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2025.05.26

パソコン(PC)のキッティングとは? 作業内容、効率化・負担軽減のポイントと注意点、おすすめサービスを解説

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パソコン(PC)のキッティングについてご存じでしょうか。
キッティングの基礎知識から、効率化のポイントや注意点、さらに代行サービスの利用メリットまで、本記事では企業担当者やIT部門が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
キッティング業務を正しく理解し、適切に実施することは、IT資産管理を効率化し、導入コスト削減やトラブルの回避にもつながります。ぜひ最後までお読みください。

組織のデバイスを適切に管理しながら情シスの業務負担軽減を実現

パソコンのキッティングとは?

企業や団体、教育機関などでパソコンを導入するときには、購入した端末を実際の業務や用途に合わせて設定・準備する必要があります。この作業全体を一般的に「キッティング」と呼びます。特にセキュリティや業務効率が重視される昨今、パソコンの初期設定を正確かつ迅速に行うキッティングの重要性は年々高まっています。さらに中小企業から大企業まであらゆる組織がIT端末を導入し、在宅勤務やリモート環境への対応が進む中で、キッティングのニーズは拡大し続けているのです。

キッティングの基本的な意味と定義

改めて解説しますが、「キッティング」とは、IT機器の導入後に、その端末をユーザーが業務で使用できる状態にするまでの準備作業全般を指します。
具体的には、OSのインストール、必要なソフトウェアの導入、ライセンス認証、ユーザーアカウントの設定、ネットワーク接続の設定、セキュリティポリシーの適用、資産管理のラベル貼付けと登録など、多岐にわたる工程が含まれます。
「キッティング」は、英語の「kitting(キット化する)」が語源で、元々は製造業などで複数の部品を一つのセット(キット)にする過程を指していました。この概念がIT分野に応用され、機器を「利用可能な状態にまとめ上げる」工程のことを「キッティング」と呼ぶようになったのです。

パソコンへのキッティングの重要性

パソコンに実施するキッティングは、業務端末の信頼性と即時性を確保する上で非常に重要です。企業や教育機関では、数十台から数千台単位でパソコンの導入を行うケースも少なくありません。短期間で大量の端末を準備するには、作業の標準化・効率化が欠かせません。
適切にキッティングが行われなければ、初期不良や設定ミス、セキュリティホールによる情報漏えいリスクが高くなり、組織の信頼性を損なう恐れさえあります。
また、キッティングしないまま利用開始して余計なパソコントラブルに見舞われることになれば、生産性の低下を招きます。
そのため、キッティングは単なる「設定作業」として扱うべきではなく、「情報システム運用の出発点」として捉え、正確で質の高い作業が求められるのです。

企業や業種別のキッティングの特徴

業種・組織 キッティングの主な目的・特徴
一般企業(製造業・金融業・サービス業など) 業務アプリや社内ネットワークへの対応、情報セキュリティの標準化が目的。台数の多さによる作業負荷が課題
学校・教育機関(小中高・大学など) GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想(全国の小中学校で1人1台のタブレット端末と高速通信ネットワークを整備する取り組み)やBYOD(Bring Your Own Device)対応に伴い、大量の端末と学習ソフトウェアの導入対応が必要
医療機関・福祉施設 電子カルテや病院情報システム(HIS)との統合、セキュリティ強化が重要
官公庁・自治体 厳格なセキュリティポリシーの適用、定められた構成への準拠が求められ、導入頻度が高い
スタートアップ企業 最小人員での短期間の導入、クラウド環境との連携、拡張性が求められる

このように、それぞれの現場で求められる設定や管理内容は異なりますが、共通して「導入初期に安定した利用環境を整える」というキッティングの目的があります。
また、近年ではWindows AutopilotやMDM(モバイルデバイスマネジメント)などの技術を活用したクラウドベースのキッティングも浸透しつつあり、IT技術の進化に対応した方法の検討が重要です。
さらに詳しくは、キッティングの方法について解説した記事をご参照ください。
▼キッティング作業とは? 作業手順、注意点、効率化のポイントを解説

BYODについて詳しくはこちら。
▼BYODとは? セキュリティ対策、効率的な活用ポイント、メリットやデメリット、導入事例を解説

パソコンキッティング作業時によくある課題

パソコンのキッティング作業は、社内IT担当者やシステム管理者にとって非常に重要な業務のひとつですが、膨大な作業量と多様な工程があるため、現場ではさまざまな課題があります。作業の負担や工数の多さ、設定の属人化、トラブル対応、スケジュールのタイトさなど、業務の質と効率を維持する上で障壁が少なくありません。
そこで、キッティング業務を深く理解するため、実際の現場でよく挙げられる具体的な課題について解説します。

作業工数の多さと人的負担

パソコンのキッティングは単なる初期セットアップにとどまらず、OSインストール、業務用ソフトの導入、セキュリティ設定、ラベリング、動作確認など多岐にわたる工程を含みます。このため、1台あたり30~60分、場合によってはそれ以上の時間を要することもあり、大量導入時は数日から数週間かけて作業が続くこともあります。

特にITリソースが限られている中小企業では、通常業務と並行して自社のリソースでキッティングを行うことが多く、作業担当者の負荷が高まり、長時間労働や疲労によるヒューマンエラーの頻発が懸念されます。例えば、OSの移行などは対応期限が決まっており、トラブルが発生しやすいといえます。
OSのWindows 10のサポート終了に関する記事をご用意しております。ぜひご確認ください。
▼Windows 10サポート終了に備えるWindows 11移行ガイド! 社内準備と変更後の注意点、外部委託まで解説

設定ミス・作業ミスによるトラブル

キッティング作業は細かな確認と正確な手順を求められるため、作業フローが曖昧だと、ソフトウェアのインストール漏れ、ネットワーク設定ミス、ローカルアカウントのパスワード設定忘れなどのトラブルが発生しやすくなります。
これらの問題は運用フェーズで不具合として現れるため、ユーザーからのクレームやIT部門への問い合わせが続出し、結果的にコストや労力のロスを招きます。
また、特定のIT担当者のスキルや知識に依存すると、設定内容にばらつきが生じやすく、セキュリティ設定の漏れといった重大な問題に発展するリスクも無視できません。IT担当者ごとに設定内容や手順が異なると、運用後のユーザー対応で混乱が生じ、サポート業務の効率性も低下します。こうした属人化を防ぐには、組織全体で標準設定を文書化し、統一されたマスターイメージの作成などが求められます。

機器ごとの設定のばらつき問題

企業ではパソコンのメーカーやモデル、導入時期が異なることも多く、全台同じ設定を施すことが難しい状況もあります。例えば、ドライバのバージョンや対応OSの違いが設定の統一性を妨げ、想定外の表示エラー・動作不具合・ネットワーク接続の異常が発生する原因となります。

課題例 具体的な影響 主な原因
設定内容の統一ができていない 動作不具合・ユーザー混乱 属人化・標準マニュアルの不備
異なるモデルへの対応遅れ トラブル対応が増加 仕様の違いを考慮しないセットアップ

スケジュール管理と納期の問題

パソコンの導入は新入社員の入社やシステム刷新など、企業の重要なイベントや業務に直結しており、納品・セットアップ・現場配備の日程が密接に決まっているケースが多いようです。そのため、キッティング作業の遅延は業務開始の遅れやスケジュールの変更につながります。
作業リソースが不足していたり、計画が甘かったりすると、複数台分のセットアップが期限内に完了せずトラブルの原因となるほか、パソコンのベンダーとの連携ミスの発生も誘発し納品が遅れるケースも少なくありません。
また、全国に支店・営業所を展開する企業では、各拠点への納品スケジュールにズレが生じることで、全体の導入計画が崩れるリスクもあります。

キッティング業務を効率化・負担軽減するポイント

パソコンのキッティング業務は、組織の規模が拡大するほど台数や作業内容が増加し、担当者の負担が増していきます。特に大量のパソコンを短期間で展開する法人では、作業工数の最適化やミス防止、品質の均一化が重要です。ここでは、キッティング業務を効率化し、現場の負担を軽減するための具体的な方法を紹介します。

マスターイメージの作成と展開

効率的なキッティングを実現する上で欠かせないのが、マスターイメージの作成とその展開による標準化です。マスターイメージとは、OSや必要なドライバ、業務で使用するソフトウェア、設定情報を含んだ基準となるパソコン環境のことを指します。
一度マスターイメージを構築すれば、それを基に複数のパソコンに同一設定を自動展開できるため、設定作業のばらつき防止や初期設定時間の大幅な短縮が可能になります。加えて、更新や変更もイメージファイル一つを修正するだけで済むため、メンテナンス性も向上します。
マスターイメージの作成および展開は、Microsoftが提供する「Deployment Image Servicing and Management(DISM)」や「System Center Configuration Manager(SCCM)」を活用することで、より高精度かつ自動的に行うことができます。

自動化ツール(Windows Autopilot・Sysprepなど)の活用

近年では、キッティング作業をさらに効率化できる自動化ツールが提供されています。中でも注目されているのが、Windows AutopilotやSysprep(System Preparation Tool)といったツールです。
Windows Autopilotは、Microsoftが提供するクラウドベースのパソコン展開ツールで、ユーザーがパソコンを起動しインターネットに接続するだけで、組織が定義した設定が自動的に適用される仕組みです。

一方、SysprepはWindows環境を一般化し、クローニング可能な状態にする内蔵ツールで、マスターイメージの準備段階で非常に有効です。これらのツールを併用することで、初期セットアップの自動化やユーザーへの引き渡しがスムーズになり、ヒューマンエラーの削減にもつながります。

チェックリストやマニュアルの整備

キッティング作業は多岐にわたるため、標準作業手順(SOP)の整備とチェックリストの活用が不可欠です。特に手順の属人化を排除し、一貫性のある作業品質を保つ上では、誰が作業に当たっても同じ結果になる仕組みづくりが求められます。
チェックリストは下記のような項目で作成し、進行状況や目視確認の可否をひと目で分かるようにしましょう。

項目 作業内容 確認方法
OSインストール Windows 11 Pro 64bit インストール バージョン確認
ソフト導入 Microsoft 365、Zoom、ウイルス対策ソフト インストールログチェック
ネットワーク設定 IPアドレス固定、DNS設定 コマンド確認
資産ラベリング 資産番号ラベル貼付 写真による記録

キッティング専用スペースや人員の確保

物理的な効率化も忘れてはなりません。大量のパソコンや周辺機器を扱う現場において、専用作業スペースや設備を確保することは非常に重要です。限られたオフィス内での作業では移動や準備が煩雑になるため、適切な環境の整備が求められます。
例えば、作業者が移動せずに効率的に作業できるよう、LANポート付きの作業台、電源タップの集中設置、大型モニターの用意などの準備です。また、作業ボリュームが膨大な場合は、短期アルバイトやIT支援専門スタッフの一時的な動員を検討するのもひとつの手段です。
加えて社内における事前のスケジューリングや、「1日あたり対応可能な台数」の算出を行うことも、無理のない施工と納期遵守のために大きな効果を発揮します。

キッティング作業における注意点

パソコンのキッティング作業を実施する際は、効率的に作業を進めるだけでなく、情報漏えい防止やシステム運用の安定性を確保する観点から、慎重な配慮が求められます。特に法人向けの大規模な導入では、作業ミスやセキュリティの不備がビジネス上の重大リスクにつながる恐れがあるため、注意点をあらかじめ理解し、対処策を講じることが重要です。

情報漏えいリスクへの対策

パソコンの初期設定やソフトウェア導入時には、ユーザー情報やネットワーク設定などセキュリティに関わる情報を扱う場面が多々あります。そのため、情報漏えいリスクの管理はキッティングにおいて最も重要な注意点のひとつです。特に、中古機材を再利用する場合や、業務委託によって外部業者が作業を担う場合には、内部不正や設定ミスによる漏えいリスクが高まります。
以下のような対策によって、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが可能です。

対策内容 具体的な実施例
作業エリアへのアクセス制限 専用のキッティングルームを設け、認証カードなどで入退出制限を行う
スタッフへのセキュリティ教育 個人情報保護や社内情報管理に関する研修を定期的に実施
HDD・SSDの完全初期化 専用ツールでデータを完全消去し、新規インストールを徹底
作業ログの記録と管理 操作履歴や使用機材の出入りを専門ソフトなどで記録・保管

ライセンスやアクティベーションの確認

ソフトウェアインストール時には、対応するライセンスの取得およびライセンスキーの適用が不可欠です。これを怠ると、コンプライアンス違反や後の動作不良の原因となり、トラブル処理に多くのコストがかかってしまうケースがあります。

例えば、Microsoft 365やAdobeなどの利用ライセンスは、個別ライセンスとボリュームライセンスで管理方法が異なるため、事前に社内の契約形態を正確に把握してから導入作業に入る必要があります。また、OSのアクティベーション(認証)についても、プロダクトキーの抜け漏れや誤登録がないよう、ライセンス管理ツールやWindows Autopilotなどのサービスを活用することで確実な管理が可能です。

利用者環境に合ったソフトウェア構成

全社一律のセットアップではなく、部署や職種に応じたカスタマイズが求められることも注意点のひとつです。例えば、開発チームには開発用SDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)やIDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)の導入、営業部門にはプレゼンテーションや資料作成用のツールなど、利用目的に合ったソフトウェア環境の提供が求められます。

もし一部のユーザーに不要なソフトがインストールされていた場合、ストレージの圧迫やソフト間の競合、さらには動作不良の原因になる可能性があります。さらに、ユーザーに必要なソフトがインストールされていないと、初期運用がスムーズに行えないため、配布前の条件調査やヒアリングが重要です。

また、更新の頻度が高いソフトウェアについては、Windows Update for Businessなどを活用し、自動更新が乱用されない形で定期的に管理できる体制も併せて整備すべきでしょう。

データのバックアップと保全管理

キッティング作業では新規導入だけでなく、機器のリプレース(入れ替え)や再セットアップも含まれます。その際、既存端末からの重要な業務データのバックアップや移行が求められる場面が多く、ミスが許されない工程です。
特に、ユーザーデータを複数アカウントやデバイス間で移行させる際には、データ紛失や整合性エラーのリスクがあるため、手順書を基に二重チェック体制を構築することが望まれます。また、バックアップツールには以下のようなものがあり、それぞれ特徴に応じて選定する必要があります。

ツール名 特徴
Acronis Cyber Protect エンタープライズ向け、マルウェア対策と統合したバックアップ管理が可能
EaseUS Todo Backup 中小企業向けに使いやすくGUIで直感的操作が可能
Windows標準バックアップ OSに内蔵されたツールで基本的なバックアップ用途に対応

さらに、取り扱うデータの中には個人情報や顧客情報なども含まれることが多いため、個人情報保護法に準じた保存・削除ポリシーの策定と運用が不可欠です。

法人向けおすすめキッティング代行サービス

パソコンの大量導入や定期的なキッティング業務を効率化するために、キッティング作業を専門業者へ外注する法人が増えています。特にIT担当者が不足している企業や、多拠点への展開を伴うキッティングの場合、自社内では対応が困難なケースも少なくありません。
そこで、法人向けに信頼と実績のあるキッティング代行サービスを紹介し、それぞれの特徴や費用相場、導入メリットを解説します。

キッティング代行サービスを利用するメリット

キッティング代行サービスを利用する最大のメリットは、社内リソースの効率的な活用と作業品質の安定化です。以下のような利点が挙げられます。

  • 大規模導入でも短期間で対応可能
  • 初期設定、ネットワーク構成、セキュリティ対策まで一括対応
  • ライセンス管理、資産ラベル貼付など社内統制にも貢献
  • キッティング後の納品形態(配送・現地設置など)が柔軟
  • 人為的ミスの低減、全国対応のサポートも可能

これらのメリットにより、業務負荷や人的コストの削減に加え、情報システム部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)対応に集中できるようになります。

キッティング代行サービスの費用相場

キッティング代行サービスの費用は、作業内容と機器の台数によって大きく変動しますが、一般的には1台あたり2,000〜6,000円程度が相場のようです。
さらに詳しくは下記をご参照ください。
▼キッティング代行の費用相場は? 作業内容とサービス業者の選び方、コストダウンの秘訣も解説

テクバンのキッティングサポート

テクバンは、ITインフラ構築と各種ITサービス提供に強みを持つIT総合ソリューション企業です。法人向けのキッティング代行も多くの実績があり、お客様ごとのカスタマイズ対応力と柔軟な業務設計力によって多くの支持を得ています。
主な対応範囲は以下のとおりです。

  • パソコン・タブレット・スマートフォンの初期設定
  • WindowsやiOS、Androidそれぞれに最適化されたOS展開
  • セキュリティポリシーに準拠した設定テンプレート対応
  • 全国への出荷・配送・導入設置の一元管理
  • 資産管理番号の管理、マニュアルの作成支援

サービス内容の詳細と導入実績については、下記ページで詳しくご案内しております。
テクバンのLCMサービスとは?

また、テクバンは全国の拠点に向けた大量導入にも対応しており、数百〜数千台規模のキッティングを短納期で完了する体制を整えています。加えて、回収・入れ替え作業、データ消去、廃棄管理までを含むトータル対応パッケージも用意されており、IT機器ライフサイクル全体を一括サポートできる点もメリットです。
ぜひお気軽にご相談、お見積り依頼をなさってはいかがでしょうか。
テクバンへ問い合わせ・見積もり依頼する

パソコンのキッティング:内製か外注かの判断基準

パソコンのキッティングを実施する際、社内で作業を完結する「内製」と、外部の専門業者に依頼する「外注」のいずれかを選択する必要があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、企業の状況や導入台数、スタッフのスキルレベルなどを総合的に判断して選ぶことが重要です。
そこでこの章では、キッティング業務を効率的かつ安全に行うための「内製か外注か」の判断基準について、具体的な観点から詳しく解説します。

社内リソースと専門知識の有無

まず重要になるのが、人員や技術的な知識を含む社内リソースの有無です。特に下記の点が判断材料となります。

判断ポイント 内製に向いているケース 外注に向いているケース
IT部門の人員数 専任担当が複数名在籍しており、他業務と並行して実施可能 IT人材が不足しており、他業務との兼任が困難
技術スキル OSやネットワーク設定、システム構築のスキルが社内にある 設定作業に不慣れでトラブルが懸念される
キッティング経験 過去に規模の大きな導入実績がありノウハウが蓄積されている 今回が初めて、あるいは過去にトラブルが生じている

上記のように、社内に十分な人的・技術的なリソースがある場合は内製が検討できますが、それらが不足している場合は外注によるリスク軽減が有効です。

コストと時間とのバランス

キッティングにかかるコストと、投入できる時間のバランスも重要です。単純に外注は高く、内製が安いというイメージを持たれがちですが、実際にはケースバイケースです。
例えば、キッティング業務を社内で行う場合、担当者の工数が他業務に影響を及ぼす可能性があります。こうした機会損失を含めたトータルコストを考慮する必要があります。

一方、キッティング代行業者には、効率化されたワークフローや専用設備があるため、短納期かつ高品質での納品が可能です。これにより結果的にトータルコストが抑えられるケースもあります。
また、外注先を比較検討する際は、費用だけではなく、サポート範囲・対応スピード・法人実績などを総合的に判断しましょう。そして、導入前に業者による現状のヒアリングを受け、課題に即した構成や作業フローの提案を受けられる業者を選ぶことが成功の鍵を握ります。

導入台数と実施頻度

キッティングの導入台数やその実施頻度も、内製・外注の判断に大きく影響します。下記のような目安で検討してみましょう。

条件 推奨方針
10~50台程度、年1回以下の頻度 社内に対応可能な体制があれば内製
100台以上の大量導入、または月単位で頻繁に実施 専用設備・体制を持つ業者に外注
プロジェクト単位で一時的な導入が発生 スポット対応が可能な業者を利用

このように、台数が少なく頻度が少ない場合は内製も可能ですが、大規模または定期的に実施する場合は外注による効率化と品質の安定が望まれます。

トラブル発生時のサポート体制

キッティングは精密な作業であるため、設定ミスや機器トラブルなどのリスクを避けるためのサポート体制も検討材料となります。
内製の場合、トラブルが発生した際には、自社で原因の切り分けや対応を行う必要があり、場合によっては復旧までに時間がかかるリスクがあります。

一方、専門業者であれば、万が一の不具合にもスピーディな再設定対応や代替機の提供が期待できます。特に、テクバンのキッティングサービスでは、トラブル対応を含む包括的な保守体制を整えており、安心して任せられる点が大きなメリットです。
また、製品保証関連やライセンス再認証の取り扱いなど、トラブル時に発生しがちな業務も、経験豊富な業者であれば柔軟に対応可能です。

判断基準のまとめ

ここまでの観点を踏まえ、自社のキッティング業務は内製すべきか、あるいは専門業者に外注すべきかを判断するための目安を下表にまとめます。

チェック項目 内製が適する場合 外注が適する場合
人的リソース 専任のIT担当が複数名いて対応可能 人的に対応困難である
導入規模 小規模または限定的な導入 大量導入・短期間納品が必要
予算 人件費・時間を自社内で吸収できる 時間コストや間接費を減らしたい
技術力 バッチ処理や自動化が可能 技術的な対応が不安・未経験
サポート体制 自己解決ができる体制がある トラブル時に外部サポートが必要

企業の規模や業務スタイルによって最適な選択は変わりますが、情報セキュリティや生産性への影響まで見据えた判断が必要です。
キッティング業務の属人化や品質のばらつきを防ぐためにも、自社の運用方針に合った方法を選ぶようにしましょう。

パソコンのキッティングでIT運用を効率化

パソコンのキッティングは、企業のIT機器運用において欠かせない作業です。効率的な運用には、作業の標準化や自動化ツールの活用、適切なリソース配分が重要となります。導入台数や社内体制に応じて、専門的な知識と豊富な実績を持つキッティング代行サービスを活用することもおすすめします。お悩みの際はテクバンまでお気軽にご相談ください。

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