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2023.05.30

サーバー構築費用・料金の相場は? 失敗しない委託会社選びのポイント解説

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目次

サーバー構築を行う際には、費用を適切に配分することが重要です。外部のシステム開発会社やベンダーなどにサーバー構築を委託する場合、規模や要件によって費用総額が数十万円から数千万円というレンジがあるため、見積もりが適切かどうか判断できないということもあるでしょう。

そこで、サーバー構築費用の参考相場について紹介します。さらに、サーバー構築コストを抑えるためのポイントや、委託先を選ぶ際の注意点についても解説します。

サーバー構築の業務委託の際、参考にできるRFP(提案依頼書)サンプルもご用意しております。ぜひご活用ください。

サーバー、ネットワーク管理を最適化するポイント

サーバー構築とはどんなことをするのか?

サーバーとは、コーヒーサーバーやビールサーバーのように、「給仕する人」「給仕するための道具」という意味があります。IT関連では、他のコンピューターに情報やサービスを提供するコンピューターを指し、Webサーバーやアプリケーションサーバー、データベースサーバー、メールサーバーなど、様々な種類があります。
そして、IT関連のサーバー構築とは、これら特定のサービスを提供するシステムや環境を構築することを指し、目的に合ったソフトウェアやアプリケーション、ミドルウェアを機器にインストールして実施します。
例えば、メールの送受信を行うにはメールサーバーを構築し、Webサービスを利用する場合にはWebサーバーを構築します。つまりサーバー構築は、利用方法に合わせたサービスを実現するための重要な手段といえるのです。

サーバーは他のコンピューターに情報などを提供する

サーバー構築費用の相場は方法により違う

サーバー構築には3つの方法があります。物理サーバー、仮想サーバー、クラウドサーバーがあります。
それぞれ解説します。

物理サーバーとは?

物理サーバーは、実際の機器としてのサーバーです。物理サーバーでサーバー構築をすると、初期導入費用は高額ですが、高いパフォーマンスを発揮し、インターネット環境に依存せずに利用できることがメリットです。また、サーバー構築をオンプレミスで行うとは、物理サーバーを自社の施設に設置することを指します。

仮想サーバー

仮想サーバーはひとつの物理サーバーに複数の仮想的なサーバーを構築し、運用する手法です。物理サーバー上に構築されるソフトウェアの一部であり、CPUやメモリなどのハードウェアを独自に持ちません。専用のソフトウェアを利用し、複数のサーバーでOSやアプリケーションを同時実行できます。ハードウェアの数を最小限に抑え、新たなサーバーを展開できることがメリットです。

物理サーバーと仮想サーバーの違い

クラウドサーバー

サーバー運用の効率化を図るためには、仮想サーバーだけでなくクラウドサーバーも有力な選択肢です。サーバーの仮想化はハードウェアのリソースを活用する技術ですが、クラウドはベンダーのサーバーを利用するため、ハードウェアやソフトウェアの購入が不要です。
また、専門知識を持った技術者によってサーバーの導入や保守運用が行われるため、予算や人材などのリソースに課題があっても、スムーズに導入・運用することができます。

サーバー構築をクラウド化してコスト削減に成功した事例資料をご用意しております。ぜひご確認ください。
サーバーのクラウド化で、更改・保守運用業務を大きく削減。DBとOracleライセンスは継続で有効活用

サーバー構築をクラウド化すればコストダウンできる

サーバー構築の費用の相場と内訳は? (1)物理サーバー

一般的に物理サーバーをオンプレミス環境で構築する際は、次の手順で行われます。
まず、サーバー機器を入手後、必要なソフトウェアをインストールします。その後、周辺機器の準備、利用設定、セキュリティ対策などが行われます。

これら一連のサーバー構築にかかる費用には次のようなものがあります。それぞれの内容、そして目安として費用相場を紹介します。

  • サーバー機器本体価格
    10万~100万円
  • 周辺機器価格
    ルーター:1万~5万円、UPS:3万~8万円、PC・モバイル端末:5万~15万円
  • OS・ソフトウェア設定費用
    3万~30万円
  • ネットワーク設定費用
    10万~40万円

サーバー構築に関する記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
クラウドサーバーの構築手順とは? 4つのステップと構築におけるポイントを解説!

サーバー機器本体価格

サーバー機器本体の価格レンジは大きく、法人向けの小型エントリーモデルでは約10万円前後、比較的高性能なラック型サーバーは約20万~30万円前後です。一部のモデルでは100万円を超えることもありますが、一般的な企業での使用には、この費用範囲内のサーバーで十分なパフォーマンスを得ることができるでしょう。

周辺機器価格

サーバーを運用するには、ルーター(ネットワークを中継する通信機器)、UPS(無停電電源装置)、およびサーバー設定用のPCやモバイル端末などの周辺機器が必要です。
これらの機器の価格は、仕様やネットワークに接続する端末の数によって異なります。
例えば、中小規模のオフィスで使用する場合、ルーターは1万円から5万円程度、UPSは3万円から8万円程度、PCやモバイル端末は5万円から15万円程度が一般的な相場です。

OS・ソフトウェア設定費用

サーバーの構築にはソフトウェアのインストール、設定などが必要です。費用はサーバーの用途や構築内容によって異なります。
一般的な相場として、ファイルサーバーの構築は約3万~6万円前後、メールサーバーやWebサーバーの構築は約5万~10万円前後が見込まれます。複数の端末を一元管理するセキュリティ対策用のサーバーを構築する場合は、約25万~30万円前後の費用が必要となっています。

また、SSL(暗号化通信)の設定やドメインの設定、OSのインストール・環境設定によってもコストがかかることがあります。

ネットワーク設定費用

ネットワーク設定費用は、サーバーに接続する端末の数やオフィスの規模に応じて、変動します。例えば、中小企業のオフィスでPC端末が15~25台程度の場合、一般的な相場は10万~20万円前後です。
ただし、有線LANを構築する場合、ネットワーク設定費用にLANの配線やハブの設置費用(約15万~20万円前後)が加わります。さらに、LANの配線費用とは別にケーブル本体の実費が発生したり、端末側のネットワーク設定に別途料金がかかったりすることもあります。

サーバー構築の費用の相場と内訳は? (2)仮想サーバー

次に仮想サーバーを利用してサーバー構築する場合の費用について紹介します。仮想サーバーで構築する場合、サーバーそのものの機器やネットワーク機器を自前で用意する必要がなく、それに伴う費用を削減できます。代わりに、仮想サーバーの利用料や必要なソフトウェアの費用、作業にかかる要件定義費用や設計費といった人件費が発生します。

具体的にかかる費用には次のようなものがあります。それぞれの内容と目安として費用相場を紹介します。

  • 仮想サーバーの利用料
    5,000円~(月額)
  • ソフトウェア費用
    5万円~
  • 要件定義費用
    10万円~
  • 設計費
    10万円~
  • 構築費
    30万円~

サーバー構築の費用の相場と内訳は? (3)クラウドサーバー

クラウドサーバーの費用体系は、一般的に使用した分だけ費用が発生する従量課金制です。つまり、利用したリソースの量や時間に基づいて料金が計算される仕組みです。導入コストはかからないため、サーバーの導入に伴う大規模な初期投資やハードウェアの購入費用を心配する必要がありません。

サーバー構築費用を抑えるためのチェックポイントは?

費用を抑えるためには、用途や利用範囲の明確化が必要です。これらのポイントに留意しながら効果的にコスト管理すれば、円滑なプロジェクト進行が期待できます。
具体的なポイントについて解説します。

サーバーの用途

サーバーの用途は、構築費用に大きく影響します。ファイルサーバーやプリンターサーバーの構築費用は約3万~6万円、Webサーバーは約5万~10万円、セキュリティサーバーは約25~30万円です。サーバーの用途を明確にし、適切なサーバーを選択することで、費用を抑えることができます。

サーバーの種類、スペック

サーバーの種類やスペック、価格帯は様々です。また、サーバーをクラウドにするか、オンプレミスにするかによっても、費用が異なります。クラウドの場合は初期費用が安価ですが、ランニングコストは高額になる傾向があります。逆にオンプレミスの場合、初期費用が高額ですが、ランニングコストは安価に抑えることができるといえるでしょう。
このため、自社の使用目的に合ったスペックと種類のサーバーを正しく選択することが重要です。

ユーザー数

サーバーへの接続端末の数が増えるほど、関連する費用も増加します。自社や関連会社など、業務にサーバーを使用するユーザーの数が多い場合は、それに応じて多くの端末が必要となるため、あらかじめ費用を計画に入れておくことが重要です。
また、一部のソフトウェアでは、最小ユーザー数や最大ユーザー数の制限がある場合もあります。このため、サーバーへの接続端末数やユーザー数をできるだけ正確に把握しておくことが重要です。

人件費

サーバーの設計や構築に関わる人件費は、担当エンジニアのレベルや人数によって異なります。
また、サーバー構築に要する時間の長さも人件費に大きな影響を与えます。人数を少なくして長期間にわたって構築する、人数を増やして短期間で構築する、または高単価のエンジニアに依頼して少人数で迅速に構築するなど、サーバーの種類や予算に応じて最適なアプローチを選択することが重要です。

サーバー構築を成功させるポイント

サーバー構築を成功に導くには、以下のポイントに注意を払うことが重要です。

サーバー構築計画を明確にする

サーバー構築計画を明確にすることは、プロジェクトを成功に導くためには必要不可欠です。計画を明確化することには次の目的があります。

  • 必要なハードウェアとソフトウェアを特定する
  • 予算を計算する
  • セキュリティとバックアップ計画を立てる
  • 運用体制を整える
  • プロジェクトを時間どおりに予算内で完了させる

逆に計画が明確になっていなければ、サーバーの構築に問題が発生する可能性が高くなります。
例えば、必要なハードウェアやソフトウェアがわからず予算オーバーとなったり、セキュリティやバックアップ体制を十分に考慮していないと、サーバーの障害といったトラブルが発生したときに対応できなかったりする可能性が高くなります。

これらの問題を回避するために、サーバー構築計画を明確にすることが重要なのです。

サーバーの障害の対策について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▼サーバー障害の主な原因とは? 発生時の対処法と対策について徹底解説

適切な規模の委託先を選ぶ

開発会社や専門会社などの委託先を選ぶ際には、自社の規模感やニーズに合った提案やサポートを提供してくれるパートナーを見つけることが必要です。

まず、委託会社の得意分野や開発規模は、用途や目的によって異なることを理解しておきましょう。例えば、数十人規模の小規模な開発会社にとって、1,000人以上の利用ユーザーを持つ大規模なサーバー構築は困難な場合があります。
一方、大手ベンダーはセキュリティなどの面でも高い成果物を期待できますが、多数の大型案件を抱えているため、予算が少額の依頼には対応しづらいことがあります。
依頼先を選ぶ際には、サーバーの構築目的、利用人数、予算などを考慮し、自社のニーズに合う業者を絞り込むことが重要です。

サーバー構築後の運用にも重点を置く

サーバーには障害やサイバー攻撃などのリスクが存在し、Webサイトやメールの利用に支障が生じる可能性があります。特に一定規模以上のサーバーでは、外部からの攻撃による乗っ取りやサイバー犯罪の起点になるリスクも考慮しなければなりません。

そのため、サーバー構築後の運用にも重点を置いて依頼先を選ぶことが重要です。信頼できる会社では専任のエンジニアがサーバーの監視やメンテナンスを担当し、ISO認証やプライバシーマークの取得なども行っています。こうした会社なら安心してサーバーの管理を任せることができるでしょう。

サーバーの運用について詳しくはこちらをご覧ください。
▼サーバー運用の業務とは? 仕事内容やサーバー管理/保守との違い、効率的な方法をご紹介

サーバーの管理や監視について詳しくはこちらをご覧ください。
▼サーバー監視ツールとは? 導入のメリット・デメリットを解説

サーバー構築の外注先を選ぶポイント

サーバー構築を外部の専門会社に委託する場合もあるでしょう。その委託先を適切に選ぶためのチェックリストをまとめました。ぜひ参考にお使いください。

保守も任せられるか

サーバーを構築した後も問題なく利用し続けるためには、保守管理が欠かせません。ただし、自社に専門的なスタッフがいない場合、保守管理が課題となることが多いようです。

そのため、単にサーバー構築だけを外部に委託するのではなく、保守管理も提供してくれる企業を選ぶと安心です。
ただし保守管理を委託すると、長期的な契約になることが多いため、将来を見据えて慎重に選ぶことが重要です。

提案力や課題解決力があるか

サーバーを構築する委託先の会社を選ぶ際には、提案力も重視することが重要です。
委託会社は要望を聞き、それに応じたサーバーを構築する必要がありますが、要望をなかなか明確化できないこともあるでしょう。そのような場合でも、要望を具体化し、最適なサーバーを提案してくれる委託先を選ぶことが重要です。
万が一、ヒアリング後の提案がしっくりこないのであれば、別の会社に委託することを検討してもいいでしょう。

実績があるか?

サーバー構築を外部に委託する際には、必ず実績のある開発会社や専門会社を選ぶことが重要です。実績があるということは、多くの組織のサーバーを構築した経験があり、ノウハウが豊富ということです。また、トラブルが発生した場合でも、迅速に対応できる体制が整っているといえるでしょう。

逆に実績のない開発会社へ依頼すると、思わぬトラブルが発生する可能性があります。また、トラブルが発生した場合でも、適切な対応が得られない可能性があります。

テクバンのサーバー構築支援とは?

テクバンでは、豊富な実績とノウハウを基に、丁寧な要件定義を実施。主要なクラウドサービスからオンプレミスまで幅広く対応し、企業に最適なサーバー環境をご提案しています。導入はもちろん、その後の運用までサしっかりポートいたします。
テクバンのサーバー構築支援とは?

サーバー構築は信頼できる専門会社の選定が重要

サーバー構築は、企業のITインフラを支える重要な要素です。この記事では、サーバー構築の基礎を解説し、費用相場についても紹介してきました。さらに、サーバー構築を成功させるためのポイントにも触れました。
サーバー構築には専門的な知識が必要であり、信頼できる専門会社の選定が重要です。テクバンは提案力と実績を兼ね備えたパートナーとして、サーバー構築をサポートしています。
もし自社での構築・運用に難しさを感じた場合は、ぜひテクバンにお問い合わせしてはいかがでしょうか。

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