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2023.09.05

サーバーとは? どんな種類がある? 必要な条件や用途を徹底解説!

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Webサーバー、アプリケーションサーバーなど様々な種類・用途がありますが、皆さんは「サーバー(server)」と聞くと、まず何をイメージされるでしょうか。
サーバーは用途観点での分類の他に、ハードウェア(物理機器)の有無によっても複数の種類があります。
そこで本記事では、サーバーの種類とともに、用途についても徹底解説します。
IT業界に身を置く方であれば常識かもしれませんが、基本知識を身につけたい方やどのような種類があるかナレッジの確認をしたい方はぜひお読みください。

トラブルは最小限に! サーバー、ネットワーク 管理を最適化するポイント

「サーバー」とはそもそも何か?

サーバーとは、データやコンテンツ、情報などの「サービスを提供するコンピューター」のことで、ネットワーク 構築における基盤となります
サーバーは、ビールサーバーのように「サーブ(Serve:提供、支給)する存在」としての意味があり、IT関連以外でもよく使われる言葉です。
サーバーは用途によって「提供するサービス」が異なり、例えばwebやメール、データベースなどのサービスがあります

サーバーの種類

サーバーの用途別分類は、その機能や目的に応じて様々に分かれ、一般的に以下が知られています。

サーバータイプ

役割

ファイルサーバー

文書や画像、音楽ファイルなどを一元管理し、ユーザーが簡単にアクセスできるようにする

メールサーバー

メールの送受信を管理し、ユーザーがメールを送ったり受け取ったりできる環境を提供する

プリントサーバー

ネットワーク上の複数のコンピューターから印刷ジョブを管理し、プリンターへの効率的なアクセスを可能にする

ストレージサーバー

大量のデータを保存し、必要に応じて迅速にアクセスできるようにする

DNSサーバー

ドメイン名とIPアドレスの変換を行い、インターネット上での通信を支える

プロキシサーバー

ユーザーの要求を仲介し、セキュリティの向上やキャッシュによるアクセスの高速化を図る

これらのサーバーは、企業の規模や業務内容、利用者数などによって適切に選択され、効果的に運用されることが求められます。適切なサーバーの選択と配置は、業務の効率化やセキュリティの強化につながり、企業のITインフラを支える重要な要素となります。

「サーバー」と「クライアント」の関係

「サービスを提供する」サーバーに対して、「サービスを要求する」側をクライアントといいます。
クライアントがコンテンツやデータなどをサーバーに要求し、サーバーが要求に応じてサービスを提供する、という構成を「クライアント・サーバー構成」と呼びます。

現在では、インターネットを介して、クライアントとサーバーが通信するクライアント・サーバー構成が普及しています。このシステムの歴史を見ていきましょう。

1970年代、コンピューターは非常に高価だったため、複数の専用端末が接続してコンピューターを利用する集中型の構成でした。
しかし、1980年代にかけて、インターネットの普及やコンピューターの低価格化・高性能化など、急速に技術が発展し、少しずつ構成が変化していきます。専用端末として汎用性を持つPCが爆発的に普及し、また集中型のコンピューターはサーバーとして多くのPCにデータを提供するようになりました。
そして、現在のようにPCをはじめとした様々なコンピューターが、インターネット経由でデータをやりとりする「クライアント・サーバー構成」を採用するようになったのです。

クライアント・サーバー構成とは、クライアントがサーバーに要求し、サーバーが要求に応じてサービスを提供すること

現在のサーバーの役割

現代のIT社会において、サーバーはインフラの一部として欠かせない存在です。サーバーは、企業の内部ネットワークやインターネット上で様々なサービスを提供するために利用されています。例えば、ウェブサイトの閲覧やメールの送受信、データベースへのアクセス、ファイル共有など、日常的に使用する多くのサービスはサーバーによって支えられています。

サーバーは、その役割に応じて専門的な機能を持つことが多く、例えば、ウェブサーバーはウェブページを配信し、メールサーバーはメールの送受信を管理します。これらのサーバーは、24時間365日稼働することが求められ、信頼性や安全性が非常に重要です。サーバーが停止すると、サービスの提供が中断され、多くのユーザーに影響を与える可能性があるためです。

さらに、クラウドコンピューティングの登場により、物理的なサーバーを所有せずとも、インターネットを通じて必要なサーバー機能を利用できるようになりました。これにより、企業は初期投資を抑えつつ、必要に応じて柔軟にリソースを増減させることが可能となっています。サーバーは、こうしたITインフラの進化を支える重要な技術要素であり、今後もその役割はますます拡大していくでしょう。
クラウドサーバーについて詳しくはこちらの記事で。
▼クラウドサーバーの構築手順とは? 4つのステップとポイントを解説!

サーバーに求められる条件

サーバーとPCは同じコンピューターですが、用途や役割において異なる部分があります。
サーバーはサービスを提供し続けるために、以下のような条件やシステム構成が求められます。

  • 基本に24時間365日常時稼働してネットワークに接続でき、利用できる安定性
  • 複数の同時アクセスに耐えられるスペック
  • 障害が発生しても影響を抑える耐障害性
  • データ保護、認証機能などのセキュリティ

サーバーはPCと異なり多くの人が利用するため、「スペック不足で処理が重くなる」「障害が発生してサーバーが停止する」といった問題が発生すると、その影響も非常に大きくなります。それらを防ぐために、サーバーは高いスペックや耐障害性に優れたコンピューターであることが求められるのです。

テクバンではビジネスに欠かせないIT基盤であるサーバーの構築支援を行っております。IT基盤に不安や課題がある組織はぜひご相談ください。

サーバーには2種類ある

サーバーは、大きく分けて物理サーバーと仮想サーバーの2種類に分類することができます。
物理サーバーは、具体的なハードウェア機器として存在している、特定の用途に応じて設計された専用の機器です。企業のデータセンターなどで広く使用され、直接的なリソース管理が可能であるため、高い性能と信頼性が求められる場面で選ばれることが多いようです。

一方、仮想サーバーは物理サーバー上で動作する仮想化技術によって、複数の仮想マシンを運用する形態です。そのため、1台の物理サーバーを複数の仮想環境に分割し、それぞれ独立したサーバーのように機能させることが可能です。
仮想サーバーは、柔軟性が高く、リソースの効率的な利用が可能であるため、クラウドサービスを利用する企業や、開発環境の構築などで重宝されています。

どちらのサーバーもそれぞれの利点があり、用途や必要とされる性能、予算に応じて適切なサーバーを選択することが重要です。
物理サーバーは高性能で大規模な処理が必要な場合に有利といえ、仮想サーバーはコスト効率やスケーラビリティを重視する場合に適しています。

サーバーの種類を理解し、目的に応じて最適な選択を行うことが、ITインフラの効率的な運用につながります。
ここではその2つの特徴について解説します。

物理サーバーとは

物理サーバーとは、物理的に存在する1台のサーバーのことです。サーバー用のハードウェア、または1つのサーバー用ハードウェア上に1つのOSをインストールして運用する機器を指します。
物理サーバーは利用の仕方によって、さらに「共有サーバー」と「専用サーバー」に分類されます。

共用サーバーとは、1つの物理サーバーを複数のクライアントで共用する使い方です。
1つのサーバーで多くのユーザーが利用できるためコストパフォーマンスに優れていますが、1人のユーザーが重い処理を実行して多くのリソースを消費すると、他のユーザーにも影響するため、利用の際には注意が必要です。

専用サーバーとは、1つの物理サーバーを1人のクライアントが占有する使い方です。サーバーが持つリソースを自由に使えるため、独自の設定を行ったり、用途に応じて最適化するように環境を構築したりできます。
しかし、導入・運用コストが高額になるというデメリットがあります。導入・運用・保守まで自分で行わなければならず、サーバーの提供会社によっては管理・保守を請け負ってくれることもありますが、その分契約料は追加となるでしょう。

仮想サーバーとは

仮想サーバーとは、仮想化ソフトウェアを使って物理サーバー内に構築されたサーバーのことです。1台の物理サーバーに仮想化ソフトウェアを使用して複数の仮想サーバーを構築すれば、異なる役割をもたせた仮想サーバーを複数稼働できます。これにより、物理サーバーのリソースを効率よく使用することが可能です。

テクバンではサーバー仮想化製品である「VMware vSphere」の導入支援を行っております。ご興味がある方はご確認ください。

仮想サーバーは、仮想化ソフトウェアを使用し、1台のサーバー上で複数のサーバーを稼働させる

なお、提供される方式によって「VPS」と「クラウドサーバー」の2つの種類があります。

VPS(Virtual Private Server:仮想専用サーバー)は、レンタルサーバー事業者によって提供されるサービスのひとつで、1台の物理サーバーを複数の仮想サーバーに分割して提供する方式です。
前述の通り、専用サーバーと同じような使い方が可能です。また、あらかじめ決められたリソースが割り当てられているため、共用サーバーのように他のユーザーに影響を与えることなく利用できます。VPSはスペックに応じての月額課金が一般的です。

クラウドサーバーは、クラウドベンダーによって提供されるクラウドサービスのひとつで、VPSと同じく仮想サーバーが提供されます。
VPSと比べ、柔軟にリソースを変えられる上に、導入も容易です。課金は従量制となることが一般的で、利用した分だけ費用が発生します。

ところで、「サーバー+SANスイッチ+ストレージ」で構成される従来の3Tier型仮想化基盤では、運用管理面や拡張性などの課題がありました。
これが、HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)なら、SDS(Software Defined Storage)技術によりローカルディスクを共有ディスクとして提供することにより、サーバーのみでシンプルで拡張性の高い仮想化基盤を構成することが可能です。
HCI製品である「Cisco HyperFlex」は、従来のサーバーとストレージが統合しているだけのHCI製品と異なり、ネットワークも統合したオールインワンパッケージのため、サーバー・ストレージに加え、ネットワークも一元管理することができます。
テクバンでは、このCisco HyperFlexの導入を支援しております。ぜひご検討ください。
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その他サーバーに関する用語

物理サーバーと仮想サーバーは、他の呼び方もあります。
例えば、クラウドサービスを利用して運用するクラウドサーバーに対して、組織のサーバールームやデータセンターに設置した物理サーバーのことを「オンプレミスサーバー」と呼びます。

この他、レンタルサーバー事業者からレンタルする物理サーバーやVPSを「レンタルサーバー」(ホスティングサーバー)と呼びます。

オンプレミスサーバーの関連記事をご用意しております。ぜひ、ご参考ください。
▼オンプレミスとクラウドって何が違うの? 移行の特徴も解説
▼オンプレミスからクラウドへ。移行する判断基準、手順は? 注意点とメリット・デメリットも解説

用途別サーバーの種類

前段でご紹介したサーバーの用途別分類について、改めてWebサーバー/DNSサーバー/FTPサーバー/メールサーバー/ファイルサーバー/データベースサーバー/アプリケーションサーバーについて、解説ます。

Webサーバー

Webサーバーは、Webサイトやブログなどのコンテンツを提供するサービスです。サーバー上でWebサーバーソフトウェアを動かし、Webサーバーとして機能します。

Webサーバーは、クライアントの要求に対してコンテンツを提供します。
例えば、PCやスマホのブラウザからWebサイトにアクセスすると、該当のコンテンツが格納されているWebサーバーに接続します。Webサーバーからデータをダウンロードし画面を表示する、という仕組みです。

DNSサーバー

DNS(Domain Name System)とは、ドメイン名とIPアドレスを変換する機能です。この機能を提供するサーバーをDNSサーバーと呼びます。

IPアドレスはコンピューターの住所のようなもので、コンピューターにとってわかりやすい数字で表されます。しかし、数字の羅列では人にとってわかりにくいため、わかりやすい名前にしたのがドメイン名です。
例えば、Webサーバーにアクセスしたいのに、IPアドレス「192.168.0.10」といった数字での羅列は覚えにくく、馴染みがありません。そこで「www.techvan.co.jp」のようなドメイン名だと、人にとって扱いやすいものとなります。

仕組みとしては、ブラウザからドメイン名を含んだURLで接続すると、最初にDNSサーバーにアクセスし、ドメイン名をIPアドレスに変換します。その後、IPアドレスから該当のWebサーバーにアクセスしてデータを受け取る、という流れです。多くのURLが数字ではなくドメイン名で利用できるのは、DNSサーバーのおかげです。

DNSサーバーは、IPアドレスを人間にとってわかりやすい名前(ドメイン)に変換する

FTPサーバー

FTP(File Transfer Protocol:ファイル転送プロトコル)は、クライアントとサーバー間でファイル送受信を行うサービスです。このサービスを提供するサーバーがFTPサーバーです。
例えば、Webサイトを作成する際は、Webサーバー上で作成するのではなく、ローカルPC上でWebページやコンテンツを先に作成し、その後Webサーバーに転送すると効率的です。このときに、クライアントとサーバー間でファイル転送を行うのがFTPサーバーの役割になります。

メールサーバー

メールサーバーは、SMTPやPOP3などのプロトコルを制御し、電子メールのやりとりを実現するサーバーです。PCやスマホから電子メールを送信すると、送信されたメールはサーバーに格納されます。また、メールを受信する際は、サーバーから自分宛てのメールを受信する、というのがメールの送受信の仕組みです。

ファイルサーバー

ファイルサーバーは、PCやスマホなど複数の端末でのファイルの共有を制御します。
例えば、PCでファイルを作成・保存したものは、そのPC内でしかアクセスできません。これでは、複数のユーザーがそのファイルへ自由にアクセスできず、業務によっては不便になることもあるでしょう。
そこで、ファイルサーバーにファイルを格納すれば、複数の端末から該当ファイルにアクセスが可能になります。また、ファイルにアクセス権限を設定する機能や、ファイルのバックアップを取得する機能がある場合、これを活用すればセキュリティ面も考慮した活用にもつなげられます。

ファイルサーバーのクラウド化に関する導入事例をご用意しておりますので、併せてご参考ください。
【事例】ファイルサーバーのクラウド化で、従業員のリモートワークを拡大、業務効率化を実現

データベースサーバー

電子データを構造化して整理・格納し、様々なアプリケーションで利用できる形として保存するシステムがデータベースです。データベースサーバーは、データを格納するデータベースとしての役割を持ちます。

データベースに保存されたデータは、様々なアプリケーションやサーバーとの連携が可能です。
例えば、商品情報や顧客情報を保存し、Webサーバーやアプリケーションサーバーなどと組み合わせることで、ECサイトの構築に活用できます。

アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーは、プログラムの実行環境を提供します。
アプリケーションサーバーの仕組みを、ECサイトで商品情報を検索するときの流れで考えてみましょう。
以下のような流れで実現しています。

  1. ECサイトのコンテンツをWebサーバーが提供
  2. 情報を入力して検索ボタンを押下
  3. Webサーバーを経由し、アプリケーションサーバー上のプログラムに情報が送られる
  4. プログラムは入力された情報を基に、データベースサーバーに検索結果を要求
  5. データベースサーバーはデータを検索し、結果をアプリケーションサーバーに返す
  6. プログラムは検索結果をWebサーバーに返す
  7. Webサーバーは検索結果を含んだコンテンツをクライアントに返信

アプリケーションサーバーを使えば、プログラムを開発してWeb上で様々な処理を実現できます。ECサイトの他、オンラインゲームもアプリケーションサーバーを使って実現しているのです。

サーバーの運用保守は重要

サーバーは様々なサービスを提供し、ユーザーにとって大変便利で欠かせないものです。

インターネットを経由せずとも利用できるため、社内ネットワーク内でサーバーを構築したいと考える人もいるでしょう。
しかし、利用者を想定したサーバーの構築・運用・保守を安定的に実行するには、専門的な知識や技術が求められます

また、サーバーに障害が発生しサーバーダウンしてしまうと、組織に大きな影響を及ぼします。特に、ECサイトのような多くのユーザーに利用されるサービスのサーバーが停止してしまうと、経済的損失や信用失墜など多大な損失が発生する恐れがあります。そのため、サーバーの運用・保守は非常に重要です。

テクバンでは、サーバー構築支援サービス、インフラ運用保守・監視サービスを提供しています。サーバー構築や運用・保守について知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
サーバー構築支援サービス

サーバー運用・保守について、それぞれ関連記事をご用意しています。こちらもご覧ください。
▼サーバー運用の業務とは? 内容や管理/保守との違い、効率化の方法を紹介
▼サーバー保守ってどんな業務? 業務内容や保守の重要性を解説

サーバーの種類を最適に選ぶ

本記事では、サーバーの種類について解説しました。
サーバーは、構成や用途などによって複数の種類に分類されます。これらを考慮して、自社の環境にとって最適なサーバーを構築することが大切です。

例えば、多くのアクセスを受け付けるWebサーバーは、VPSやクラウドサーバーを利用して構築する、大切なデータを格納するデータベースはオンプレミスサーバーで構築する、といった目的や用途に沿ったサーバー選定もあるでしょう。

「どのようなサービスを、どういう環境で構築すればよいかわからない」といったお悩みを抱えている組織に向けて、テクバンではサーバー構築支援サービスやインフラ運用保守・監視サービスを提供しています。
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