IT資産とは企業や団体が利用するPCやソフトウェア、ライセンスなどの総称で、大きく3つに分類されます。デジタル資産、物理資産とライセンス資産です。この記事では、3分類の概要に加え、IT資産管理の重要性やツールの活用など、IT資産管理の基礎知識について解説します。
IT資産は大きく3つに分類できる
ここではデジタル資産と物理資産、ライセンス資産それぞれの概要を解説します。
デジタル資産
デジタル資産にはインストールソフトウェアやフォント、ドライバー、辞書の他、各種データファイルなどが含まれます。また、動画や音声、音楽などのコンテンツ、仮想マシン (VM)などもデジタル資産です。このように、ソフト資産ともいうべき種類のIT資産がデジタル資産ととらえられます。
物理資産
物理資産は、文字通り物理的に存在しているIT資産です。PCやサーバー、ストレージ、ネットワーク機器などのハードウェアが該当します。固定使用される物品だけでなく、USBメモリやスマホといった携帯型の資産も含まれています。
ライセンス資産
ライセンス資産とは、ソフトウェアの使用許諾、各種ITサービスやクラウドサービスの利用契約、メンテナンス契約などのことです。
IT資産は管理が必要
IT資産は企業や団体の各部署で様々な種類のものが数多く使われており、その存在や利用が見えにくくなる場合もあります。
そもそもIT資産はデジタル資産であれ物理資産であれ、日々多様化し複雑化していくため、何がどれだけ、どこにあるのか、どのように使用されているのか、常に正確に把握する運用が必要です。また、リモートワークが拡大しIT資産をホームオフィスで利用するシーンが多くなっている昨今、ますますIT資産管理の重要性が増しているといえるでしょう。
そこで、それぞれのIT資産管理では何を行うのか、簡単に解説します。
デジタル資産の管理
ソフトウェアであれば適切にライセンスを確保しているか、そして、何のソフトウェアがどのPCにインストールされているかといった現況の把握が重要です。
物理資産の管理
それぞれの物理資産を使用しているのは、どの部署の誰なのかを把握することが基本です。物理資産を把握できていなければ、デジタル資産のソフトウェアがインストールされているPCを把握しようにも、思うように進みません。
また、固定資産台帳上に記載されているPCなどの所在が確認できればよいという単純な話ではありません。あるはずの資産の確認だけでなく、ないはずの資産が存在していないかについても管理する必要があります。
しかるべき届け出がなされずに、個人が持ち込んだPCや特定の部署が独断で購入した端末などは「シャドーIT」と呼ばれ、セキュリティリスクも高まるため、注意が必要です。
シャドーIT対策に有効なサービスについて、詳しくは「Ciscoクラウドセキュリティ」をご覧ください。
シャドーITについて、さらに詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼必要なシャドーIT対策とは? 原因やセキュリティリスクと共に解説
ライセンス資産の管理
ソフトウェアごとに利用可能なライセンス数がいくつあり、どのPCで使用されているかといった確認を行います。その他、有効なライセンス資産として運用するには、パッケージやCDといったインストールメディアや、認証キーなどの管理や、紛失時の取り扱いなどについてルールを定め、管理する必要があります。
IT資産管理を行う本来の目的
IT資産管理では、デジタル資産や物理資産、ライセンス資産などの現状を正確に把握します。この保有資産の確認を行う本来の目的は次の3つです。
コンプライアンス対策
企業や団体のコンプライアンス重視が叫ばれている中にあって、IT資産管理が不十分なために起きてしまう法令や社会規範、契約に対する違反は避けなければなりません。
例として、デジタル資産に分類されるインストールソフトウェアを使用するときは、必ずライセンス確認が必要です。1ライセンス1台の使用許諾となっているソフトウェアでも、1ライセンスで複数台のPCにインストールできるケースもあるからです。ライセンス管理が甘いと、知らずに違反となる可能性が存在します。
また、仮にライセンス違反を犯してしまった場合、当事者間で解決したとしても、社会的信用を損なう事態に発展するリスクもあります。これを防ぐためにも、コンプライアンス対策としてのIT資産管理は、非常に重要なのです。
セキュリティ対策
どのPCにどのようなソフトウェアがインストールされているかを把握することは、バージョン情報やセキュリティリスクの管理につながります。
IT管理を適正に行うことで、アップデート・更新プログラムの適用などのセキュリティ対策や、サイバー攻撃への対策が可能となるのです。
コストの適正化
各部門が思い思いにデジタル資産や物理資産を調達している場合、1つで共有可能な同種の資産が複数あるといった事態が生じかねません。また、既に使用しなくなっている資産の維持費を負担しているといったケースも生まれます。
これらの無駄を排除し、コストの適性化という重大な課題の解決を図ることもIT資産管理の主目的です。
IT資産管理ツールの活用で一元管理
Excelなどを用いた手作業のIT資産管理には手間がかかり、漏れやミスが起きがちになるといったマイナス要素があります。各分類が相互に絡み合っているため複雑化するIT資産管理は、どこかでミスが起きると、他への影響範囲も大きくなるからです。
そこで、正確で効率のよいIT資産管理にはツールの活用による一元管理が望ましいといえるでしょう。
IT資産管理ツールには、オンプレミス型とクラウド型があります。また、管理台帳機能や情報収集の自動化機能、集中管理機能など搭載されている機能は、ツールによって異なっています。このため、機能一覧や機能紹介の比較をして、自社が必要とするツールを見極めましょう。
テクバンのIT資産管理ソリューション
テクバンでは現在、使いやすさや機能の豊富さなどの特長を持つLANSCOPEやSKYSEA Client View、System Support best1などを中心とした、IT資産管理ソリューションの導入サポートを行っています。
System Support best1の導入事例資料をご用意しております(リンク先の一覧ページの中盤に資料が選択されております)。
社内運用の経験がないケースでも、組織にマッチしたツールの選定、導入のアシストと、お客様をサポートし効果的な運用につなげます。IT資産管理を含め、IT環境への不安や疑問点などがあれば、お気軽にご相談ください。
テクバンのIT資産管理ソリューションとは?
テクバンへ相談する
IT資産の管理は自社に合ったツールで効率よく
IT資産はデジタル資産や物理資産といった種類に分類できるとはいえ、それぞれが相互に絡み合っており、別々に管理するよりも一元管理した方が効率的で効果的だといえます。
そのためには、IT資産管理ツールの活用が欠かせません。自社に合ったツールを選ぶことで、効率のよいIT資産管理を目指しましょう。