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2023.09.20

社内のPC管理とは? 3大基本要素や必要性に加えPC管理ツールの選択ポイントも解説!

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目次

PC管理は昔と現在では内容も目的も大きく変わっています。単にPCという資産の保有状況だけでなく、業務効率やコストの改善、コンプライアンスやセキュリティといった分野まで含めて考えるのが、現在のPC管理です。
この記事では、PC管理について3大基本要素や必要性などに加え、PC管理ツールの活用についても紹介・解説します。

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PC管理の変遷

PCが一般企業に導入され始めた時期といえば、企業によって違いはあるものの、おおむね1980年代後半~1990年代前半です。それ以前は、特定部署にオフィスコンピューターが設置されている程度でした。
コンピューターと無縁だった企業でも、NECのPC-9801シリーズやDOS/Vマシンとも呼ばれるPC/AT互換機、アップル社のMacintoshシリーズなどが固定資産として配置される様子が見られるようになり、必然的にPC管理が行われています。

さらに、1990年代後半にはマイクロソフト社のWindows95が人気になりました。この影響もあり、PCの普及に拍車がかかったといえるでしょう。そして、企業が保有するPCの台数が多くなることで、PC管理は必然的にその重要性が増しました。
当時のPC管理といえば、あくまでも自社が保有する固定資産についての数的管理がメインです。そのため、主として経理担当部署や総務担当部署が所管する企業が多かったといえます。もっとも、どのPCがどの部署にあるかといった実態確認が行われる点は、現在も変わっていません。

その後、PCが部署に1台から数人で1台、さらには1人1台と増える中で、ソフトウェアや周辺機器の充実と多様化が進みます。
ただし、ソフトウェアライセンスの概念が浸透していない時期には、いわゆる「ソフトの使い回し」なども行われていました。フロッピーディスクにプログラムをコピーして使うといったことが日常的に行われていた組織もあったといえるでしょう。
やがて制度的なPC管理の必要性が強くなるなど、単に物体としての存在確認では済まなくなり、PC管理の内容は次第に複雑になります。

現在のPC管理では現物がどこにあって誰が使用しているかに加え、機器としての機能にかかわるOSやメモリ、ストレージといったPCのスペック面と、使用するソフトウェアのバージョン情報やライセンス詳細までを含めた総合的な管理が必要です。このねらいは企業の社会的責任も無縁ではありません。

PC管理の3大基本要素

PC管理を行う場合、基本的な要素は大きく3つに分けられます。これについて解説します。

1.資産管理

PC管理の3大基本要素のうち、1つめの資産管理について解説します。
自社の物理的な資産であるPCは固定資産として管理する対象物です。PCを取得したときは管理番号を付けるなど他の資産と区別し、廃棄処分により手放すまで定期的に棚卸しを行って管理します。
前述したように昔から行われている資産管理の主目的は、保有資産の状況を正確に把握することであり、言い換えれば固定資産台帳の正確性を担保することです。
現在の資産管理では、PC本体に加えてサーバーや周辺機器といったハードウェア、インストールソフトウェアなどが管理対象となっており、IT資産管理とも呼ばれています。

2.インベントリ管理

PC管理の3大基本要素の2つめはインベントリ管理です。
インベントリには在庫や目録、一覧表、棚卸し資産といった意味があります。PCの機種・機番、主要スペック、IPアドレス情報やOSの状況、さらには利用状況、サブスクリプション契約などについて、詳細な状況を資産台帳の形にして一元管理するのがインベントリ管理です。
インベントリ管理は一元管理による可視化がポイントとなっています。可視化することで、アップデートのタイミングやセキュリティ面の状況なども把握しやすくなる点が大きなメリットのひとつです。

3.ライセンス管理

PC管理の3大基本要素の3つめはライセンス管理です。
インベントリ管理によって、ライセンス情報は可視化されます。しかし、そのライセンス情報と、実際にPCへインストールされているソフトウェアのライセンスが一致しているとは限りません。なぜなら、インベントリ管理は扱う情報量が多く、範囲も広いためリアルタイムの更新が難しいケースが決して少なくないからです。
このため、ライセンスの種類、数量、使用者と管理部署といったライセンス情報に不一致がないか、契約に違反していないか、実際に情報と実態を突き合わせして管理する必要があります。

PC管理で業務効率アップ

多数のPCと周辺機器、ソフトウェアやツールを用いた業務が当たり前になっている現在、PC管理を適切に行うことは、業務効率の面からも必要なことだといえます。そこで、PC管理が重要度を増した背景を業務効率の観点から探ります。

企業内で使用されるPC台数の増加

社内に1台、部署に1台しかPCがなかった時代には、固定資産管理としてのPC管理が行われてはいるものの、特にトラブルになる要素も少なかったといえるでしょう。現在と比較すると、PC管理は必ずしも厳密な作業を必要とする業務ではなかったかもしれません。
導入するPCなど端末の総台数が増え、個人用PCが当たり前の時代になり、さらにはノートPCの社外への持ち出しが一般化。紛失や破損といった事態の把握も含め、どこで誰が使っているかという物理的な資産管理としての重要性が増すようになりました。そのため、管理不足から生じるトラブルを防止し、業務効率を悪化させないよう、システマチックなPC管理が重要です。

PCで使うソフトウェアやツールの多様化への対応

例えば、ExcelやWordなど、オフィスの定番といえるソフトウェアだけを使っていた時代のPC管理は、管理すべき情報の種類や総量はそこまで多くありませんでした。ネットワークがなかったわけではないものの、これほどインターネットが普及する前は、一般企業ではスタンドアローンで完結していたPCがほとんどです。
一方、インターネットはもちろんのこと、クラウドの活用が当たり前となっている現在では、様々なソフトウェアやツールを1台のPCで利用するケースが多く、管理が甘いとどのPCで何が使われているかが見えにくくなります。状況の把握が不正確になると、資産管理の問題になるだけでなく、実態の解明に労力を要するなど業務効率の観点からも好ましくなく、適切なPC管理が望まれるのです。

重複購入を避け統一できる

人数分の個人用PCでExcelやWordを使用している企業は少なくありません。このように複数のPCで同一のソフトウェアを使用する場合、全員が使用するために必要な数のライセンスをそろえる必要があります。PC管理の体制が明確になっておらず、有効に機能していないと、各自が個別にライセンスを用意するといった非効率な状況になりかねません。
また、同じような業務を行うメンバーが思い思いに別々のソフトウェアやツールを使っていては、互換性の面やコスト面でデメリットが生じてしまいます。
適正なPC管理を行うことで、過不足のないライセンス取得やソフトウェア、ツールの統一ができ、効率的な業務で無駄なコスト削減につながる点が大きなメリットです。

PC管理でコンプライアンス対策

PC管理にはコンプライアンス対策という重要な役割もあります。

企業としての責任を果たす

コンプライアンス重視が叫ばれている中、企業としての責任を果たすためには、ソフトウェアのライセンス違反といった好ましくない行為は避けなければなりません。かつて見られたような違法コピーなどは論外です。仮にうっかりミスなどで、コンプライアンスの観点から問題があった場合は、速やかに是正する態勢をとることが望まれます。
営利企業であっても「企業は社会の公器」といわれることを考えれば、ライセンス管理などのPC管理によってコンプライアンス対策を行うことは、企業の社会的責任でもあるといえるでしょう。

損失を回避するためのPC管理

コンプライアンスを重視することは、企業として社会に対する責任を果たすと同時に、損害を回避するためでもあります。知的財産保護の意識が高まり、権利侵害に対する反応が厳しくなっていることもあり、ソフトウェアのライセンス違反などは、違約金や損害賠償を請求されたり、社会的な信用を失墜したりすることが懸念されるネガティブな材料です。
コンプライアンス違反はそのまま企業の損失につながり得る事態であり、場合によっては取り返しがつかないこともあり、PC管理の重要性は必然的に高まるのです。

PC管理でセキュリティ対策

セキュリティ対策の観点からもPC管理の重要性は大きいといえます。

増大するセキュリティリスク

PCがネットワークにつながっていなければ、ウイルス感染などのリスクはUSBメモリやSDカードなどの外部装置を経由したケースに限られます。しかし、インターネットに常時接続されている環境が一般化している現在、日々新しいウイルスやスパイウェアが生まれていることもあって、セキュリティリスクは増すばかりです。
セキュリティ対策をPC使用者が個々のレベルで行うことは非効率であるだけでなく、企業としてセキュリティレベルの低下につながりかねず、リスクが大きいといえます。一元的に全社的なセキュリティ対策を行う上で、適切なPC管理が欠かせません。

情報漏えいは死活問題にもなる

セキュリティ対策が不十分で自社や取引先に関する機密情報が漏えいした場合、まずは経済的な損失の発生が懸念されます。同時にセキュリティリスクへの向き合い方が問題視されかねず、信用失墜から企業の存続にかかわる問題に発展しかねません。そのリスクを抑えるためにもPC管理は必要不可欠です。

PC管理の課題

PC管理は正確な資産管理ができるだけでなく、コンプライアンス対策やセキュリティ対策にも役立つ業務です。しかし、状況によっては以下に示すような問題点もあります。

適任者がいない場合は中途半端な管理になる

固定資産台帳に記載されている現物の確認をするだけであれば、PC関連の専門知識はなくてもよいでしょう。
しかし、現在のPC管理は社内ネットワークを理解していることが求められ、ITやサイバーセキュリティなどの専門知識がある人材の配置が必要です。そのため、情報システム部門やネットワーク部門などで一定の専門知識を持つ担当者が担うべき業務となっています。
とはいえ、すべての企業に専門部署があるわけではなく、全社を見渡しても適任者がいない企業も少なからずあります。この場合は他の業務を兼任している担当者が行うことになるでしょう。ただし、PC管理が中途半端になってしまうなど、効率的な管理ができない事態になりかねません。
解決策としてアウトソーシング、外注する手があります。アウトソース先の選択を間違えなければ、最短でしっかりした管理体制が手に入るでしょう。ただし、コスト負担が許容できる範囲に収まるかを検討する必要が生じます。
アウトソーシング以外の選択肢として考えられるのは、人材の採用や育成です。ただし、こちらも実際に業務が行えるようになるまで、時間とコストがかかることを考慮しなければなりません。

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管理が属人化してしまう

PC管理は一定の人的リソースを割く業務です。一方で、担当者の人数が多すぎると、それぞれの役割があいまいになりかねません。また、権限を分散するとルール外の扱いが起こりやすくなるといえます。
そのため、特定の担当者が管理に当たることになりますが、今度は担当者以外、他にわかる人がいないという属人的な業務になってしまうリスクがあります。担当者が固定されると、応援も支援策もない状況になりがちで、やがて管理が回らなくなり、負荷増大、モチベーション低下から貴重な人材が流出する恐れも生じます。

海外のPCは管理が難しい

海外に進出している企業が多い現在、国内事業所だけでなく海外の拠点に設置しているPCの管理が課題となるケースがあります。海外のPCは国内と同様に管理できるわけではありません。必要に迫られて担当者が渡航するケースもあります。

PC管理ツールの活用

PC管理には固定資産台帳などの帳簿付けが必要です。PCに関する管理であり、現在でこそ手書きの帳簿を使用することは減っていますが、Excelなどを使用した手作業による管理を行っている企業は少なくないようです。
このExcelベースの管理台帳など、手作業によるPC管理には限界があります。入力する項目や情報量が少ないうちはあまり問題がありません。しかし、情報量が増えれば手が回らなくなったり、ミスが増えたりといった状況が生まれやすくなります。また、入力したデータはそのまま完結するわけではなく、状況に変更があれば更新作業が必要です。手が回らないからといって人員を増やせば、人件費という大きなコストがかかってしまいます。

そこで、効率よく正確なPC管理を行うためには、PC管理ツールの活用が望ましいといえます。PCが増えても対応でき、Excelを使った管理では手作業が必要だった部分を自動化できるなど、PC管理ツールは企業規模や資産の状態にかかわらずPC管理に正確性と効率化をもたらすツールです。
自社に合ったツールを活用することで、台帳の作成と更新に加え、インベントリ収集やライセンス管理までを楽に行えます。
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PC管理ツール選びのポイント

PC管理ツール選びでは、PC管理の3大基本要素で述べた資産管理(IT資産管理)、インベントリ管理、ライセンス管理に対応していることが基本条件となります。
ただし、必ずしも機能すべてを標準装備する必要はありません。オプションも含め、自社に必要な機能が過不足なく用意されていれば、有力な選択肢です。一方で、高機能であるほど素晴らしく感じるものですが、実際に使わない機能はコストアップにつながります。

PC管理ツール選びでは、ログの監視も含めたセキュリティレベルも、重要なポイントになります。
そして、忘れてはならないのが、ツール自体の使い勝手と、サービスを提供するベンダーのサポート体制のチェックです。導入後に「こんなはずではなかった」とならないよう、しっかりと資料や説明に注目して、検討しましょう。

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総合型エンドポイントマネジメントツールLANSCOPE
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PC管理は効果的に実施しよう

ITが進化し、PCなしでは業務が回らないといっても過言ではない今日の企業にとって、PC管理の正確性と効率化、セキュリティ面での安全性は優先的に考えたい重要な課題だといえます。もちろん、コストも大事な要素です。
PC管理ツールを導入するのか、一元管理サービスを利用するのかといった方法論の違いこそあるものの、円滑なPC管理の実施が求められている点はどの企業でも同じだといえます。自社の状況に応じた手段を選んで、PC管理を正しく効率的に実施しましょう。

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