kintoneは、利用者にシステム開発やプログラミングの知識がなくても、業務上で必要なシステムを簡単に作成できます。
機能を追加したい場合は、JavaScriptを使ったカスタマイズもできますが、知識を持ち合わせていないと難しいかもしれません。そのような場合は、「プラグイン」を活用して、必要な機能を拡張するのがおすすめです。
そこで本記事では、無料で使えるkintoneのおすすめプラグインと、有料版ではあるもののお試し無料期間が設けられているプラグインを紹介します。
手軽にはじめられそうな無料プラグインをインストールして、機能を拡張させてみましょう!
kintoneのプラグインについて、関連記事をご用意しております。
▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
kintoneの無料プラグインを使う
kintoneにはプラグインが豊富にあります。主に次のような拡張機能を持ったプラグインが用意されています。
- 帳票
- 印刷
- 検索
- カレンダー
- 入力補助
- 自動採番
- ルックアップ
業務をサポートする有料のプラグインは様々な企業がリリースしていますが、ネット上で無料配布されているプラグインもたくさんあります。
次項より、無償で提供されている各機能のプラグインについて解説していきます。
帳票
「帳票機能」を持っているプラグインでは、以下の2つがおすすめです。
帳票プラグインは試用期間のみ無料で、その後は有料となるものが多いようです。
- プリントクリエイター/トヨクモ社
- RepotoneU/ソウルウェア社
「プリントクリエイター」は、kintone上に登録している社名や取引先の住所、金額といった情報を、マウスだけの直感的な操作で簡単に帳票作成できるプラグインです。帳票を作成する上で、面倒なデータ入力作業の手間を省いて効率化できます。
PDFでの出力は、個別に行うだけではなくkintone上で条件を絞り込み、複数のレコードの一括出力も可能です。扱うデータと帳票の出力が多い人事や経理などの業務におすすめです。
こちらは、30日間無料で利用可能です。それ以降は利用する機能によって、月額6,000~14,000円のプランの中から選んで利用できます。
プリントクリエイターについて、詳細を知りたい方は、下記記事もご参考にしてください。
▼kintoneプラグイン「プリントクリエイター」で帳票印刷!
「RepotoneU(レポトンユー)」は、kintone上で管理している見積書、請求書、その他各種報告書をはじめとする帳票データをPDFやExcel形式帳票に出力できます。
PDFかExcelのどちらかでテンプレートの登録が可能。直感的な操作で、kintone上のフィールド情報をマウスでドラッグするだけで指定して反映できるため、簡単にデザインの作成や修正を行えます。
30日間無料トライアルでの利用が可能で、PDFとExcelでの出力はプランに含まれるため、ランニングコストに反映されません。その他、月額制でクラウドと連携も可能です。
別のクラウド型システムとkintoneを併用している場合に、おすすめです。
kintoneの帳票出力について、下記記事にて詳細を解説していますので、併せてご参考ください。
▼kintoneで帳票出力! 便利なプラグインの紹介と機能比較
印刷
便利な印刷機能を持つ無料プラグインは以下です。
前述で紹介した帳票機能を持つ有料プラグインより自由度は低いですが、これらは無料で簡単に印刷ができるプラグインです。
- 一覧画面印刷プラグイン/TiS
- 印刷設定プラグイン/TiS
「一覧画面印刷プラグイン」は、Webシステム、ECサイト、基幹業務ソフトを開発しているTiSが提供しているプラグインです。ヘッダーやメニューボタンを表示せず、テーブルやグラフなど表示したい情報のみを印刷できます。
「印刷設定プラグイン」もTiSが無料で提供しているkintoneのプラグインのひとつで、レコード画面のレイアウトを整えて印刷できます。
自由なレイアウトにはできませんが、フォントや文字色の変更、ヘッダーフッダーの表示の有無などを設定するだけで、手軽に帳票の体裁を整えることが可能です。
検索
「検索」ができるプラグインは、以下のようなものが有名です。いずれも完全無料で利用可能なので、気軽に試しやすいでしょう。
- 一覧テキスト絞り込み検索プラグイン/TiS
- 簡単検索プラグインン/日立ケーイーシステムズ社
「一覧テキスト絞り込み検索プラグイン」は、TiSが開発した検索専用プラグインです。完全無料で公開されています。
レコードを一覧表示し、そこから検索エンジンのように、文字列やドロップダウンからの絞り込みが可能です。一部のフィールドタイプ以外は、テキストデータで完璧な絞り込みができます。
有料プラグインである「Directone」と連携すると、Webサイトの問い合わせフォームに寄せられた内容をkintoneに直接登録したり、商品紹介ページやメンバーページ作成の予約をカレンダーで受け付けたり、用途を広げられます。
また、「AtRecorder」と連携し、顔認証システムによる出退勤管理を行う、という使い方も可能です。
ECサイトを運用しており、商品情報・顧客情報などの検索を行う機会が多い場合に、一覧テキスト絞り込み検索プラグインはおすすめです。
「簡単検索プラグイン」は、常に検索ウィンドウを表示させておくことができ、最大20個まで検索フィールドを設置可能です。
キーワード検索はもちろん、「AND」や「OR」などの条件を使用でき、文字列、ラジオボタン、チェックボタン、複数選択、日付などを含めた複数フィールドからも検索できます。
会社名、氏名、メールアドレスなどを入力して一括検索でき、ドロップダウン項目での検索も可能です。業務で顧客などの情報を検索する際に活躍します。
こちらのプラグインは有料ですが、日立ケーイーシステムズ社はサンプル版も配布しているため、まずは問い合わせてみてサンプル版をダウンロードしてみるとよいでしょう。
カレンダー
kintone向けの無料カレンダーのプラグインには、以下のようなものがあります。
サードパーティのプラグインもありますが、サイボウズ公式のプラグインもあるため、それぞれの使い勝手を試してみてください。
- 複数日付選択カレンダープラグイン/TiS
- カレンダーPlus/ラジカルブリッジ社
- kintoneイベントカレンダープラグイン/cybozu developer network
「複数日付選択カレンダープラグイン」もまた、TIS社によって開発されたプラグインであり、完全無料で利用できます。
kintoneの標準カレンダーでは、日付の選択は1日分しか行えません。スケジュール表や工程表などでは、連続した複数日を選択する必要があります。しかも、その開始日と終了日は固定でないため、その都度、手入力をしなければならず、日付フィールドも複数作成する手間がかかります。
複数日付選択カレンダープラグインを利用すれば、文字列フィールドを1行分追加するだけで複数の日付を日付データとして格納できます。
なお、こちらも有料で「Directone」や「AtRecorder」と連携でき、Webサイトなどのマップとの連携や、出退勤管理を同時に行いたい場合は、有料版のご利用をおすすめします。
「カレンダーPlus」は、kintoneに全世界対応のカレンダー機能を搭載できるプラグインです。色分けもできるため視認性が高く、シフト管理・営業管理・会議室の予約管理など、スケジュールの内容が多岐にわたる場合は使いやすいです。
また、クリックやドラッグなどは直感的に操作でき、スマホからも使いやすいメリットがあります。出先からの操作が多い場合にも有効です。
無料の試用ライセンスでも期間制限や機能制限なく使えるため、存分に使い勝手を試すことができます。有料で一般的なカレンダー機能を追加した「Basicライセンス」や、リソース別スケジュール管理機能も追加される「Proライセンス」も用意されています。
カレンダーPlusについてさらに詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。
▼kintoneでのスケジュール管理設定方法と活用ポイント
「kintoneイベントカレンダープラグイン」は、kintone開発者が集まるコミュニティー「cybozu developer network」が配布しているプラグインです。
kintoneのレコード一覧画面で、イベントカレンダーの閲覧や作成ができます。月次・週次・日次での表示を簡単に切り替えることが可能で、カレンダー上でイベント日時の変更が簡単に行えます。
イベントによって背景色を指定できるため、イベント開始から終了までの期間が分かりやすくなります。また、カレンダーをkintoneのプロセス管理と連動させ、イベントの進捗状況によって背景色を変更し、可視的にもわかりやすくできます。
イベント期間の処理や申請などの進捗状況を細かくカレンダー上で把握したい場合は、こちらのプラグインを追加するとよいでしょう。
kintoneのカレンダーについて、詳細は下記をご覧ください。
▼kintoneのカレンダー表示機能|便利なプラグインも紹介
入力補助
「入力補助」のプラグインには、以下のものが挙げられます。
複数人が入力を行う場合には、チェックや自動変換のプラグインが便利です。
- rex0220 自動補完プラグイン Ver.2/rex0220
- kintone自動全角⇔半角変換プラグイン/エーアイティ研究所
- 入力値チェックプラグイン/cybozu developer network
「rex0220 自動補完プラグイン Ver.2」は、既存のレコードを基に、文字の補完を行います。kintoneの追加・編集・一覧などの画面で入力する際、スマホの予測変換のように文字の入力補完をさせることができます。
無料で公開されており、日本語・英語・中国語の3か国語に対応可能です。普段スマホを使っていて、予測変換を使いこなすのに慣れている人や、海外のユーザーとやりとりが多い人に適したプラグインです。
「kintone自動全角⇔半角変換プラグイン」は、自動で全角と半角を判別して変換するプラグインです。
数字やアルファベットを入力する際に、半角で打ったつもりが全角になっていた、あるいはその逆になっていた、というような入力ミスは少なくありません。このプラグインを利用すると、自動で全角・半角の表記のゆれを統一するため、打ち込んだ後に確認や修正といった作業が不要になります。
記号、中点、スペース、数値、アルファベット、カタカナなど、それぞれの変換設定が自身で可能なため、自分好みにできます。入力作業を行う担当者が多い、担当者によって全角と半角が混ざりやすいというような場合に有効です。
「入力値チェックプラグイン」は、cybozu developer networkから提供されている無料のプラグインです。
kintone自体には入力チェック機能がありますが、このプラグインでは郵便番号/TEL/FAX/メールアドレスのフォーマットをチェックします。フィールドに入力された内容が一致しない場合は、エラーが表示され、ユーザーはどこを入力し間違えたのかすぐに把握できるようになります。
ガントチャート
「ガントチャート」とは、プロジェクトの状況や生産管理の進捗状況を視覚的に表したグラフです。ガントチャートもプラグインを用いれば、kintone上で表示させることができます。
ガントチャートのプラグインには、以下のものがあります。
- ガントチャートプラグイン/cybozu developer network
- KOUTEI/アーセス社
「ガントチャートプラグイン」もまた、cybozu developer networkで提供されている無料のサンプルプラグインです。「To Doアプリ」のレコードを、ガントチャートで表示させることができます。
優先度の色分け、大項目と小項目に分けたタスク管理、時間単位での表示など基本的なガントチャートとしての機能は、このプラグインで十分にこなすことができます。
ただし注意点として、カレンダービューには対応していないことと、あくまでもサンプルのプラグインである点が挙げられます。
動作の保証や技術的なサポートは行っていないことを理解した上で利用してください。そこまで高機能でなくても構わず、手軽にガントチャートを使いたいという場合に利用するのがおすすめです。
タスク管理について、下記記事にて詳細を解説しています。
▼kintoneでタスク管理! メリットとおすすめのプラグインも紹介
「KOUTEI」は、kintoneのサブテーブルを、ガントチャート形式で表示できるプラグインです。
トライアルとして、30日間無料で利用可能となっています。
マウスでドラッグ&ドロップするだけの直感的な操作で、工程の追加や移動、期間の変更などの編集を行えます。チャート作成や進捗管理などガントチャート必須の機能はもちろん、マイルストーンの管理も可能です。
タスクごとの担当者や期間の確認も簡単に行え、吹き出しを用いての詳細確認も可能です。この吹き出しを使うことによって、プロジェクトの多くの情報をガントチャート内で一元管理できます。
ガントチャートプラグインで物足りなさを感じるようであれば、こちらを利用するのがおすすめです。
ガントチャートについて、下記記事にて詳細を解説しています。
▼kintoneでガントチャートをプラグイン|設定方法と使用例
自動採番
「自動採番」とは、データベースの中にあるレコードを呼び出す際、CDアルバムの曲順のように一連の通し番号を自動的に設定する機能です。
登録日時の早い順に番号が振られており、必要に応じて通し番号の前後に文字列を追加することも可能です。
自動採番プラグインでは、以下の2つがよく利用されています。
- 自動採番プラグイン/cybozu developer network
- 自動採番プラグイン/ジョイゾー社
「自動採番プラグイン」も、cybozu developer networkで提供されているサンプルのプラグインです。
顧客管理、日報、案件管理など日常的に利用しているアプリに一意のIDを付けたい場合、気軽に利用できるでしょう。それ以降に登録されたレコードにも、自動的に連番で採番されるようになります。
手軽に使えるため、まとめて採番するだけなら十分です。こちらも完全無料である半面、動作の保証やアフターサービスは行っていませんので、ご注意ください。
ジョイゾー社が制作した「自動採番プラグイン」もあります。
こちらは、一覧からの一括自動採番や複数フィールドへの採番はもちろん、レコードの登録状況に合わせて独自の採番ルールで自動採番を実行できるのが特長です。
例えば、特定のフィールドにチェックが入力されている場合のみ自動採番させるなど、柔軟な対応が可能です。
採番する際に条件を指定したい場合は、こちらのプラグインがおすすめです。
はじめの30日間は無料で試用可能となっており、それ以降は月額3,000円かかります。
ルックアップ
「ルックアップ」とは、他のアプリで登録されているデータを参照し、違うアプリへとコピーできる機能です。
例えば、複数のアプリで共通している顧客名・担当者名・所在地などの情報をルックアップし、そのまま他のアプリへコピーすることで、入力の手間とミスの軽減につながります。
また、ルックアップしているデータは自動更新され、参照している他のアプリのデータも自動で更新されるため、手作業の手間を大幅に減らせることが期待できるでしょう。
ルックアップでは以下のプラグインがおすすめです。
- rex0220 ルックアップコピー項目編集プラグイン Ver.2/rex0220
- ATTAZoo+
通常、ルックアップでコピーしてきたデータは背景がグレーとなり、編集ができなくなります。ルックアップでコピーしたものの、データ内容を変更させたいケースもあるでしょう。
そんなとき「rex0220 ルックアップコピー項目編集プラグイン Ver.2」を使えば、コピーしてきたデータを編集できるようになります。
こちらは無料でインストールできるため、とりあえずルックアップコピー項目の編集ができればOK、という場合におすすめです。
「ATTAZoo+」は、ルックアップを含め、ステータス更新、集計サポート、自動採番、入力フォームの表示制御・入力制御など様々な便利機能をひとまとめにした総合拡張プラグインです。
入力サポートや自動採番などの機能も含まれているため、先述したようなプラグインの導入も検討している場合は、こちらを利用するとよいでしょう。
無料体験版が用意されており、期限が切れた後は月額3,000円からサービス利用可能です。
無料プラグインでさらに便利に
kintoneにプラグインを追加することによって、業務効率をさらにアップさせることができます。これから導入を検討する際は、社内の業務に合った機能を持つプラグインの導入も併せておすすめします。
プラグインの中には完全無料ではないものもあるため、利用する前に無料期間や使用できる機能を確認しておきましょう。
「プラグインを使いたいけれど、よく使い方がわからない」「kintoneの機能を拡張させて行いたい業務があるが、どのようにプラグインを使えばよいかわかならい」など、プラグインに関するお悩みがある際は、ぜひテクバンまで一度ご相談ください。
お客様にとって最適なプラグインの選定やプラグイン開発・実装をお手伝いします。
※本記事の内容は2024年1月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
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テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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