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2023.02.28

サポートデスクとは? 運用課題を解決し、生産性を高める秘訣を徹底解説

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サポートデスクとは、社内外からの問い合わせに対応し、課題解決を支援する重要な窓口です。
本記事では、サポートデスクの基本的な定義から、ヘルプデスクといった類似概念との違い、導入の必要性、そして運用で直面しがちな課題とその具体的な解決策までを徹底解説します。
この記事により、サポートデスクを最適化し、従業員の生産性向上と顧客満足度の向上を実現するための秘訣を網羅的に理解できるでしょう。

サポートデスクの アウトソーシングを 失敗させないポイントとは

サポートデスクとはどんな役割を担う?

サポートデスクとは、問い合わせに対応する窓口です。自社組織内の従業員に対応するサポートデスクと、顧客や利用者など組織外から寄せられる問い合わせに応じるサポートデスクがあります。
組織内のサポートデスクの問い合わせではソフトウェアの機能・使い方や更新方法を知りたい、デバイスに不具合が起きているといったものが多く、組織外のサポートデスクにはユーザーのクレームや、製品やサービスへの問い合わせなどが入ります。
またサポートデスクは、「ヘルプデスク」「サービスデスク」などと呼ばれることもあります。一般的には、サポートデスクとヘルプデスクは一般的なフォローを行う窓口、サービスデスクは専門的な知識を必要とするトラブル対応や詳細な使用方法の説明まで、広く深く対応する窓口と認識されています。

コンタクトセンターとの違いは?

さらにサポートデスクと間違われるものとして、「コンタクトセンター」があります。
コンタクトセンターとは、顧客から入る様々な問い合わせに応対しながら、顧客のアクションや属性情報から新たなプランを提案したり、新商品の案内をしたりといった営業の側面も担います。さらに、クレーム内容や顧客とのコミュニケーションから吸い上げた意見から、新たなサービス・商品開発や改善につながる提案業務も任されています。
一方のサポートデスクは、問い合わせに対する解決方法を伝えたり、使い方、トラブルをフォローしたりする任務のため、コンタクトセンターと比較して業務範囲は限定的といえます。

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▼サービスデスク業務とヘルプデスク業務との違いとは?

サポートデスクを置くメリット

ところで、サポートデスク部門はどのような組織にもあるのでしょうか。
組織の外から入る問い合わせに対応するサポートデスクは、顧客に提供する商品やサービスがある場合に運営されていますが、明確な顧客がいない組織にはありません。
一方、組織内の問い合わせ対応を行うサポートデスクは、一定人数以上が働く組織にはほとんど置かれていて、主にIT環境に対するサポート体制が万全です。
ここからは、サポートデスクを組織の内か外か、どちらに対応するか分けることなく、サポートデスクを置くメリットについて、次の4つを紹介します。

  1. 組織内の業務全体を効率化する
  2. 顧客満足度に貢献する
  3. ノウハウを共有できる
  4. 人件費削減につながる

1.組織内の業務全体を効率化する

組織外向けのサポートデスクがなかった場合、顧客からの問い合わせがあるたびに、内容を吟味して所管の部門に連携するという二重三重の手間がかかります。さらに、エスカレーションされた所管部門では顧客対応を優先しなければならず、本来の業務にしわ寄せが及んでしまいます。
これはサポートデスクが問い合わせの専門窓口となることで、所管部門では問い合わせ内容を落ち着いて吟味し、丁寧に対処できるようになるのです。
また、専門性や重要度が高い内容以外の一般的な問い合わせは、サポートデスクだけで対応できるため、組織内のそれぞれの部門が業務に集中し、生産性アップにつながります。

一方、組織内向けのサポートデスクがない場合はどうでしょうか。業務中にPCなどのデバイスや周辺機器にトラブルが発生する、使い方がわからなくなったとき、自分で調べて対処するか、周囲の人の助けを借りることになります。これは大変非効率な上に、リモートワークの環境ではかなりハードルが高いといえます。これもサポートデスクがあれば、問題を迅速に解決できるようになるため、業務を効率的に進められるのです。

2.顧客満足度に貢献する

組織外の問い合わせに応対するサポートデスクがあれば、いちいち所管部門につないで問い合わせをする必要がありません。顧客を待たせることなく、迅速に解決に導くことは顧客ロイヤルティにとって重要です。
また、顧客対応スキルが高いサポートデスクで問題がスムーズに解決すれば、顧客の感情に変化をもたらし、不満やクレームだった問い合わせも満足へと導くことにもなるでしょう。
そして、サポートデスクが専門的に顧客対応することで、クレームや問い合わせの傾向から潜在的な課題を浮き彫りにし、よりよい製品やサービスを提供し、顧客満足度の向上も期待できます。

不満やクレームだった問い合わせもサポートデスクの対応で満足に変わることも

3.ノウハウを共有できる

専用のサポートデスクがあれば問い合わせが集約するため、頻繁に入る問い合わせへの対応は最適化されていき、やがてノウハウ、ナレッジとして蓄積されます。
これをFAQ(よくある質問)として質問と回答をWebサイトやポータルサイトへ掲載して社内共有すれば、ユーザー自らが解決することを促し、問い合わせ件数を減らすことにもつながります

サポートデスクで問い合わせを集約すれば、ノウハウが蓄積される

4.人件費削減につながる

ここまでサポートデスクを置くメリットを3つ紹介しました。サポートデスクがない場合は問い合わせの都度、所管部門が個別対応するデメリットも同時に理解していただけたのではないでしょうか。

加えてサポートデスクの設置は人件費の削減にもつながります。「サポートデスクの人件費がかかるじゃないか」と感じるかもしれません。
しかし、所管部門の直接対応では対応する前に情報を整理したり、事実確認をしたりするだけでも手間がかかります。ノウハウもなく不慣れな対応では想像する以上に時間もかかるでしょう。その対応分の工数もコストです。
専門的なノウハウや知識を蓄積しているサポートデスクに問い合わせを一元化すれば、一般の従業員が対応するより圧倒的に対応工数が削減されることになるのです。

サポートデスクが抱える主な課題と解決策

サポートデスクは、顧客や従業員の円滑な業務遂行を支える重要な役割を担う一方で、その運用には様々な課題が伴います。これらの課題を放置すると、対応品質の低下や業務効率の悪化を招き、結果として組織全体の生産性や顧客満足度にも悪影響を及ぼしかねません。
そこで、サポートデスクが直面しやすい主な課題と、それらを解決するための具体的な対策について解説します。

課題1:軽微な問い合わせによる対応工数の圧迫

サポートデスクに寄せられる問い合わせの中には、製品マニュアルや社内規定を見れば解決できるような、比較的軽微な内容も少なくありません。
これらの問い合わせが大量に発生すると、本来注力すべき複雑な問題や緊急性の高い案件への対応時間が圧迫され、結果としてサポートデスク全体の対応工数が増大し、業務効率が低下するという課題が生じます。
特に、マニュアルが分かりにくい、FAQの検索性が低いといった問題があると、ユーザーは自己解決を諦め、安易にサポートデスクに頼ってしまう傾向があります。

解決策:FAQ・マニュアルの最適化とセルフサービス化推進

軽微な問い合わせによる工数圧迫を解決するためには、FAQやマニュアルの最適化と、ユーザー自身が問題を解決できるセルフサービス環境の推進が不可欠です。まず、既存のマニュアルやFAQの内容を見直し、ユーザーが「知りたい情報」にすぐにたどり着けるよう、分かりやすい言葉で簡潔に記述し、図解などを活用して視覚的な理解を促しましょう。
また、FAQは、単に質問と回答を羅列するだけでなく、キーワード検索の精度を高めたり、関連情報を自動で表示したりする機能を備えたシステムを導入することで、利便性を向上させることが可能です。

さらに、ユーザーが能動的に自己解決できるよう、社内ポータルサイトや専用のナレッジベースにFAQやマニュアルを集約し、アクセスしやすい環境を整備することが重要です。チャットボットを導入し、よくある質問には自動で回答させることで、サポートデスクの一次対応の負担を軽減し、より専門的な問い合わせに集中できる体制を構築できます。

課題2:対応品質のばらつきと属人化

サポートデスクでは、対応する担当者によって回答の品質や対応スピードにばらつきが生じることがあります。特定の担当者のみが高度な知識やノウハウを持つ「属人化」が進むと、その担当者が不在の際に問題解決が滞ったり、他の担当者が同様の問い合わせに対応する際に時間がかかったりする問題が発生します。
これは、顧客満足度の低下や、サポートデスク全体の信頼性にも影響を及ぼす深刻な課題です。

解決策:ナレッジマネジメントと標準化された回答プロセスの構築

対応品質のばらつきと属人化を解消するには、ナレッジマネジメントの導入と、標準化された回答プロセスの構築が効果的です。
ナレッジマネジメントとは、個人の持つ知識や経験(暗黙知)を組織全体で共有可能な情報(形式知)へと変換し、活用する仕組みを指します。
具体的には、過去の問い合わせ履歴や解決事例、製品に関する詳細情報などを集約したナレッジベースを構築し、全ての担当者が参照できる状態にすることが重要です。

また、問い合わせの種類に応じた標準的な回答テンプレートや対応フローを整備することで、経験の浅い担当者でも一定の品質を保った対応が可能になります。これにより、特定の担当者に業務が集中する属人化を防ぎ、サポートデスク全体の対応能力を向上させることができます。
定期的な研修やOJTを通じて、ナレッジベースの活用方法や標準化されたプロセスの遵守を徹底し、継続的なスキルアップを促すことも重要です。

本来の業務以外は切り分けることもマネジメントとしては重要

課題3:対応範囲の不明確さによる非効率

サポートデスクの対応範囲が不明確であると、本来担当すべきではない問い合わせに対応したり、逆に本来対応すべき問い合わせがたらい回しになったりする問題が生じます。
このため、担当者の業務負荷が増大するだけでなく、問い合わせ解決までの時間が長引き、非効率な運用に陥る可能性があります。特に、社内外からの多様な問い合わせに対応するサポートデスクでは、どこまでが自身の役割であるかを明確にしておかなければ、業務の重複や漏れが発生しやすくなります。

解決策:対応範囲の明確化とエスカレーションルールの整備

この課題を解決するためには、サポートデスクの対応範囲を明確に定義し、エスカレーションルールを整備することが重要です。対応範囲の明確化とは、サポートデスクがどのような種類の問い合わせに対応し、どのような問題解決を担うのかを具体的に定めることです。そうすると、担当者は自身の業務に集中でき、不要な問い合わせに時間を費やすことがなくなります。

また、サポートデスクで解決できない専門性の高い問い合わせや、緊急性の高いトラブルが発生した場合に、どの部署の誰に、どのような手順で連携するかを定めたエスカレーションルールを策定する必要があります。これによって問い合わせがスムーズに適切な部署へ引き継がれ、迅速な解決につながります。 エスカレーションルールは、関係部署と連携し、定期的に見直しを行うことで、常に最適な状態を保つことが可能です。

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課題4:迅速な対応が難しい状況への対処

組織外の顧客ユーザーは、問い合わせに対して迅速な解決を期待しています。
しかし、サポートデスクの体制やリソースが不十分である場合、問い合わせへの応答や解決までに時間がかかり、顧客満足度の低下や業務の停滞を招くことがあります。
特に、緊急性の高いシステムトラブルや、多くのユーザーに影響を及ぼす問題が発生した場合、迅速な情報共有と対応が求められますが、体制が整っていないと対応が後手に回ってしまうことになりかねません。

解決策:SLA設定と進捗管理、迅速な情報共有体制

迅速な対応が難しい状況に対処するためには、SLA(サービスレベルアグリーメント)の設定、進捗管理の徹底、そして迅速な情報共有体制の構築が有効です。
SLAとは、提供するサービスの品質基準について、顧客との間で合意する取り決めのことです。
例えば、「初回応答時間:〇時間以内」「解決時間:〇営業日以内」といった具体的な目標値を設定し、これらを遵守することで、顧客はサービスレベルを事前に把握でき、不満の軽減につながります。

また、SLAを設定するだけでなく、問い合わせの進捗状況をリアルタイムで管理できるシステムを導入することで、各案件の対応状況を可視化し、遅延が発生しそうな案件を早期に発見・対処することが可能になります。
さらに、サポートデスク内外での迅速な情報共有体制を確立することも重要です。
例えば、社内チャットツールや情報共有プラットフォームを活用し、トラブル発生時の状況や対応状況、暫定的な解決策などを関係者間で速やかに共有することで、問題解決までの時間を短縮し、ユーザーへの適切な情報提供を可能にします。

これらの対策を組み合わせることで、サポートデスクはより迅速かつ質の高い対応を実現し、顧客満足度を向上させることができます。

サポートデスクの効率化に貢献するシステム・ツール

近年のサポートデスク運営において、その効率性と対応品質を飛躍的に向上させるためには、適切なシステムやツールの導入が不可欠です。これらのツールは、定型業務の自動化、情報の一元管理、そしてデータに基づいた改善サイクルを可能にし、結果として従業員の生産性向上と顧客満足度の確立に大きく貢献します。
そこで、サポートデスクの運用課題を解決し、より質の高いサービス提供を実現するための主要なシステム・ツールについて詳しく解説します。

ヘルプデスクシステム・ITSMツールの機能

ヘルプデスクシステムやITSM(ITサービスマネジメント)ツールは、社内外からの問い合わせ対応を体系的に管理し、ITサービスの安定的な提供を支えるための基盤となるシステムです。これらのツールを導入することで、問い合わせの受付から解決までのプロセスを標準化し、属人化の解消と業務効率化を実現できます。

主な機能としては、以下のような点が挙げられます。

  • チケット管理機能:問い合わせ内容を「チケット」として一元的に管理し、対応状況の可視化、優先順位付け、担当者への自動割り当てを行います。これにより、対応漏れや遅延を防ぎ、迅速な問題解決を支援します。
  • ナレッジベース機能:FAQ(よくある質問)やトラブルシューティング、操作マニュアル、過去の解決事例などを集約・共有できるデータベースです。利用者が自己解決できる環境を整備し、軽微な問い合わせによる対応工数の圧迫を軽減します。
  • SLA(サービスレベルアグリーメント)管理機能:サービス提供者と利用者間で合意したサービス品質目標(対応時間、解決時間など)に基づき、進捗を管理します。これにより、顧客への迅速かつ確実なサービス提供を保証し、対応品質の向上に貢献します。
  • レポート・分析機能:問い合わせ件数、対応時間、解決率、顧客満足度などのデータを自動で収集・分析し、サポートデスク運営の現状を可視化します。このデータに基づき、人員配置の最適化や業務フローの改善など、継続的なサービス品質向上に向けた戦略的な意思決定を支援します。
  • IT資産管理機能:ITSMツールに特有の機能として、組織内のPC、ソフトウェア、ネットワーク機器などのIT資産情報を一元管理できます。これにより、問い合わせ対応時に必要な機器情報を迅速に参照し、より的確なサポートを可能にします。

これらの機能は、サポートデスクの業務を効率化するだけでなく、対応品質の均一化、ノウハウの蓄積と共有、そしてITサービス全体の管理体制強化に大きく寄与します。

チャットボット・AIによる自動応答の活用

近年、AI(人工知能)技術の進化は、サポートデスクのあり方を大きく変革しています。特にチャットボットやAIによる自動応答システムは、定型的な問い合わせ対応の自動化を可能にし、サポートデスクの業務効率と顧客体験の向上に貢献しています。

チャットボット・AIによる自動応答の主なメリットは以下の通りです。

  • 24時間365日対応:AIは時間や曜日を問わず稼働できるため、顧客はいつでも問い合わせを行い、即座に回答を得られます。これにより、顧客満足度の向上だけでなく、営業時間外の機会損失を防ぐことにもつながります。
  • 定型的な問い合わせの自動解決:パスワードの再発行、よくある質問、簡単なトラブルシューティングなど、頻繁に寄せられる定型的な問い合わせに対して、AIが迅速かつ正確に自動で回答を提供します。これにより、オペレーターはより複雑で専門的な問い合わせ対応に集中でき、業務負担が大幅に軽減されます。
  • FAQの自動生成と回答精度の向上:AIは、過去の問い合わせ内容や有人対応のログを学習し、FAQの自動生成や回答のチューニングを行います。これにより、利用すればするほどAIの回答精度が向上し、自己解決率が高まります。
  • 有人対応へのスムーズなエスカレーション:AIが解決できない、あるいは専門的な判断が必要な問い合わせに対しては、適切なタイミングで有人チャットや電話対応へとスムーズに引き継ぐことが可能です。この連携により、顧客は適切なサポートを途切れることなく受けられます。
  • ナレッジベースの強化:AIとの対話履歴は貴重なナレッジとして蓄積され、サポートデスク全体の知識基盤を強化します。これにより、新たなFAQの作成や既存ナレッジの改善に役立てられ、さらなる自己解決率の向上につながります。

AIヘルプデスクやボイスボットといったツールは、顧客や従業員が求める情報を迅速に提供し、サポートデスクの生産性を高める上で非常に有効な手段です。

顧客管理(CRM)システムとの連携で顧客情報を一元化

顧客管理(CRM:Customer Relationship Management)システムは、顧客との関係性を構築・維持し、顧客生涯価値(LTV)を最大化するための重要なツールです。このCRMシステムをサポートデスクのツールと連携させることで、顧客情報を一元的に管理し、よりパーソナライズされた質の高いサポート提供が可能になります。

CRMシステム連携による主なメリットは以下の通りです。

  • 顧客情報の一元管理:氏名、連絡先、購入履歴、過去の問い合わせ履歴、Webサイトでの行動履歴など、あらゆる顧客情報をCRMに集約します。これにより、サポートデスクの担当者は、問い合わせ対応時に顧客の状況を多角的に把握し、適切な対応を迅速に行えます。
  • 対応品質の向上とパーソナライズ:顧客の過去のやり取りや属性情報を参照することで、顧客のニーズや状況に合わせたきめ細やかなサポートを提供できます。これにより、顧客は「自分のことを理解してくれている」と感じ、顧客ロイヤルティの向上に繋がります。
  • 部門間連携の強化:サポートデスクだけでなく、営業、マーケティング、開発部門など、企業内の他部門とも顧客情報をシームレスに共有できます。例えば、顧客からの製品改善要望を開発部門に迅速に伝えたり、アップセル・クロスセルにつながる可能性のある顧客情報を営業部門に共有したりと、企業全体で顧客中心のビジネスを推進できます。
  • データ入力の効率化と正確性の向上:CRMとサポートデスクシステムが連携することで、手動によるデータ入力作業を削減し、業務負担を軽減します。また、情報の重複や入力ミスを防ぎ、データの正確性を高めることにも貢献します。
  • 経営判断の迅速化:顧客に関する最新の情報がリアルタイムで企業全体に共有されるため、経営層は市場の動向や顧客ニーズを正確に把握し、より迅速かつ的確な経営判断を下すことが可能になります。

CRMシステムとの連携は、サポートデスクが単なる問い合わせ窓口ではなく、顧客との関係性を深め、企業の売上や成長に貢献する戦略的な部門へと進化するための重要な要素となります。

サポートデスク業務を外部委託するメリット

サポートデスクは、顧客からの問い合わせ対応や社内からのIT関連の質問など、多岐にわたる業務を担う重要な部門です。しかし、これらの業務を全て自社内で賄うには、専門知識を持つ人材の確保や育成、運用コストなど、多くの課題が伴います。そこで、多くの企業が検討するのが、サポートデスク業務の外部委託(アウトソーシング)です。

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外部委託で得られる専門性とスピード

サポートデスク業務を外部の専門業者に委託することで、企業は高い専門性と迅速な対応力を享受できます。外部の専門業者は、長年の経験と豊富なノウハウを蓄積しており、多様な問い合わせや複雑なトラブル、さらにはクレーム対応まで、専門性の高いサポートを迅速かつ的確に行うことが可能です。
自社内でサポートデスクを運営する場合、専門知識を持つ人材の採用や育成には時間とコストがかかりますが、外部委託ではこれらの負担を軽減できます。
特に、IT関連の専門知識が必要な問い合わせや、24時間365日体制でのサポートが必要な場合など、自社だけでは対応が難しい状況において、外部委託は大きな強みとなります。これにより、顧客や従業員は質の高いサポートを安定して受けられるようになり、満足度向上にもつながります。
テクバンのヘルプデスク(サービスデスク)サービスとは?

コスト削減とコア業務への集中

サポートデスク業務の外部委託は、コスト削減とコア業務への集中という2つの大きなメリットをもたらします。
まずコスト面では、自社で専門のサポートスタッフを雇用・育成する際にかかる人件費や研修費、さらにはサポートデスクを運営するための設備投資、システムやツールの導入・維持費用などを削減できます。
外部委託の場合、これらの固定費をサービス利用料という変動費に転換できるため、より柔軟な予算管理が可能になります。

次に、コア業務への集中についてです。サポートデスク業務は、企業の事業活動を円滑に進める上で不可欠ですが、多くの企業にとって直接的な収益に結びつく「コア業務」ではありません。この業務を外部に委託することで、社内の貴重な人的リソースを、製品開発、マーケティング戦略、営業活動、新規事業の立ち上げなど、企業の売上や利益に直結するコア業務に再配置できるようになります。
特に情報システム部門(情シス)においては、日常的な問い合わせ対応から解放され、IT戦略の立案やシステム開発といった、より戦略的で生産性の高い業務に注力できるようになるでしょう。
結果として、従業員の業務負担が軽減され、エンゲージメントや生産性の向上、ひいては離職率の低下にも寄与するといえるでしょう。

テクバンではIT情報システム関連業務向けのTECHVAN Management Centerサービスを提供しております。
本サービスでは、経験豊富なコンサルタントがIT情報システム部門の現状から課題を抽出し、優先順位を見極めたアウトソーシングの構想を策定。課題を解決し、部門コスト削減やDX推進など経営視点のゴールをお客様と共有しながら、アウトソーシングを実現させます。
ご相談をいただいてから最短1か月でご支援開始が可能です。
とりあえず、アウトソーシングの費用対効果について話を聞いてみる

委託先の選定ポイントと注意すべきデメリット

サポートデスク業務の外部委託は多くのメリットがある一方で、その効果を最大限に引き出し、潜在的なリスクを回避するためには、慎重な委託先の選定とデメリットへの理解が不可欠です。

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▼ヘルプデスクサービス選びのポイントは? 導入メリットやサービス内容を解説

委託先の選定ポイント

まず、外部委託先を選ぶポイント・観点について、解説します。

実績と専門性

委託先が過去にどのような企業で、どのようなサポートデスク業務を経験してきたかを確認しましょう。自社の業界や製品・サービスに関する知識、対応可能な業務範囲(テクニカルサポートの深さ、多言語対応の可否など)が自社のニーズと合致しているかを見極めることが重要です。
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事例紹介!社内ITサポートを1日3時間削減し、IT人材の価値を最大化した秘訣とは?【マンダム様】

サービス品質とSLA(サービスレベルアグリーメント)

委託先が提供するサービスの品質基準が明確であり、SLAとして具体的に提示されているかを確認します。応答時間、解決時間、稼働率、顧客満足度目標など、自社が求める品質レベルが契約に盛り込まれているかを確認し、定期的な評価体制についても合意しておくことが重要です。

セキュリティ体制

顧客情報や社内機密情報を取り扱うため、情報漏洩対策が徹底されているかは最も重要な選定ポイントの一つです。ISMS認証やプライバシーマーク(Pマーク)などの第三者認証の取得状況、セキュリティポリシー、情報管理体制、従業員へのセキュリティ教育などを確認し、信頼できる委託先を選びましょう。

柔軟性と対応力

サポートデスクへの問い合わせ件数は時期によって変動したり、緊急のトラブルが発生したりすることもあります。業務量の増減への対応力、24時間365日対応の可否(必要な場合)、緊急時のエスカレーション体制など、柔軟な対応が可能かを確認します。

コミュニケーションと情報共有体制

委託先との円滑なコミュニケーションと情報共有は、サービス品質維持のために不可欠です。定期的な報告会の実施、ナレッジの共有方法、課題発生時の連携プロセスなど、密な連携体制が構築できるかを確認しましょう。

コストと費用対効果

提示された費用が自社の予算と見合っているかだけでなく、サービス内容に対する費用対効果を総合的に判断することが大切です。料金体系(月額固定制、従量課金制など)の透明性、追加費用が発生する条件などを事前に確認し、不明瞭な点がないようにしましょう。

注意すべきデメリット

外部委託には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。これらを事前に理解し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。

社内ノウハウの蓄積不足とブラックボックス化

サポートデスク業務を外部に丸投げしてしまうと、社内に問い合わせ対応のノウハウや問題解決の経験が蓄積されにくくなります。これにより、将来的に自社でサポート業務を内製化しようとした際に、スキルや知識が不足しているという事態に陥る可能性があります。委託先との定期的な情報共有や、FAQ、マニュアルの共同作成などを通じて、社内へのナレッジ蓄積を意識的に行うことが重要です。

情報共有とコミュニケーションの課題

外部委託先のスタッフは、自社の組織文化、独自のシステム、詳細な業務フローについて、社内スタッフほどの深い理解がない場合があります。これにより、情報連携がスムーズに行われず、問い合わせ対応の品質が低下したり、認識のずれから誤った対応につながったりするリスクがあります。定期的なミーティングや専用のコミュニケーションツールの活用など、密な情報共有体制を構築することが不可欠です。

セキュリティリスク

顧客の個人情報や社内機密情報など、重要なデータを外部に預けることになるため、情報漏洩のリスクは常に考慮すべきデメリットです。委託先のセキュリティ対策が不十分な場合、企業の信頼を大きく損なう事態に発展する可能性があります。契約締結前に委託先のセキュリティポリシーや実績を厳しく評価し、情報漏洩発生時の対応についても明確な取り決めをしておく必要があります。

サービス品質のばらつき

委託先によっては、自社が求める品質基準や顧客対応の理念と異なる対応が行われる可能性があります。特に、顧客対応における言葉遣いやトーン、問題解決への姿勢などが自社のブランドイメージと合わない場合、顧客満足度の低下を招く恐れがあります。定期的な品質チェックやフィードバックを通じて、常に自社の基準に沿ったサービスが提供されているかを確認することが重要です。

想定外のコスト増加

契約内容や業務範囲が不明確な場合、当初の予算を上回る追加費用が発生する可能性があります。特に、契約範囲外の業務を依頼したり、緊急対応が必要になったりした場合に、予期せぬコストがかかることがあります。契約書で業務範囲、料金体系、追加費用の発生条件などを明確に定めることで、コスト増加のリスクを最小限に抑えられます。

まとめ:サポートデスクは経営戦略を支える

サポートデスクは、単なる問い合わせ対応の窓口ではなく、従業員の生産性向上、顧客ロイヤルティの確立、そして組織のナレッジ蓄積に不可欠な存在です。軽微な問い合わせによる工数圧迫や対応品質のばらつきといった課題は、FAQの最適化、ナレッジマネジメント、ヘルプデスクシステムやチャットボットの導入、さらには外部委託の活用によって解決可能です。これらの施策を通じてサポートデスクを最適化することは、企業の競争力を高め、持続的な成長を支える重要な経営戦略となります。

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