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2023.04.28

オンサイト保守とは? サービスの概要を解説

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目次

社内のIT機器が故障した際、メーカーや業者へ製品を送付し修正してもらうには時間と手間がかかります。この対応をスムーズにするのが「オンサイト保守」サービスです。

本記事では、オンサイト保守サービスの概要やメリット・デメリット、オンサイト保守サービスをアウトソーシングする際の注意点などについて、詳しく解説します。
「IT機器の修理でいちいちメーカーに送付する手間がかかりなんとかしたい」「オンサイト保守サービスを検討しているがよくわからない」という方は、ぜひご参考ください。

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オンサイト保守とは

オンサイト保守とは、保守サービスの一種です。「オンサイト(on-sight)」は「現場」という意味の言葉であり、ITにおいては「現場に出向いて業務対応を行う」ということを表します。

あらかじめIT機器の不具合状況を依頼者が業者へ詳細に伝え、その情報を基に作業員が現地で修理対応を行います。訪問保守と呼ばれることもあるようです。

修理対応の領域は業者によってやや異なりますが、一般的にはIT機器の修理や障害への対応・復旧作業、代替品との交換・設置などがあります。サーバー機器が故障した際の復旧作業もオンサイト保守に含まれるため、サーバー保守業務と似ているところがあるともいえるでしょう。

サーバー保守の関連記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼サーバー保守ってどんな業務? 業務内容や保守の重要性を解説
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▼サーバー運用の業務とは? 内容や管理/保守との違い、効率化の方法を紹介

依頼者が業者へIT機器修理を依頼し、不具合情報を基に作業員が現地で修理対応を行うことを、オンサイト保守といいます。

オフサイト保守

オフサイト保守とは、「オフサイト(off-sight)」が元となった言葉で、「現地外・現場から離れた」などの意味があります。離れた環境・現場からメールや電話、Web通話などを使用してリモート対応で保守サポートを行います。現場に出向いて業務対応を行うオンサイト保守とは、言葉は似ていますが意味合いは大きく変わるため注意しましょう。

次項で説明する「センドバック保守」は、オフサイト保守に含まれていると考えられます。

センドバック保守

センドバック保守とは、故障したIT機器や製品をメーカーのカスタマーセンター・窓口に発送し、修理・交換を依頼できる保守サービスです。故障機器を修理している間は、メーカーが代替品を送ってくれることがほとんどです。
IT機器が故障した場合、作業員が現地を訪問するオンサイト保守とは対照的に、センドバック保守はユーザー自らがIT機器をメーカーに発送しなければなりません。

デリバリー保守

デリバリー保守とは、保守対象製品に障害が発生した際、メーカーのコールセンターに障害コールをかけると、修理部品や代替機器を発送してくれるサービスです。

センドバック保守は、故障した製品をメーカーに発送し、修理後に返送されるサービスであるのに対し、デリバリー保守は、故障中に代替品を発送してくれるサービスがメインになります。有償のオプションサービスであることがほとんどです。

障害の切り分けをユーザー自身で行う必要があったり、センドバック保守と一体化して、故障品との交換で代替品を発送したりと、メーカーによってサービス内容は異なるため、契約の際には事前によく確認するようにしましょう。

オンサイト保守サービスの流れ

細かなサービスの流れはメーカーによって異なりますが、オンサイト保守サービスの大まかな流れは以下のように進みます。

  1. トラブル・故障が発生したら、サポートセンターや窓口などに連絡
  2. サポートセンターから修理の作業日程を相談
  3. サポートセンターからシステム保守担当者(作業員)へ作業依頼
    ※必要に応じてパーツ・代替品の送付
  4. 復旧作業

トラブル・故障の原因特定のためだけに現地に赴くことは基本的にはないでしょう。電話・メールなどによるヒアリングを通じて製品の状態や故障具合、トラブルに至った経緯の説明を受け、おおまかな原因を把握した上で現地にて修理対応を行うことになります。

ヒアリングでトラブルの原因特定ができなかったり、現地での復旧作業で直らなかったりする場合は、オンサイト保守によらずオフサイト・センドバック保守サービスに切り替え、メーカーや修理センターで修理を行う可能性もあります。

オンサイト保守サービスのメリット

オンサイト保守サービスを受けるメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 製品や部品の発送の手間が省ける
  • 修理作業の様子を確認できる
  • 迅速な対応

次項より詳細を解説していきます。

製品や部品の発送の手間が省ける

先述の通りオンサイト保守では、修理してほしい製品や部品をメーカーに送る必要がなく、エンジニア(作業員)が現地に訪問し、復旧作業を行います。
サーバーやPC、プリンターなど大きなハードウェアを取り外し、梱包作業をしてから発送まで対応するのは、思っている以上に手間と時間がかかるでしょう。それらの手間を省けるのは大きなメリットだといえます。

IT機器の梱包や発送作業が不要なため、手間が省ける

修理作業の様子を確認できる

要請を受けたエンジニアが、依頼者のいる場で修理作業を行ってくれるのもメリットのひとつです。どの部分に修理を施しているのか、どういった復旧作業をおこなっているのか、状況を把握することができます。
その際に、製品についてわからないことを質問したり、今後の取り扱い方についてアドバイスをもらったりするのもよいでしょう。製品を取り扱う上での注意点を詳細に聞ければ、長期利用につながり、費用対効果を高めることにつながります。

迅速な対応

製品の発送が必要なく、エンジニアが直接修理を行いに来てくれるということは、スピーディーな対応が期待できるということです。復旧作業の希望日を伝えればそれに沿って対応してくれることがほとんどなため、社内スケジュールに応じて修理を行えます。現場の都合に合わせた迅速な解決が可能となるのです。

オンサイト保守サービスのデメリット

一方、オンサイト保守サービスにはデメリットもあります。次のことをしっかりと頭に入れておくことをおすすめします。

  • セキュリティ面での配慮が必要
  • 保守契約内容に十分な検討が必要

セキュリティ面での配慮が必要

オンサイト保守サービスを受ける際は、セキュリティ面でも配慮が必要です。外部の人間を社内に招き入れるということは、情報漏えいリスクは必然的に高まります。入館手続きや身分証明書の提示など、リスクに備える対策が必要です。

保守契約内容に十分な検討が必要

また、保守契約内容については十分な検討が必要となります。必要に応じてその都度保守サービスを依頼する「スポット保守」という方法もありますが、オンサイト保守をスポット的に対応してもらうと、その分工賃や部品代、交通費といったコストが発生する可能性があります。

スポット保守を依頼する頻度によっては、年間契約を結ぶよりもコストがかかってしまう場合もあるため注意が必要です。
自社にとってオンサイト保守とスポット保守どちらが費用対効果を得られるか、依頼する期間や頻度を参考に、事前にしっかりと検討することをおすすめします。

アウトソーシングで確認すべきこと

オンサイト保守のメリット・デメリットを踏まえ、外部へアウトソーシングする際に確認すべき点について紹介します。

サポート体制や研修サービスの有無を確認する

保守サービスのサポート体制がどのようになっているのか、必ず確認しましょう。
平日のコアタイム以外でも稼働するシステム運用・保守のアウトソーシングでは、土日・祝日、早朝・深夜といった24時間365日サポートを行ってくれるのか、またその費用はどの程度かかるのか、などを確認することをおすすめします。時間やシーズンを問わず、柔軟に対応してくれるオンサイト保守サービスが理想です。

また、従業員向けに研修サービスを用意している企業もあります。保守サービス開始前に、どのような段取りで進むのか、どういった対応を行うのか、など細かく確認しておくと、より安心してスムーズにオンサイト保守サービスを受けられるでしょう。

24時間365日サポート可能なのか、サポート内容については必ず確認しましょう。

利用価値が高く信頼できるサービスを選定する

オンサイト保守サービスを依頼する企業のコーポレートサイトを確認し、サービス内容だけでなく導入事例があればそれも参考にしましょう。
導入事例からどのようなサポートを受け、自社課題を解決し、費用対効果を高めることができたのか確認できるはずです。

自社の課題をまずはしっかりと洗い出し、その解決につながるサービスの選定が大切。サポートの範囲や対応可能時間が自社の要望に沿っていることも重要でしょう。

既存業務への影響を考慮する

オンサイト保守の導入で、既存業務が大きく影響を受けてしまわないか、事前に調査を行いましょう。
例えば、業務中にPCが動かなくなったと仮定して、復旧までにおおよそどれくらい工数がかかるのか、その間止まってしまう業務は何なのか、など先に想定しておけると、そのような事態が発生してもフォローしやすくなります。既存業務への影響が少ない保守サービスを選定し、スムーズに導入・運用できるように準備することをおすすめします。

第三者保守サービスの選択

一般的にIT機器を販売しているメーカーは、製造したサーバーやネットワーク機器などに対しオンサイト保守サービスを有償で提供していることが多いですが、「購入してから○年以内」と保証対象期間が設けられている場合がほとんどです。そのため、その期間を過ぎてしまうとメーカーからの保守サービスを受けることはできません。

メーカーの保証対象期間が過ぎたIT機器のオンサイト保守を検討しているのであれば、「第三者保守」という手段もあります。
第三者保守とは、メーカー以外の第三者・専門業者に保守を依頼するサービスです。メーカーの保証期間を過ぎてもこれまで通り保守サービスを受けられるため、安心して利用できます。また、契約内容によっては全機器の保守をひとつにまとめて管理できるため、管理が楽になるメリットもあります。

アウトソーシングの基本的な情報については、こちらで紹介しています。ぜひご覧ください。
▼アウトソーシングとは? 委託事例や成功におけるポイントを紹介

オンサイト保守でIT環境の最適化

様々なクラウドサービスやITシステムを利用したビジネスが主流となった現在、IT機器を常に万全な状態にしておくこと、トラブル発生時には迅速な対応ができるように体制を整えることが、組織に求められているのです。

オンサイト保守には、ITに関する知識だけでなく、それらの機器を正しく扱える情報と知識を備えなければなりません。専門企業にオンサイト保守サービスを依頼する方が、利益をもたらすこともあるでしょう。

テクバンでは、経験豊富なITエンジニアがリモートセンターから24時間365日、お客様の問い合わせに対応する「システム運用マネジメント」サービスを提供しています。豊富なオプションをご用意していますので、お客様が希望しているサービスのみお選びいただけます。

オンサイト保守でお困りごとがある場合は、ぜひテクバンまでお気軽にご相談ください。

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