ビジネスパーソンにとってタスク管理は欠かせません。しかし、Excel を使った方法やタスク管理アプリの活用だけでは個々人での進捗管理となり、管理者が各タスクの担当者や進捗状況を把握しづらいという側面もあります。
kintone のサンプルアプリ「To Do」「プロジェクト管理」を使えば、各メンバーのタスクと、案件やプロジェクトを紐づけられるため、全体の進捗状況やプロジェクト管理の効率が向上します。
また、有料のプラグインを使うことで、カンバン方式やガントチャート方式でのタスク管理も可能です。
本記事では、kintone で可能なタスク管理方法の種類やメリット、おすすめのプラグインなどを紹介します。
kintone でタスク管理するメリット
1.タスクと、案件やプロジェクトを紐づけられる
メンバー各個人の予定、作業内容などはカレンダーなどの予定を見れば確認することができますが、「誰に、どんなタスクがあり、その進捗状況はどうか」など全体的な管理と確認は、一般的なタスク管理ではなかなか難しいものです。
これを解消できるのが、kintone で行うタスク管理です。案件やプロジェクトごとのタスク管理が kintone 上で一元化できるのです。つまり、web上で各タスクの担当とスケジュールが見える化されるため、全体の進捗情報を一目で把握可能になります。複数メンバーや部署、協力企業が関わるプロジェクトのタスク管理に、kintone はとても有用といえます。また納期一週間前や、納期が過ぎた場合などにアラートを出すことで、タスクの抜け漏れを防ぐことができることも特徴です。
2.リアルタイムでコミュニケーションがとれる
kintone は、タスク管理ツールの機能だけではなく、業務支援ツールとして様々な機能を持っいます。そのためチャットツールとして、kintone 内でリアルタイムにコミュニケーションをとることが可能です。「チャットは別のツールを使っていて、やり取りが漏れていた」といった心配がないため円滑な進捗管理が実現できます。
3.タスクの優先順位が判別しやすい
ひとつのアプリにすべての案件を登録するため、全体を把握できることと同時に、進捗やタスクの種類を重要度によって色分けすることができるため、メンバー各自がやるべき業務が瞬時に判別できます。これにより適切な仕事の振り分けができるようになるため、より効率的なタスク管理が行えます。
kintone の評判や特長における詳しい説明は以下で解説しております。
▼kintone の評判や口コミは? メリットや特徴を類似製品と比較
kintone のタスク管理の主な機能
kintone のタスク管理ではどんなことができるのか、主な機能を紹介します。
- リマインド通知機能
日付や時間を条件にしたリマインド通知が可能です。タスクの抜け漏れや顧客フォローなどの防止に役立ちます。
- レポート機能
データを集計して自動でグラフ化。日々の活動がビジュアル化されるため、タスクの進捗状況や担当者ごとのタスク数など、一目で現状の把握ができます。
- プロセス管理機能
案件やタスクのステータスを管理。各メンバーの進捗状況が一目でわかり、またどの作業にどの程度時間がかかっているか、という工数管理も行えるようになります。
- メンション機能
特定の相手へメッセージ送信。個人はもちろん、組織単位でのメンションも可能。タスクについての連絡・相談を集約できるので、あとからの経緯の確認や、引き継ぎもスムーズに行えます。
- コミュニケーション機能
チームに必要な情報やファイルを集約する場。公開範囲は柔軟に設定できるため、セキュリティ面でも安心です。
- マルチデバイス機能
パソコンやスマホ、タブレットなどで使用可能。外出先でも、タスク管理、進捗の共有、スケジュールの更新などが行えます。
このように kintone には業務効率化の実現、生産性を高める機能が豊富にそろっています。特に、業務プロセスに沿った進捗管理ができる「プロセス管理」や個人と組織単位でメッセージ送信できる「メンション」はタスク管理で重宝します。
kintone のタスク管理の主な使い方
実際の現場でどのように活用できるのか、kintone のタスク管理の主な使い方を解説します。
社外のタスク管理
kintone は社外メンバーと進めるプロジェクトのタスク管理にも非常に適しています。その理由は2つあります。
- 外部メンバーに負担をかけずタスク管理できる
専用システムを開発することなく、外部メンバーもアプリやブラウザ上でタスク管理・工程管理を行えます。
- ゲストスペース機能で外部メンバーと情報共有できる
ゲストスペース機能を活用すれば、プロジェクトに関わる外部メンバーのタスク管理のほか、必要な情報共有を円滑に行えます。公開範囲は詳細に設定できるため、外部メンバーとのやり取りに最適な場です。
これらの理由から環境設定に時間や工数をかけることなく、またタスク管理とリアルタイムでのコミュニケーションを両立できるツールでもある kintone が社外メンバーとのタスク管理におすすめであるといえます。
プロジェクトの見える化
kintone でタスク管理を行う際には、標準機能と合わせてサンプルアプリを活用するのもおすすめです。サンプルアプリとは、無料で利用できるアプリのひな型で、業務ごとに適したものが用意されており、kitone をベースに業務をより効率化できます。
サンプルアプリ「プロジェクト管理」は、プロジェクトの内容や対応状況を管理・支援します。これを活用すれば、タスクはもちろん、議事録や予算などの一元管理ができます。各プロジェクトの状況をリアルタイムで更新・把握できるため、効率よくプロジェクトを進められます。お互いに優先すべき業務があるとわかれば、適切な仕事の振り分けができるようになるでしょう。プロジェクト管理アプリによるタスク管理は、数多くのプロジェクトを並行して進める企業にとって有効な手段のひとつになるでしょう。
そのほか、kintone では外部から提供されている様々なプラグインを導入して、ますます便利にタスク管理を行えます(プラグインの導入は、kintone のライセンスプラン「スタンダードコース」のみ可能)。
次はおすすめのプラグインをいくつか紹介します。ぜひ参考になさってください。
kintone でカンバン方式でタスク管理
「KANBAN」とは、有料のタスク管理プラグインです。
カンバン方式とは、ホワイトボード上に、ひとつひとつのタスク名を記したカードを置いて管理するイメージです。ホワイトボードを区切って「作業中」「確認中」「完了」などのステータスのエリアを作り、カードを置いてタスク管理する方法です。ステータスが変われば、カードを移動させます。
KANBAN を利用すれば、kintone のレコードをカンバン方式で表示できます。また、ドラッグ&ドロップ操作でタスク作成と移動ができるため、タスク管理が容易になります。チェックボタンでカードに表示する情報の絞り込みをすれば、必要なタスクだけを把握できます。また同じようなカンバン方式のプラグインとして、「KAIZEN KANBAN」というものもあります。こちらはリピート機能により、毎日や毎週、毎月といった繰り返し発生するタスクをその都度登録せずに済むのが特徴です。
カンバン方式のメリットは、プロジェクトメンバーの作業状況が把握できるため、遅れている原因や今後のタスクのシェアなどを円滑に行える点です。紙や実際のホワイトボートで行っているタスク管理、ステータス別で進めている案件のタスク管理なども、KANBAN や KAIZEN KANBAN を活用することで、プロジェクトの進捗をスムーズに把握できます。
【料金】
KANBAN 月額:10,000円・年額98,000円 / ドメイン
KAIZEN KANBAN 月額:5,000円・年額60,000円 / ドメイン
kintone でガントチャート方式でタスク管理
ガントチャートとは、各タスク内容やタスクの担当者、タスクの開始から終了期間などを可視化したチャートのことです。
JavaScript を使用すればタスクのガントチャート化はできますが、ITの専門知識を持ち合わせていないと難しいかもしれません。そこで「Koutei」や「GanttChart」などの有料プラグインを使えば、難しい操作は一切不要で、ガントチャート方式でのタスク管理ができるようになります。
ガントチャート方式でタスク管理をするメリットは、プロジェクト計画の妥当性を確認できることです。ガントチャートにタスクを振り分けることで、各メンバーが抱えるタスクやスケジュール管理、作業工程の順番などが可視化されます。そのため、適切にプロジェクト管理がされているか確認することができます。
複雑なプロジェクトのタスク管理、紙やホワイトボードでのタスク管理、外部メンバーを含むタスク管理に最適です。
【Koutei料金】
月額:10,000円・年額98,000円 / ドメイン
プラグインを使ったガントチャート方式のタスク管理を以下の記事で解説をしております。
▼kintone でガントチャートをプラグイン|設定方法と使用例
タスク管理で使えるおすすめのアプリ・プラグイン
kintone のタスク管理と組み合わせることで、さらに生産性を高められるアプリやプラグインを紹介します。
krewSheet
「krewSheet」は、誰でも簡単に高機能なデータ一覧を作成できるプラグインです。Excel ライクな操作性と画面のため、長年 Excel を使っていた方でも、スムーズに kintone へと移行できます。そのため、業務効率の改善と kintone の浸透化を同時に進められます。
2種類のレイアウトが用意されており、「Sheetモード」を使えばアプリのデータを一覧表示できます。一覧レイアウトを変更し、データ集計をしながらの入力に適したピポットテーブル表示にできる「Xrossモード」も便利です。
【料金】
年額:275,000円(100ユーザーまで)
月額:25,300円(100ユーザーまで)
初期費用:なし
備考:30日間の無料トライアルあり
krewData
「krewData」は、kintone の複数アプリ間のデータを自由に集計・加工できるプラグインです。krewData を追加すれば、タスク作成自体を自動化できます。タスク作成の自動化は、「スケジュール実行」で指定した日時にタスク作成するように設定するだけです。
例えば、毎月27日に「勤怠実績の提出」のタスクを自動作成するように設定できます。定期タスクが多い企業は、krewData を活用することで、タスク作成の省略およびタスクの抜け漏れを防げます。
【料金】
- スケジュール実行プラン
年額:132,000円(スケジュール数3個まで)
月額:13,200円(スケジュール数3個まで)
- リアルタイム実行プラン
年額:198,000円(実行フロー数3個まで)
月額:19,800円(実行フロー数3個まで)
初期費用:なし
備考:30日間の無料トライアルあり
kViewer
通常 kintone の情報を閲覧できるのは、登録ユーザーのみです。しかし、プラグイン「kViewer」を利用すれば、kintone のライセンスを保有していないユーザーへも kintone 内のデータを公開できるようになります。
IPアドレスでの閲覧制限設定や公開期間の設定、簡易認証の設定も可能なため、安心してデータを共有できます。また、kintone では作れない高度なグラフやダッシュボードの作成も可能です。
新たに kintone のアカウントは購入せずに、外部メンバーのタスク管理が必要な企業や高度なグラフ・ダッシュボードを作成したい企業におすすめです。
【料金】
月額:6,000円~/1ドメイン
kintone を使ってタスク管理を効率化しよう
kintone でタスク管理を行えば、各メンバーのタスクと案件やプロジェクトを紐づけられるため、全体の進捗状況の可視化やプロジェクト管理の効率化を進められます。そのため、部署内はもちろん、複数部署や外部企業を巻き込んだプロジェクトのタスク管理にもぴったりといえるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、kintone でタスク管理を実施し、効率よくプロジェクトを進めてください。
※本記事の内容は2022年5月時点のものです。kintone の仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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