情シス運用サポートBlog

2024.12.18

【最新版】EDRシェア分析! 世界・日本市場の動向、主要ベンダー、導入メリットまで解説

関連サービス
セキュリティ対策

昨今、高度化・巧妙化するサイバー攻撃から企業を守るためには、EDR(Endpoint Detection and Response)の導入が不可欠となっています。しかし、数多くのベンダーがEDR製品を提供しており、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?

本記事では、EDR市場シェアの世界ランキング・日本ランキングTOP3に加え、CrowdStrikeやMicrosoftなど主要ベンダーのシェア分析、そして機能や導入メリット、EPPやMDRとの違いまで徹底解説します。最適なセキュリティ対策を選択するため、ぜひお読みください。

EDRとは? その種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説

まず、EDRの基本について解説します。

EDRの定義と基本的な機能

EDRとは、エンドポイント(サーバー、PC、スマホなど)で発生するセキュリティ上の脅威を検知し、対応を支援するセキュリティソリューションです。
従来のアンチウイルスソフトでは検知できない高度な攻撃に対しても、挙動分析など高度な技術を用いて検知し、攻撃の阻止や被害拡大の抑制に貢献します。主な機能を表にまとめました。

機能 内容
挙動監視 エンドポイント上のファイルやプロセス、ネットワーク接続などの活動を監視し、不正な動作を検知
脅威検知 マルウェア感染や不正アクセスなどのセキュリティ脅威を検知
インシデントレスポンス 脅威を検知した場合、攻撃の状況を分析し、被害の拡大を防ぐための対応を支援
ログ管理 セキュリティ関連のログを収集・管理し、事後分析に役立てる
脆弱性管理 エンドポイント上の脆弱性を検知し、対策を促す

EDRの機能についてさらに詳しく解説した記事はこちら。
▼EDRと振る舞い検知の併用でセキュリティ対策を強化! それぞれの仕組みと違いを解説

EDRの種類:クラウド型、オンプレミス型

EDR製品は、提供形態によって大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」に分類されます。それぞれのメリット・デメリットをまとめます。

種類 メリット デメリット
クラウド型
  • 導入が容易
  • 運用管理が容易
  • 最新の脅威情報への対応が迅速
  • コストが比較的低い(初期費用を抑えられる場合が多い)
  • インターネット接続が必要
  • 通信速度に依存する
  • セキュリティ上の懸念がある(データの機密性など)
オンプレミス型
  • インターネット接続に依存しない
  • 高いセキュリティレベルを実現可能
  • カスタマイズ性が高い
  • 導入が複雑
  • 運用管理に専門知識が必要
  • 初期費用が高い
  • 保守・メンテナンスの手間がかかる

EDR導入のメリット

EDR導入によって得られるメリットは多岐にわたります。主なメリットを挙げます。

メリット 詳細
高度な脅威からの防御 従来のアンチウイルスソフトでは検知できないゼロデイ攻撃や高度なマルウェアにも対応できる
迅速なインシデント対応 脅威を迅速に検知し、被害拡大を防ぐための対応を支援
セキュリティ体制の強化 多層防御戦略における重要な要素となる
可視性の向上 エンドポイントでの活動を詳細に可視化することで、セキュリティ状況の把握が容易になる
コンプライアンス対応 法令遵守や業界標準への対応を支援

EDR導入のデメリット

メリットの多い一方でEDR導入には、いくつかのデメリットも存在します。導入を検討する際には、これらの点を考慮する必要があります。

デメリット 詳細
導入コスト 導入費用や運用費用は、製品や規模によって大きく異なる
運用管理の複雑さ EDRの運用には、専門知識やスキルが必要となる場合がある
誤検知の可能性 EDRは、正常な動作を誤検知する可能性がある
パフォーマンスへの影響 EDRを導入することで、エンドポイントのパフォーマンスが低下する可能性がある

EDR市場シェアランキングTOP5【世界編】

ここからはEDR市場のシェアについてご紹介します。まず世界シェアのランキングから見ていきましょう。

2024年最新版!世界市場を席巻する主要ベンダー

EDR市場は急成長を続け、多くのベンダーがしのぎを削っています。2024年現在の世界市場シェアTOP5は次の通りです(※シェア数値は複数の調査会社から発表されたデータの平均値を参考に、順位付けを行っています。正確な数値は各調査会社によって異なる場合があります)。

順位 ベンダー名 製品名 特徴
1 CrowdStrike CrowdStrike Falcon クラウド型EDRのパイオニアとして知られ、高い検知率とレスポンス速度が強み。機械学習を活用した高度な脅威検知機能が評価されている
2 Microsoft Microsoft Defender for Endpoint Windows OSとの高い親和性と、Microsoft 365とのシームレスな統合がメリット。広範な顧客基盤を背景に、高い市場シェアを確保している
3 SentinelOne SentinelOne Singularity AI駆動型のEDRソリューションとして注目を集めている。軽量で高速な動作と、高度な自動化機能が特徴
4 Carbon Black (VMware) VMware Carbon Black Cloud 長年にわたる実績と豊富な機能が強み。大企業を中心に幅広い顧客層を持つ
5 Sophos Sophos Intercept X 中堅・中小企業を中心に高い人気を誇る。価格と機能のバランスが良い点が評価されている

各ベンダーの強みと弱み

各ベンダーの強みと弱みは、企業規模、セキュリティ要件、予算などによって異なります。主要ベンダーの主な特徴を簡潔にまとめます。

ベンダー名 強み 弱み
CrowdStrike 高い検知率、高速レスポンス、クラウド型による柔軟性 価格が高め、導入・運用に専門知識が必要
Microsoft Windowsとの親和性、Microsoft 365との統合、大規模なサポート体制 高度なカスタマイズが難しい場合あり
SentinelOne AI駆動による高度な脅威検知、軽量で高速な動作 比較的新しいベンダーのため、実績が少ない
Carbon Black (VMware) 長年の実績、豊富な機能、エンタープライズレベルのサポート 価格が高め、複雑な設定が必要な場合がある
Sophos 価格と機能のバランスが良い、中堅・中小企業向けのサポート体制が充実 高度な機能は上位プラン限定の場合がある

導入では、自社のセキュリティ要件や予算、そしてサポート体制などを考慮し、最適なベンダーを選択することが重要です。各ベンダーのウェブサイトで詳細な情報を確認することをお勧めします。
EDR製品についてさらに詳しくはこちらの記事で解説しております。
▼EDR製品でどのようなセキュリティを実現できる? 概要や仕組み、具体的な製品を紹介

主要ベンダーのシェア分析【世界編】

CrowdStrike、Microsoftなど主要ベンダーの特徴とシェアの状態を紹介します。

CrowdStrikeのシェアと特徴

CrowdStrikeは、次世代型EDRソリューション「CrowdStrike Falcon」を提供する企業として、世界的に高い市場シェアを誇ります。Gartnerなどの調査レポートでも上位にランクインしており、その高い評価は、独自の脅威インテリジェンスプラットフォーム「CrowdStrike Threat Graph®」によるリアルタイムでの脅威検知・対応能力に裏付けられています。
1日あたり約1兆件のエンドポイント関連イベントを分析することで、高度な攻撃に対しても迅速かつ効果的な対応を実現しています。
CrowdStrike Falconの特徴をまとめます。

特徴 詳細
クラウド型プラットフォーム オンプレミス環境に依存しないため、導入・運用が容易で、スケーラビリティにも優れている
AI/機械学習の活用 高度なAI/機械学習アルゴリズムにより、未知の脅威やゼロデイ攻撃の検知精度を高めている
リアルタイム脅威インテリジェンス グローバルな脅威インテリジェンスネットワークを活用し、最新の脅威情報に基づいた迅速な対応を実現
統合型セキュリティプラットフォーム EDR機能以外にも、Endpoint Protection Platform(EPP)、MDRなどの機能を提供し、包括的なセキュリティ対策を実現

CrowdStrike Falconの機能性について詳しく解説した資料をご用意しております。ご検討の一助にお役立てください。
【お役立ち資料】CrowdStrikeで実現する高レベルのセキュリティ対策

Microsoftのシェアと特徴

マイクロソフト社は、Windows OSの圧倒的なシェアを背景に、Microsoft Defender for EndpointなどのEDRソリューションを提供しています。企業向けセキュリティ製品群「Microsoft 365 E5」に統合されているため、既存のMicrosoft環境との親和性が高く、導入障壁が低い点が大きな強みです。
また、Azureクラウドとの連携もスムーズに行えるため、クラウド環境でのセキュリティ対策にも最適です。
Microsoft Azureについて解説した記事はこちら。
▼Microsoft Azureの利用料金を事前に見積もりする方法は?
Microsoft Defender for Endpointの特徴をまとめます。

特徴 詳細
Windowsとの高い親和性 Windows OSとシームレスに統合されているため、導入・運用が容易
Azureとの連携 Azureクラウド環境との連携により、クラウドセキュリティ対策を強化可能
包括的なセキュリティ機能 EDR機能以外にも、アンチウイルス、ファイアウォールなどの機能を提供している
コスト効率 Microsoft 365 E5に含まれているため、別途EDR製品を購入する必要がない場合もある

Microsoft Defender for Endpointについてさらに詳しくはこちら。
▼Microsoft Defender for Endpointとは? セキュリティ機能を解説

その他の主要ベンダーの動向

上記以外にも、Palo Alto Networks、SentinelOne、Carbon Black(VMware)など、多くのベンダーがEDR市場で競争を繰り広げています。各ベンダーは、独自の技術や機能を強化することで、市場シェアの拡大を目指しています。

EDR市場は、今後もAIや機械学習技術の進化、クラウド化の進展などによって、さらに発展していくことが予想されます。企業は、自社のニーズや予算、既存のIT環境などを考慮した上で、最適なEDRソリューションを選択することが重要です。

EDR市場シェアランキングTOP3【日本編】

次にEDR市場の日本国内シェアのランキングをご紹介します。

日本市場におけるベンダーの特徴とシェア

世界市場と同様に、日本市場においてもEDR製品のシェア争いは激化しています。複数の調査会社が市場動向を分析していますが、明確な数値を公開しているケースは限られています。
ここでは、日経XTECHの調査情報に基づき、主要ベンダーの特徴を中心に解説します。

順位 ベンダー名 製品名 特徴
1 CrowdStrike  CrowdStrike Falcon クラウドベースのEDRソリューションを提供しており、軽量で高速な動作が特徴。高度なAI/機械学習技術を活用した脅威検知能力が高く評価されている
2 Microsoft Microsoft Defender for Endpoint 幅広いユーザー基盤と、既存のWindows環境との高い親和性を持つことが強み。統合的なセキュリティソリューションとして、EDR機能を提供している
3 Cybereason Cybereason EDR 高度な脅威検知と対応機能、多様なプラットフォームへの対応が強みとされている

上記以外にも、多くのベンダーがEDR製品を提供しており、世界同様、日本国内でも競争は激化しています。
企業規模やセキュリティ要件、予算などによって最適なベンダーは異なるため、導入を検討する際には、複数のベンダーを比較検討することが重要です。
EDR製品選定について、テクバンへ相談してみる

日本市場におけるEDR導入の現状と課題

ところで日本市場のEDR導入はどれほど進んでいるのでしょうか。日本企業のセキュリティ対策の現状を踏まえ、解説します。

日本企業のセキュリティ対策の現状

日本の企業におけるセキュリティ対策は、近年高度化するサイバー攻撃に対抗するため、大きく変化しつつあります。かつてはファイアウォールやアンチウイルスソフトといった、比較的ベーシックな対策が中心でしたが、標的型攻撃やランサムウェアの増加に伴い、より高度なセキュリティ対策の導入が求められるようになりました。

しかし、現状ではEDR導入率は依然として低いのが実情です。これは、EDR導入のメリットを十分に理解できていない、あるいは導入・運用における課題を懸念している企業が多いことを示唆しています。
ただし大企業のEDR導入率は徐々に上がっており、2024年の調査では37.5%という報告もあります。具体的な現状を以下にまとめます。

現状 詳細
セキュリティ意識の高まり 標的型攻撃やランサムウェアの被害増加により、高度なセキュリティ対策へのニーズが高まっている
人材不足 EDRの導入・運用には専門的な知識とスキルが必要だが、人材不足が課題となっている
予算制約 EDR導入には初期費用や運用費用が必要となるため、予算が限られている企業にとっては負担となる

EDR導入における課題と解決策

EDR導入における課題は、技術的な側面だけでなく、人的・経済的な側面も複雑に絡み合っています。
主な課題と、それに対する解決策を以下に示します。

課題 解決策
運用・管理の複雑さ 専門業者への運用アウトソーシング、シンプルで使いやすい製品の選定、従業員への適切なトレーニング
高度な専門知識の必要性 社内教育、外部専門家によるコンサルティング、導入支援サービスの活用
アラート数の多さによるアラート疲労 アラートの優先順位付け、自動化による効率化、適切な閾値の設定
費用対効果の不透明さ 導入前後のセキュリティ状況の比較分析、ROI(投資収益率)の算出、具体的な効果測定指標の設定
24時間365日の監視体制の必要性 MDR(マネージドセキュリティ)サービスの利用、24時間対応可能なSOC(セキュリティオペレーションセンター)との連携

EDR導入は、単なる製品導入だけでなく、組織全体のセキュリティ体制強化のための取り組みと認識することが重要です。適切な計画と準備、そして継続的な運用改善によって、EDRは企業のセキュリティ対策を強化し、サイバー攻撃からの被害を最小限に抑える効果的な手段となります。

EDR、EPP、MDR…違いを徹底比較!

EDR以外にセキュリティ対策でよく検討されるEPP、MDRについて解説します。

EDR vs. EPP:機能と役割の違い

EDRとEPP(Endpoint Protection Platform)はどちらもエンドポイントセキュリティを強化する製品ですが、その機能と役割には大きな違いがあります。

EPPは主にマルウェアの侵入を防ぐことに重点を置いており、シグネチャベースのウイルススキャンやファイアウォールなどの機能が中心です。
一方、EDRは、既に侵入したマルウェアの検知・分析・対応に焦点を当てています。侵入後の挙動監視や、攻撃者の痕跡分析、そして自動化された対応などが主な機能です。

簡単に表現すると、EPPは「侵入を防ぐための盾」、EDRは「侵入後に対処するための矛」といえるでしょう。EPPが第1防衛線としてマルウェアの侵入を阻止するのに対し、EDRはEPPをすり抜けたマルウェアやゼロデイ攻撃に対応するセカンド防衛線として機能します。

項目 EPP EDR
主な機能 ウイルススキャン、ファイアウォール、侵入防止システムなど マルウェア挙動監視、フォレンジック分析、自動化された対応など
目的 マルウェアの侵入阻止 侵入後のマルウェア検知、分析、対応
対応 既知の脅威への対応が中心 既知・未知の脅威への対応が可能
分析レベル 表面的な分析 詳細な挙動分析

多くの場合、EPPとEDRは併用することで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。EPPが第1防衛線を担い、EDRが第2防衛線として機能することで、高度化するサイバー攻撃にも対応できる体制が実現します。
さらに詳しく解説した記事はこちら。
▼EPPとEDRの違いは? エンドポイント対策の目的や機能を解説

EDR vs. MDR:サービス内容と費用の違い

EDRとMDR(Managed Detection and Response)は、どちらもエンドポイントの脅威検知と対応を目的としたソリューションですが、サービス内容と費用体系に大きな違いがあります。

EDRは、主にソフトウェア製品として提供され、企業が自社でシステムを導入・運用します。そのため、自社内にセキュリティ専門の担当者を配置し、EDR製品の運用・管理を行う必要があります。
一方、MDRは、EDR製品の導入・運用・管理を全てサービスプロバイダーが代行するサービスです。企業は、サービスプロバイダーに費用を支払うことで、専門家のサポートを受けながら、高度なセキュリティ対策を実現できます。

項目 EDR MDR
サービス内容 ソフトウェア製品の提供 EDR製品の導入、運用、管理、脅威分析、インシデント対応などを含む包括的なサービス
費用 月額料金または年間契約料金 ソフトウェアライセンス費用、導入費用、保守費用など
運用・管理 企業自身で行う サービスプロバイダーが代行
専門知識 自社内にセキュリティ専門知識が必要 専門知識は不要

MDRサービスは、セキュリティ専門家の不足に悩む企業にとって、非常に有効なソリューションです。費用はEDRのみよりも高額になる傾向がありますが、専門家による24時間365日の監視体制や迅速なインシデント対応などを考慮すると、コストパフォーマンスの高さも魅力です。
導入シェアの高いクラウドストライク社が提供するMDRサービス「Falcon Complete」について詳しく解説した資料をご用意しております。ご検討の一助にお役立てください。
【お役立ち資料】CrowdStrikeで実現する高レベルのセキュリティ対策

MDRサービスを提供する「Sophos Intercept X Advanced」の導入事例資料をご用意しております。ご検討の際にご活用ください。
【お役立ち資料】IT管理者の負荷を低減する高精度の予測対応型セキュリティ
MDRについて、さらに詳しくはこちらで解説。
▼MDRとは? 概要、セキュリティ有用性、EDRとの関係性を解説

それぞれのセキュリティ対策の選び方

最適なセキュリティ対策を選ぶためには、自社の規模、セキュリティ体制、予算、そしてセキュリティに関する専門知識の有無などを考慮する必要があります。

自社にセキュリティ専門家が在籍し、運用・管理体制が整っている企業であれば、EDR単体での導入も検討できます。
しかし、専門知識や人員が不足している企業は、MDRの導入が現実的な選択肢となるでしょう。また、予算やリソースが限られている企業は、まずEPPを導入し、その後必要に応じてEDRやMDRを導入する段階的なアプローチも有効です。

最終的には、自社のセキュリティリスクと予算を慎重に評価し、最適なソリューションを選択することが重要です。

複数のベンダーから見積もりを取り、機能やサービス内容、費用などを比較検討することで、自社に最適なセキュリティ対策を見つけ出すことができます。
テクバンでは、遠回りせず、予算に応じた最適なセキュリティ対策を講じるためのご相談を承っております。お気軽にご相談ください。
テクバンへ相談してみる

EDR導入を検討するポイント

ではEDR導入検討へ進む場合、最適なベンダーを選択するポイントをご紹介します。

適切なEDRベンダーの選び方

EDRベンダー選びは、企業のセキュリティ対策の成否を左右する重要なステップです。数多くのベンダーが存在するため、選定にあたっては、以下の点を考慮する必要があります。

選定ポイント 確認事項
機能と性能
  • 検知精度:未知の脅威や高度な攻撃を検知できるか
  • 対応力:脅威への迅速な対応、自動化された対応機能の有無
  • 統合性:既存のセキュリティシステムとの連携性
  • サポート対象OS:Windows、macOS、Linuxなど、必要なOSをサポートしているか
  • レポート機能:詳細なレポート作成機能の有無、可視化のレベル
導入・運用容易性
  • 導入手順:複雑でないか、スムーズに導入できるか
  • 管理画面:使いやすさ、直感的に操作できるか
  • 運用コスト:ライセンス費用、保守費用、人件費など
  • 必要なスキル:運用に特別なスキルが必要ないか
サポート体制
  • サポート時間:24時間365日のサポート体制が整っているか
  • サポート方法:電話、メール、チャットなど、複数のサポートチャネルがあるか
  • レスポンスタイム:迅速な対応が可能か
  • 技術力:専門性の高い技術サポートが受けられるか
価格と費用対効果
  • ライセンス費用:導入費用、運用費用を比較検討する
  • 費用対効果:導入によるセキュリティ強化効果と費用を比較する
  • 無料トライアル:無料トライアル期間を活用して、製品の機能や使い勝手を確認する
ベンダーの信頼性
  • 実績:多くの企業で導入実績があるか
  • セキュリティ対策:ベンダー自身のセキュリティ対策は万全か
  • 評判:ユーザーレビューなどを参考に評判を確認する

これらの点を総合的に評価し、自社の規模、予算、セキュリティ要件に最適なベンダーを選択することが重要です。複数のベンダーから見積もりを取り、比較検討することをお勧めします。また、導入前に無料トライアルやPoC(Proof of Concept:プルーフ・オブ・コンセプト)などを活用して、実際に製品を試用してみるのも有効です。

導入前の準備と注意点

EDR導入が決まってプロジェクトを成功させるためには、導入前の準備が不可欠です。その準備事項と注意点をまとめます。

事前の準備事項 導入目的の明確化
導入範囲の決定(対象端末、部署など)
既存システムとの連携性の確認
担当者の選定と教育
インシデント対応計画の作成
導入による業務への影響を最小限にする計画立案
導入後の運用体制の明確化
セキュリティポリシーの策定・見直し
十分なテスト環境の用意
ベンダーとの綿密なコミュニケーション

特に、導入後の運用体制は重要です。EDRは導入するだけで効果を発揮するわけではなく、継続的な監視、分析、対応が必要です。そのため、担当者を配置し、適切な教育を行う必要があります。また、インシデント発生時の対応手順を事前に明確化しておくことで、迅速かつ適切な対応が可能になります。

効果的な運用方法

EDRを効果的に運用するためには、以下のポイントに注意しましょう。

運用上のポイント 対策
アラート監視
  • アラートの優先順位付けを行い、重要なアラートに迅速に対応する
  • 誤検知を減らすためのチューニングを行う
  • アラート監視体制を構築する(担当者、時間帯など)
脅威分析
  • 検知された脅威を詳細に分析し、原因を特定する
  • 分析結果を基に、セキュリティ対策を強化する
  • 定期的な脅威ハンティングを実施する
継続的な改善
  • 運用状況を定期的にレビューし、改善策を検討する
  • 最新の脅威情報を入手し、対策を講じる
  • EDRベンダーとの連携を強化する

EDRは単なるツールではなく、組織全体のセキュリティ意識向上と連携した運用が重要です。定期的なトレーニングや、セキュリティに関する意識啓発活動を行うことで、より効果的なセキュリティ対策を実現できます。

EDRで強固なセキュリティ対策を

EDRは、高度な脅威検知と対応を実現する重要なセキュリティツールとして、ますますその重要性を増しています。本記事では、EDR市場のシェア、主要ベンダー、導入状況、導入の留意ポイントまで、EDRに関する情報を網羅的に解説しました。高度化するサイバー攻撃に対抗するためには、従来のセキュリティ対策だけでは不十分です。

本記事で紹介した市場シェアランキングや各ベンダーの特徴を参考に、自社環境に最適なEDRソリューションを選択することが重要です。導入にあたっては、費用対効果だけでなく、導入後の運用体制やサポート体制についても十分に検討する必要があります。また、EDR単体ではなく、EPPやMDRといった他のセキュリティ対策との連携も考慮することで、より強固なセキュリティ体制を構築することが可能です。

近年、AIや機械学習技術の進化により、EDRの機能も高度化しています。将来的なセキュリティ対策を見据え、最新技術に対応できるEDRソリューションを選ぶことが、企業の持続的な成長につながるでしょう。

EDR導入検討の際、より詳細な情報が必要な場合は、各ベンダーのウェブサイトや資料を参照いただくか、セキュリティソリューションの幅広い知見と導入実績を持つテクバンへの相談をご検討ください。
テクバンへ相談してみる

お気軽に
ご相談ください