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2023.11.15

OCI(Oracle Cloud Infrastructure)とは? 特徴や導入メリットなどを解説

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目次

社内にサーバーやネットワーク機器を用意して開発環境を構築したり、システムを運用したりするオンプレミス型システムから、クラウド上で同様のことを行うクラウド型システムへと移行する動きが広がっています。

OCI(Oracle Cloud Infrastructure)はオラクル社が提供するクラウドサービスであり、多くの企業で採用されています。OCIはデータベースをはじめとした様々なビジネス向けソフトウェアを、オンプレミスからクラウド上へそのまま移行できるため、利用されているのです。

本記事では、OCIについて特徴や導入方法、価格などを紹介します。

OCIサーバーで 解放された時間・ 人的リソースが 新たな価値を生む

OCIとは?

OCIとは、パブリッククラウドサービスです。同様のサービスには、マイクロソフト社のMicrosoft Azureやアマゾン社のAWS(Amazon Web Services)などがあります。

クラウドサービスとして後発であったOCIは、シェア率だけを見ると需要が少ないニッチなサービスなのではと思われがちですが、近年大きな成長を遂げている注目サービスのひとつです。

インターネットが広く普及した昨今、通信の高速化・大容量化がトレンドになっていますが、そこで誕生したのが、クラウド上の仮想インフラを活用できるクラウドインフラサービスです。
クラウドインフラサービスであるOCIを利用すれば、高額なハードウェアの購入や面倒な保守の必要がなく、わずかな初期投資で自社サーバーを設置できます。
必要量に応じた従量課金制が主流となっているため、毎月のシステム関連費の削減も期待できるでしょう。

オラクル社はもともと、商用リレーショナルデータベース管理システムの「Oracle Database」を開発・販売していることでも知られています。
Oracle Databaseとは、職員名簿や小規模店舗の顧客リストのような少量のデータから、大規模な通販顧客リストや受注実績の管理、大量のサンプルデータの検索や他データとの関係性の分析まで、幅広いニーズに対応できる総合的なデータベース管理ソフトです。
Oracle Databaseは、ビジネスの業務システムがすべてオンプレミス環境で完結していた時代から、業界・業種問わず様々な企業で活用され、大きな信頼と人気を得ていました。

そのような流れから、OCIは「Oracle Databaseを長い間使い続けているため、構築された既存のビッグデータをそのままクラウド化して活用したい」「Oracle Databaseのデータを、面倒な手間なしにクラウドへ移行させたい」という企業にとって、待望のクラウドインフラサービスだといえるでしょう。

既存のOracle Databaseを生かしたまま、スムーズなクラウド化を成功させた事例について、以下資料にて紹介しています。
【事例】サーバーのクラウド化で、更改・保守運用業務を大きく削減。DBとOracleライセンスは継続で有効活用

3種類のクラウドサービスタイプ

OCIをはじめとするクラウドサービスは、その事業者が管理・提供する領域によって、3つのタイプに分けられます。
3種類のクラウドサービスの違いについて紹介します。

IaaS、PaaS、SaaSの違い

IaaSは「Infrastructure as a Service」、PaaSは「Platform as a Service」、SaaSは「Software as a Service」の略称です。
共通する“as a Service”は、日本語で「サービスとしての」という意味になります。つまりこれら3つは、クラウドサービスの提供範囲が「Infrastructure」か「Platform」か「Software」かの違いということです。

Infrastructure(インフラストラクチャー)とは、電源やストレージを含むハードウェア本体の他、ネットワーク基盤部分などを指します。これらのインフラがクラウド上で用意されており、OSやデータベースシステム、ウェブサービスなどはユーザーが自由に選択して利用できます。
同様に提供されている仮想ハードウェアについても、選択の幅が広く、高いスペックにも対応可能です。

Platform(プラットフォーム)とは、コンピューターの使用環境のことです。OSの種類(WindowsやMacOS、Linux系など)やアプリケーションの開発環境、データベースシステム、ウェブサービス・ブログサービスなど、様々な領域で提供されています。
本来、オンプレミスで用意しなければならないようなプラットフォーム環境を、すべてクラウドサービスとして用意できるため、すぐに開発作業を始められるメリットがあります。

Software (ソフトウェア)とは、クラウド上で使用するアプリケーションまでを含めたパッケージです。オフラインのPCで表計算ソフトを使うのと同じ感覚で、クラウド上でソフトウェア(GmailやOffice 365など)を使用します。
複数の端末から同じアカウントで利用したり、ひとつのデータを複数のユーザーが閲覧・編集したりできるのが特長です。

IaaS、PaaS、SaaSについて、以下の関連記事もぜひご覧ください。
▼SaaSとは? メリット、デメリット、PaaSやIaaSとの違いを解説
▼「IaaS」のメリットとは? クラウドサービスの基本知識から注意点まで解説
▼「PaaS」の基本知識やメリットを解説|IaaS、PaaSとの違いや導入支援サービスも紹介

OCIのメリット、デメリット

本章にて、OCIのメリットとデメリットを簡単に整理してみます。

OCIのメリット

OCIのメリットのひとつは、先述の通り、オンプレミスで利用していたOracle Databaseをスムーズにクラウド環境へ移行できることです。

一般的に、異なるデータベース間の移行はデータの修正や形式のチェックなどの手間を要しますが、同じ開発元であるOracle DatabaseとOCIであれば、そのような手間を省けます。また、オンプレミスで使用していたOracle Databaseのライセンスをクラウドでも使えるため、コストダウンを見込める場合もあります。

その他、オンプレミス環境に引けを取らないハイパフォーマンスも、OCIのメリットです。OCIは独自のベアメタルインスタンスによって、最大で192コア、2.3TBのRAM(ランダムアクセスメモリ)、1PB(ベタバイト)を擁するストレージのクラウド環境を構築できます。さらに、自動化されたセキュリティ対策もユーザーに高い安心感をもたらしてくれます。

OCIのデメリット

OCIのデメリットとして、AzureやAWSに比べ、提供されているサービスの数が少ないことが挙げられます。
Azure・AWSともに200以上のサービスが用意されており、OCIもサービスの拡充を行なっていますが、2023年9月時点では100程度と大きくリードを許しています。

また、Azureは様々なビジネスシーンで利用されているWindows関連製品との連携に定評があり、AWSは他のクラウドサービスに先んじて提供開始され、多くのユーザーを獲得していることから、関連する参考書籍やインターネット上の情報も豊富です。

AzureやAWSに熟練したエンジニアも多いため、様々なケースや多数の企業で実績を築いており、その点からみるとOCIは少々劣るかもしれません。もちろん、OCIがWindows製品と連携できないという訳ではありませんし、後発ならではの長所(ローコスト・ハイパフォーマンスのIaaS)もあります。
しかし、十分に使いこなせるエンジニアの人数はAzureやAWSに比べて現段階では不足していることを知っておきましょう。
順調に利用シェアを伸ばしているOCIですが、サービスの拡充と活用事例の蓄積が懸念事項となりそうです。

OCIの導入はサポート企業の活用を

OCI導入にあたって、オラクル社と直接打ち合わせることも可能ですが、そのためにはOCIサービスの把握や自社ニーズの整理が不可欠です。
さらに、自社のエンジニアに通常の運用業務に加えてこれらを任せることは大きな負担にもなります。そこで検討いただきたいのが、OCI導入支援サービスの利用です。

OCI自社導入時に懸念される事項

前章で説明したようにAzureやAWSと比べ、OCIの導入実績は多くありません。オラクル社でもOCIのメリットや活用事例の周知などクラウド業界へのアピールを行なっていますが、作業に関わるエンジニアにとって安心できる材料がそろっているとはいいきれないでしょう。

OCIがもっとも活躍できる場面は「オンプレミスで使用しているOracle Databaseのクラウド化」です。しかし、OCIをデータベース管理システムとしてだけでなく、IaaSの性能を他の分野でも活用したいというケースもあるかもしれません。
そういった際に、参考にできるインターネット上の情報や事例、書籍などが比較的少ないことから「OCIで理想とするクラウド環境を自分たちで作ることができるのか」「経験不足や想定ミスで移行時にトラブルが発生しないか」といった不安要素が挙がるのではないでしょうか。

導入サポートサービス利用のメリット

自社システムの構築や業務システムの導入などには、多くの期間と人員を要するため、すぐに取りかかれず、準備をする時間を確保しなければなりません。OCIの導入も同様でしょう。

そこに手間を感じる際に検討いただきたいのが、テクバンが提供している「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)導入支援サービス」の利用です。
様々な規模・業種への導入支援実績をもつテクバンのエンジニアが、お客様の環境・事情をしっかりと把握し、最適なクラウドサービスの構成やローコスト運用ができるようにサポートいたします。OCI導入時のポイントや運用方法、導入後の拡張方法などについても、ぜひお気軽にご相談ください。

OCI導入支援サービスの活用でスピーディーなクラウド移行を!

低コスト・高パフォーマンスなクラウドサービスへの移行は、多くの企業にとって大きな利益をもたらします。もちろん、大量のデータ資産をもつ企業も例外ではありません。

クラウドサービス市場を牽引しているAzureやAWSもデータベースサービスを提供していますが、迅速かつ安全に巨大なデータベースをクラウドへ移行することは容易ではないでしょう。
OCIは、そんな悩みに応えてくれるクラウドサービスです。長年データベースシーンを支えてきた実績と、高パフォーマンスかつ堅牢なセキュリティレベルを保つIaaS環境が、ビッグデータのクラウド化をスピーディーに実現します。

導入プロセスに不安をお持ちの方は、テクバンのOracle Cloud Infrastructure(OCI)導入支援サービスをぜひご検討ください。

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