情シス運用サポートBlog

2023.09.20

クラウド型ネットワーク監視とは? 導入メリットやツールの選び方を解説

関連サービス
ITインフラ構築

目次

セキュリティを強化するために、クラウド型のネットワーク監視ツールを検討している担当者は必見です。この記事では、クラウド型ネットワーク監視のメリットやツールの選び方をご紹介します。クラウド型ネットワーク監視の必要性が理解できると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

事前調査とデモで安心! ネットワークの一元管理で、 情シスのリモート化を実現

クラウド型ネットワーク監視とは

本記事をご覧になっている方は、ネットワーク監視について一定以上の知識をお持ちの方も多いかと思いますが、最初に基本的な知識から解説します。

そもそも「ネットワーク監視」とは

ネットワーク監視とは、文字通りネットワークを監視して、「正常に稼働しているかどうか」を確認することです。

この場合の「ネットワーク」とは、社内で構築している社内LAN、広域イーサネットを含めたWANのような主に自社の業務目的で利用しているネットワークを指します。他にも、自社が顧客へ提供しているネットワークサービスがあれば、サービス品質維持の目的でそちらを監視するといった場合もあります。
つまり、「自社が監視する」理由があるネットワークかつ実際に監視対象とできる(自社にアクセス権限がある)ネットワーク全般が、ネットワーク監視の対象となりえます。

現代において、ビジネスにおける様々な業務内容や自社が活用するサービス、顧客へ提供するサービスなどに至るまで、あらゆるものがネットワークと切っても切り離せない関係です。
ネットワークに何らかの障害が発生してしまうことは、すなわちビジネスの損失に直結するといえます。

そのため、必要に応じて「ネットワーク監視」を行い、ネットワークの正常性を確認・維持することが重要なのです。
ネットワーク監視では、対象ネットワーク内の回線の正常性(死活監視)・通信状況(トラフィック監視)はもとより、各回線の相互接続を実現しているルーターやスイッチングハブなどの機器類、およびネットワーク上で稼働するサーバーなどについても稼働の正常性を監視します。

ネットワーク監視のメリット

ここからは、企業がネットワーク監視ツールを導入するメリットについて紹介します。

ビジネス損失リスクの減少

社内の業務用ネットワークであっても、BtoCの販売路や顧客へのネットワークサービスの場合であっても、ネットワークが途絶えてしまうことはビジネスの損失を意味します。
ネットワーク監視を行うことで、ネットワーク不調や障害が要因となるビジネス損失のリスクを低減できるでしょう。

管理者の工数・負担削減

ネットワーク管理者が都度、ツールを使ったりpingやtracerouteといったコマンドを使ったりといった方法でネットワークの正常性を監視すると、確認工数や業務負担が膨大となります。
しかし、専用ツールによる自動的なネットワーク監視を導入してメンテナンスや調査を効率化すれば、ネットワーク管理者の業務負担が大幅に削減され、空いたリソースを他のコア業務へまわすことも可能です。

障害期間の短縮

ネットワーク管理者が手作業でネットワークを監視する場合、監視作業は一日の中で隙間なく延々と行うのは現実的ではありません。例えば、短い間隔でも1時間単位、数十分ごとなどの断続的なチェックとなりがちです。

この場合、いざネットワークに障害が発生した場合、どうしても管理者が障害を認識するまでのタイムラグが生じてしまいます。

専用ツールでネットワーク監視を自動的に常時行えば、障害発生時はツールからのアラートで即座に状況を認識し、障害規模が拡大する前に速やかに対応可能です。

また、監視ツールは各機器における詳細なイベントログ保存や、レポート出力といった機能も備えているため、迅速に状況や障害の原因を調査でき、障害復旧までの時間の短縮にも大きく貢献します。

サービスの安定を維持

社内の業務システムや社員向けのサービス、または顧客向けのサービスであっても、基盤となるネットワーク部分を常時監視することで、サービスを安定して提供し続けられます。

不要なリソース投資の抑制

例えば、「ネットワーク内の通信が遅い」「不安定な場合がある」といった状況で、原因が特定できないまま何となくサーバーを増設してみたり、ルーターを新調したりネットワークの帯域幅を広げたりするような対応では、ネットワークへの投資コストが無駄にかさんでしまいます。

ツールによるネットワーク監視であれば、局所的な部分までの原因特定が容易となり、対策するためのリソース投資も抑制できます。

クラウド型ネットワーク監視の主な機能

「クラウドサービスとして提供されているツール」を使って行うことを、クラウド型のネットワーク監視といいます。

クラウド型ネットワーク監視は、オンプレミス環境に設置するネットワーク監視ツールと同様に監視のための様々な機能を備えています。
細かな機能はツール(サービス)ごとに異なりますが、以下で代表的な機能を紹介します。

ネットワーク機器本体の監視

ネットワーク内のルーターやスイッチングハブといった機器、サーバーなどのコンピューターに関して、正常に稼働して通信が行える状態であるかを常時監視します。
この監視項目をさらに細かく分けると、機器本体やポートに関する「死活監視」、機器の応答速度に関する「遅延監視」などに分かれます。どのような項目まで監視できるかは、ツールやサービスによって異なります。

ハードウェアの利用状態の監視

前述の様々な機器類に関して、CPU使用率・メモリ使用率などの細かなリソース状況を監視します。
機器に一定以上の負荷がかかっている、ネットワークが不安定となる可能性があるなどの場合には、アラートを管理者へ送信する他、あらかじめ設定しておいた自動処理を実行します。

トラフィック監視

対象のネットワークの中で、特定の回線(LAN内の一部の回線、WAN回線、特定の顧客が利用している回線など)の使用率が増加していないか、トラフィック(通信量)を常時監視します。
また、ツールの管理画面上やレポート上で、平常時の平均トラフィック量、時間帯ごとのトラフィック量、最大トラフィック量など、トラフィックに関する状況を全般的に可視化できます。

ログ・トラップ監視

一般的にルーターなどのネットワーク機器やサーバーは、ハードウェアエラーなどで自らが障害を検知した際、ログやSNMPトラップといった手段で外部へ異常を伝達できる仕組みを持っています。
ネットワーク監視側では、こういったネットワーク機器やサーバーから発せられる情報を常時受信して、異常を検知する機能も有しています。

サービス・プロトコル監視

ネットワーク機器類のみでなく、ネットワーク内のサーバーで稼働しているWebサービスや、サービスに付随して行われるプロトコル(HTTP、POP3、DNSなど)のやりとりも監視対象とできるツールが多く存在します。
この機能によって、サーバー上で稼働しているサービスが正常に利用できる状態であるかも、インフラレベルで監視できます。

クラウド型ネットワーク監視を利用する3つのメリット

クラウド型のネットワーク監視を活用すると、以下のようなメリットを得られます。

1.機器やツールを新たに用意することなく、即時ネットワーク監視を導入できる

クラウド型サービスのため、利用者は自社環境で機器やツールを用意する必要がありません。
サービス申し込みの所定の手順を終えれば、すぐにクラウド上の監視ツールを使って、目的のネットワークの監視を始められます。導入コストも大幅に削減できるでしょう。

2.監視ツールのアップデートやメンテナンスをサービス事業者へ任せられる

クラウドサービスで提供されるネットワーク監視ツールは、サービス事業者がツールのアップデートやメンテナンス、セキュリティ対策などを行います。
オンプレミスで監視ツールを運用する場合と比較して、やはり管理者の負担が大幅に軽減されます。

3.ワンストップ型のセキュリティソリューションが多い

クラウドネットワーク監視は、オンプレミスの単体ツールと比較して、入口対策、出口対策から内部対策、および管理代行といった部分まですべてを網羅した統合的なセキュリティソリューションとして提供されているケースが多くあります。
こういったサービスであれば、自社の人的コストや業務負担を極限まで抑えつつも、高度なネットワーク監視体制が実現できます。

クラウド型ネットワーク監視ツールを選ぶポイント

実際にクラウド型のネットワーク監視ツールを選定する際に、留意しておきたいポイントを解説します。

自社の要件や運用コストに合っているか

たとえ高機能を誇る監視ツールであっても、自社の細かな要件やコストに合っていなければ意味がありません。
対象となるネットワーク環境で問題なく利用できるものか、自社の運用コストに収まり無理なく長期的に運用できるかなど、ニーズにあわせて確認しておきます。

最適な監視頻度を維持できるか

ネットワーク監視ツールは基本的に「常時監視」が基本となります。しかし、イベントログの報告などの細かい機能において、自動出力や自動実行の頻度を利用者が細かく設定できるツールであれば、最適な監視頻度を維持できるため様々な運用に合致させやすいでしょう。

柔軟なカスタマイズができるか

死活監視の種類やトラフィック監視レポート上の表示項目・レイアウトなど、機能に関するあらゆる面を自社のニーズ変化に応じて柔軟にカスタマイズできるツールが理想です。

テクバンのインフラ構築/運用に関するサポート

自社の業務用ネットワーク、顧客向けのサービス用ネットワークなど、ネットワークの種類や構成要素ごとに適切なネットワーク監視を行うためには、ネットワーク機器やプロトコルに関する知識、監視ツールを適切に設定するためのスキルなどが必要となります。

しかし、自社にネットワーク監視のための人材が不足している、別のコア業務に追われているなど課題をお持ちの方も多いでしょう。

テクバンでは、クラウドネットワーク監視をはじめ、ITインフラ構築・運用に関する様々なサポートを行っております。

テクバンの構築・運用支援サービスについては、ぜひ下記から詳細をご覧ください。
ITインフラ構築/運用支援サービス
インフラ運用保守/監視/障害対応サービス

クラウド型ネットワーク監視でセキュリティ強化

ネットワーク監視を行うと、インシデントに備えられるため自社のセキュリティ対策を強化できます。クラウド型のネットワーク監視であれば導入しやすく、手軽に運用開始できるためおすすめです。

導入に際してお困りのことや、解決しておきたい疑問などがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

ネットワークについては下記記事でも紹介しています。ぜひ、ご参考ください。
▼ネットワーク監視で障害発生のリスク回避! その方法とは?
▼なぜネットワーク障害は起きるのか? 原因を徹底解説

お気軽に
ご相談ください