昨今、リモートワークの普及に伴うインターネットの利用急増により、様々な課題が顕在化しました。中でもサイバー攻撃やウイルス感染、ネットワークの侵害といった脅威から受ける被害は甚大で、組織を防御するネットワークセキュリティの強化が急務です。
この対策として、ネットワーク上の脅威から守るセキュリティゲートウェイである、セキュアWebゲートウェイ(Secure Web Gateway、SWG)が注目されています。
本記事では、クラウド型SWGに焦点を当て、その仕組みや機能、実際のサービス事例をご紹介します。
クラウド型セキュリティゲートウェイとは?
セキュリティゲートウェイは、ネットワーク内のトラフィックをリアルタイムで監視し、不正アクセスやサイバー攻撃などからネットワークを保護する役割を担います。
このうち、クラウド型SWGは、オンプレミスといった従来のSWGとは異なり、クラウドベースのアーキテクチャを採用しています。
クラウド型SWGがどのように外部からの攻撃を防いでいるのか、その仕組みとメリットを解説します。
クラウド型セキュリティゲートウェイの仕組みとメリット
従来からあるオンプレミス型SWGでは、社内外のアクセスすべてを、一度社内のセキュリティゲートウェイに通してセキュリティ対策を行い、インターネットに流れていく仕組みでした。全アクセスがオンプレミスのセキュリティゲートウェイに集中するため、遅延を起こす可能性がありました。
一方、クラウド型SWGの場合では、組織のネットワークへ通過させる前に、社内外のトラフィックをクラウドセキュリティゲートウェイに転送して、セキュリティ対策を行います。これにより、トラフィック負荷を軽減し、通信遅延の改善が期待できます。
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▼SWGとは? 機能や特徴と導入メリット・デメリットを解説
クラウド型セキュリティゲートウェイがなぜ必要か
いま、多くの組織でクラウド型SWGが必要とされる背景には、次のようなものがあります。
リモートワークによる負荷増大
オンプレミス型SWGを使用している企業では、リモートワークによって社外からのネットワークトラフィックが膨大な量となり、通信遅延が発生し、業務に影響が生じています。
このため、ネットワークの増強や、通信の迂回路を用意するなど、トラフィック負荷の軽減策が求められているのです。
シャドーITによるリスク
リモートワークをきっかけに、企業や組織が管理していない端末やソフトウェアを使用するシャドーITが横行。端末によってはセキュリティが不十分なものも存在。これを放置すればセキュリティリスクが高まり、無許可端末から情報が漏えいする危険があります。
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【事例】リモート環境整備のための、適切なセキュリティ運用を実現
クラウド型セキュリティゲートウェイの機能
次に、クラウド型SWGが持つ代表的な機能を5つご紹介します。
企業はこれらの機能の活用で、複雑化する脅威からネットワークを守り、安全な通信を実現することができるのです。
1.IPアドレスの匿名化
端末の代わりにインターネット上にアクセスすることで端末のIPアドレスを匿名化します。これにより、ユーザーのプライバシーを保護し、外部から端末への直接攻撃を防ぎます。
2.アンチウイルス
ウイルスの攻撃パターンを登録したシグネチャファイルとパターンマッチングすることで、リアルタイムでのウイルススキャンを行います。これにより、マルウェアやウイルス、不正アクセスなどの攻撃から企業のネットワークを守ります。
3.サンドボックス
不審なファイルやプログラムを隔離された仮想閉域環境にて実行し、動作を確認することで、システム全体への影響を防ぎます。
4.ウェブトラフィックのフィルタリング
不適切または危険なウェブサイトへのアクセスを制限し、リスクの高いサイトへのアクセスを防止します。
5.DLP(データ損失防止機能)
機密情報といった、企業にとり重要なデータを識別する情報をあらかじめ定義。送信される情報と定義をマッチングさせ、機密情報の不正な流出を防止します。
クラウド型セキュリティゲートウェイの3つのメリット
クラウド型SWGは、その柔軟性とコスト効率の良さで、多くの企業に選ばれています。
オンプレミス型SWGと比較して、優れている点を紹介します。
オンプレミスとのハイブリッド環境が実現可能
クラウド型SWGはインターネット上にあるSWGを利用するため、オンプレミス型SWGにいっさい影響を与えません。
すでにオンプレミス型SWGを使っていた場合でも、設定を変えることなく両方を利用したハイブリッド環境の実現も可能です。社外からのアクセスはクラウド型SWG、社内からのアクセスはオンプレミス型SWGと使い分けることで、負荷分散ができます。
スムーズな導入が可能
クラウド型SWGは機器や必要なソフトウェアがすべてサービスとして含まれているため、企業側で機器を導入・構築する必要がありません。初期コストや準備期間を必要最低限に抑え、スムーズな導入が可能です。
クラウド運営による柔軟性とコスト削減
運営はすべてサービス提供事業者が行うので、運用の負担・コストが軽減します。また、任意の機能を後で追加でき、ニーズにあわせて柔軟な対応も可能です。
クラウド型SWG導入のポイント
実際にクラウド型SWGを導入する際の、サービス選定ポイントをご紹介します。
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【事例】セキュアで高いアクセスコントロールを実現する ZIAとZPAのシナジー
クラウドに精通したベンダーを選ぶ
クラウド型SWGはメリットばかりではありません。オンプレミス型とは課金システムが異なるなど、デメリットもあります。そのため、クラウド型SWGのサービス内容を十分確認し、クラウドに精通したベンダーを選ぶことが重要といえるでしょう。
テクバンでは、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Oracle Cloudといった主要なクラウドサービスの導入支援を行っており、クラウドに関するノウハウも豊富です。
詳しくはお問い合わせ、または下記をご確認ください。
テクバンへ問い合わせる
クラウド型セキュリティゲートウェイ製品やサービスは?
テクバンがおすすめするクラウド型SWG製品をご紹介します。
Zscaler Internet Access
Zscaler Internet Access(ZIA)は、あらゆる場所、あらゆる端末からのインターネット通信のポリシーを統一し、セキュリティを強化するSWGです。さらに、年々高度化、多様化する脅威に備え、アプリケーションコントロールや帯域制御など複数の機能で多層防御を実現しています。
また、クラウド型リモートアクセスゲートウェイ「Zscaler Private Access」との同時導入も可能です。これらを組み合わせることで、通信データそのものを監視するDLPを実現し、未然に機密情報漏えいを防止します。
詳しくはこちらをご確認ください。
Zscaler Internet Access導入支援サービス
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▼SWG(Secure Web Gateway)製品のおすすめは? 製品比較と選定ポイントを解説
クラウド型セキュリティゲートウェイで組織を強化
クラウド型セキュリティゲートウェイの役割や仕組み、メリットなどについて解説しました。
クラウド型SWGは、インターネットトラフィックを監視し、外部からの攻撃やネットワークの侵害を防ぐ、クラウド提供型のセキュリティソリューションです。セキュリティを高められるだけでなく、クラウド型ならではの「機器設置が不要でスムーズに導入できる」「コスト削減につながる」といったメリットが得られます。
また、導入する場合、クラウドに精通したベンダーの選択も重要です。テクバンでは、複数のクラウドサービスを取り扱っている実績から、十分なノウハウがあります。
組織体制を万全にするため、ネットワークセキュリティを強化に向け、クラウド型セキュリティゲートウェイの導入をご検討の方は、テクバンへお気軽にご相談ください。