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2023.04.28

仕様書とは? サンプルとわかりやすい書き方の特長、種類を紹介

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目次

システム・ソフトウェア開発において仕様書は不可欠ですが、その作成には知識や経験が必要です。
そこで本記事では、仕様書とは何かといった基本から、記載のポイント、わかりやすい書き方の特長などを紹介します。またサンプルも提示して、書き方のポイントを解説していきます。
システム開発において仕様書は不可欠であることを理解して、委託側としてプロジェクトを成功に導いてください。

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仕様書とは? 基本を解説

まず、仕様書とはシステム開発が行われる場合に必ず作成する重要なドキュメントです。システム開発の委託側に向け、システムの設計や仕様、動作方法、利用方法などが記載されています。システムの全体像や機能、システムの制約条件や要件、システムの設計や開発プロセス、テストの内容や方法などを知ることができます。

そして、開発プロセスにおいて、仕様書の位置付けは非常に重要です。委託側をはじめ、開発側や外部関係者がシステムの要件や仕様の共有・認識合わせのために、大きな役割を果たします。
このことから、プロダクトが目指す姿をわかりやすく記載した地図といえるでしょう。システムの設計やプログラミングの際にも指針となる重要な文書となります。

また、システム開発が進むにつれて、仕様書に追加や変更が必要になる場合があります。このときも、変更履歴を残しながら、開発の進捗に合わせて適宜更新することになります。
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システム開発設計書との違い

仕様書に似た文書として設計書があります。
仕様書は委託側に向けた文書であるのに対して、設計書は主に開発側に向けた文書という目的に違いがあります。両者ともシステム開発において重要な文書ですが、それぞれ異なる役割を持っています。

まず仕様書とは、委託側が求める機能や要件などをまとめたもの。何を作るか決める段階で作成されます。委託側と開発側で共有する情報として、仕様書にはシステムの全体像や動作仕様、性能要件、制約事項などが記載されています。

一方の設計書は、仕様書を基に設計する際、作成されるものです。システムをどのように実現していくのかといった観点で、詳細な設計図や仕様、機能要件、性能要件などを設計書に記載します。

つまり、仕様書が「何を作るか」を決めるのに対して、設計書は「どうやって作るか」を決める役割を持つのです。どちらの文書もシステム開発において不可欠で、両者を上手に作成されていることがシステム開発の成功につながります。

また、委託側が開発事業者へ開発提案を募るRFP(提案依頼書)があります。このRFPのサンプルもご用意しております。よろしければダウンロードの上、作成のテンプレートとしてご活用ください。
RFP(提案依頼書)サンプル

準備すべき仕様書の種類

システム開発において、どのような機能や性能を実現するかを明確にするため、様々な種類の仕様書が必要とされます。例えば、要求定義書は、システム開発やサイトのリニューアルなどで、委託側が開発側に求める要望や仕様をまとめた文書です。他にも、実現すべき機能や処理内容を詳細に記述した機能仕様書などがあります。

開発内容によって必要な仕様書は異なりますが、一般的に用いられる主要な仕様書について紹介します。

要求仕様書

要求仕様書とはシステム開発の際に委託側の要求をまとめ、これを満たすための機能や性能などの仕様を定義した(定めた)文書です。
この要求仕様書を定めることでシステム開発の目標を確定し、開発プロセス全体を効率的かつ正確に進めることができます。そのため、様々ある仕様書の中でもシステム開発の最初の段階で作成されることもあれば、要件定義フェーズの前に作成されることもあり、要件や要望、制約事項、業務フロー、利用環境、運用条件などが記載されています。システム開発において遵守すべき規格や法令、規制も記載されます。
さらに詳しく要件仕様書について、まとめた記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
要求仕様書とは? 要求定義書・RFPとの違いを解説

機能仕様書

機能仕様書とは必要な機能や要件、性能指標、インターフェース仕様、操作手順、テスト要件などを記載した、システム開発の際に作成される文書です。
機能仕様書は要求仕様書の後に作成されることが多く、開発側だけでなく関係者全員がマスターの情報として利用します。開発するシステムについて開発側や委託側が共通の認識を持ち、要件定義や設計でミスや不備が発生しないようにする役割機能仕様書は果たします

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詳細仕様書

詳細仕様書は、機能仕様書で定義された機能や要件に対して、その具体的な方法や振る舞いを定義した文書です。機能仕様書が提供する情報をより詳細に記述することで、実装段階でのミスや不備を防ぎ、品質を確保するために重要な役割を果たします。開発プロセスの中間段階で作成され、品質保証やテスト担当者など、関係者が開発に参加する際に必要な情報を提供するために利用されます。
詳細仕様書には、システムの詳細な機能や要件、データフロー、入出力仕様、プログラム構造、アルゴリズム、画面設計、データベース設計などが含まれます。また、システムを実装する際に必要な制約事項や前提条件、設計において考慮すべきリスクや品質管理に関する情報も記載されます。

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わかりやすい仕様書の特長とは?

わかりやすい仕様書は開発プロジェクトを順調に進めるために必要不可欠です。仕様書は、製品やシステムの設計や開発の指針となり、製品やシステムの品質を確保する上で重要な役割を果たし、関係者間で共有されるドキュメントとして機能するからです。
そこで、わかりやすい仕様書の特長を解説します。

言葉や記述が明確

システムの仕様を正確に伝え、委託側、開発側ともに共通の理解を持てるような仕様書でなくてはなりません。そのため、わかりやすい仕様書は言葉や記述が明確であることが重要です。誤解や解釈の違いが生じる仕様書はミスや不具合を誘発してしまうでしょう。

わかりやすい画面遷移図がある

画面遷移図は、システムの操作の流れを視覚的に表現するものです。利用者がどのような操作を行い、どのような画面が表示されるか図解しているので、テキストだけで表現するよりイメージしやすくなります
また、画面遷移図は各機能やページの関係をスムーズに理解することができるため、システムの全体像を把握しやすくなります。

さらに画面遷移図は、UI/UXの改善にも役立ちます。画面遷移図を確認することで、操作性やユーザビリティーの改善点を見つけることができます。例えば、操作の流れが複雑であったり、必要な操作がわかりにくかったりする場合、画面遷移図を見直すことで改善が可能になります。

イメージしやすい画像が入っている

画像や図表が多く入っていることも、わかりやすい仕様書の特長のひとつです。システムの機能や設計を、画像や図表を用いて視覚的に示すことで理解が進むからです。図表を使って記載することで、特に、複雑なデータ構造やアルゴリズム、システムの構成図やデータフロー図などの理解を深められるでしょう。

関連情報へのアクセスが容易

わかりやすい仕様書は、関連情報へのアクセスが容易であることが重要です。システムの開発には多くの関係者が関わるため、仕様書を確認しながら関連する情報や文書に素早くアクセスさせなければなりません。仕様書に関連情報へのリンクや参照を記載することで、必要な情報に時間や手間をかけずアクセスできるようになります。

シーケンス図がある

シーケンス図は、システムやプログラムの実行フローを示すもので、プログラムの各ステップやオブジェクトの関係性、処理の流れなどを視覚的に表現することができます。これにより、システム全体の動作を簡単に理解することができます。
また、プログラムのバグを見つけたり、新しい機能を追加したりするためにもシーケンス図は役立ちます。

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仕様書のサンプルと書き方のポイント

仕様書は、システム開発において欠かせない重要な資料であり、プロジェクトの成功に大きく関わります。
まず、各種仕様書に共通する書き方のポイントとしては、明確な目的を持って書いてあること、必要な情報を正確に記載していること、読み手に合わせた表現であることが求められます。
また、仕様書は、開発側や委託側とのコミュニケーションを円滑にする資料であることを意識し、常に改善していくことが重要です。

仕様書は、次のような構成で記載することが一般的です。

  • 導入
  • 目的
  • 対象
  • システム概要
  • ユースケース図
  • 画面遷移図
  • データベース設計
  • クラス図
  • シーケンス図
  • その他

仕様書のサンプル

一般にみられる仕様書のサンプルの一部をご紹介します。

仕様書のサンプル1

仕様書のサンプル2

仕様書のサンプル3

次に各種仕様書の書き方のポイントを紹介します。

要求仕様書の書き方のポイント

わかりやすい要求仕様書とは、次のポイントに留意する必要があります。

まずは、どのようなシステムを対象にするか、どのような目的があるのかといった要求仕様書の対象と要求事項を明確に定義してあることです。開発に携わる人が理解しやすいよう、必要な機能や性能、品質、規制要件を詳細に、具体的な数値を示しながら説明していることが重要です。また、要求事項には優先順位をつけていることも必要です。

機能仕様書の書き方のポイント

わかりやすい機能仕様書とは、画像や図表、フローチャートを使いながら、詳細すぎず、簡潔な言葉で必要な情報だけを伝えているものです。さらに、利用者目線で記載することは、委託側がスムーズに理解できる機能仕様書となります。

詳細仕様書の書き方のポイント

わかりやすい詳細仕様書のポイントは、レイアウトが整っていること、画像や図表を使っていること、細かな仕様を明確にしていること、用語の定義が明確になっていること、目次があることの5つです。
また、業界用語や固有名詞については定義を明確にし、必要な項目だけを書き、冗長な情報は排除されていることは読み手の理解をスムーズにします。
さらに、目次が作成されていることで仕様書全体の把握を助け、誰にとっても理解しやすい仕様書となります。

開発の成功を握るのは丁寧でわかりやすい仕様書

仕様書の良しあしは開発プロジェクトの成否を左右する要素のひとつともいえるかもしれません。
仕様書はシステムの目的や必要な機能、性能、品質、規制要件などを明確にし、委託側、開発側が同じ認識を持つための役割を担います。そのため仕様書は、丁寧かつわかりやすく作成されていることが重要です。

本記事でご紹介したわかりやすい仕様書のポイントを押さえ、開発する内容を明確にイメージできる仕様書であれば、開発プロジェクトは成功につながるでしょう。
この点がしっかりしているベンダーなら、システム開発を安心して任せることができるといえます。

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