情シス運用サポートBlog

2023.09.28

Azure VPN Gatewayとは?概要、接続構成、価格を徹底解説

関連サービス
ITインフラ構築

クラウド環境への移行やリモートワークの普及に伴い、安全かつ信頼性の高いネットワーク接続の重要性が増しています。オンプレミス環境とAzureをシームレスに接続し、リモートユーザーの安全なアクセスを確保するためには、適切なVPNソリューションの選定が不可欠です。

本記事では、Azure VPN Gatewayの概要から接続構成、価格、セキュリティ、運用まで、網羅的に解説します。VPN Gatewayの役割や機能、Azureネットワークとの統合方法、サイト間VPNやポイント対サイトVPNの設定、さらには冗長性、可用性、セキュリティ対策、そして価格体系とコスト最適化のヒントまで、わかりやすく説明していきます。Azure VPN Gatewayを適切に活用するための知識を身につけ、最適な構成で安全かつ効率的なネットワーク構築を実現してください。

事前調査とデモで安心! ネットワークの一元管理で、 情シスのリモート化を実現

Azure VPN Gatewayの概要

Azure VPN Gatewayは、Azureの仮想ネットワークとオンプレミス環境、または複数のAzure仮想ネットワーク間を安全に接続するためのサービスです。インターネットのようなパブリックネットワークを経由して接続を行う際に、通信内容を暗号化することでセキュリティを確保します。
企業ネットワークの拡張や、セキュアなリモートアクセスを実現する上で重要な役割を果たします。さらに詳しくはAzure VPN Gateway とはをご参照ください。

Azureの導入で実現できることについては、こちらの記事もぜひ、あわせてご覧ください。
▼Azureとはどのようなサービス? 初心者でもわかる基本から運用のメリットまで徹底解説

VPN Gatewayの役割と機能

VPN Gatewayの主な役割は、異なるネットワーク間を安全に接続することです。この役割を担うために、以下の機能を提供しています。

  • 暗号化
    IPsec/IKEプロトコルを用いて、ネットワーク間の通信データを暗号化。これにより、盗聴や改ざんのリスクを軽減する
  • トンネル
    仮想的なトンネルの構築により、パブリックネットワーク上でも安全な通信経路を確保
  • 認証
    接続元のネットワークを認証することで、不正なアクセスを防止
  • ルーティング
    接続先のネットワークへの適切な経路を選択する
  • 高可用性
    アクティブ/スタンバイ、アクティブ/アクティブ構成、Azure Availability Zonesのサポートにより、高可用性を実現

Azureネットワークとの統合

VPN Gatewayは、Azureの他のネットワークサービスと緊密に統合しています。

  • Virtual Network (VNet)
    VNetはAzureにおける論理的に分離されたネットワークで、VPN GatewayVNetに接続され、オンプレミス環境や他のVNetとの接続を可能にする
  • Virtual Network Peering
    VNetピアリングは、異なるVNet間を低遅延、高帯域幅で接続するサービス。VPN Gatewayと併用することで、オンプレミス環境から複数のVNetへの安全なアクセスを実現する
  • ExpressRoute
    ExpressRouteは、Azureとオンプレミス環境間をプライベート接続するサービス。VPN GatewayExpressRouteを併用することで、セキュリティとパフォーマンスの両方を最適化する

主な利用シーンとメリット

利用シーン

メリット

オンプレミス環境とAzureの接続(ハイブリッドクラウド)

オンプレミス環境のリソースをAzureのサービスと連携させることができる

複数のAzure仮想ネットワーク間の接続(マルチクラウド)

異なるリージョンにあるVNetを安全に接続し、アプリケーションの冗長性や災害復旧が実現可能

リモートアクセス(リモートワーク)

従業員が安全に社内ネットワークにアクセスできる環境を構築する

これらの利用シーンにおいて、VPN Gatewayにより以下のメリットが得られます。

  • セキュリティの向上
    通信の暗号化により、データの機密性を保つ
  • 柔軟な接続性
    様々なネットワーク構成に対応できる
  • 高可用性
    冗長化構成によって、サービスの安定稼働を実現する
  • スケーラビリティ
    需要に応じて帯域幅を調整できる

Azure VPN Gatewayの接続構成

Azure VPN Gatewayを利用することで、多様なネットワーク環境を柔軟に構築できます。最適な接続構成を選択するためには、それぞれの特性を理解することが重要です。ここでは主要な接続構成と、それぞれの構成における重要な要素、メリット・デメリット、ユースケースなどを詳しく解説します。

サイト間VPN(S2S)

サイト間VPNは、オンプレミスネットワークとAzure Virtual Network (VNet) 間、または複数のVNet間を接続する際に使用されます。この接続は、インターネットなどのパブリックネットワークを経由しますが、IPsec/IKE (IKEv1またはIKEv2) プロトコルによる暗号化によってセキュアな通信が確保されます。ハイブリッドクラウド環境や、複数の拠点間を安全に接続する必要がある場合に最適な選択肢です。

  • マルチサイト接続
    1つのAzure VPN Gatewayに複数のオンプレミスネットワークを接続する構成です。本社と複数の支社間、あるいは複数のデータセンターとAzure VNetを接続するといったシナリオに最適です。各接続は個別に暗号化され、セキュリティが維持されます。接続数の上限はGatewayのSKUによって異なります。
  • ExpressRouteとの共存接続
    ExpressRouteは、Azureとオンプレミス環境間をプライベート接続するサービスです。サイト間VPNとExpressRouteを併用することで、業務に必要不可欠なトラフィックはExpressRoute経由で低遅延・高可用性で転送し、その他のトラフィックはサイト間VPN経由で転送するといった柔軟な構成が可能です。これにより、コスト効率とパフォーマンスの最適化を実現できます。

ポイント対サイトVPN(P2S)

ポイント対サイトVPNは、個々のクライアントコンピューターからAzure VNetへのセキュアな接続を提供します。リモートワークや、外出先から社内リソースにアクセスする必要がある場合に適しています。クライアントコンピューターにVPNクライアントソフトウェアをインストールし、構成することで接続が確立されます。OpenVPN、SSTP、IKEv2といったプロトコルがサポートされています。

接続タイプ 機能 ユースケース
OpenVPN オープンソースのVPNプロトコル。幅広いプラットフォームで利用可能 柔軟なクライアント環境
SSTP Microsoftが開発したVPNプロトコル。Windowsネイティブでサポート。ファイアウォール透過性が高い Windowsクライアント中心の環境
IKEv2 IPsecベースのVPNプロトコル。モバイルデバイスを含む様々なプラットフォームで利用可能。接続の安定性が高い モバイルデバイスを含む多様なクライアント環境

VNet間接続

複数のAzure VNet間を相互接続する構成です。異なるサブスクリプションに属するVNet同士も接続できます。VNet間接続には、主に以下の2つの方法があります。

  • IPsec/IKE VPNトンネル
    サイト間VPNと同様に、IPsec/IKEプロトコルを用いてVNet間を暗号化されたトンネルで接続します。異なるリージョンに配置されたVNet間の接続や、セキュリティ要件の高い接続に適しています
  • VNetピアリング
    VNetピアリングは、VNet間を直接接続する機能です。VPNトンネルを使用しないため、低遅延、高帯域幅の接続を実現できます。同一リージョン内、あるいは異なるリージョン内のVNetをピアリングできます。マイクロセグメンテーションの実装にも有効です。

これらの接続構成を理解し、適切に選択することで、Azure VPN Gatewayを最大限に活用し、セキュアで柔軟なネットワーク環境を構築できます。個々の要件に合わせて、接続方式、プロトコル、冗長構成などを検討することが重要です。

Azure VPN Gatewayの冗長性と可用性

Azure VPN Gatewayは、ビジネス継続性を確保するために、高可用性と冗長性を提供する様々な機能を備えています。計画的メンテナンスや予期せぬ障害発生時にも、VPN接続を維持するための構成オプションを理解することは重要です。

  • アクティブ/スタンバイ構成
    Azure VPN Gatewayの標準設定は「アクティブ/スタンバイ」構成です。これは、通常1つのゲートウェイが動作し(アクティブ)、もう1つが待機(スタンバイ)している仕組みです。
    もしアクティブ側に障害が発生すると、スタンバイ側が自動的に切り替わります(フェールオーバー)。ただし、この切り替えには時間がかかるため、一時的に接続が途切れる可能性があります。
    計画的なメンテナンスでは影響を最小限に抑えられますが、突然の障害が発生した場合は、復旧まで数分かかることがあります。
  • アクティブ/アクティブ構成
    より高い可用性が必要な場合は、「アクティブ/アクティブ」構成を選択できます。この構成では、2つのゲートウェイが同時に動作し、トラフィックを分担して処理します。
    もし一方のゲートウェイに障害が発生しても、もう一方が自動的に引き継ぐため、接続の中断を最小限に抑えることができます。
    なお、アクティブ/アクティブ構成を利用する場合は、VPNデバイスも冗長化し、それぞれのゲートウェイに接続する必要があります。
  • Azure Availability Zones
    Azure Availability Zones は、同じリージョン内にある、物理的に分離されたデータセンターです。これを利用すると、特定のデータセンターに障害が発生しても、アプリケーションやデータを保護できます。
    Azure VPN Gateway を Availability Zones にデプロイすることで、さらに高い冗長性と回復力を確保できます。特に ゾーン冗長VPN Gateway を使用すると、3つの Availability Zones すべてにゲートウェイインスタンスが配置され、万が一のゾーン障害時でも接続を維持できます。

構成

ゲートウェイインスタンス

可用性

コスト

アクティブ/スタンバイ

2

アクティブ/アクティブ

2

ゾーン冗長

3

最高

可用性とコストのバランスを考慮して、適切な構成を選択することが重要です。
高可用性が必要なミッションクリティカルなアプリケーションには、アクティブ/アクティブ構成またはゾーン冗長構成を検討する必要があります。

  • 接続の冗長化
    真の冗長性を実現するには、VPN Gatewayだけでなく、接続全体を冗長化する必要があります。
    これには、オンプレミス側のVPNデバイスの冗長化と、複数の接続の作成が含まれます。
    たとえば、アクティブ/アクティブ構成では、各VPN Gatewayインスタンスに接続する2つのVPNデバイスが必要です。また、各VPNデバイスからAzureへの2つの接続(合計4つの接続)を作成することをお勧めします。これにより、1つの接続に障害が発生した場合でも、他の接続がトラフィックを処理できます。
  • 監視とトラブルシューティング
    Azure VPN Gatewayの正常性を監視し、発生した問題を迅速にトラブルシューティングすることが重要です。
    Azure Monitorを使用して、ゲートウェイのメトリックとログを監視できます。
    また、Azure Network Watcherを使用して、接続のトラブルシューティングを行うことができます。定期的なテストとフェールオーバー演習を実施して、冗長構成が正しく機能することを確認することも重要です。

Azure VPN Gatewayのセキュリティ

Azure VPN Gatewayは、企業ネットワークとAzure仮想ネットワーク間の安全な接続を提供するために、堅牢なセキュリティ機能を備えています。データの機密性、整合性、可用性を維持するために、様々なセキュリティ対策が実装されています。以下に、Azure VPN Gatewayのセキュリティに関する詳細を解説します。

  • 暗号化とセキュリティプロトコル
    Azure VPN Gatewayは、業界標準の暗号化とセキュリティプロトコルを使用して、VPNトンネルを通過するデータを保護します。具体的には、以下のプロトコルとアルゴリズムがサポートされています。

プロトコル/アルゴリズム

詳細

IPsec/IKEv1 & IKEv2

インターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)は、ネットワーク層でデータパケットを暗号化および認証するための標準プロトコル。インターネットキー交換バージョン1IKEv1)およびバージョン2IKEv2)は、IPsec接続を確立および管理するために使用される。Azure VPN Gatewayは、IKEv1IKEv2の両方をサポート

AES-256

Advanced Encryption Standard(AES)は、対称鍵暗号化アルゴリズムで256ビットの鍵長で使用される。これは、現在利用可能な最も強力な暗号化アルゴリズムの1つであり、Azure VPN Gatewayでデフォルトで使用される

SHA-256 & SHA-384

Secure Hash Algorithm 2(SHA-2)は、データの整合性を検証するために使用されるハッシュ関数。Azure VPN Gatewayは、SHA-256SHA-384の両方をサポート

DH Group

Diffie-Hellman(DH)グループは、IPsec接続のセキュリティを強化するために使用される鍵交換アルゴリズム。Azure VPN Gatewayは、様々なDHグループをサポートしており、セキュリティ要件に合わせて選択できる

これらのプロトコルとアルゴリズムにより、Azure VPN Gatewayは高レベルのセキュリティを提供し、データの盗聴や改ざんのリスクを軽減します。詳しくはVPN デバイスと IPsec/IKE パラメーターについてをご確認ください。

  • セキュリティベストプラクティス
    Azure VPN Gatewayのセキュリティを最大限に高めるためには、以下のベストプラクティスを実装することを推奨します。
  • VPNデバイスの適切な構成
    VPNデバイスは、Azure VPN Gatewayとの互換性を確保するために適切に構成する必要があります。これには、正しいIPsec/IKEパラメーター、暗号化アルゴリズム、認証方法などを設定することが含まれます。
  • 強力なパスワードポリシーの適用
    VPN接続に使用するパスワードは、強力で推測されにくいものにする必要があります。定期的にパスワードを変更し、多要素認証を有効にすることも推奨されます。
  • 定期的なセキュリティ監査の実施
    セキュリティの脆弱性を特定し、適切な対策を講じるために、定期的にセキュリティ監査を実施する必要があります。Azure Security Centerなどのツールを使用して、セキュリティの監視と脅威の検出を行うことができます。
  • 最新のセキュリティパッチの適用
    VPNデバイスとAzure環境の両方に、最新のセキュリティパッチを適用して、既知の脆弱性を修正する必要があります。
  • ネットワークセキュリティグループ(NSG)の使用
    NSGを使用して、Azure仮想ネットワークへのトラフィックを制御し、不要なアクセスをブロックすることができます。これにより、セキュリティリスクを軽減し、コンプライアンス要件を満たすことができます。

これらを実装することにより、Azure VPN Gatewayのセキュリティを強化し、データ侵害のリスクを最小限に抑えることができます。より詳細な情報についてはネットワーク セキュリティのベスト プラクティスをご参照ください。

Azure VPN Gatewayの価格

Azure VPN Gatewayの価格は、選択するゲートウェイのSKU、稼働時間、そして消費したデータ転送量に基づいて計算されます。複雑な料金体系を理解し、コストを最適化するためには、それぞれの要素を詳しく理解することが重要です。適切なプラン選択と構成で、不要なコストを削減することが可能です。

料金プラン

Azure VPN Gatewayには、BasicからVpnGw5まで、6つの異なるSKUが用意されています。それぞれのSKUは、スループット、接続数、機能が異なります。ビジネスニーズに最適なSKUを選択することが、コスト効率の高いVPN接続を実現する上で重要です。
以下の表は、各SKUの主要なスペックと、2024年4月時点の価格の目安を示しています。為替レートの変動により、実際の価格は異なる場合がありますので、公式の価格表を参照ください。

SKU

スループット

サイト間VPNトンネルの最大数

ポイント対サイトVPNトンネルの最大数

価格(目安/時間)

Basic

100 Mbps

10

128

¥5.27

VpnGw1

650 Mbps

30

250

¥27.81

VpnGw2

1 Gbps

30

500

¥71.70

VpnGw3

1.25 Gbps

30

1,000

¥182.90

VpnGw4

5 Gbps

30

5,000

¥307.28

VpnGw5

10 Gbps

30

10,000

¥534.07

最新のAzure VPN Gatewayの価格

データ転送量による課金

VPN Gatewayの利用料金に加えて、データ転送量に応じた従量課金が発生します。受信データは無料ですが、送信データにはゾーンに基づいた料金が適用されます。 ゾーンは地理的なリージョンによって分類され、ゾーン1、ゾーン2、ゾーン33種類があります。
料金はゾーンによって異なり、ゾーン3が最も高額になります。データ転送量が多い場合は、コストを慎重に検討する必要があります。

ゾーン別の料金(目安、2024年4月時点)

  • ゾーン1
    ¥5.12/GB (例:米国西部、米国東部、西ヨーロッパ、北ヨーロッパなど)
  • ゾーン2
    ¥13.17/GB (例:東日本、西日本、アジア太平洋東部、アジア太平洋南東部など)
  • ゾーン3
    ¥23.41/GB (例:ブラジル南部)

これらのゾーンとリージョンの対応については、Azure のリージョンと可用性ゾーンで確認できます。

コスト最適化のヒント

Azure VPN Gatewayのコストを最適化するためには、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 適切なSKUの選択
    必要以上のスループットや接続数を備えたSKUを選択すると、コストが増加します。予想されるトラフィック量と接続数に基づいて、適切なSKUを選択しましょう。
  • ゲートウェイの稼働時間
    VPN Gatewayが必要ない時間帯は、ゲートウェイを停止することでコストを削減できます。自動化スクリプトなどを活用して、ゲートウェイの稼働時間を制御することも可能です。
  • データ転送量の削減
    不要なデータ転送を最小限に抑えることで、コストを削減できます。データ圧縮やキャッシングなどの技術を活用することも有効です。
  • Azure 料金計算ツール
    Azure 料金計算ツールを使用すれば、予想されるコストを事前に見積もることができます。

これらのヒントを参考に、Azure VPN Gatewayを効率的に利用し、コストを最適化しましょう。

Azure VPN Gatewayの導入と運用

Azure VPN Gatewayの導入と運用について、手順や監視、トラブルシューティング、そしてテクバンによるサポートを含めて解説します。

導入手順

Azure VPN Gatewayの導入手順は、大きく分けて以下のステップとなります。

  1. 計画と設計
    VPN Gatewayの接続構成(サイト間、ポイント対サイト、VNet間接続)、必要なスループット、冗長性、セキュリティ要件などを決定します。接続先のオンプレミス環境のネットワーク構成も確認が必要です。
  2. リソースの作成
    Azureポータル、Azure CLIPowerShellなどを利用して、仮想ネットワーク、VPN Gateway、ローカルネットワークゲートウェイ(サイト間VPNの場合)などのリソースを作成します。ゲートウェイSKUの選択も重要です。
  3. 構成と接続
    VPN Gatewayと接続先のオンプレミス環境のVPNデバイス間の接続を構成します。IPsec/IKEポリシーの設定、事前共有キーの交換などを行います。
  4. テストと検証
    VPN接続が正常に確立されているか、スループットは期待通りか、セキュリティ要件は満たされているかなどをテストします。接続テストツールやパフォーマンス監視ツールを活用しましょう。

具体的な手順については、Microsoftの公式ドキュメントを参照してください。

運用監視とトラブルシューティング

Azure VPN Gatewayの安定稼働のためには、適切な運用監視と迅速なトラブルシューティングが不可欠です。以下のポイントに留意しましょう。

運用監視

  • Azure Monitor
    VPN Gatewayの状態、スループット、接続数などを監視できます。アラートを設定することで、異常発生時に迅速に対応できます。
  • VPN接続の監視
    接続状態、パケットロス、レイテンシなどを監視することで、接続品質を把握できます。専用の監視ツールや組み込みの機能を活用しましょう。
  • ログの分析
    Azure Activity Logsや診断ログを分析することで、問題発生時の原因特定に役立ちます。

トラブルシューティング

問題

考えられる原因

対応策

VPN接続が確立できない

IPsec/IKEポリシーの不一致、ファイアウォールによるブロック、ネットワークの接続性の問題

ポリシー設定の確認、ファイアウォールルールの確認、ネットワーク接続の確認

スループットが低い

ゲートウェイSKUの不足、ネットワークの輻輳、接続先のVPNデバイスの性能不足

ゲートウェイSKUの変更、ネットワーク帯域の増強、VPNデバイスのアップグレード

接続が不安定

ネットワークの不安定性、VPNデバイスの障害

ネットワークの安定化、VPNデバイスの冗長化

Azure VPN Gatewayの効果的な導入ならテクバンへ

仮想ネットワークゲートウェイをはじめとした、Azureの各サービスを導入する際にはプランや機能の選定に一定以上の知識・スキルが必要となります。
また運用時にも、現在の運用方法が果たして自社に最適な運用となっているのか、無駄なコストがかかってしまっていないかなどご不安な場合もあるでしょう。

テクバンでは、Azureの導入支援ソリューションを提供しております。
長年にわたる様々なお客様への導入支援実績に基づき、状況やニーズにあわせた最適なご提案、伴走支援を行っておりますので、Azure導入に課題を感じられた場合や、詳しい情報を知りたいという場合にはぜひお気軽にご相談ください。

また、Azureとよく比較検討されるクラウドコンピューティング「AWS(Amazon Web Services)」「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」も含めた詳しい解説については、こちらの参考資料もぜひご覧ください。
失敗しないパブリッククラウドの選び方。AWS/Azure/OCIの3つを徹底比較

テクバンのネットワーク構築支援サービスについては、こちらのページをご覧ください。

Azure VPN Gateway導入には慎重な検討を

Azure VPN Gatewayは、Azureの仮想ネットワークとオンプレミス環境、あるいは複数のAzure仮想ネットワーク間を安全に接続するための強力なサービスです。サイト間VPN、ポイント対サイトVPN、VNet間接続など、多様な接続構成を提供し、ビジネスニーズに合わせた柔軟なネットワーク構築を可能にします。

さらに、アクティブ/アクティブ構成やAzure Availability Zonesの活用により、高可用性と事業継続性を実現します。IPsec/IKEといった堅牢なセキュリティプロトコルと暗号化技術により、セキュアな通信を確保できる点も大きなメリットです。

Azure VPN Gatewayについて、詳しく知りたい、またはお困りのことがありましたら、ぜひお気軽にテクバンまでご相談ください。

関連サービス
テクバン情シス支援

ネットワーク構築支援

企業を支えるITインフラの提案・構築から運用まで、まとめて支えるテクバンのサービス

詳しくはこちら

お気軽に
ご相談ください