スケジュール管理アプリの中でも、おすすめしたいのが kintone です。kintone は各アプリとスケジュールを紐づければ詳細なスケジュール管理が可能で、蓄積したデータを効率よく活用することもできます。
ただし、kintone は標準機能だけではスケジュール管理できないため、設定や活用方法に悩んでいる方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、kintone でスケジュール管理をする方法や設定手順、活用ポイントを解説。さらにおすすめのプラグインも紹介します。
kintone でスケジュール管理するメリット
サイボウズ社のクラウドサービス「kintone」は、業務に必要なアプリケーションを自由、簡単に作れ、また膨大なデータの管理や従業員間の情報共有などにも活用できる業務改善プラットフォームです。
kintone は標準機能だけでも大変便利なツールですが、プラグインの活用でさらに機能を拡張させることで、スケジュール管理も行えます。
Google カレンダーや Excel などスケジュール管理ツールは様々ありますが、kintone ならではのメリットが2点あります。
メリット1:案件と紐づけて統合的なスケジュール管理ができる
1つめは案件と紐づけてスケジュール管理ができることです。
案件管理やプロジェクト管理などを紐づければスケジュールの一元管理が可能で、それぞれの進捗状況も可視化されます。自分だけでなく、他のスタッフのスケジュールも把握できるため、円滑にプロジェクトを進められるようになります。
メリット2:スケジュールデータを蓄積し分析などに活用できる
2つめのメリットは、稼働時間や実績などのスケジュールデータを蓄積できる点です。
kintone はデータベース機能を強みとしています。スケジュール管理で蓄積した稼働時間や実績は、グラフや表にして可視化できるため、誰でも効率のよい分析が可能です。例えば、稼働時間を分析してタスクごとの時間が可視化されれば、さらなる業務改革の促進や無駄な業務の省略化につながります。
すでに kintone を軸に業務システムを組んでいる企業では、スケジュール管理も kintone で行うことで、さらなる業務の効率化が図れるでしょう。
kintone でスケジュール管理を設定する方法
kintone の標準機能だけではスケジュール管理ができないため、設定の必要があります。その手順を紹介します。
1. アプリのトップページをカレンダー表示へ変更する
スケジュール管理するには、タスク管理や工数管理などの各アプリのトップページをカレンダー表示にする必要があります。
カレンダーの表示手順は以下の通りです。
- アプリの一覧追加画面を開く(既存のアプリの場合は「設定済みの一覧」を開く)
- 「レコード一覧の表示形式」より「カレンダー形式」を選択
2. 必要な項目を設定する
カレンダー形式にしたら、下記の項目を設定します。
- 一覧名:イベント一覧やタスク一覧などのカレンダーのタイトルを付ける
- 日付:更新日時、作成日時、日時フィールド、日付フィールドからひとつ選択
これで kintone でスケジュール管理ができるようになります。表形式の場合、レコードを追加するには日付フィールドを入力しなければなりません。しかし、カレンダー形式の場合は、カレンダー上の日付からレコード入力できるため、日付などの入力の手間を省けます。
レコードは1ページにつき最大500件まで表示可能です。そのため、複数プロジェクトだけでなく、社員のスケジュール管理にも対応できます。
カレンダー形式以外の一覧も作成している場合、「一覧」タブでカレンダー形式を一番上に設定します。これでアプリを開けばカレンダー形式で表示されます。
また、kintone カレンダー機能について下記記事でも紹介していますので、ぜひご参考ください。
▼kintone のカレンダー表示機能|便利なプラグインも紹介
カレンダー Plus でのスケジュール管理
次に、スケジュール管理に活用できるプラグインを具体的に紹介します。
「カレンダー Plus」は、kintone にカレンダー機能を追加する有料プラグインです。
料金
カレンダー Plus Basic | 39,800円~ |
カレンダー Plus Pro | 189,800円~ |
※ユーザー数が増えても追加料金不要。適用アプリ数は無制限
特徴
通常のカレンダー表示では、スケジュールの共有ができませんが、カレンダー Plus を追加すれば簡単操作でスケジュール設定と共有が可能になります。
スケジュールの表示形式は、月別・週別・日別に対応しています。表示を色分けできるため、直感的なスケジュール把握が可能です。予定の登録や変更は、クリック&ドラッグ操作で簡単に行えるため、ストレスなく楽に管理できるでしょう。
さらに、機能性が高い「カレンダー Plus Pro」ではベーシックなカレンダー機能に加え、担当者別や会議室別といったリソース別にスケジュール管理ができます。リソースには複数の軸を設定することが可能です。そのため、案件管理アプリと紐づけたタスク管理や会議室の予約など各自の業務に合わせた効果的なスケジュール管理を行えます。
カレンダー Plus は、機能と期間制限なしで試せます。まずは無料トライアルしてもいいでしょう。
KOYOMI で簡単にスケジュール管理
「KOYOMI」は、レコードをスケジューラー形式で表示するスケジュール管理プラグインです。
関連記事をご用意しております。
▼KOYOMIとは? kintoneプラグインの紹介
料金
月額プラン | 10,000円/月 |
年額プラン | 98,000円/年 |
無料トライアル | 30日間 |
※アプリ数は無制限
特徴
KOYOMI の特徴は、シンプルなマウス操作でスケジュールの閲覧から登録、編集までできることです。ITに苦手意識を持つメンバーが多く、まずはスケジュール管理のオンライン化を浸透させたい企業に向いています。
また、アプリ単位で独自の設定が可能です。例えば、施設の利用管理や休暇取得の管理の設定もできるため、業種や業態を問わず、KOYOMI で十分なスケジュール管理を行えます。
KOYOMI はモバイル端末にも対応しています。モバイル端末では、4種のビュー(「個人日」「個人週」「個人月」「リスト」)でのスケジュール登録と閲覧が可能です。外出先でもスケジュール登録や確認ができるため、リモートワークや営業の出先で使用するのに向いているでしょう。
スケジュール管理は、各メンバー自身がスケジュール登録することでより効率化します。まずは KOYOMI でのスケジュール管理を社内に浸透させ、それから カレンダーPlus などに移行するのもおすすめです。
kintone のガントチャートを使用
ここまでに2つの有料プラグインを紹介しましたが、無料で利用可能な kintone のサンプルプラグインである「ガントチャートプラグイン」を使って、スケジュール管理をする方法もあります。
ガントチャートとは、横軸に時間、縦軸にメンバーやタスクなどを記載した表です。長期間にわたり、複数人数で進める大規模・複雑なプロジェクトでも、ガントチャートを活用すればプロジェクトの全体像が可視化でき、業務の進捗状況や遅れている業務の把握に役立ちます。タスクの重複防止や各作業に必要な工数の把握、全員の進捗状況への理解などがスムーズになります。
kintone のガントチャートプラグインなら、スケジュールの重複防止や優先度に応じた色分けなどが可能です。
kintone のガントチャートプラグインについては、下記記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▼kintone でガントチャートをプラグイン|設定方法と使用例
kintone スケジュール管理のポイント
kintone でスケジュール管理を行う際に知っておくべき5つのポイントをご紹介します。
1.トップページで予定登録できるようにする
kintone でスケジュール管理をするときはアプリを開いたり、「+ボタン」を押したりと複数ページを移動しなければなりません。スケジュール管理のたびに、何度もページ間移動するのはわずらわしいことです。
この問題は、kintone のトップページに「スケジュール表示」や「予定登録」などのアイコンを設置すれば解決できます。アイコンのリンク先を「/edit(新規レコード登録時のURL)」にすれば、ワンクリックでスケジュール登録を行えます。
2.予定の詳細も記入する
プラグイン「カレンダー Plus」を使えば、件名と時間のほか、予定・案件の詳細も記入できます。例えば、営業で外出する予定が入っている場合なら、利用車種や営業先の住所、持ち物などの詳細も記入可能。予定の詳細は、カレンダーの案件をクリックするだけで確認できます。
また、予定の詳細として記載する項目は、自由に設定することが可能です。そのため、カレンダーを見るだけで、案件を進める上で必要な情報を得られるように工夫すれば、カレンダーと案件情報の二重入力も省略できます。
3.絞り込み機能を活用
スケジュール管理で頻繁に生じる問題が、管理する項目が増えすぎて、すぐに必要な情報にたどり着けないことです。この問題は、kintone カレンダーの絞り込み機能を使えば解決できます。
絞り込み機能を活用するには、カレンダーの絞り込み機能から、絞り込み検索したいタイトルを設定します。例えば、「プロジェクトA」とタイトルを設定すれば、「プロジェクトA」に関するスケジュールのみカレンダーに表示可能です。
頻繁に絞り込み検索をする場合は、絞り込み検索のリンクをカレンダーページに貼れば、すぐにアクセスできるようになります。また、「予定&”/”&場所」でカレンダー上にタイトルと場所の表示が可能です。
4.情報の一覧作成や自動集計する
kintone は、スケジュール管理できる「データベース」として利用を考えるべきでしょう。つまり、kintone は入力データの日付やタスクなどの情報をデータとして処理し、カレンダー形式で表示しているものなのです。
この特性を生かせば、スケジュール管理で蓄積した情報から、稼働日数などを自動集計、必要な情報の一覧化など、データベースとしての強みを発揮します。また、カレンダーと他のアプリを連携させれば、データ集約によってさらに業務効率を高められます。
5.予定の変更権限を設定する
スケジュール管理では、予定編集の権限者設定が必要です。誰もが予定変更できる状態では、必要な情報が消えたり情報が上書きされたりするリスクがあるからです。
ただし、一部の社員が予定変更の権限者となった場合、予定変更のたびに権限者を通す手間が生じます。そのため、予定の内容変更は一部社員のみに設定し、予定の開始時間変更は社員全員が編集可能にするなど、業務に合わせた権限設定がおすすめです。
kintone でスケジュール管理を始めませんか
業務システムとして kintone を使用しているなら、スケジュール管理も kintone での一元化がおすすめです。kintone を使用すれば、案件管理や日報などのアプリと紐づけて、詳細なスケジュール管理ができます。
また、スケジュール管理で蓄積したデータを自動集計し、分析に生かせるのも kintone の強みです。まずは kintone の標準機能でスケジュール管理をし、必要に応じてプラグインを活用しましょう。
※本記事の内容は2022年5月時点のものです。kintone の仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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