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2024.01.05

セキュリティクラウドとは? その重要性や導入メリット、注意点などをわかりやすく解説

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目次

利便性が高く、業務効率化に役立つクラウドサービスですが、セキュリティ面でのリスクも存在します。サイバー攻撃や不正アクセスといった様々なリスクに対処すべく、近年ではセキュリティ対策を強化したクラウドサービスが注目を集めています。

本記事では、クラウドサービスの中でもセキュリティレベルが高いものを「セキュリティクラウド」とし、その重要性や導入メリットなどを解説します。

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セキュリティクラウドとは

セキュリティクラウドとは何かを解説する前に、クラウドサービスについて確認しておきましょう。

クラウドサービスとは、事業者が管理するソフトウェアやサーバーをインターネット経由で利用できるサービスのことです。利便性が高い、導入しやすい、コストを抑えられるなど多くのメリットがあり、様々な組織で導入が進んでいます。

クラウドサービスはビジネスシーンで広く普及しており、その種類は多岐にわたります。アプリケーションやストレージの他、大規模なシステムなども提供されていますが、具体的なサービスの種類は以下の通りです。

  • オンラインストレージ
  • グループウェア
  • MA(マーケティングオートメーション)/SFA(営業支援ツール)/CRM(顧客管理システム)
  • 基幹システム(生産、販売、人事、財務など)
  • 予約システム
  • セキュリティツール

クラウドサービスは、デバイス端末とオンライン環境があれば場所や時間を問わず利用できるため、リモートワークといった多様な働き方にも役立ちます。また、業務効率化や生産性向上にも大きく貢献することから、需要が高まっているのです。

セキュリティクラウドの概要

ここからは、セキュリティクラウドについて解説します。

セキュリティクラウドは、セキュリティレベルの高いクラウドサービスを指す言葉として使用されています。セキュリティクラウドに明確な定義はありませんが、クラウド環境特有のリスクに対して多様で高レベルな機能を備えていることが、セキュリティクラウドの条件といえるでしょう。

クラウドサービスは便利な一方で、セキュリティ面におけるリスクが存在します。様々な環境から簡単にアクセスできるがゆえに、情報漏えいや不正アクセス、マルウェア感染などのリスクが高まります。また、障害や災害が発生すれば、データが消失する可能性もゼロではありません。
このようなリスクをできる限り回避するためには、セキュリティレベルの高いクラウドサービス「セキュリティクラウド」を選ぶことが重要となります。

自治体におけるセキュリティクラウド

サイバー攻撃の脅威は年々深刻化しており、企業や個人だけでなく、地方自治体を標的とする事例も発生しています。また、リスクは外部要因にとどまらず、内部関係者による不正な情報の持ち出しや記録媒体の紛失なども度々問題となっています。このような理由から、組織内の情報セキュリティ強化は急務であり、国を挙げての対策が実施されているのです。

地方自治体では、従来の「自治体情報セキュリティクラウド」をよりレベルの高いものにした「次期自治体情報セキュリティクラウド」を推進しています。国が定めた標準要件をクリアするクラウド環境を構築・運用することで、一定の水準を満たす高度なセキュリティ体制を確保する狙いです。

自治体や企業において、情報資産を守ることは社会的責務であり、重要事項のひとつです。それに伴い、セキュリティクラウドの必要性は今後もますます高まっていくでしょう。

セキュリティクラウドが注目される理由

近年、セキュリティクラウドが注目されるようになったのには、いくつかの理由があります。主な理由として、以下のセキュリティリスクが挙げられます。

  • データ消失・破損
  • 情報漏えい
  • サイバー攻撃
  • 不正アクセス

まず1つ目のリスクは「データの消失・破損」です。大規模な障害や災害が発生した場合、クラウドサービス内のデータが消失または破損する可能性があります。また、ユーザーが誤ってデータを削除してしまうといったヒューマンエラーによるデータ消失も起こり得ます。

2つ目のリスク「情報漏えい」は、企業に大きなダメージを与えます。社内にあるデータのアクセス管理やID・パスワード管理に不備があるケースでは、第三者に不正侵入され、重要な情報を盗み取られる危険があります。機密情報や個人情報が外部に流出すれば、企業は社会的信頼を失うことに加え、賠償金支払いを命じられるでしょう。

3つ目のリスクは「サイバー攻撃」です。サイバー攻撃は年々数を増やしており、クラウドサービス事業者もターゲットとなる可能性があります。クラウドサービスを基幹システムとして運用している企業では、事業活動の停止や顧客へのサービス停止といった甚大な被害につながる恐れがあります。

最後に紹介する4つ目のリスクは「不正アクセス」です。クラウドサービスはIDやパスワードがわかれば誰でもログインして利用できるため、不正アクセスが発生しやすい環境ともいえます。第三者による犯行だけでなく、社内の関係者が不正に情報を持ち出す内部犯行のリスクもあります。

このようにクラウドサービスには様々なセキュリティリスクが存在します。あらゆるリスクに備えた対策が必要であり、強固な機能を備えたセキュリティクラウドが今注目を集めているのです。

不正アクセス、マルウェアなど様々なセキュリティリスクについては、以下の関連記事もぜひご覧ください。
▼不正アクセスを防ぐには? 手口や被害事例、対策を徹底解説!
▼マルウェア・ランサムウェアとは? 被害の重大性や対策を確認しておこう

セキュリティクラウドを導入するメリット

セキュリティクラウドの導入には、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットを紹介します。

高度なセキュリティ対策を適用できる

セキュリティクラウドを導入する一番のメリットは、強固なセキュリティ機能によって各種リスクに備えられる点です。セキュリティクラウドは、サイバー攻撃や不正アクセス、マルウェア感染などに対抗するため、様々な機能を搭載しています。万が一、何か問題が発生したとしても、その被害を軽減できます。

運用管理にかかる負担が少ない

導入や運用にかかるコストを抑えられる点も、セキュリティクラウドのメリットです。
導入時にクラウド環境の構築をしたり、新しく機材を購入したりする必要がないため、初期費用が抑えられます。また、基本的にはサービス事業者がセキュリティクラウドのシステム監視や保守点検を行うため、自社においての運用管理にかかる負担軽減を期待できるでしょう。
セキュリティクラウドの導入により、人的コストや時間的コスト、そして金銭的コストも削減できます。

データ漏えいリスクを軽減できる

セキュリティクラウドを利用することで、データ持ち出しによる情報漏えいリスクを排除できます。クラウドは社外からもアクセスできるため、情報の入ったPCやUSBメモリを会社から持ち出す必要がなくなります。

「業務用の端末を電車に置き忘れてしまった」「USBをどこかで紛失してしまった」といった事故は度々発生しており、ニュースでも大きく報じられています。情報だけでなく企業の信頼を守るためにも、セキュリティクラウドの活用が望まれます。

短期間で導入できる

セキュリティクラウドは、契約後すぐに導入・運用できるものがほとんどです。すでに完成しているシステムやアプリケーションがパッケージ化されており、短期間で利用を開始できます。中には即日利用可能なサービスも存在します。業務への適用が速く、特別な準備をせずとも利用できる点は、セキュリティクラウドの大きな魅力といえるでしょう。

クラウド運用管理について、こちらの関連記事でも詳しく解説しています。
▼クラウド運用管理の3つのメリットや課題、対策方法をまとめて解説

セキュリティクラウドを導入する際の注意点

セキュリティクラウドを導入する際の注意点を解説します。注意すべきポイントとして、以下の4つが挙げられます。

  • 十分なセキュリティ対策が実装されているか確認する
  • 複数の場所にバックアップを取っておく
  • 不正ログイン対策を徹底する
  • 社員のセキュリティリテラシー向上に努める

それぞれ具体的に見ていきましょう。

十分なセキュリティ対策が実装されているか確認する

セキュリティへの取り組み方はサービスによって異なるため、十分な対策が取られているか確認することが重要です。搭載機能やセキュリティ認証の有無などをチェックして、自社のセキュリティポリシーを満たすサービスを選びましょう

セキュリティレベルの高いサービスを見分ける方法として、総務省が掲げるガイドラインの「クラウドサービス事業者が行うべき主要な情報セキュリティ対策」を参考にすることをおすすめします。一覧で提示されている以下の7項目について、適切な対策が実施されているか確認してみましょう。

  • データセンターの物理的な情報セキュリティ対策(災害・不正侵入対策など)
  • データのバックアップ管理
  • ハードウェア機器の障害対策
  • 仮想サーバーなどのホスト側のOS、ソフトウェア、アプリケーションにおけるぜい弱性の判定と対策
  • 不正アクセスの防止
  • アクセスログの管理
  • 通信暗号化の有無

※参考:総務省「クラウドサービスを利用する際の情報セキュリティ対策|国民のためのサイバーセキュリティサイト

複数の場所にバックアップを取っておく

不測の事態に備えて、重要なデータは別の場所にバックアップを取っておきましょう。万が一、大規模な災害やシステム障害が発生した場合、クラウド上のデータが失われる可能性があるからです。

定期的にバックアップを取得していれば、ユーザーのミスによるデータ消失にも迅速に復元できます。「誤って大事なデータを消去してしまった」「必要なファイルを削除してしまった」などのトラブルが発生しても、バックアップがあればリカバリーが可能です。

不正ログイン対策を徹底する

セキュリティクラウドを導入したとしても、実際に使用するユーザー側の管理体制に不備があれば、不正アクセスや情報漏えいのリスクはゼロにはなりません。ID・パスワードの適切な管理やデータのアクセス権限設定を行い、不正ログイン・不正アクセス対策を強化することが重要です。

効果的な不正ログイン対策を以下に紹介します。

  • アクセス権限を付与する適切なメンバーをしっかりと選定した上で設定する
  • アカウントやパスワードの使い回しをしない
  • 他者から推測されにくい複雑なパスワードを設定する
  • 定期的にパスワードを変更する
  • 多要素認証を導入する
  • 不要なアカウントや権限を削除する(退職者、異動者など)

クラウド上で提供されるサービスは、IDやパスワードが外部に漏れると第三者に簡単にアクセスされてしまいます。クラウドならではのセキュリティリスクがあることを意識し、管理体制を強化しましょう。

社員のセキュリティリテラシー向上に努める

セキュリティクラウドの有用性は、社員のリテラシーにも影響されます。社員に対して定期的に情報セキュリティ教育を行い、セキュリティ対策の重要性や業務を行う上での注意点を理解してもらうことが大切です。万が一、セキュリティインシデントが発生した場合に速やかに対応できるよう、情報管理の社内ルールも周知しておきましょう。

クラウドサービス導入時の注意点や課題について、こちらの記事でも解説しています。
▼クラウド導入で解決できる課題、クラウド導入後に注意すべき課題

セキュリティクラウドの導入を検討しよう

本記事では、セキュリティクラウドとは何か、その特徴やメリット、導入時の注意点などを解説しました。様々なセキュリティリスクが混在する現代のビジネスにおいて、クラウドのセキュリティ対策は不可欠といえます。より効果的な対策を講じたい場合は、サイバーセキュリティ対策の専門家にアドバイスを求めることも有効でしょう。

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