プリントクリエイター(PrintCreator)でkintoneの帳票印刷をラクにしよう!

  • kintoneアプリ・プラグインについて知りたい方

サイボウズ社が提供するkintone(キントーン)は、あらゆるビジネスにおいて効率化を実現するプラットフォームです。
企業間のやりとりで頻繁に発生する見積りや請求関連の業務で、IT活用できます。

しかし、帳票出力の際に標準機能のままでは上手くできない部分があります。
今回は、その課題を解決するプラグイン「プリントクリエイター」について、機能や使用の注意点などを解説をいたします。

kintoneの印刷機能とその課題

kintoneは、紙やExcelなど社内に点在する様々なデータをクラウド上にデータベース化・一元管理化できる便利なツールです。標準機能でも十分に業務改善を行えますが、中には機能の制限があり、その1つとして挙げられるのが「帳票出力機能」です。

kintoneの標準機能では、レコード(アプリの各フィールドに入力した情報を1つにまとめたもの)を印刷することは可能です。しかし、これはレコードの詳細画面をそのまま印刷するようなイメージであり、取引先向けの見積書・請求書・注文書・納品書/受領書・契約書といった帳票形式の印刷には向いていません。

これを解消するためには、JavaScriptのカスタマイズを行えば、kintoneでも単票の帳票を作成することが可能になります。
JavaScriptのカスタマイズを行うには、JavaScriptを扱える技術者が必要です。さらに「複数レコードを一括で印刷したい」「1ページ目と2ページ目で配置を変えたい」などといったカスタマイズは難易度が高く複雑となります。社内にエンジニアがいない・作業工数をあまりかけられないといった場合には、少しハードルが高いかもしれません。

kintone の印刷機能とその課題

プリントクリエイターで帳票印刷

kintoneはプラグインを用いた拡張機能も併せて使うことで、ユーザーにとってより便利なツールへと変貌するのが特長です。
そこで、帳票出力機能を持つプラグインにより、体裁が整った帳票を印刷することが可能です。今回はその中でも代表的な「プリントクリエイター」についてご紹介します。

プリントクリエイターの特長①帳票作成

プリントクリエイターの一番の特長は、PDF出力に特化したサービスであることでしょう。帳票作成機能として、以下の代表的な機能を備えています。

  • PDFでの個別・一括出力
  • kintone一覧出力(※プレミアムコース以上)
  • 宛名ラベルの出力(※プレミアムコース以上)
  • レコードへの自動保存(※プレミアムコース以上)
  • アプリ連携機能(※プレミアムコース以上)

kintoneの画面上にある出力ボタンを押すだけで、kintoneのレコード情報を見積書や請求書の形に出力できます。また、kintoneのレコード一覧画面にて、絞り込んでいる条件に応じて複数のレコード情報を出力することも、一覧の情報をそのまま出力することも可能です。PDFでの一括出力機能は、プレミアムコース以上の契約が必要で、最大月に10,000枚出力可能です。
さらに、kintoneの添付ファイルフィールドにPDFファイルを直接保存できる機能があります。使用方法については、こちらをご覧ください。

プリントクリエイターのアプリ連携機能とは、kintoneの「関連レコード一覧」と似た機能で、設定した条件に一致したレコードを取得して出力できます。別アプリに登録している情報や、同一アプリ内の他のレコード情報を取得したい場合に便利です。詳しくはこちらをご覧ください。

プリントクリエイターの特長②見た目の設定

プリントクリエイターは、帳票の見た目を柔軟に設定できるメリットがあります。

  • 複数のレイアウトを登録可能
  • 用紙サイズの変更
  • テーブル行数の条件分岐(※プレミアムコース以上)
  • 帳票初期選択機能(※プレミアムコース以上)

プルダウンから出力したい帳票の形式を切り替えるだけで、1つのレコードから見積書や請求書を出力できます。また、出力用紙はA4からはがきなど既定のサイズもありますが、1mm単位で自由にサイズを設定可能です。

テーブル行数の条件分岐とは、kintoneアプリのレコードごとのテーブル(表)行数によって、出力する帳票を自動選択して出力する機能です。1ページで収まらないテーブル行数があるレコードでは、あらかじめ設定した2ページ目以降の帳票を自動出力します。
kintoneアプリでテーブル機能を使用している際に活用できます。

帳票初期選択機能とは、フィールド値によって出力ボタン横のプルダウンに表示する帳票の初期値を設定する機能です。レコード詳細画面のみ対応しており、レコード一覧画面での出力ボタン横のプルダウンの初期値は設定できません。
フィールド値によって自動的にプルダウンの項目が反映される便利機能です。

プリントクリエイターの特長③他サービスとの連携

プリントクリエイターは、他のクラウドサービスとの連携が可能なため、以下のような機能を備えています。

  • フォーム送信での自動出力
  • Webページ上での出力

例えば、同じトヨクモ社製品の「フォームブリッジ(FormBridge)」とプリントクリエイターを連携させれば、Webフォームから入力・送信した内容をPDFに反映させ、送信完了画面にて帳票としてダウンロードできるようになります。「Webフォームで入力した情報をそのまま活用し、帳票形式で出力する」という機能です。

また「kViewer」と連携すれば、kintoneアカウントがなくてもWeb上の情報をそのままPDF出力できます。例えば、「商品ページを公開し、このページをユーザーにカタログとしてダウンロードしてもらいたい」「入館手続きの際に入力してもらった情報を入館証として発行したい」という際に活用できます。

トヨクモ社のkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp認証」は、一度のログインで複数のページをまたいで利用でき、双方向での情報共有において必要となる複雑なシステムを簡単に構築します。「お客様自身に請求情報・発注内容を確認してほしい」「予約照会ページから申込者自身で変更・キャンセルをしてほしい」といったシステムをノーコードで構築可能です。
多方に情報共有を行っている際は、Toyokumo kintoneApp認証でkintoneの活用の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

プリントクリエイターの電子契約サービス

プリントクリエイターの新機能として「電子契約」をプリントクリエイター上で行えるようになりました。
電子契約は従来の紙ベースの契約書と異なり、すべての契約業務がオンライン上で完結し、作業工数が大幅に削減されます。また、紙の書類も不要となるため、印刷コストや保管の手間も削減できます。

プリントクリエイターの電子契約サービスのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 電子契約の締結に加え、契約業務を一気通貫で対応
  • kintoneと連携し、業務を効率化
  • 電子署名法に対応した安心・安全な電子契約

電子契約の締結に加え、契約業務を一気通貫で対応

取引先との電子契約締結に加え、見積書・請求書などの書類作成から送付まで、一貫してプリントクリエイターで行えます。
社内稟議が必要な場合も、kintoneのプロセス管理機能を使って申請・承認フローを構築可能なため、契約業務を完結できます。

さらに、他のToyokumo kintoneAppと連携すれば、さらなるDX化を実現。フォームブリッジやkMailerと連携し、契約業務をより効率化させます。

kintoneと連携し、業務を効率化

kintoneとプリントクリエイターを連携させると、ステータスの自動更新や契約データをkintoneアプリに自動で反映することが可能です。

例えば、取引先がメールの開封や書類の閲覧といった行動をとったら、kintoneアプリに設定した「進捗」フィールドにステータスを自動反映させます。リアルタイムでの進捗を確認できるでしょう。また、未締結の契約に対して、依頼先にリマインドメールを自動で送信できる機能もあるため、メール送信作業の手間をなくせます。

さらに、契約が締結したら、書類をkintoneアプリに添付ファイルとして自動で保存することも可能です。契約書類とは別に、契約締結の事実を記載する証明書も発行できます。

電子署名法に対応した安心・安全な電子契約

安心・安全に電子契約を交わすためのセキュリティ機能を備えています。

例えば、電子契約にタイムスタンプを付与することで、文書の完全性と真正性を明らかにします。合意締結証明書を発行でき、「いつ」「誰が」「どの契約書に」合意したのかという情報を明記します。
署名を行う際は、画面に遷移するリンクは「マジックリンク」という複雑なURLになっているため、第三者のアクセスを防ぎます。さらにログイン認証をかけることも可能です。

プリントクリエイターの料金体系

トヨクモ社が提供するプリントクリエイターは、マウスだけの直感的な操作で、kintone上に登録している宛名や金額などの情報から簡単に帳票作成できるプラグインです。面倒なデータの転記や入力作業も不要で、手間を減らします。

料金プランは以下の通り(税抜き)となりますが、30日間のお試し無料期間でプロフェッショナルコースを利用できます。

ライト

スタンダード

プレミアム

プロフェッショナル

月額

7,000円

12,000円

18,000円

30,000円

年額

84,000円

144,000円

216,000円

360,000円

kintoneのドメイン1つにつき、プリントクリエイターを1つ契約する必要があります。ユーザー数は特に関係ありません。
ライトコースでも個別出力は無制限のため、簡単な帳票の出力であればライトコースで十分といえますが、それ以外のコースは一括出力に対応していたり、テーブル取り込み機能が用意されていたりと、使用できる機能が異なります。

まずは無料でプロフェッショナルコースをお試しして、費用対効果を鑑み、自社に合ったコースを見極めることをおすすめします。
無料お試しのお申し込みはこちらから。

プリントクリエイターの注意点

プリントクリエイターはPDFへの出力に特化しているため、ExcelWordへの出力ができない点が大きな欠点といえるでしょう。そのため、帳票の出力後に手軽に修正が行えず、修正するにはkintoneのレコードを修正し、再度出力する必要があります。

PDFのみに対応している

プリントクリエイターは、ライト・スタンダード・プレミアム・プロフェッショナルの4つのコースで、使用できる機能の数が大きく異なります。導入の際は、自社にとってどの機能が必要なのかをしっかりと洗い出した上でコースを選定しましょう。

また、プリントクリエイターは外部連携サービスのため、別途ログインが必要です。この点を手間だと感じる方もいるかもしれません。
しかし、このようなデメリット以上に「今まで使っていた帳票と同じデザインを活用できる」という点は大きな魅力といえるため、帳票出力にお悩みであればおすすめのプラグインであるといえます。

帳票プラグイン導入時のポイント

kintoneの帳票プラグインはプリントクリエイター以外にも複数存在します。ここでは帳票プラグインを選ぶ際の基準として、押さえておくべき点をいくつか紹介します。

  • スタンダードコース以上の契約が必要
  • 一括印刷機能はあるか
  • 電子印鑑として画像ファイルを読み込めるか

次項より、詳細を解説します。

スタンダードコース以上の契約が必要

まず、大前提としてプラグインを使用する際には、kintoneの「スタンダードコース」以上の契約が必要です。現在契約しているプランがライトコースの場合は、プランアップを検討しましょう。

kintoneのプランについて、下記記事にて詳細を解説しています。
▼kintoneプランの選び方は? 機能・月額料金を比較、解説!

一括印刷機能はあるか

効率よく業務を行うためには、一括印刷の機能は欠かせません。取引相手や帳票の数が多くなるほど、一括印刷機能はぜひ取り入れたい機能のひとつです。

「月次の請求書発行業務が大変で負担を減らしたい」といった課題があるのであれば、一括印刷機能を備えているプラグインの活用がおすすめです。

電子印鑑として画像ファイルを読み込めるか

kintone上で電子印鑑の押印を取り入れたい場合、帳票プラグインに画像ファイルの読み込み機能がなければなりません。押印が必要な帳票はいまだ多いため、画像を読み込める帳票プラグインを選ぶとkintone上で押印処理が可能になります。
紙に出力した後にわざわざ押印するという手間が省け、リモートワークや外出先でも対応できるため、効率化につながるでしょう。

このように帳票プラグインを導入する際は、実際の業務を一度整理した上で、現状に一番即した製品を選ぶことがポイントといえます。

その他帳票出力プラグインを選ぶ上でのポイントや、プリントクリエイター以外の製品については、以下の記事でも紹介しておりますので、こちらも併せてご確認ください。
▼kintoneで帳票出力! 便利なプラグインの紹介と機能比較

必要な機能を見極めてプラグイン導入を実施

kintoneプラグインで帳票印刷を簡略

代表的な帳票プラグインであるプリントクリエイターは、書類作成業務や電子契約を効率化させる機能を豊富に備えています。
各プランで機能が異なりますが、30日間はプレミアムコースを利用できるため、もし今まで使っていた帳票をそのまま流用したいという要望があれば、まずは試してみるのをおすすめします。

また、請求書の作成方法について下記記事で解説しています。こちらも併せてご参考にしてください。
▼kintoneで請求書作成から管理ができる? 活用ポイントを紹介

プラグインをうまく活用し、帳票出力の効率化を目指しましょう。

※本記事の内容は2025年7月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。

開発支援承ります

テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。

kintone開発支援サービス
kintoneプラグイン

kintoneの

開発/導入支援を行う
テクバンとは?

サービス導入後に発生するシステム運用やサポートなど、
専門企業ならではの高いスキルで安定運用を行います。
またお客様内に運用が定着化するまでご支援するサービスも
行っております。

  • ヒアリング

    ヒアリング・

    コンサルティング

    お客様の状況、問題点を詳細にヒアリングを行います。本来の課題を明確にし、解決へ向けて必要なシステムやサービス案をご提案するコンサルティングを実施いたします。

  • エンジニア

    システム開発・
    導入・インフラ整備

    要件定義のもと、1,000人ほどのエンジニアからお客様に合った最適な人員をアサインいたします。開発からアプリ導入、インフラ整備や品質保証など実施いたします。

  • サポート

    システム運用・
    サポート

    サービス導⼊後に発⽣するシステム運⽤やサポートなど、専⾨企業ならではの⾼いスキルで安定運⽤を⾏い、お客様内に運⽤が定着化するまでご⽀援いたします。

保有資格

  • Adobe Partner Connection リセラープログラムレジスタード

  • Microsoft Goldコンピテンシーパートナー

  • AWS APNセレクトコンサルティングパートナー

  • VMware Partner Connect Principal

  • Cisco認定プレミアパートナー

  • セールスフォース・ドットコム コンサルティングパートナー

kintoneの開発/導入・伴走支援は
テクバンにお任せを。

kintoneの開発・運用でのお困りごとや、
kintoneについて詳しく知りたい場合は、
こちらからお気軽にお問い合わせください。

kintone紹介・サービス動画
資料をダウンロード