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2023.04.28

ネットワーク監視で障害発生のリスク回避! その方法とは?

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目次

様々なサービスがネットワークを介して提供される現代において、ネットワークの安定は欠かせません。企業でもオンラインで行う作業やコミュニケーションが当たり前となり、ネットワークに障害が生じれば大きな損害を受ける可能性があります。
このような状況で必要なのがネットワーク監視です。システムの安定稼働に欠かせないネットワーク監視ですが、担当者の負担やコストの面で課題になることも多いようです。

本記事では、ネットワーク監視の概要やメリット・デメリットとともに、監視すべき対象や監視方法などを紹介します。ネットワーク監視について理解を深めたい方、ネットワーク管理者の方におすすめです。

トラブルは最小限に! サーバー、ネットワーク 管理を最適化するポイント

ネットワーク監視っていったい何?

ネットワーク監視とは、ネットワークが正常に稼働しているか、障害の予兆がないかなどネットワーク機器の稼働状況を確認することを指します。

サーバーの稼働情報を収集するエージェントと呼ばれるソフトウェアを監視対象としているネットワーク機器やIoT機器などにインストールすることで、障害やエラーがあった際に管理者にアラートを通知します。この通知によって、スピーディーな対応が可能になり障害の被害拡大を防ぐことができるのです。

具体的な監視対象については、次項で詳しく解説します。

ネットワーク監視の対象とは

ネットワーク監視では、ネットワーク上で動作するすべての機器が監視の対象です。では、いったい何を監視するのでしょうか。主な監視対象は以下の通りです。

  • ネットワーク機器
  • サーバー
  • クライアントPC
  • データベース
  • アプリケーション
  • クラウドサービス(AWS、Azure)
  • ストレージ/ファイルサーバー
  • メールサーバー
  • ウェブサーバー
  • 監視カメラ

このように監視対象は様々です。
例えば社内のネットワークが遅い場合、ネットワーク機器やトラフィック量の監視を行うとよいとされています。

ネットワーク監視の方法とは

前項で紹介した監視対象を監視する方法は、6つに分類されます。以下でそれぞれを詳しく解説します。

1.死活監視(Ping監視)

ネットワーク上にある監視対象機器のIPアドレスに向けてPingを送信し、機器が問題なく起動しているか、通信経路は正常か、などを判断します。機器からの応答がない場合は、ネットワーク機器が稼働していない、通信障害が起きているといった問題があるため対策が必要です。

死活監視

2.トラフィック監視

回線の使用率が増えていないか、サーバーやネットワーク機器のトラフィック量(通信量)を監視。
トラフィックが増加するとネットワークに負荷がかかり、通信の遅延や接続しづらくなるといった問題が発生します。そこで、ネットワーク使用状況を可視化して、どこに問題があるかを把握して将来的に対策できるようにするのです。

3.ハードウェアの状態監視

ネットワーク機器本体のハードディスク使用率・CPU使用率・メモリ使用率などのリソースを監視します。機器に負荷がかかっているかどうかを常に確認するため、負荷がかかっている場合の早急な対策が可能です。素早い対策により、ハードウェアの異常や障害を未然に防げるでしょう。

4.パケット監視

ネットワーク機器を通過する通信パケットを監視することを、パケット監視といいます。通信パケットを収集・分析することでセキュリティ対策に役立てることが目的です。

5.Trap監視

Trap監視とは、監視されている機器からTrapと呼ばれる通知の有無を確認すること指します。ネットワーク機器には、監視している機器で異常を検知するとTrapと呼ばれる通知を自動的に送る仕組みがあります。このTrapを受信したかどうかの監視を行うのです。

6.ログ監視

ログ監視とは、監視しているネットワーク機器上で行われたログを監視することを指します。動作や操作履歴が記録されるため定期的にチェックし、不審な動作や挙動がないかを確認します。

ネットワーク監視のメリット

ネットワーク監視のメリットは、自社への被害を回避する・軽減することです。ここでは、ネットワーク監視による被害の回避・軽減とはどういったものなのか、具体的なメリットを紹介します。

リソースの過剰投資を抑える

ネットワーク監視を実施すればサーバーやネットワーク状況を把握できるため、現状のまま継続して使用できるか、サーバーの増設を検討すべきかといった判断が可能になります。監視を適切に行わず、課題の把握ができないままとりあえずの対策を行うと、無駄なサーバーやリソースの増設になる可能性があります。
このように課題を明確にすることで必要最低限の対策を行えるため、余分な投資を抑えられるのです。

ネットワーク監視を実施すればサーバーやネットワーク状況を把握できる

障害が発生している時間を短縮できる

ネットワーク監視を行っていれば、障害が発生している時間の短縮が可能です。
障害発生時には、可能な限り短時間で復旧させ、障害によるシステムやサービスの停止時間を短縮させる必要があります。
ネットワーク監視を正しく行っていれば、原因発生箇所を素早く特定でき障害発生時間の大幅な短縮が可能になるのです。また、障害調査に要する時間を削減し迅速な復旧が可能となるため、障害の規模が大きくなる前に解決できるでしょう。

担当者の負担が低減する

ネットワーク監視を適切に実施することで、メンテナンスや障害調査の作業が効率化し、担当者の負担を低減します。これらの作業が効率化される理由は、監視によって障害の原因箇所やメンテナンスが必要な箇所を迅速に特定できるからです。
担当者は作業の手間がかからなくなり負担が低減した分、他の作業に注力できるでしょう。

ネットワークの安定稼働が可能

監視を行い障害の発生頻度を下げることで、安定したネットワーク運用を可能とします。
万が一、障害が発生しネットワークが停止すれば、企業に大きな影響を与え、ビジネス機会の損失につながる恐れがあります。
100%障害を発生しないようにすることは不可能ですが、ネットワーク監視により未然に障害を防ぐことで、ネットワークやシステムダウンの発生頻度を大幅に下げられます。日々のメンテナンスや障害調査を徹底し、予兆の段階で問題の対策を行えるようにすることが重要です。

ネットワーク監視のデメリット

ネットワーク監視にはメリットだけでなく、もちろんデメリットもあります。以下では、コストや知識に関するデメリットを紹介します。

管理者に知識を求められる

ネットワーク監視を行う際は、幅広い知識やスキルを求められます。管理者は障害の発生や性能低下の予兆を見逃さずに、適切かつ迅速な対策を行う必要があるからです。どの値を監視すればよいか、監視対象の正常値と異常値の範囲などの知識がないと適切な対応が難しいといえます。
最適な対策をするためにも、ネットワーク監視の担当者は知識を身に着けた方がよいでしょう。

監視にかかる工数・コストが増加

前項で紹介したようにネットワーク監視に関する専門知識を身に着ける場合、勉強する時間を確保しなければなりません。日々の仕事をこなしながら新しい知識を身に着けるというのは、担当者にとって負担になる場合もあるでしょう。
かといって、ネットワーク監視の知識がある人員を新たに採用するにも人件費や採用コストがかかり、また有償の監視ツールを利用するにも運用コストが発生してしまいます。

監視にかかる工数とコストが増加

ネットワーク監視ツールの選定ポイント

社内にネットワーク監視に対応できる人材が確保できない場合や業務の負担になっている場合は、監視ツールを導入するケースもあるでしょう。

現在、各社から様々なネットワーク監視ツールが提供されています。無料で利用できるフリーソフトもあるため、すぐに利用を開始することができますが、海外製で日本語対応がされていない、サポートやセキュリティ体制が十分ではない場合があるため注意が必要です。

ツールを選定する際は、サーバーも含めて一元管理できる統合監視ツールや、定期バックアップや二次対応の自動化が可能な機能を搭載したツールなど、各ツールの特徴を抑えておきましょう。
豊富な機能があるからといって自社の課題を解決できるとは限りません。
導入する目的を予め明確にし、監視項目、レポートの見やすさ、コスト、導入実績の有無などを各社比較し、自社にあったツールを選ぶのがポイントです。

テクバンのリモート監視サービス

ネットワーク監視の運用を行うには、いくつかの課題も発生するでしょう。例えば、自社内で24時間365日監視できる体制を維持するのは難しい、夜間の対応・日本語以外の言語の対応が難しいといった問題などです。

そうした際に、アウトソーシングサービスを活用して効率的にネットワーク監視を行うという方法もあります。担当者の負担を軽減しつつ、効率的な運用が可能になるためおすすめです。

テクバンでは、お客様に代わりサーバーやネットワークの監視・運用、障害対応を行うサービス「Techvan Remote Center」を提供しています。ご興味のある方は、ぜひ一度テクバンまでご相談ください。

関連資料は以下をご覧ください。
もうアウトソースで悩まない。インフラ運用保守を上手に委託する方法
【事例】柔軟なメニューで実現できた。24時間365日、有人リモート監視で 情シスの負担軽減

ネットワーク監視を効率よく運用

ここまで、ネットワーク監視のメリット・デメリットや監視すべき対象について紹介してきました。ネットワーク監視は、ビジネスに大きな影響を与える可能性もあるため、適切な監視を行うことが重要です。

企業によっては十分なリソースやコストを割けないという場合は、監視ツールやアウトソーシングを上手く生かして、運用を効率化させましょう。
「どんなツールを選べばいいか」「どこまでアウトソーシングできるのか」などご不明な点があれば、テクバンまでお気軽にご相談ください。

ネットワーク障害や監視について、こちらの記事でも解説しています。ぜひ、ご参考ください。
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