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2023.02.28

Zscalerとは? ビジネスに必須のクラウドセキュリティとゼロトラストを解説

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クラウド環境のセキュリティ対策が重要視される中、Zscalerシリーズの導入やゼロトラストセキュリティに関心を持つ企業が増えています。
本記事では、Zscalerの概要、メリット・デメリット、導入時のポイントをわかりやすく解説。ZIAやZPAなど主要サービスの仕組みや導入効果、コスト、ライセンス体系についても詳しく紹介します。Zscalerの導入を検討中の方はぜひ参考になさってください。

ZIAとZPAのシナジーで セキュアなアクセス コントロールを実現!

Zscaler(ゼットスケーラー)とは

働き方改革やデジタルトランスフォーメーションの加速に伴い、企業のネットワーク境界は曖昧になり、従来の境界ベースのセキュリティ対策では、サイバー攻撃から組織を守ることは困難になっています。
この課題を解決するため、ゼットスケーラー社は、セキュアなクラウドアクセスを実現できるZscalerシリーズを展開。クラウドセキュリティのリーディングカンパニーとして、世界中の企業にゼロトラストセキュリティソリューションを提供しています。

Zscalerシリーズは、ゼロトラストセキュリティモデルに基づいたデータ保護、セキュアなアクセス管理などができるクラウドネイティブなセキュリティプラットフォームを提供し、場所やデバイスに依存せず、安全なクラウドアクセスとデータ保護を実現。
AI(人工知能)や機械学習機能を備え、既知の脅威はもちろん未知の脅威さえもブロックし、インターネットアクセス、プライベートアプリケーションアクセス、クラウドセキュリティポスチャ管理(CSPM)、データ損失防止(DLP)など、多岐にわたるセキュリティ機能を統合的に提供することで、企業のセキュリティ態勢を強化し、ビジネス環境を守ります。
そのため、Zscalerシリーズだけで多層防御が可能で、運用管理に負担がなく、コスト削減も期待できるのです。

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▼不正アクセスを防ぐには? 被害事例と対策を徹底解説

Zscalerの提供元とサービス内容

Zscaler(ゼットスケーラー)社は、2007年に設立されたクラウドセキュリティ企業で米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置いています。同社は、世界185カ国以上に2,500以上の顧客を持ち、フォーチュン500企業の20%以上がZscalerのサービスを利用しています。

Zscalerの主要なサービス内容は以下の通りです。

サービス名   概要
Zscaler Internet Access(ZIA) セキュアなインターネットアクセスを実現するクラウドセキュリティゲートウェイ。URLフィルタリング、マルウェア対策、サンドボックス、DLPなどの機能を提供し、ユーザーがどこにいても安全にインターネットにアクセスできるようにする
Zscaler Private Access(ZPA) プライベートアプリケーションへのセキュアなアクセスを提供するゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)ソリューション。アプリケーションをインターネットに公開することなく、ユーザーにセキュアなアクセスを提供
Zscaler Cloud Security Posture Management(CSPM) クラウド環境のセキュリティリスクを可視化し、是正するためのツール。AWS、Azure、GCPなどの主要なクラウドプラットフォームに対応
Zscaler Data Loss Prevention(DLP) 機密データの流出を防止するためのソリューション。クラウドアプリケーション、メール、Webトラフィックなどを監視し、機密データの流出を検知・ブロックする

Zscalerが解決する課題

Zscalerは、以下のような企業が抱えるセキュリティ課題を解決します。

  • リモートワーク・テレワークの普及によるセキュリティリスクの増大
    テレワーク環境では、従業員が様々な場所から企業ネットワークにアクセスするため、セキュリティリスクが増大。Zscalerは、ゼロトラストセキュリティモデルに基づいたアクセス制御を提供することで、このリスクを軽減します。
  • クラウドサービスの利用拡大に伴うシャドーITの増加
    従業員がIT部門の承認を得ずにクラウドサービスを利用するシャドーITは、セキュリティリスクを高める。Zscalerは、CASB機能を提供することで、シャドーITを可視化し、セキュリティポリシーを適用可能にします。
  • 複雑化するネットワーク環境の管理負担
    従来のセキュリティ対策では、複数のセキュリティ機器を導入・管理する必要があり、運用負担が大きくなりがちです。Zscalerは、クラウドネイティブなプラットフォームを提供することで、セキュリティ運用を簡素化し、効率化します。
  • 高度化するサイバー攻撃への対策
    ランサムウェアや標的型攻撃など、サイバー攻撃はますます高度化。Zscalerは、AIを活用した脅威検知機能を提供することで、最新の脅威から企業を保護します。

リモート環境のセキュリティ対策に成功した事例資料もご用意しております。ぜひご覧ください。
【事例】リモート環境整備のための、適切なセキュリティ運用を実現

ゼロトラストセキュリティとは?

ゼロトラストセキュリティとは、「決して信頼せず、常に検証する」という原則に基づいた、最新のセキュリティモデルです。
従来の境界型セキュリティモデルとは異なり、ネットワークの内部または外部の場所にかかわらず、すべてのアクセスに対して信頼性を前提としません。
つまり、社内ネットワークに接続しているユーザーやデバイスであっても、常に認証と承認を要求し、アクセス権限を最小限に抑えることで、セキュリティリスクを軽減します。
このアプローチは、内部脅威やデータ漏洩のリスクが高まっている現代のクラウド中心の環境において特に重要です。
Microsoft 365製品を提供するマイクロソフト社を含め、多くの企業がゼロトラストを推進しており、ゼロトラストセキュリティを実現するサービスは年々増加しています。Microsoft 365のセキュリティについて詳しくはこちら

ゼロトラストについてさらに詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼ゼロトラストネットワークとは何か? 従来のセキュリティとの違いやメリット・デメリットについて解説

ゼロトラストの基本概念

ゼロトラストセキュリティの中核となる概念は、以下のとおりです。

  • すべてのアクセスを検証する
    ユーザー、デバイス、アプリケーション、データなど、あらゆるアクセスに対して認証と承認を行います。
  • 最小権限の原則
    ユーザーやデバイスには、必要な権限のみを付与し、アクセス範囲を制限します。
  • 多要素認証
    パスワードだけでなく、生体認証やワンタイムパスワードなど、複数の認証要素を組み合わせてセキュリティを強化します。
  • マイクロセグメンテーション
    ネットワークを小さなセグメントに分割し、アクセス制御をよりきめ細かく行います。
  • 継続的な監視と分析
    アクセスログやセキュリティイベントを監視し、異常を検知することで、迅速な対応を可能にします。

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▼SASEとゼロトラストの違いとは? SASEを活用したゼロトラストの実現方法を解説

従来のセキュリティ対策との違い

従来のセキュリティ対策は、「城と堀」モデルと呼ばれる境界型セキュリティに基づいていました。
これは、ネットワークの境界を壁で囲み、外部からの攻撃を防御することに重点を置いたアプローチです。しかし、一度内部に侵入されてしまうと、攻撃者は自由にネットワーク内を移動し、機密情報にアクセスできてしまう可能性がありました。

比較内容 従来のセキュリティ対策 ゼロトラストセキュリティ
信頼モデル   境界内は信頼する 決して信頼しない
アクセス制御 境界でのアクセス制御 すべてのアクセスを制御
セキュリティの重点 外部からの攻撃防御 内部と外部の両方からの脅威対策
適用範囲 オンプレミス環境中心 クラウド環境を含むあらゆる環境

ゼロトラストセキュリティは、境界内の信頼を前提としないため、内部脅威やクラウド環境におけるリスクにも効果的に対応できます。

ゼロトラストの概念は内、外の区別なく全アクセスに対し制限する

クラウド環境におけるゼロトラストの重要性

クラウドサービスの普及に伴い、企業のデータやアプリケーションは、社内ネットワークだけでなく、クラウド上にも分散されるようになりました。
従来の境界型セキュリティでは、このような分散した環境を効果的に保護することは困難です。
ゼロトラストセキュリティは、クラウド環境においても、すべてのアクセスに対して認証と承認を行うため、データやアプリケーションを安全に保護できます。
また、リモートワークの普及により、社外からのアクセスが増えている中、ゼロトラストセキュリティは、場所を問わずセキュアなアクセスを実現する上で不可欠な要素となっています。

ゼロトラストについてさらに詳しいお役立ち資料をご用意しております。ぜひダウンロードしてご活用ください。
【お役立ち資料】VPNにおける3つの課題とゼロトラストセキュリティという考え方

クラウドにゼロトラストモデルは欠かせない

Zscalerの主要サービス:ZIAとZPA

Zscalerは、大きく分けて以下の2つの主要なセキュリティソリューションを提供しており、それぞれ異なるセキュリティ対策を行います。
ここではそれぞれのセキュリティ機能について詳しく解説します。

  • Zscaler Internet Access(ZIA)
  • Zscaler Private Access(ZPA)

Zscaler Internet Access(ZIA)

ZIAは、組織のインターネットアクセスを守るセキュアWebゲートウェイ(SWG)です。
インターネットにアクセスするユーザーをマルウェアやフィッシングなどの脅威から保護します。従来のSWGとは異なり、クラウドベースで提供されるため、ハードウェアの設置や管理が不要で、迅速な導入と拡張が可能です。
▼SWGとは? 機能や特徴と導入メリット・デメリットを解説
また、世界中に展開されたZscalerのクラウドネットワークを経由することで、低遅延でセキュアなインターネットアクセスを実現します。場所を問わず、組織の従業員が外部のWebサイトやクラウド環境にアクセスする際にも既知・未知の脅威をブロックし、高度なセキュア環境を実現します。
▼SWG(Secure Web Gateway)製品のおすすめは? 製品比較と選定ポイントを解説

ZIAの機能とメリット

ZIAは、包括的なセキュリティ機能を提供することで、組織のインターネットアクセスを保護します。主な機能とメリットは以下の通りです。

機能 メリット
高度な脅威防御
(アンチウイルス、アンチスパイウェア、サンドボックス、ファイアウォール、侵入防御システム(IPS)、DNSセキュリティなど)
既知および未知のマルウェア、ランサムウェア、フィッシング攻撃、その他の高度な脅威から組織を保護
データ損失防止(DLP) 機密データの流出を検知し、ブロックすることで、コンプライアンス違反のリスクを軽減
クラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB) シャドーITを含むクラウドアプリケーションの使用状況を可視化し、制御することで、セキュリティリスクを低減
SSL復号化 暗号化されたトラフィックを復号化し検査することで、隠れた脅威を検知
帯域幅の最適化 不要なトラフィックをブロックし、重要なトラフィックを優先することで、ネットワークパフォーマンスを向上
アクセス制御 ユーザー、グループ、場所に基づいてインターネットアクセスを制御し、ポリシーを適用

ZIAの活用例

  • リモートワーク環境のセキュリティ確保
    従業員が自宅や外出先から安全にインターネットにアクセスできるようにします。
  • ゲストWi-Fiのセキュリティ強化
    ゲストユーザーのインターネットアクセスを制御し、ネットワークを保護します。
  • 支社・拠点のセキュリティ統合
    複数の拠点のインターネットアクセスを一元管理し、セキュリティポリシーを統一します。
  • クラウドアプリケーションへのセキュアなアクセス
    Salesforce、Microsoft 365などのクラウドアプリケーションへのアクセスを保護します。

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Zscaler Private Access(ZPA)

ZPAは、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)ソリューションです。
従来のVPNのようにネットワーク全体へのアクセスを許可するのではなく、承認されたユーザーに対してのみ、特定のアプリケーションへのアクセスを許可。攻撃対象領域を最小限に抑え、セキュリティリスクを大幅に低減します。
▼VPNに危険性はある? 具体的なリスクやセキュリティ対策を解説
クラウド上に仮想コネクターを配置することで、ユーザーとアプリケーション間のセキュアな接続を確立。ユーザーはインターネットから直接アプリケーションにアクセスするため、企業ネットワークへの接続は不要です。これにより、VPNの複雑な構成や管理、パフォーマンスのボトルネックを解消し、シンプルでセキュアなリモートアクセスを実現。従来のVPNにあった速度不足、遅延、アクセスの不安定さといった課題を解消し、セキュアに社内システムやアプリに接続できるのです。
▼ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)とVPNの違いとは? ZTNAへ切り替えるメリットも紹介

ZPAの機能とメリット

ZPAは、ゼロトラストセキュリティモデルに基づいて、アプリケーションへのセキュアなアクセスを提供します。主な機能とメリットは以下の通りです。

機能 メリット
アプリケーション単位のアクセス制御 ユーザーはネットワーク全体ではなく、必要なアプリケーションへのみアクセスできるため、ラテラルムーブメントのリスクを軽減
最小権限アクセス ユーザーには必要な権限のみが付与されるため、不正アクセスのリスクを最小限に抑える
継続的な認証と認可 アクセスは継続的に監視され、ユーザーのコンテキスト(場所、デバイス、時間など)に基づいて動的に調整する
クラウドネイティブアーキテクチャ クラウドベースで提供されるため、迅速な導入と拡張が可能
簡素化された管理 ポリシーの一元管理、自動化されたプロビジョニング、リアルタイムの可視化により、管理の負担を軽減

ZPAの活用例

  • リモートワーク環境のセキュリティ強化
    従業員が自宅や外出先から安全に社内アプリケーションにアクセスできるようにします。
  • サードパーティベンダーへのセキュアなアクセス提供
    パートナーやサプライヤーに、必要なアプリケーションへのみアクセスを許可します。
  • M&A後のシステム統合
    異なる企業のネットワークを安全に接続し、アプリケーションへのアクセスを制御します。
  • クラウドアプリケーションへのセキュアなアクセス
    プライベートクラウドやオンプレミス環境でホストされているアプリケーションへのアクセスを保護します。

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【事例】セキュアで高いアクセスコントロールを実現する ZIAとZPAのシナジー

その他、ZscalerシリーズにはZIAとZPA以外にも様々な機能があります。
クラウドアプリケーションの可視化・制御を行うCASB(Cloud Access Security Broker)やデータと知的財産の保護を行うDLP(Data Loss Prevention)などクラウドセキュリティを強化する豊富なサービスを提供しています。
Zscalerシリーズについて詳細はこちらから

Zscalerのその他の機能とサービス

ZscalerはZIAZPA以外にも、多層的なクラウドセキュリティを実現するための様々な機能とサービスを提供しています。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

CASBCloud Access Security Broker

CASBは、企業が利用するクラウドサービスへのアクセスを可視化し、制御するためのセキュリティソリューションです。ZscalerのCASBは、シャドーITの発見、マルウェア対策、データ漏洩防止、コンプライアンス順守などを実現します。主な機能は以下の通りです。

  • 可視化と制御
    クラウドサービスの利用状況を可視化し、アクセス制御ポリシーを適用することで、不正アクセスやデータ漏洩を防止します。
  • 脅威からの保護
    マルウェアやランサムウェアなどの脅威を検知し、ブロックすることで、クラウド環境を保護します。
  • データセキュリティ
    機密データの検出と保護、暗号化、アクセス制御などを通じて、データ漏洩を防止します。
  • コンプライアンス
    クラウドサービスの利用状況を監視し、コンプライアンス違反を検出することで、法規制や社内ポリシーの遵守を支援します。

CASBの機能を活用することで、企業はクラウドサービスを安全に利用し、ビジネスの成長を促進することができます。

DLPData Loss Prevention

DLPは、組織内の機密データの流出を防止するためのソリューションです。ZscalerのDLPは、メール、Web、クラウドアプリケーションなど、様々な経路で送受信されるデータを監視し、機密データの流出を検知・ブロックします。主な機能は以下の通りです。

  • 機密データの検出
    個人情報、クレジットカード番号、企業秘密など、様々な種類の機密データを検出します。
  • ポリシーに基づいた制御
    データの送受信をポリシーに基づいて制御し、機密データの流出をブロックします。
  • インシデント対応
    機密データの流出が検知された場合、管理者にアラートを通知し、迅速なインシデント対応を支援します。
  • コンプライアンス
    GDPRPCI DSSなど、様々なデータ保護規制への準拠を支援します。

DLPの機能を活用することで、企業は機密データの流出リスクを低減し、ビジネスの信頼性を守ることができます。

その他のセキュリティ機能

Zscalerは、CASBDLP以外にも、様々なセキュリティ機能を提供しています。以下に主な機能をまとめました。

機能 詳細
ブラウザ分離 ユーザーのブラウザを分離された環境で実行することで、マルウェア感染やフィッシング攻撃のリスクを軽減
サンドボックス 不審なファイルを隔離された環境で実行し、悪意のある動作を検知することで、未知の脅威から保護
脆弱性管理 組織内のシステムの脆弱性をスキャンし、セキュリティリスクを評価することで、適切な対策を講じる支援を行う
セキュリティ分析 セキュリティログを収集し、分析することで、セキュリティインシデントの早期発見と対応を支援
Deception 偽のシステムやデータを配置することで、攻撃者を欺き、早期に検知

これらの機能を組み合わせることで、企業は包括的なクラウドセキュリティ対策を実現し、ビジネスの安全性を確保することができます。 Zscalerの全製品一覧はこちら。

Zscaler導入のメリット

Zscalerを導入することで、企業は様々なメリットを享受可能です。大きく分けてセキュリティ強化、コスト削減、運用効率化の3つのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

セキュリティ強化

Zscalerは、従来の境界型セキュリティモデルの限界を超え、包括的なセキュリティ対策を実現します。場所を問わず、あらゆるデバイスからのアクセスを保護し、データとアプリケーションへの安全なアクセスを担保します。

包括的な脅威防御

Zscalerは、次世代ファイアウォール、サンドボックス、アンチウイルス、侵入防御システム、データ損失防止(DLP)、高度な脅威保護(ATP)など、多層的なセキュリティ機能を単一のプラットフォームで提供します。これにより、既知および未知の脅威から組織を包括的に保護します。 Gartner(ガートナー)社のマジック・クアドラントで11年連続リーダーとして評価されているZscalerのSWGは、その実力の高さを証明しています。

ゼロトラストセキュリティモデルの実現

Zscalerは、ゼロトラストセキュリティモデルの基盤となる「決して信頼せず、常に検証する」という原則に基づき、あらゆるアクセスに対して認証と認可を要求します。これにより、内部脅威や不正アクセスから組織を保護し、データ漏えいを防ぎます。Zscalerのゼロトラストソリューションは、企業のセキュリティ態勢を強化するための強力なツールとなります。

クラウドアプリケーションへの安全なアクセス

Zscalerは、クラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB)機能を提供し、クラウドアプリケーションへのアクセスを可視化し制御します。シャドーITの検出、アクセス制御ポリシーの適用、データセキュリティの確保などを実現し、クラウド環境におけるセキュリティリスクを軽減します。ZscalerCASBは、クラウドアプリケーションの安全な利用を支援します。

データの暗号化

コスト削減

Zscalerの導入は、セキュリティ対策にかかるコストを削減する効果も期待できます。

ハードウェアコストの削減

Zscalerはクラウドサービスとして提供されるため、オンプレミスのセキュリティアプライアンスの購入、設置、保守にかかるコストを削減できます。ハードウェアの維持管理から解放されることで、IT部門のリソースを他の戦略的な業務に集中させることができます。

運用コストの削減

Zscalerは、一元管理コンソールを提供し、ポリシー設定、監視、レポート作成などを簡素化します。これにより、セキュリティ運用にかかる人的コストを削減し、運用効率を向上させることができます。

セキュリティインシデントによる損失の軽減

Zscalerの高度なセキュリティ機能は、セキュリティインシデントの発生リスクを低減します。これにより、インシデント対応にかかるコストや、データ漏えいによる reputational damage(風評被害)などの損失を最小限に抑えることができます。

運用効率化

Zscalerは、セキュリティ運用を効率化し、IT部門の負担を軽減します。

一元管理による効率化

Zscalerは、単一のプラットフォームで多様なセキュリティ機能を提供するため、複数のセキュリティ製品を個別に管理する必要がなくなり、運用管理の負担を軽減します。ポリシー設定、ログ管理、レポート作成などを一元的に行うことができるため、運用効率が向上します。

自動化による効率化

Zscalerは、セキュリティポリシーの適用、脅威検知、インシデント対応などを自動化します。これにより、手作業によるミスを減らし、セキュリティ運用を効率化することができます。例えば、ZIAルールを適切に設定することで、Webアクセスの制御を自動化できます。

可視性の向上

Zscalerは、ネットワークトラフィック、アプリケーション利用状況、セキュリティイベントなどを可視化するダッシュボードを提供します。これにより、セキュリティ状況をリアルタイムで把握し、迅速な意思決定を行うことができます。Zscalerレポート機能を活用することで、セキュリティ状況の分析と改善に役立てることができます。

メリット 詳細
セキュリティ強化 包括的な脅威防御、ゼロトラストセキュリティ、クラウドアプリケーションへの安全なアクセス
コスト削減 ハードウェアコスト、運用コスト、セキュリティインシデントによる損失の軽減
運用効率化 一元管理、自動化、可視性の向上

これらのメリットにより、Zscalerは企業のセキュリティ態勢を強化し、ビジネスの成長を支援する強力なツールとなります。Zscalerの導入を検討することで、変化の激しいIT環境においても、安全かつ効率的なビジネス運営が可能になります。

Zscaler導入の際の注意点

Zscalerは強力なクラウドセキュリティソリューションですが、導入を成功させるには、事前の計画と準備が不可欠です。以下に、Zscaler導入の際に特に注意すべき点について解説します。

ライセンス体系の理解

Zscalerのライセンス体系は、利用するサービスや機能、ユーザー数などによって異なります。導入前に、自社のニーズに合ったライセンス体系をしっかりと理解することが重要です。
詳しくは次章でもご説明していますが、Zscalerはモジュール式のライセンス体系を採用しており、必要な機能だけを選択して購入できます。しかし、機能ごとにライセンスが必要となるため、全体の費用を正確に見積もるためには、どの機能が必須で、どの機能がオプションなのかを明確に把握しておく必要があるのです。
また、ユーザー数に応じたライセンス体系も用意されているため、将来的なユーザー数の増加も見越したライセンス選定が重要です。ライセンス体系を十分に理解しないまま導入を進めると、想定外のコストが発生したり、必要な機能が不足したりする可能性があります。Zscalerの公式ウェブサイトやパートナー企業に相談するといいでしょう。

Zscalerの最適なライセンスを選定する際にお悩みの場合は、テクバンへお問い合わせください。お客様の環境にフィットした選び方をご提案します。

既存システムとの連携

Zscalerを導入する際は、既存のセキュリティシステムやネットワークインフラとの連携について綿密な検討が必要です。
Zscalerは、ファイアウォール、IDS/IPS、SIEMなどの様々なセキュリティシステムと連携できます。連携させることで、より包括的なセキュリティ対策を実現できます。
例えば、既存のファイアウォールとZscalerを連携させることで、オンプレミス環境とクラウド環境の両方で一貫したセキュリティポリシーを適用できます。
また、SIEMと連携させることで、Zscalerで収集されたログをSIEMに統合し、セキュリティイベントの監視や分析を効率化できます。連携方法や必要な設定については、Zscalerのドキュメントやサポートに確認することをお勧めします。

Active Directoryとの連携

多くの企業では、ユーザー認証にActive Directoryを利用しています。ZscalerActive Directoryと連携することで、シングルサインオン(SSO)を実現し、ユーザーの利便性を向上させることができます。SSOによって、ユーザーはZscalerに別途ログインする必要がなくなり、シームレスにクラウドアプリケーションにアクセスできます。Active Directoryとの連携設定は、Zscaler管理コンソールから行います。

既存ネットワーク機器との連携

Zscalerを導入する際には、既存のネットワーク機器、特にプロキシサーバーやVPNゲートウェイとの連携についても考慮が必要です。Zscalerはこれらの機器と共存させることも、置き換えることも可能です。共存させる場合は、トラフィックの流れを適切に設計し、セキュリティポリシーが競合しないように注意する必要があります。置き換える場合は、既存機器の設定を解除し、Zscalerへのトラフィック転送設定を行う必要があります。いずれの場合も、ネットワーク構成図を作成し、関係者間で十分に共有することが重要です。詳細な連携方法については、Zscalerの公式ドキュメントやサポートに確認することをお勧めします。

運用体制の構築

Zscaler導入後の円滑な運用には、適切な体制の構築が重要です。セキュリティポリシーの設定、ログの監視、インシデント対応などには専門的な知識とスキルが求められるため、担当者を明確にし、必要なトレーニングを実施することが不可欠です。さらに、運用マニュアルを作成し、標準化された手順を確立することで、効率向上とヒューマンエラーの防止が可能になります。

監視体制

Zscalerはリアルタイムでセキュリティイベントを監視し、脅威を検知する機能を提供しますが、その効果を最大限に引き出すには適切な監視体制の構築が不可欠です。監視対象のイベントやアラートのしきい値、エスカレーション手順を明確に定義し、定期的なログ分析を行うことで潜在的な脅威の早期発見が可能になります。また、Zscalerのダッシュボードやレポート機能を活用することで、監視業務の効率化が図れます。

インシデント対応

セキュリティインシデント発生時に迅速かつ適切に対応するため、事前に対応手順を策定しておくことが重要です。連絡体制、調査手順、復旧手順を含むインシデント対応計画を整備し、定期的な訓練を実施することで緊急時の対応力を強化できます。さらに、Zscalerが提供するインシデント対応ツールやサポートを活用すれば、影響を最小限に抑えることが可能です。

Zscalerの価格とライセンス体系

Zscalerの価格は、利用するサービス、ユーザー数、契約期間などによって異なります。公式に公開されている価格表はなく、個別の見積もりが必要です。そのため、導入を検討する際は、自社のニーズに合ったサービス、ユーザー数、契約期間を明確にして見積もりを依頼することが重要です。
また、パートナー企業を通じて見積もりを依頼することで、最適なライセンス体系や価格を提案してもらえます。Zscalerの主なサービスであるZIAとZPAは、それぞれ異なるライセンス体系を採用しています。それぞれのライセンス体系の概要を説明します。

Zscaler Internet Access(ZIA)のライセンス体系

ZIAのライセンスは、主にユーザーベースで提供されています。ユーザー数に応じて価格が変動する仕組みです。また、バンドルパッケージも用意されており、必要なセキュリティ機能をまとめて購入することが可能です。具体的なパッケージ内容や価格については、見積もりを依頼する必要があります。

ZIAのライセンスの種類

ZIAのライセンスには、主に以下の種類があります。

  • Business
    基本的なWebセキュリティ機能を提供
  • Transformation
    Businessに加え、高度な脅威対策やサンドボックス機能などを提供
  • Advanced
    Transformationに加え、CASBDLPなどの機能を提供

Zscaler Private Access(ZPA)のライセンス体系

ZPAのライセンスも、ZIAと同様にユーザーベースで提供されています。ユーザー数に応じて価格が変動します。また、同時接続ユーザー数に基づいたライセンスも提供されているため、柔軟な契約が可能です。具体的なライセンス体系や価格については、見積もりを依頼する必要があります。

ZPAのライセンスの種類

ZPAのライセンスには、主に以下の種類があります。

  • Application
    プライベートアプリケーションへのセキュアなアクセスを提供
  • Branch
    支店や拠点からのセキュアな接続を提供

Zscalerの価格に関する注意点

Zscalerの価格を検討する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 契約期間
    複数年契約の場合、割引が適用される場合があります。
  • サポート
    24時間365日のサポート体制が提供されていますが、プランによってサポート内容が異なる場合があります。
  • トレーニング
    Zscalerの製品を効果的に活用するためのトレーニングが提供されています。トレーニング費用は別途発生する場合があります。

見積もり依頼の方法

Zscalerの見積もりは、次の方法で依頼できます。

最適なライセンス体系と価格でZscalerを導入するためには、自社の要件を明確に伝え、複数の見積もりを比較検討することをおすすめします。

Zscalerで安全なクラウド環境を

クラウドサービスが普及する現在のセキュリティ対策として、ゼロトラストの概念の解説から、Zscalerシリーズのサービスや特長について紹介しました。

ゼットスケーラー社が提供する2種類のサービスのうち、ZIAは、場所やデバイスにかかわらず、インターネットアクセスにおけるセキュリティ対策を統合的に実施・管理することが可能なセキュリティサービスです。
一方のZPAは、従来のVPNと比較してより高度なセキュリティ環境を実現しながら、柔軟で手間のかからないアクセス管理を可能とするリモートアクセスサービスです。

どちらもクラウドで提供されるセキュリティサービスのため、ネットワークやハードウェアは不要で迅速に導入することができます。
クラウド環境へ安全にアクセスするためのセキュリティ対策は、今後ますます重要かつ欠かせないものになっていくでしょう。

Zscalerを導入することで、セキュリティ強化、コスト削減、運用効率化といったメリットが期待できます。ただし、導入にあたってはライセンス体系の理解、既存システムとの連携、運用体制の構築など、注意すべき点もあります。
クラウドサービス利用時のセキュリティに不安がある、的確な対策を打っていないという場合は、テクバンがご相談に応じます。ぜひお気軽にお問い合わせください。最新のセキュリティ対策をニーズに応じた形でご提案いたします。
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