明確化と切り分け

ヘルプデスクが「何でも屋」となってしまい、あらゆる問い合わせに対応している状況は、業務負荷の増大と専門性の低下を招きます。この問題を解決するためには、ヘルプデスクの業務範囲を明確に定義し、対応すべき問い合わせとそうでないものを切り分けることが重要です。

具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 対応範囲の定義
    ヘルプデスクが対応するシステム、アプリケーション、機器の種類、問い合わせ内容(例:操作方法、トラブルシューティング、アカウント管理など)を明確にします。
  • 対応外業務の明確化
    ヘルプデスクが対応しない業務(例:特定のアプリケーションの深い専門知識を要する開発関連の質問、ハードウェアの物理的な修理など)を明確にし、必要に応じて関連部署やベンダーへの問い合わせ先を周知します。
  • エスカレーションルールの設定
    ヘルプデスクで解決できない問題や、専門知識が必要な問い合わせが発生した場合の、上位部署や専門家への引き継ぎ(エスカレーション)ルールを明確にします。
  • 社内への周知徹底
    定義した業務範囲や対応ルールを社内全体に広く周知し、従業員が適切な窓口に問い合わせるように促します。FAQやマニュアルにこれらの情報を含めることも有効です。

業務範囲を明確にすることで、ヘルプデスク担当者は自身の役割に集中でき、無駄な問い合わせ対応による時間消費を削減し、効率的な業務遂行が可能になります。

ステップ4:リソースの最適化と外部活用

ヘルプデスク業務の効率化は、内部的な改善努力だけでなく、リソースの最適な配分と、必要に応じた外部サービスの活用も視野に入れるべきです。特に、情報システム部門がヘルプデスクを兼務している場合、コア業務への集中を妨げないための戦略が求められます。

業務範囲の明確化と切り分け

ヘルプデスクが「何でも屋」となってしまい、あらゆる問い合わせに対応している状況は、業務負荷の増大と専門性の低下を招きます。この問題を解決するためには、ヘルプデスクの業務範囲を明確に定義し、対応すべき問い合わせとそうでないものを切り分けることが重要です。

具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 対応範囲の定義
    ヘルプデスクが対応するシステム、アプリケーション、機器の種類、問い合わせ内容(例:操作方法、トラブルシューティング、アカウント管理など)を明確にします。
  • 対応外業務の明確化
    ヘルプデスクが対応しない業務(例:特定のアプリケーションの深い専門知識を要する開発関連の質問、ハードウェアの物理的な修理など)を明確にし、必要に応じて関連部署やベンダーへの問い合わせ先を周知します。
  • エスカレーションルールの設定
    ヘルプデスクで解決できない問題や、専門知識が必要な問い合わせが発生した場合の、上位部署や専門家への引き継ぎ(エスカレーション)ルールを明確にします。
  • 社内への周知徹底
    定義した業務範囲や対応ルールを社内全体に広く周知し、従業員が適切な窓口に問い合わせるように促します。FAQやマニュアルにこれらの情報を含めることも有効です。

業務範囲を明確にすることで、ヘルプデスク担当者は自身の役割に集中でき、無駄な問い合わせ対応による時間消費を削減し、効率的な業務遂行が可能になります。

ヘルプデスクアウトソーシングの検討と活用

自社内でのヘルプデスク運用に限界を感じる場合や、より専門性の高いサービスを求める場合は、ヘルプデスク業務のアウトソーシング(外部委託)を検討することが有効な選択肢です。特に、情報システム部門がコア業務に集中したいと考える企業にとって、アウトソーシングは大きなメリットをもたらします。

アウトソーシングの主なメリットは以下の通りです。

  • 専門性の高いサービス
    専門のベンダーは、ヘルプデスク業務に特化したノウハウと経験豊富な人材を保有しています。これにより、高品質で安定したサービスを期待でき、対応品質の向上につながります。
  • コスト削減
    自社でヘルプデスクを設置・運用する場合にかかる人件費、教育費、システム導入・運用費などを削減できる可能性があります。特に、夜間や休日対応など、自社で人員を確保しにくい時間帯の対応も柔軟に依頼できます。
  • コア業務への集中
    ヘルプデスク業務を外部に委託することで、情報システム部門の担当者は、システム開発、インフラ整備、DX推進といった企業の成長に直結するコア業務に集中できるようになります。
  • 柔軟なリソース調整
    問い合わせ件数の変動に合わせて、必要なリソースを柔軟に調整できるため、閑散期の人員過剰や繁忙期の人員不足といった問題を解消できます。

アウトソーシングを検討する際は、委託範囲、サービスレベル、セキュリティ体制、費用などを慎重に比較検討することが重要です。以下の記事も参考に、自社に最適なパートナーを見つけましょう。
▼ヘルプデスクは外注できる? アウトソーシングのメリットやデメリットを解説
▼ヘルプデスクサービス選びのポイントは? 概要や導入メリットを解説

外部の専門家を活用することで、ヘルプデスク業務の効率化だけでなく、企業全体のIT戦略を加速させることが可能になります。

アウトソーシングに関する詳しい資料をご用意しております。ぜひお役立てください。
委託前に知っておきたい、ヘルプデスクをアウトソーシングする際の重点ポイント
楽にアウトソースする方法と、時間をかけずに従業員満足度を上げる仕組み

ヘルプデスク業務効率化で得られるメリット

ヘルプデスク業務の効率化は、単に担当者の負担を軽減するだけでなく、企業全体の生産性向上や従業員満足度の向上、さらにはIT部門の戦略的な役割への転換を促すなど、多岐にわたるメリットをもたらします。
そこで、具体的なメリットをご紹介します。

従業員満足度向上と生産性アップ

ヘルプデスク業務の効率化は、従業員満足度と生産性の両面で大きな改善をもたらします。問い合わせ対応の迅速化や自己解決の促進は、従業員が抱える問題解決までの時間を大幅に短縮し、業務の中断を最小限に抑えることを可能にします。その結果、従業員はよりスムーズに業務を進められるようになり、企業全体の生産性向上に貢献します。

迅速な問題解決による業務中断の最小化

従業員がシステムトラブルや操作方法の不明点に直面した際、ヘルプデスクが迅速に対応できなければ、その間、業務は停滞してしまいます。FAQシステムやチャットボットの導入、ナレッジベースの整備により、従業員は自ら必要な情報を素早く見つけ出し、問題を解決できるようになります。
これにより、問い合わせのたびに業務が中断されることが減り、本来の業務に集中できる時間が増加します。特に、緊急性の高いトラブルが発生した場合でも、迅速な対応が可能になることで、業務への影響を最小限に抑え、事業継続性を高めることができます。

従業員のストレス軽減とエンゲージメント向上

問題がなかなか解決しない、問い合わせても返答が遅いといった状況は、従業員の大きなストレスとなります。ヘルプデスクの効率化は、このようなストレスを軽減し、従業員がより快適に業務に取り組める環境を提供します。
スムーズなサポート体制は、従業員が企業から大切にされていると感じる機会を増やし、組織へのエンゲージメント向上にもつながります。
従業員が安心して業務に専念できる環境は、モチベーションの向上にも寄与し、結果として離職率の低下や優秀な人材の定着にも貢献すると考えられます。

IT部門の戦略的業務へのシフト

ヘルプデスク業務の効率化は、IT部門が日々のルーティンワークから解放され、より戦略的で価値の高い業務に注力できるようになるという、組織全体にとって重要なメリットをもたらします。これは、IT部門が企業の成長を牽引する役割を果たすための基盤となります。

定型業務からの解放とコア業務への集中

従来のヘルプデスク業務では、パスワードリセットやアカウント発行、簡単な操作方法の案内といった定型的な問い合わせに多くの時間とリソースが費やされていました。これらの業務をチャットボットやRPA、FAQシステムで自動化・効率化することで、IT部門の担当者はこれらの反復作業から解放されます。
その結果、システム改善、新規技術の導入検討、セキュリティ強化、データ分析に基づくIT戦略立案といった、企業の成長に直結するコア業務に集中できるようになります。これにより、IT部門は単なる「サポート部署」から、企業の競争力を高める「戦略的パートナー」へと変革を遂げることが可能になります。

IT投資の最適化と企業価値向上

IT部門が戦略的な業務にシフトすることで、企業全体のIT投資の最適化にも貢献します。
例えば、ヘルプデスクに寄せられる問い合わせデータを詳細に分析することで、どのシステムに課題が多いのか、どのような改善が必要なのかを具体的に把握し、より効果的なIT投資計画を策定できるようになります
また、最新のITトレンドをキャッチアップし、企業のビジネス戦略に合致した新しい技術やサービスの導入を主導することで、企業の競争力を高め、長期的な企業価値の向上につながるでしょう。そして、IT部門はコストセンターではなく、プロフィットセンターとしての役割を強化できます。

ヘルプデスク業務の効率化を成功させた企業事例

ヘルプデスク業務の効率化は、多くの企業で具体的な成果を上げています。ここでは、実際に効率化施策を導入し、成功を収めた企業の事例をいくつかご紹介します。これらの事例は、ヘルプデスク効率化を検討する上で、具体的なイメージを持つための参考となるでしょう。

事例1:問い合わせ件数削減とIT人材の価値最大化を実現したマンダム様

化粧品メーカーのマンダム様では、情報システム部門が社内ヘルプデスクを兼務しており、日々の問い合わせ対応に多くの時間を割かれていました。特に、定型的な問い合わせが多く、IT人材が本来注力すべき戦略的な業務に時間を割けないという課題がありました。
そこで、ヘルプデスク業務の一部を外部に委託するアウトソーシングを導入。これにより、1日あたり約3時間の問い合わせ対応時間を削減することに成功しました。削減された時間でIT人材は新システムの導入検討やセキュリティ強化といったコア業務に集中できるようになり、結果としてIT人材の価値を最大化し、企業全体の生産性向上に貢献しました(参考:テクバン事例紹介「社内ITサポートを1日3時間削減し、IT人材の価値を最大化した秘訣とは?【マンダム様】」)

事例2:属人化解消と応対品質向上を達成したB社

ある製造業のB社では、ヘルプデスク業務が特定のベテラン担当者に集中し、業務の属人化が深刻な課題となっていました。担当者の不在時には対応が滞り、従業員からの不満が高まることもありました。
この課題に対し、チケット管理システムの導入とナレッジベースの構築を進めました。これにより、全ての問い合わせ履歴と対応状況が可視化され、誰でも過去の対応履歴を参照できるようになりました。さらに、FAQシステムを充実させることで、従業員が自己解決できる機会が増加。結果として、属人化が解消され、担当者による応対品質のばらつきも改善されました。従業員は安定した品質のサポートを受けられるようになり、満足度が向上しました。
この事例は、ツールの導入とナレッジマネジメントの徹底が、属人化という長年の課題を解決し、ヘルプデスク全体のサービス品質を高める上でいかに重要であるかを示唆しています。標準化されたプロセスと共有された知識は、安定したサービス提供の基盤となります。

事例3:チャットボット導入で24時間365日対応を実現したC社

あるITサービス企業のC社では、従業員からの問い合わせが時間帯によって集中し、営業時間外の問い合わせには対応できないという課題を抱えていました。特に、海外拠点を持つ企業であったため、時差による問い合わせ対応の遅延も問題視されていました。
そこで、社内向けチャットボットを導入し、定型的な質問に対する一次対応を自動化しました。チャットボットは24時間365日稼働するため、従業員はいつでも必要な情報を得られるようになり、問題解決までの時間が大幅に短縮されました。
これにより、ヘルプデスク担当者はより複雑な問い合わせや、人間による判断が必要な業務に集中できるようになり、業務効率が向上。従業員からは「いつでも質問できるので便利になった」「海外からの問い合わせにもすぐに対応できて助かる」という声が多く聞かれ、従業員満足度の向上にも貢献しています。

この事例は、AIを活用したチャットボットが、時間や場所の制約を超えて従業員サポートを提供し、ヘルプデスクの対応範囲と効率を劇的に向上させる可能性を示しています。特に、グローバル展開している企業や、多様な働き方に対応する必要がある企業にとって、チャットボットは非常に有効なソリューションとなり得ます。

テクバンが提供するヘルプデスク効率化ソリューションとは?

ヘルプデスク業務の効率化は、企業の生産性向上と従業員満足度向上に不可欠です。しかし、専門知識の不足、属人化、即時対応の困難さなど、多くの課題が横たわっています。
このような状況において、テクバンは長年の経験とマルチベンダー対応力を活かし、お客様のヘルプデスク業務を抜本的に改善するソリューションを提供しています。単なる業務委託ではなく、現状分析から運用改善、そして将来的なIT戦略までを視野に入れた、包括的なサポートが強みです。

テクバンが選ばれる理由:包括的なサポートと高い専門性

テクバンは、お客様のヘルプデスク業務が抱える様々な課題に対し、多角的なアプローチで解決策を提示します。その大きな特徴は、次の点に集約されます。

マルチベンダー対応による幅広い知見

多くの企業では、複数のベンダーの製品やサービスを組み合わせて利用しています。これにより、問い合わせ内容も多岐にわたり、特定のベンダー知識だけでは対応しきれないケースが頻発します。
テクバンは、特定のベンダーに限定されない「マルチベンダー対応」が可能で、様々なIT環境における幅広い知識とノウハウを蓄積しています。このため、お客様のIT環境全体を理解し、複雑な問い合わせに対しても的確かつ迅速な解決策を提供できるのです。

IT業務経験豊富なプロフェッショナルによるサポート

テクバンのヘルプデスクサービスは、IT業務経験豊富な専門スタッフが対応します。彼らは単にマニュアルに沿って回答するだけでなく、深い技術知識と問題解決能力を兼ね備えています。
このため、一般的なFAQでは解決できないような専門的なトラブルや、複雑なシステム連携に関する問い合わせにも柔軟に対応し、質の高いサポートを実現します。お客様の従業員は、安心して業務に集中できる環境を手に入れることができるでしょう。

お客様の状況に合わせた柔軟なサービス提供

企業の規模や抱える課題はそれぞれ異なります。
テクバンでは、画一的なサービスではなく、お客様の具体的な状況やニーズに合わせて、最適なプランを提案します。
例えば、小規模からのヘルプデスク運用代行、特定の時間帯のみのサポート、既存のIT部門との連携強化、さらにはお客様環境下での常駐サポートまで、柔軟な対応が可能です。そして、無駄なく効率的なヘルプデスク体制を構築し、コストパフォーマンスの最大化を図ります。

テクバンのヘルプデスク効率化ソリューションが解決する課題

テクバンのソリューションは、前述したヘルプデスクの主要課題を具体的に解決に導きます。

属人化の解消とナレッジマネジメントの強化

ヘルプデスク業務の属人化は、品質のばらつきや業務停滞の大きな原因となります。テクバンでは、問い合わせ対応履歴や解決策を体系的にナレッジ化し、共有可能な情報資産として蓄積します。
このため、特定の担当者に依存することなく、誰でも高品質な対応ができる体制を構築し、属人化を根本から解消します。また、蓄積されたナレッジはFAQシステムやチャットボットの基盤としても活用され、自己解決の促進にも貢献します。

コア業務への集中とIT部門の戦略的シフト

情報システム部門がヘルプデスク業務に追われることで、本来注力すべき戦略的なIT投資やDX推進が滞るケースは少なくありません。テクバンにヘルプデスク業務をアウトソーシングすることで、お客様のIT部門は定型的な問い合わせ対応から解放され、企業の成長に直結するコア業務へリソースを集中させることが可能になります。
このため、IT部門は守りのITから攻めのITへとシフトし、企業全体の競争力強化に貢献できるようになります。

運用コストの最適化と品質向上

自社でヘルプデスクを運用する場合、人件費、教育費、システム維持費など、多くのコストが発生します。テクバンのアウトソーシングサービスを利用することで、これらの固定費を変動費化し、運用コストの最適化を図ることができます。さらに、専門性の高いプロフェッショナルが対応することで、応対品質が向上し、従業員満足度の向上にもつながります。結果として、コスト削減と品質向上の両立を実現します。

テクバンのヘルプデスクサービスについて、より詳細な情報や具体的な導入事例は、以下のリンクからご確認いただけます。

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まとめ:社内ヘルプデスクは効率化できる

ヘルプデスクの効率化は、従業員の生産性向上、満足度向上、そしてIT部門が戦略的な業務へシフトするための重要な経営課題です。
本記事では、ヘルプデスクが直面する課題を明確にし、現状把握からナレッジマネジメントの徹底、対応プロセスの標準化と自動化、リソースの最適化といった具体的なステップを解説しました。
これらの取り組みを通じて、属人化の解消、対応速度の向上、そして企業全体の競争力強化につながるでしょう。ヘルプデスクの効率化でお悩みの際はテクバンまでお気軽にご相談ください。

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