Cisco Merakiとは？ 機能や特長、導入するメリットについて解説

Cisco Merakiとは、クラウド型ネットワーク管理ソリューションです。法人向けのネットワーク環境を簡単に構築できるサービスとして、近年注目を集めています。
Cisco Merakiは、最新Wi-Fi規格であるWi-Fi 6（第6世代のWi-Fi）に対応しており、端末の接続台数が増えてもスピーディーで快適な通信環境を実現できます。また、社内にエンジニアがいなくても、Cisco Merakiではセキュリティが担保された快適なネットワーク環境の構築が可能です。

本記事では、Cisco Merakiの機能や特長、導入するメリットについて解説します。

Cisco Merakiは、業界初のクラウド制御による企業向けネットワーク管理ソリューションです。無線LANやスイッチ、モバイルデバイス管理（MDM）などの機能を備えており、セキュリティを担保した法人向けのネットワーク環境を簡単に構築できます。

機器ごとにオンプレミス型の管理サーバーを設置しなくても、Cisco Merakiではクラウドからの一元管理が可能です。機器の設定もインターネットを介して行えるため、設置のための人的コストを削減できます。導入ハードルが低く、拡張時の負担も少ないことから、国内外で導入実績が豊富です。

Cisco Merakiではどのようなことができるのか、主な機能と特長について解説します。

Cisco Merakiでは、日本語化されたダッシュボードですべての接続デバイスやネットワーク機器の状態を一元管理できます。主なダッシュボードの機能は以下の通りです。

• クラウド管理型スイッチ
  複数拠点・複数製品を1つのダッシュボードから包括管理できるため、ブラウザにアクセスできればどこからでも自社のネットワーク管理が可能です。
• ネットワークトポロジーやアプリケーションの見える化
  ネットワークトポロジー（端末がどのような形態で接続されているか）や利用しているアプリケーションをわかりやすく可視化。
• エンドツーエンドの可視化
  各ポートやVLAN（仮想LAN）の接続状況などが表示され、いつでも正常な接続が確認できます。
• トポロジーの作成・表示
  管理サーバーなしでトポロジーを自動作成し、端末やポートなど上位ネットワークの状態を一目で確認できます。
• すべてのポートの一括設定やスケジュール化
  拠点内の複数スイッチすべてのポートを一括設定できたり、ポートの有効化・無効化をスケジュール化し切り替えたりできます。また、ポートに接続している端末の情報をリモートで確認可能です。

ダッシュボードはGUI（グラフィカル・ユーザー・インターフェース）仕様であり、アイコンやボタンなどを用いて直感的でわかりやすく操作できるため、IT知識を有したエンジニアに頼らずとも管理業務を行えます。
また、各種レポーティングもグラフ化により視認性が高く、全体の概要を把握することが可能です。例えば、多拠点・多店舗のネットワークも管理しやすく、ブラウザで状況を確認できます。各拠点に専門知識を持つ人材がいなくても、どこで何が起きているのか把握できることから、リモートワーク中でもトラブルへの迅速な対応につながります。

Cisco Merakiを導入するにあたって、複雑な設定は不要です。
従来のハードウェアの設定には、ルーターや接続端末ごとに物理的な設定が必要でしたが、Cisco Merakiはログサーバー、認証サーバー、位置情報分析、管理ツール、コントローラーなどもすべてクラウド上に準備されています。

届いたMerakiデバイスをLANケーブルにつなげれば、クラウド上にある設定に必要なOSインストールや、ルーターの設定に関するConfig情報などすべてネットワークを通して設定されます。また、クラウド上にある仕組みを利用すれば、Merakiデバイスが届く前にダッシュボードにログイン・各種設定を完了させておくことも可能です。先に設定を済ませておけば、端末が届き次第すぐに使えるでしょう。

このように、クラウド上で各種設定を行い、端末が届き次第インターネットに接続するだけで、最適化された状態ですぐに使い始められる手法を「ゼロタッチ導入」といいます。
遠隔地にある端末もまとめて設定・変更が可能なため、多拠点・多店舗のネットワーク設定においても、IT人材の配置やスケジュール調整などの手間が不要となります。また、目的や用途に合わせてタグを設定し、拠点ごとの管理を行うことも可能です。

無線LANアクセスポイントには、法人用と家庭用があります。どちらも帯域や通信方式は同じですが、法人用Wi-Fiはセキュリティの認証方式が家庭用よりも強固であり、接続する端末数が増えても安定した通信速度を保ちやすいことが特長です。

しかし、近年は業務で扱うデータ容量も増えており、ひとつのアクセスポイントに接続する端末が集中すると、通信速度にも影響を及ぼすことがあります。さらに、アクセスポイントとなるルーターは、ファームウェア（コンピューターや電子機器などに内蔵されるソフトウェアの一種）のアップデートにより、設置数に比例して管理の負担も重くなることがネックでした。

Cisco Merakiが提供する「Wi-Fi 6 for Cisco Meraki」は、従来規格よりも約1.4倍も通信速度が大きい最新規格であるWi-Fi 6に対応。トラフィック集中による通信遅延時には、SD-WANが負荷を分散させるため、接続端末数が増えても快適でスピーディーな環境を構築できます。

Cisco Merakiには、コンピューターウイルスやハッキングなどの脅威から、ネットワークを保護するUTM（Unified Threat Management：総合脅威管理）が搭載されています。

法人向けのネットワーク環境の構築にあたって注意したいのが、マルウェアをはじめとするコンピューターウイルスです。特に、不正メールに添付される「Emotet（エモテット）」の対策は必須ですが、Cisco MerakiではUTM機能により、Emotetやランサムウェア、フィッシングなどのサイバー攻撃を防御します。
下記記事では、Emotetについて詳しく解説していますので、併せてご参考にしてください。
▼「Emotet（エモテット）」とは？ 特徴と感染時の対策を紹介

加えて、サイバーセキュリティの専門家集団「Talos」が24時間Cisco製品のネットワーク保護を行っており、高レベルのセキュリティを維持できることもCisco Merakiの強みです。
また、アクセスポイントのファームウェアは自動でアップデートされるため、機器ごとのセキュリティを管理する手間もかからず、常にぜい弱性に対応できます。

その他、Meraki MXのセキュリティ総合ルーターには、独自のVPN技術が搭載されており、ワンクリックでVPNトンネルを確立します。
例えば、リモートワーク中に自宅から社内サーバーにアクセスする際に、Cisco MerakiのMXとZシリーズを組み合わせることで、オフィスと同じような環境を自宅に構築できるのです。もちろん、設定はゼロタッチのリモート導入ができるため、接続のために対象の従業員にわざわざ出社してもらう必要はありません。

Cisco Merakiを導入するメリットは以下の通りです。

• 専門知識は不要で簡単に導入できる
• 多拠点のIT管理がスムーズ
• ネットワーク障害に迅速に対応できる
• IoT機器・防犯カメラも一元管理可能
• 高度な情報セキュリティ対策を導入している企業として信頼性が高まる

Cisco Merakiは、製品設計のコンセプトに「Work Simple」を掲げており、シンプルな操作で導入できます。社内にエンジニアや専門家がいない場合でも導入しやすく、ダッシュボードも直感的な操作で使うことが可能です。

オフィスに常駐しなくてもネットワーク管理ができることから、他拠点のIT管理を行ったり、ネットワーク障害が起きても迅速に対応できたりします。これまで常駐が必要だったネットワーク管理者も、リモートワークの選択が可能になるため、組織における働き方の柔軟性が増すでしょう。

またCisco Merakiには、クラウド型管理セキュリティカメラのソリューションが用意されています。
防犯目的に加え、モーションアラートやスマート検索を活用して、事故・事件の特定と処理を迅速に行います。不在時の執務室やワークスペースなどの監視も遠隔地から対応が可能です。

社内ネットワークの情報セキュリティ対策は、顧客や取引先からの信頼・信用につながります。企業ブランディングの取り組みとして、Cisco Merakiの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

Cisco Merakiを導入して成功した事例について、下記資料にてまとめています。併せてご参考にしてください。
【事例】通信環境のトラブルを遠隔で一元管理。効率化で実現した情シスのリモートワーク

Cisco Merakiの機能や特長、導入メリットについて解説しました。

端末にLANケーブルを指すだけで設定できる手軽さや、ダッシュボードは日本語化され利用しやすく、視認性にも優れており、専門知識がなくても接続端末の管理が行えることから、Cisco Merakiを導入する企業が増えています。

テクバンでは、Cisco Meraki導入サポートを行っており、提案から保守運用までワンストップのトータルソリューションを提供しております。「Cisco Merakiを導入したいが人員を割けない」「Cisco Merakiで最適なネットワーク構築を行いたい」などお悩みごとがありましたら、ぜひテクバンまでお問い合わせください。
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