サイボウズ社(Cybozu)の展開する業務改善向けクラウド型プラットフォームサービス「kintone(キントーン)」には、ライトコースとスタンダードコース、そして新設されるワイドコースの3つの料金プランがあります。
各プランには、利用できる機能や利用価格など異なる部分と共通点があり、業務内容や目的に応じたプランを選ぶことが重要です。
本記事では、kintoneのそれぞれのプランの特徴と利用できる機能や月額料金を紹介します。kintone導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
kintoneの活用法に悩む企業ご担当者の参考になる記事をご用意しています。
▼kintoneの基本機能や使い方を紹介
▼kintoneの活用についてご紹介! 導入事例を参考に詳しく解説
kintoneプラン共通の機能や特徴
kintoneで用意されているプランは「ライトコース」「スタンダードコース」の2つでしたが、2024年7月8日より新規コース「ワイドコース」が開始されます。
ライトコース |
スタンダードコース | ワイドコース | |
価格(月額/1ユーザー) | 780円 | 1,500円 | 3,000円 |
最小契約ユーザー数 | 5ユーザー | 5ユーザー | 1,000ユーザー |
アプリ数 | ~200個 | ~1,000個 | ~3,000個 |
スペース数 | ~100個 | ~500個 | ~1,000個 |
外部サービスとの連携 | × | ○ | ○ |
プラグイン(拡張機能) | × | ○ | ○ |
ゲストユーザー価格(1ユーザー) |
月額580円 年額6,820円 |
月額1,200円 年額14,110円 |
|
ゲストスペース数 | ~100個 | ~500個 |
ワイドコースは、大規模利用に特化したコースです。
基本的にはスタンダードコースで利用できる機能と同じですが、アプリ数やスペース数など上限数が増えるため、従業員数が多くkintoneに契約するユーザーが1,000人以上いる企業向けです。
中小企業やkintoneユーザーが1,000人に満たない場合は、ライトコースかスタンダードコースで検討するとよいでしょう。
次項より、共通して利用できる機能について解説します。
業務内容に応じたアプリの作成と利用
kintoneには、業務内容や事業・業種などに合わせて自由に作成できる業務システム「アプリ」があります。
kintoneアプリでは、文字情報・画像・ファイル・計算式などを記入または挿入し、データの集積や蓄積、管理を行えます。また、アプリのコメント欄を利用して担当者間のコミュニケーションにも活用できます。さらに、アプリ同士は紐づけてデータを連携できるため、データ集計・分析にも役立てられるでしょう。
アプリの作成は日報、問い合わせ管理、採用管理、交通費の経費申請など、目的に応じて一から作成できますが、kintoneには100以上の「サンプルアプリ」が用意されています。
サンプルアプリとは、あらかじめ部署や業種ごと適した機能が設定されているアプリのひな型です。サンプルアプリはそのまま使うことも、自分好みにデザインや設定をカスタマイズして使うこともできます。
サンプルアプリについて、関連記事をご用意しております。
▼kintoneのアプリは無料で使える? おすすめのサンプルアプリをご紹介
サンプルアプリの活用の他に、ExcelやCSVのファイルを読み込み、既存のデータを活用したアプリの作成も可能です。
kintoneアプリの詳細については、下記記事をご覧ください。
▼kintoneのアプリとは? 作成方法やサンプルを解説
「スペース」機能を用いてコミュニケーションがとれる
プロジェクトやタスクでのやりとりに活用できる「スペース」という機能が搭載されています。
スペースには、議題やテーマごとにコミュニケーションの場を整理して活用できるスレッドや、アプリに紐づいたコメント欄、読んでほしい人への通知機能であるメンション、1対1でのクローズドなやりとりができる個別メッセージの機能があります。
スペース機能について、関連記事をご用意しております。
▼kintoneのスペースとは? 機能や活用方法を解説
▼kintoneのスペースをカスタマイズする方法とは?
マルチデバイス仕様
kintoneはパソコンの他、スマホやタブレットなどのモバイル機器でも操作できるマルチデバイス仕様です。
社内はもちろん、外出先や営業回り中、リモートワーク中のメンバーや社員ともデータの共有ができます。
多言語対応
kintoneは、日本語・英語・簡体字・繁体字・スペイン語に対応しています。
インターネットさえあれば海外拠点のメンバーとも共通の環境を利用できるため、グローバルな活用が可能です。
サイボウズの他製品との連携ができる
サイボウズ社がリリースしているグループウェア「Garoon」や、メール共有サービス「メールワイズ」と連携できます。
案件管理アプリとスケジュールを連携させる、顧客管理アプリからメールを一斉送信する、といったことも可能です。
ユーザー数に合わせた容量
kintoneは1ユーザーあたり5GBの容量が使えます。なお、全体容量ではなくユーザー単位で容量が追加されます。
月額1,000円(年額11,760円)で10GBのディスク容量追加も可能です。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneのディスク容量オーバーを回避する方法
メールと電話によるサポートあり
月~金曜日の9:00~12:00、13:00~17:30(祝日・年末年始は除く)の営業時間内において、メールや電話によるサポートに対応しています。
初期設定がうまくいかない、アプリが作成できないなどのトラブル発生時に利用するとよいでしょう。
詳しくはこちらのページから。
万全のセキュリティ対策
外部からの不正アクセスや情報漏えいなどを防ぎ、大切なデータを守る堅牢なセキュリティ対策の基盤があります。
アクセスできるIPアドレスの制限、認証アプリによる2要素認証、操作権限をこまかく管理できるアクセス権の付与、さらに有料オプションで接続できる端末を制限するセキュアアクセスなどのセキュリティ機能を搭載しています。
サイボウズ社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しており、情報セキュリティ強化に取り組んでいる企業だといえるでしょう。
kintoneのセキュリティ対策について、さらに詳しい記事をご用意しております。
▼kintoneのセキュリティは安心? 製品の各種機能と設定を解説
ライト/スタンダードコースの違い
先述の通り、企業規模が大きい場合や契約ユーザーが1,000人以上になる場合は、ワイドコースをおすすめしますが、ライトコースとスタンダードコースどちらを選べばよいか悩まれる方も多いかと思います。
ここでは、ライトコースとスタンダードコースの違いを解説します。
登録アプリ数、スペース数がスタンダードコースの方が多い
上位プランであるスタンダードコースの方が、登録アプリ数とスペース数を多く使えます。
スタンダードコースは登録できるアプリ数1,000個、スペース数500個であるのに対して、ライトコースはアプリ数200個、スペース数100個までとなっています。
従業員数はそこまで多くはないが、kintoneを自社の主力システムとする場合、アプリやスペース数も必然的に増えるでしょう。業務での活用頻度が高くなりそうであれば、スタンダードコースがおすすめです。
拡張機能を使うにはスタンダードコースが必要
JavaScriptやCSSファイルがパッケージされたプラグインや、APIやWebhookを利用した外部サービスとのデータ連携によるの拡張機能は、スタンダードコースで対応しています。
拡張機能を使うには、すでにパッケージ化されているZipファイルをダウンロードし、kintoneへ読み込むだけでOKです。開発やプログラミングの知識など不要で利用できる手軽さが魅力のひとつでしょう。
標準機能でも十分に業務で活用できますが、自社独自のワークフローや業務システムを構築するには、標準機能で不足するケースもあります。そのような際にプラグインが必要となるため、スタンダードコースをおすすめします。
プラグイン・拡張機能について、詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼【2024年】無料版kintoneプラグインのおすすめをご紹介!
▼kintoneのカスタマイズ|初心者向けの方法は?
▼kintoneでJavaScriptを活用し、さらなる業務改善へ!
無料お試しがあるのはスタンダードコースのみ
本格的に導入する前に、アプリや機能を実際に触って確認したい場合、30日間の無料トライアルが用意されているため、まずはそちらを申し込んでみるといいでしょう。
スタンダードコースの機能がすべて使え、30日間が過ぎても自動的に課金されることもありません。
一方、ライトコースに無料お試しはありません。
スタンダードコースでお試ししてから、ライトコースで契約することも可能です。
kintoneのお試し期間で使える機能について、詳しい記事をご用意しております。
▼kintoneをお試し期間で使用してみよう!
チーム応援ライセンス対応はスタンダードコースのみ
「チーム応援ライセンス」とは、非営利団体のITツールやグループウェア導入をサイボウズ社が支援する取り組みです。
特定非営利活動法人(NPO法人)や、サイボウズ社が規定した要件をすべて満たす任意団体、非営利型一般社団法人、非営利型一般財団法人に限り、サイボウズ社のクラウドサービスを特別価格で購入できます。
チーム応援ライセンスの対象となっているkintoneのプランは、スタンダードコースのみです。
チーム応援ライセンスでは、900ユーザーまで年額9,900円でスタンダードコースを利用できます。
スタンダードコースの方が月額料金は高い
上位プランであるスタンダードコースの方が月額料金は高額です。
スタンダードコースの月額料金は1ユーザーあたり1,500円(年額17,640円)、ゲストユーザー価格は1ゲストユーザーあたり月額1,200円(年額14,110円)。
ライトコースの月額料金は1ユーザーあたり780円(年額9,170円)、ゲストユーザー価格は1ゲストユーザーあたり月額580円(年額6,820円)となっています。
ただし、利用するユーザー数に応じて月額料金が変動するため、企業や組織で一定の人数以上が利用する場合、想定よりも費用を低く抑えられる可能性があります。
スタンダードコースについて詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼kintoneのスタンダードコースとは? 機能や月額料金、ライトコースとの違いを解説
サイボウズ社価格改定のお知らせ
2024年5月30日、サイボウズ社は同年秋よりクラウドサービスの価格体系を改定することを発表しました。
サイボウズのクラウドサービス(kintone、サイボウズOffice、Garoon、メールワイズなど)が対象です。
改訂日は、月額サービスは2024年11月ご利用料金より、年額サービスは2024年10月ご発注分より適用となります。
詳しくは、こちらをご確認ください。
自社に合ったプランを選択しよう
kintoneの各プランや、ライトコース・スタンダードコースの共通点と違いを解説しました。kintoneを導入する目的や自社の規模などを考えて適切なプランを選びましょう。
導入前に費用面のみを考えてプランを選んでしまうと「アプリが追加できない」「カスタマイズができない」など後々トラブルが発生してしまうことがあります。
プラン選びに迷ったときや、機能を使いこなせず困っているときには、kintoneオフィシャルパートナーであるテクバンに相談してみてはいかがでしょうか。スムーズな導入やご提案、最大限に活用できるようサポートしています。
kintone導入の際に頼りになるサポートについて、詳しい記事をご用意しております。ぜひご覧ください。
▼kintoneのパートナー企業を活用してみよう!
※本記事の内容は2024年6月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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