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2025.03.19

ITヘルプデスクのアウトソーシングは有効? 情報システム部門の課題と解決策を徹底解説! 生産性向上、コスト削減のヒントをご紹介

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情報システム部門が担う、ITヘルプデスクの業務に課題を感じていませんか? 問い合わせ対応に追われ、重要業務に集中できない、対応品質にばらつきがあるなど、多くの企業が共通の悩みを抱えています。
本記事では、ITヘルプデスクが抱えるよくある課題を挙げながら、具体的な解決策として、FAQサイト構築やチャットボットの活用、アウトソーシングやツール導入など、多角的に解説。さらに、業務効率化のポイントとして、問い合わせ対応プロセスの標準化やナレッジベースの構築、適切な人員配置、パフォーマンス測定についても詳しく説明します。ぜひ本記事で、自社のITヘルプデスクの現状を把握し、最適な改善策を見つけてください。

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ITヘルプデスクとは

ITヘルプデスクとは、企業や組織内の従業員や顧客から寄せられるIT関連の問い合わせやトラブルに対応する窓口です。情報システム部門の一つの機能として位置づけられることが多く、ユーザーのITに関する問題解決を支援することで、業務の円滑な遂行をサポートする重要な役割を担っています。近年、企業のIT環境が複雑化するにつれて、ヘルプデスクの重要性はますます高まっています。

ITヘルプデスクの役割

ITヘルプデスクの主な役割は、ユーザーからの問い合わせ対応、トラブルシューティング、IT機器やソフトウェアの操作方法の案内、アカウント管理、システム障害時の一次対応などです。これらの業務を通して、ユーザーの生産性向上、システムの安定稼働、セキュリティリスクの軽減に貢献します。また、ユーザーからの問い合わせ内容を分析することで、システム改善やサービス向上につなげる役割も担っています。

ITヘルプデスクの種類

ITヘルプデスクは、提供範囲や対象ユーザーによって、いくつかの種類に分類されます。

種類 内容 対象ユーザー
社内ヘルプデスク 自社の従業員からの問い合わせやトラブルシューティングに対応 従業員
社外ヘルプデスク 自社製品やサービスを利用する顧客からの問い合わせに対応 顧客
専門ヘルプデスク 特定のシステムやソフトウェアに関する専門的な問い合わせに対応 特定のシステム利用者

また、サポートレベルによっても分類されます。

レベル 内容
一次受付 一般的な問い合わせや簡単なトラブルに対応。一次受付で解決できない場合は、二次受付にエスカレーションする
二次受付 より専門的な知識やスキルが必要な問い合わせに対応。一次受付では解決できない複雑なトラブルを対応する
三次受付 高度な専門知識を持つエンジニアが対応。二次受付でも解決できない根本原因の調査やシステム改修などを行う

これらの分類は必ずしも明確に区別されるわけではなく、企業の規模や組織体制によって異なる場合があります。
例えば、小規模企業では一次受付と二次受付を兼任する場合もあり、大規模企業では、さらに細かくレベル分けされている場合もあります。近年では、多層サポートモデルが主流となっています。

ITヘルプデスクのよくある課題

ITヘルプデスクは企業の円滑なIT運用を支える重要な役割を担っていますが、様々な課題を抱えていることも事実です。そこで、ITヘルプデスクが直面するよくある課題について詳しく解説します。

問い合わせ殺到による負担増加

多くの企業では、ITヘルプデスクに問い合わせが集中し、担当者の負担過多となっている現状があります。
特に、システム障害発生時や新システム導入時といった局面では、問い合わせが急増し、対応が追いつかなくなるケースも少なくありません。慢性的な人手不足となっている現場も多く、担当者が疲弊して離職。残った人材が過大な負担を背負うという負のスパイラルにつながる可能性も懸念されます。

属人化による業務のブラックボックス化

特定の担当者に業務が集中し、ノウハウや情報が共有されないまま属人化してしまうケースもよく見られます。属人化は業務のブラックボックス化を招き、業務改善の妨げにもなります。
担当者間で情報が共有されないまま、担当者が不在となった場合を考えてください。他のメンバーが対応できなかったり、対応時間が長引いたりして、業務が滞り、社内全体に悪影響を及ぼしかねないのです。

対応品質のばらつき

属人化に加えて、課題となるのが対応品質のばらつきです。経験の浅い担当者や、特定の分野に知識が偏っている担当者がいる場合、対応のスピードや質にばらつきが生じる可能性があります。これは、業務効率の悪化、そして企業全体の停滞につながりかねない課題です。

セキュリティリスクへの対応

近年、サイバー攻撃の巧妙化・複雑化が進んでおり、ITヘルプデスクもセキュリティリスクへの対応が求められています。フィッシングメールや不正アクセスなどのインシデント発生時には、迅速かつ適切な対応が不可欠です。
また、個人情報保護の観点からも、セキュリティ対策の強化は必須といえるでしょう。

ナレッジ管理の不足

過去の問い合わせ内容や解決策といったナレッジが適切に管理されていない場合、同様の問い合わせが繰り返し発生する可能性があります。そのため、担当者の負担が増加するだけでなく、対応時間の長期化にもつながります。
効率的なナレッジ管理体制の構築は、ITヘルプデスクの生産性向上に不可欠です。

多様なデバイスへの対応

ITインフラが整備されたことにより、スマホ(スマートフォン)やタブレットなど、従業員が使用するデバイスが多様化。このため、ITヘルプデスクはWindows、macOS、iOS、Androidなど、多岐にわたるOSやデバイスに対してサポートしなければならないなど業務の幅が広がり続けています。
▼Windows 10サポート終了でどうすれば? 何が起こる? 対策や注意点、移行手順や対応ベンダー選びのコツも解説

また、BYOD(Bring Your Own Device)の導入により、私物端末の管理も課題となっています。さらに詳しくはこちらの資料や記事をご覧ください。
【資料をダウンロードして後で確認】いまさら聞けない。BYODと社有スマホ、どちらがいいのか?
▼BYODとは? セキュリティ対策、効率的な活用ポイント、メリットやデメリット、導入事例を解説

リモートワーク環境への対応

リモートワークの普及に伴い、ITヘルプデスクは遠隔地にいる従業員もサポートしなければならなくなりました。VPN接続やセキュリティ対策など、リモートワーク環境特有の課題に対応するためのノウハウやツールの導入が求められます。
また、コミュニケーションの円滑化も重要な課題です。さらに詳しくはこちらの記事をご確認ください。
▼リモートデスクトップの何が危険? セキュリティリスクから企業を守る対策を徹底解説

コスト削減への圧力

企業は競争力強化のため、常にコスト削減を求められており、ITヘルプデスクも例外ではありません。限られた予算の中で効率的に運用しながら、サービスレベルを維持することが求められます。そのため、情報システム部門では、アウトソーシングや自動化ツールの活用などを検討するとよいでしょう。

ITヘルプデスクの課題への具体的な解決策

ITヘルプデスクの抱える課題は多岐にわたりますが、適切な解決策を講じることで、業務効率化や顧客満足度向上を実現できます。ここでは、具体的な解決策を5つご紹介します。

1.アウトソーシングの導入

自社でヘルプデスクを運営するリソースが不足している場合、アウトソーシングの検討も解決策として有効です。専門業者(ベンダー)に業務を委託することで、コスト削減や質の高いヘルプデスク運営を実現できます。
また、24時間365日の対応や多言語対応など、自社では対応が難しいサービスを提供しているベンダーもあります。アウトソーシングを検討する際は、自社のニーズに合った業者を選定することが重要です。
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2.FAQサイトの構築による自己解決促進

FAQサイトを社内に構築することで、従業員(ユーザー)は自ら疑問やトラブルを解決できるため、ヘルプデスクへの問い合わせ数自体の削減につながります。検索機能を充実させたり、分かりやすくカテゴリ分けをしたりすることで、ユーザーが必要な情報をスムーズに見つけられるように工夫することが重要です。また、FAQサイトではどのような疑問が多く検索されたかといったデータを活用すれば、今後のITリソースの改善にもつながります。

3.ヘルプデスクシステム導入による効率化

専用のヘルプデスクシステムを導入することで、問い合わせ対応の効率化、対応履歴の一元管理、ナレッジの共有などを図ることが期待できます。
対応状況の可視化やレポート機能により、PDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることも可能です。

4.チャットボットの活用

ヘルプデスク対応にチャットボットを導入することで、24時間365日対応が可能になり、簡単な問い合わせに自動応答できます。これにより、人的リソースを削減し、ヘルプデスク対応メンバーはより複雑な問題解決に集中できます。
現在ではAI(人工知能)を活用した高度なチャットボットもあり、自然言語処理によって、より人間らしく対応するようになっています。

5.リモートサポートツールの導入

リモートサポートツールを導入することで、遠隔地にいるユーザーのPC画面を共有し、操作をサポートできます。電話やメールでの説明だけでは解決が難しい問題も、迅速に解決できるようになるでしょう。ただし、セキュリティ対策の万全なツールを選定することが重要です。

ITヘルプデスク業務を効率化するポイント

上記で紹介した解決策に加えて、日々の業務の中で効率化を図るためのポイントを4つご紹介します。

問い合わせ対応プロセスの標準化

問い合わせ対応プロセスを標準化することで、対応時間の短縮、対応品質の均一化、担当者の負担軽減を実現できます。参考に標準化の手順をご紹介します。

  1. 問い合わせの種類を分類する(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど)
  2. 問い合わせ種類ごとの対応手順を明確にする(例:初期確認事項、エスカレーション手順など)
  3. 対応手順を文書化し、全担当者で共有する
  4. 定期的に見直しを行い、改善を続ける

問い合わせ対応プロセスを標準化することは、属人化を防ぎ、誰でも同じレベルで対応できるようになります。さらに対応履歴の蓄積によって過去の事例を参考にすることができ、迅速な解決につながるでしょう。

ナレッジベースの構築と活用

ナレッジベースとは、過去の問い合わせ内容や解決策、FAQなどを蓄積したデータベースのこと。ナレッジベースを構築し、活用することは、次のようなメリットがあります。

  • 自己解決率の向上
  • 対応時間の短縮
  • 担当者のスキルアップ

そして、ナレッジベースを構築する際には、次の点に注意しましょう。

  • 検索しやすいようにキーワードを設定する
  • 定期的に内容を更新する
  • 全担当者がアクセスしやすい環境を整備する

効果的なナレッジベースの構築は、ITヘルプデスクの効率化に大きく貢献します。

適切な人員配置とスキルアップ

ITヘルプデスクの効率化には、適切な人員配置と担当者のスキルアップが不可欠です。問い合わせ件数や対応内容に応じて、適切な人数の担当者を配置しましょう。
また、担当者のスキルアップを図るための研修や教育の機会を提供することは、対応品質の向上に直結するだけでなく、従業員のエンゲージメントにもかかわるため重要です。

スキル 内容 習得方法
IT技術に関する知識 OS、ネットワーク、セキュリティなど 研修、資格取得、自己学習
コミュニケーション能力 分かりやすい説明、丁寧な対応 ロールプレイング、OJT
問題解決能力 原因究明、解決策の提案 ケーススタディ、OJT

パフォーマンス測定と改善

ITヘルプデスクのパフォーマンスを定期的に測定し、改善を繰り返すことで、効率化を図れます。測定する指標として、次の項目が挙げられます。

  • 平均対応時間
  • 解決率
  • 対応満足度
  • 自己解決率

これらの指標を元に、現状の問題点を洗い出し、改善策を検討しましょう。PDCAサイクルを回し続けることで、ITヘルプデスクの質を継続的に向上できます。

ITヘルプデスクの今後

ITヘルプデスクは、テクノロジーの進化とともに常に変化を続けています。AIや自動化、クラウドサービスの普及など、今後のITヘルプデスクは更なる進化を遂げ、より高度なサービスを提供していくことが期待されています。
そこで、ITヘルプデスクの今後の展望について、具体的な例を挙げながら解説します。

AIや自動化技術の活用

AIや自動化技術は、ITヘルプデスクの効率化とサービス向上に大きく貢献すると期待されています。例えば、以下のような活用が考えられます。

  • AIチャットボットによる一次対応の自動化
    AIを搭載したチャットボットは、よくある質問への自動回答や、問い合わせ内容の自動分類、担当者への自動振り分けなど、様々なタスクを自動化できます。これにより、人的リソースを削減し、対応時間を短縮できるだけでなく、24時間365日の対応も可能になります。例えば、カラカラ株式会社のITヘルプデスクサービスでは、AIチャットボットを活用した効率的なサポートを提供しています。
  • AIによる障害予測と予防
    AIは、過去の障害データやシステムログなどを分析することで、将来発生する可能性のある障害を予測することができます。これにより、事前に対策を講じることで障害発生を未然に防ぎ、システムの安定稼働を実現できます。また、AIによる自動修復機能も期待されており、障害発生時の迅速な復旧が可能になります。
  • RPAによる定型業務の自動化
    RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを用いて、パスワードリセットやアカウント作成などの定型業務を自動化することができます。これにより、担当者はより高度な業務に集中できるようになり、生産性向上につながります。

クラウドサービスとの連携強化

クラウドサービスの普及に伴い、ITヘルプデスクもクラウドサービスとの連携を強化していくことが求められます。次のような連携が考えられます。

  • クラウド型ヘルプデスクツールの活用
    クラウド型ヘルプデスクツールは、初期費用を抑えながら、迅速に導入することができます。また、場所を選ばずにアクセスできるため、リモートワーク環境にも最適です。
  • SaaSとの連携による効率化
    SalesforceなどのSaaS(Software as a Service)とヘルプデスクツールを連携させることで、顧客情報や問い合わせ履歴などを一元管理できます。より迅速かつ的確なサポートを提供できる効果が得られるでしょう。
  • クラウドセキュリティ対策の強化
    クラウドサービスの利用拡大に伴い、セキュリティリスクも高まっています。ITヘルプデスクは、クラウドセキュリティに関する専門知識を習得し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。例えば、多要素認証の導入やアクセス権限の適切な設定などが重要になります。

これらの展望を踏まえ、ITヘルプデスクは、常に最新の技術動向を把握し、積極的に新しい技術を導入していくことが重要です。将来的には、AIや自動化技術によって、より高度でパーソナライズされたサポートを提供できるようになり、企業のビジネス成長に大きく貢献していくことが期待されます。

ITヘルプデスクは今後どうあるべきか

この記事では、ITヘルプデスクの役割と種類、よくある課題とその解決策、そして業務効率化のポイントについて解説しました。ITヘルプデスクは企業のITインフラを支える重要な役割を担っていますが、問い合わせ殺到による負担増加や属人化、対応品質のばらつき、セキュリティリスクへの対応、ナレッジ管理の不足といった課題を抱えているケースが多く見られます。

これらの課題解決策として、アウトソーシングやヘルプデスクツールの導入、FAQサイトの構築、チャットボットの活用、リモートサポートツールの導入などが有効です。
また、問い合わせ対応プロセスの標準化、ナレッジベースの構築と活用、適切な人員配置とスキルアップ、パフォーマンス測定と改善といった業務効率化への取り組みも重要です。

AIや自動化技術の活用、クラウドサービスとの連携強化といった今後の展望も踏まえ、自社に最適なITヘルプデスク体制を構築することで、業務効率化、顧客満足度向上、そして企業全体の生産性向上が期待できます。

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