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2023.09.05

システムやサーバーの【ハードウェア障害】原因や対策を解説

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目次

ITの活用は切っても切り離せない現代のビジネスにおいて、IT機器類のハードウェア障害は極力避けたいものです。特にサーバーやネットワーク機器の障害は、業務への影響が大きく、多大な不利益を被る可能性があります。この記事では、ハードウェア障害が発生する主な原因とその対策について詳しく解説します。

トラブルは最小限に! サーバー、ネットワーク 管理を最適化するポイント

【ハードウェア障害】が発生する様々な原因

ハードウェア障害の原因は様々です。ここでは、ハードウェア障害の概要と主な原因を紹介します。

ハードウェア障害とは

ハードウェア障害とは、文字通りハードウェアのトラブルで起こる障害のことです。ここでいうハードウェアには、コンピューターやサーバー、ネットワーク機器などが含まれます。ハードウェアに何らかの不具合が発生すると、システム障害やエラーの頻発、データ損失といった問題が起こります。

ハードウェア障害の原因は様々で、障害による影響も各ケースで異なります。障害の程度によっては、必ずしもシステムがすぐに停止するわけではないため、障害が発生していてもすぐに発見されないケースもあるでしょう。異変に気付かず、障害の原因を残したまま運用を続けると、二次障害やより深刻なトラブルにつながるため注意が必要です。

ハードウェアの故障で大規模な障害が発生すれば、復旧作業は困難を極めます。早い段階で異変を検知し、対処することが重要です。

【ハードウェア障害の例1】PCに起こるハードウェア障害

ここからは、ハードウェア障害の原因と影響について解説します。はじめに紹介するのは、PCに起こるハードウェア障害です。PCを構成するパーツや部品の故障によって引き起こされます。

PCは精密機器であるため、物理的な強い衝撃や水濡れは厳禁です。高温や湿度の高い環境も悪影響を及ぼします。また、PC内部の埃にも注意が必要です。内部に溜まった埃が原因で、熱暴走が起こることがあります。

PCの故障につながる主なトラブルを以下にまとめました。

  • 外部からの物理的な強い衝撃
  • 水や湿気による内部機械のショート
  • 埃の蓄積による熱暴走
  • パーツ交換時の破損、接触不良
  • USBポートなどコネクタ部分の接触不良

PCの故障には様々な原因がありますが、PCのコンセントをさしても通電しないケースでは、バッテリー破損のおそれがあります。バッテリー自体に膨張や焦げ付き、溶解などが起きていないか慎重に確認しましょう。

【ハードウェア障害の例2】ネットワーク機器に起こるハードウェア障害

次に紹介するのは、ネットワーク機器に起こるハードウェア障害です。ネットワーク機器に不具合や故障が起こると、次のような障害が発生します。

  • 社内LANが利用できない
  • 社内Wi-Fiが利用できない
  • インターネットに接続できない

ネットワーク機器を起因とするハードウェア障害は、企業に大きなダメージを与える可能性があります。当該ネットワークに接続している機器すべてに影響が出るため、ビジネスへの影響は甚大です。

仮にインターネットへの接続が不可となった場合、顧客とのやり取りができない、社内チャットツールが使用できない、クラウドで運用するシステムが利用できないなど、幅広い業務に支障が出てしまいます。

ネットワーク機器で障害が起こる原因としては、物理的な衝撃や劣化によるルーターの故障、内部機械のショート、コネクタ部分の接触不良などが挙げられます。また、熱を持ちすぎたことによる一時的な暴走や、落雷による過電流などが原因となるケースもあります。

【ハードウェア障害の例3】サーバーに起こるハードウェア障害

続いて紹介するのは、サーバーに起こるハードウェア障害です。サーバーを構成するハードウェアに不具合が起こると、次のような障害が発生します。

  • サーバーが起動しない
  • サーバーが再起動やフリーズを繰り返す
  • ネットワークの遅延が起こる
  • インターネットに接続できない

サーバーの障害も、ビジネスに大きな影響を及ぼします。通常業務に支障が出るだけでなく、企業が運営するWebサイトにアクセスできなくなる、ECサイトでの注文受付ができなくなる、システム停止で生産や流通がストップするなど、企業の大きな損失につながるおそれがあります。

サーバー障害の原因で多いのが、サーバーを構成するパーツや部品の故障です。HDDやCPU、メモリ、マザーボードなどが正常に動作しなくなることで、サーバーに障害が生じます。サーバーは常に熱を帯びた状態で稼働し続けるため、内部のパーツや部品が劣化しやすいといわれています。

また、物理的な故障ではありませんが、突発的なアクセス集中やサイバー攻撃によって、サーバーのハードウェア部分に影響が生じるケースもあります。

外部要因によるハードウェア障害

IT機器の物理的な故障ではなく、外部からの影響によってハードウェア障害が発生することがあります。アクセス集中やサイバー攻撃、自然災害などがこれに該当します。

アクセス集中

突発的なアクセス集中はサーバー障害を引き起こします。同じ時間帯に大量のアクセスが集中すると、サーバーに過剰な負荷がかかり、システムの動作が遅くなるなどの影響が出ます。Webサイトにアクセスしづらい、サイトが重く画面遷移に時間がかかる、というような状態です。サーバーダウンや故障のリスクも高まります。

サイバー攻撃

サイバー攻撃など外部からの攻撃によって、障害が発生するケースもあります。サイバー攻撃の代表例としては、DoS攻撃やDDoS攻撃、ウイルス攻撃、不正アクセス、データ改ざん・破壊などが挙げられます。サイバー攻撃は年々巧妙化しており、強固なセキュリティ対策が不可欠です。

DDoS攻撃については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼DDoS攻撃の目的や種類、DoS攻撃との違い、対策方法を解説

自然災害

地震や水害、落雷などの自然災害による障害にも注意が必要です。IT機器だけでなく、ネットワークの要となる通信設備や電力設備が被害を受ける可能性があります。「ハードウェアが物理的なダメージを受けて使用不可となる」「サーバーの接続障害が発生する」などのトラブルが想定されます。

内部要因によるハードウェア障害

ソフトウェアの不具合や人為的なミスなど、内部的な要因によって障害が発生するケースを紹介します。

ソフトウェアの不具合

ソフトウェア自体の元々の不具合、いわゆる「バグ」によってハードウェアに支障が出ることがあります。「システムが正常に動作しない」「データにアクセスできない」というような障害は、ソフトウェアに問題がある可能性があります。

ハードウェアの経年劣化

長期間ハードウェアを使い続けていると、老朽化によって不具合が起こりやすくなります。ハードウェアを構成するパーツや部品には、耐用年数があります。劣化すると破損や故障のリスクが高まるため、定期的なメンテナンスが必要です。

人為的なミス

人為的なミスも、ハードウェア障害の原因となります。具体的には、設定ミスや操作ミス、メンテナンス不備などが挙げられます。

  • 設定ミスにより、システムが誤作動を起こす
  • 重要なファイルやバックアップを削除してしまい、サーバー障害が発生する
  • メンテナンスの不備で、熱暴走や故障が生じる
  • 劣化したハードウェアの使用によって、エラーが頻発する

ハードウェア障害を防ぐためには、ヒューマンエラー対策も必要になります。

【ハードウェア障害】の対策とポイント

ここからは、ハードウェア障害の対策とポイントを解説します。

ハードウェア障害を避けるための対策

先述した通り、ハードウェア障害の原因は多岐にわたります。ハードウェア障害を未然に防ぐためには、入念な対策が必要です。

ハードウェア障害を防ぐための主な対策を一覧にまとめました。

  • 冗長化(予備システムの導入)
  • 適切な温度・湿度の管理
  • 定期的なメンテナンスの実施
  • 負荷分散
  • セキュリティ対策
  • 運用監視システムの導入

各対策について詳しく見ていきましょう。

冗長化(予備システムの導入)

システム全体を二重化するなど、予備システムを待機させておくことは、耐障害性を高める有効な対策です。万が一、普段使用しているシステムで障害が発生した場合でも、予備システムに切り替えることで業務を継続できます。通常業務や自社サービスを止めることなく、ダウンしたシステムの復旧作業や原因究明を行うことが可能です。

冗長化の方法としては、予備サーバーの設置が一般的ですが、近年ではクラウドサービスを活用する企業も増えてきています。

適切な温度・湿度の管理

ハードウェア障害を防ぐためには、適切な環境でIT機器を使用することが大切です。高温多湿な環境は、IT機器に悪影響を及ぼします。サーバーやストレージ設置場所の空調推奨設定は、推奨温度が19〜30℃、動作時湿度が20〜80%程度とされています。

サーバーやネットワーク機器は、熱を帯びた状態で稼働し続けるため、特に温度管理には注意を払う必要があります。空調の利用と定期的なモニタリングで、室内の温度と湿度を一定に保つことが重要です。

定期的なメンテナンスの実施

ハードウェアの故障は障害に直結するため、定期的なメンテナンスが必要です。ハードウェアを構成するパーツや部品には耐用年数があり、劣化した状態で使用を続けると、障害のリスクが高まります。定期的にハードウェアの健康状態をチェックし、古くなったパーツの交換を行うなど、点検と保守管理が重要となります。

負荷分散

アクセス集中によるハードウェア障害が不安視される場合は、ロードバランサーの導入を検討するといいでしょう。ロードバランサーとは、負荷分散装置のことで、アクセス集中による過大な負荷を複数のサーバーに分散が可能です。これにより、アクセス集中時のレスポンス低下やシステムダウンを回避できるようになります。
高負荷状態を発生させないことは、ハードウェアの寿命を延ばすことにもつながります。

セキュリティ対策

サイバー攻撃は多様化、巧妙化しており、セキュリティ対策は不可欠です。近年では、ランサムウェアによる被害などもますます増加傾向にあるとみられています。サイバー攻撃からシステムと情報資産を守るためには、セキュリティ対策ソフト・サービスの導入が欠かせません。

基本的な対策として、OSやソフトウェアを常に最新の状態にアップデートしておくこと、アクセス権限の管理を徹底すること、従業員のセキュリティ意識を向上させることなども有効です。

運用監視システムの導入

運用監視システムを導入すれば、様々な障害のリスクを軽減できます。運用監視システムとは、サーバーやネットワークが正常に稼働しているか監視するシステムで、異常を検知すると即座に通知する仕組みになっています。異常発生時のログを確認できるため、仮に障害が発生しても、早期復旧を図ることができます。

運用監視システム・システム監視ツールの導入が有効

これまでに、ハードウェア障害を防ぐための対策をいくつか紹介しましたが、サーバーなど障害発生の影響度が高い機器には、運用監視システムやシステム監視ツールの導入をおすすめします。異常を早期に検知できるため、深刻なトラブルに発展する前に対処可能です。

運用監視システムやシステム監視ツールの主な機能は以下の通りです。

  • 死活監視
  • ハードウェア監視
  • トラフィック監視
  • 障害ログの取得
  • 異常検知時のリアルタイム通知

常時システムの監視を行うことで、障害の未然防止や被害の最小化を図ることができます。

機器の運用マニュアルや障害発生時の対応手順書を準備しておくことも重要

ハードウェア障害が発生した際、どのような対応を取るのか、事前に体制やマニュアルを整備しておくことも重要です。取るべき対応をフロー化しておけば、障害に対して迅速かつ適切に対処できます。

事前対策のポイントを以下にまとめました。

  • 障害対応のための体制構築
  • 障害発生時の対応手順書の作成
  • 機器の運用マニュアルの整備
  • 保守業者への連絡体制の確認

ハードウェア障害は、いつ発生するかわかりません。万が一に備えて、障害発生時の運用ルールを明確化しておきましょう。

ハードウェア障害に備える事前対策のポイント

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ハードウェア障害はビジネスに重大な損害をもたらすことも! 運用・保守体制を整備しておこう

この記事では、ハードウェア障害が発生する主な原因とその対策について解説しました。ハードウェア障害によって業務停止状態に陥ってしまうと、ビジネスに多大な損害が生じるおそれがあります。企業の信頼を守るためにも、障害を未然に防ぐことや、発生時の被害を最小限に抑えることは極めて重要です。障害発生時の運用ルールの明確化や、運用監視システムの導入を行い、運用・保守体制を万全なものにしておきましょう。

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