kintone(キントーン)はノンプログラミングで開発できるプラットフォームです。
ドラッグ&ドロップで直感的・視覚的に行うローコード・ノーコード開発から、JavaScriptを使用したカスタマイズ開発や、自社独自のアプリ開発など柔軟に対応できます。
kintoneをすでに導入している方や、これから導入をお考えの方が抱えている「kintoneの開発は自社でできるのか?」の疑問に、本記事で解決策をご紹介します。
kintone開発を自社で行うメリット・デメリット、また開発を行う際のポイントなど、ぜひお役立てください。
kintoneでできること、ライセンス・料金体系など、kintoneの基本を知りたい方は、こちらの記事をご参考にしてください。
▼kintoneでできること・できないことは何? 導入メリット・デメリットも解説
▼kintoneライセンス別の料金や特徴一覧
kintone開発を自社で行うメリット
kintone開発を自社で行うメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 自社の社員が開発者として行うため、コストがかからない
- 社内で開発のノウハウが蓄積される
- 業務に対する理解が深いため、業務に適切な開発ができる
kintoneでの開発といえば、アプリ開発や外部システム連携などが挙げられます。開発規模にもよりますが、一般的にシステム開発の外注は高額となり、気軽に外注できない組織もあるのではないでしょうか。
社内にシステム開発が行える環境があれば、そのような大きな費用をかける必要もなく、他の必要費に回すことができます。
また、自社開発の場合、kintone開発に関するノウハウが蓄積されます。これは組織にとって非常に価値のあることです。
ノウハウがしっかりと社内に蓄積されれば、今後もさらなる業務改善を目指したkintone開発を続けられ、加えて知識・経験を他のメンバーへ共有・教育にもつなげられるでしょう。
自社開発にて蓄積されたノウハウは、マニュアルや社内ガイドなど形に残るものとして作成しておくことをおすすめします。
kintoneのアプリ開発について、関連記事をご用意しております。
▼kintoneのアプリ開発|方法や外注のメリット、ポイントも紹介!
また、自社開発であれば外部の人間が介入しないため、スムーズに進められるメリットがあります。
当然のことながら、現場の課題を深く理解しているのは現場の人間、自社の社員です。どのような業務改善を行えば課題解決に導けるかイメージしやすいのではないでしょうか。
これを外部に正確に伝えようとしても一度では上手く伝えられず、理解してもらうために詳細な資料をまとめたり、現場に実際に来てもらったりといった手間が必要です。
そういった情報伝達・認識合わせは、社内のメンバー同士であれば比較的容易であるため、業務改善を行うためにどんなkintone開発が必要なのか、適切な答えを導き出せるでしょう。
kintone開発を自社で行うデメリット
一方で、kintone自社開発のデメリットとして、下記3つの点が挙げられます。
- 開発作業に慣れるまでに時間がかかる
- 高度な開発には専門知識が必要
- コア業務との兼務
すでに社内にプログラミング知識を有した開発者がいれば問題ありませんが、開発経験が乏しい人だと開発作業に慣れるまでに時間がかかることは避けられません。
専門用語やプログラミング言語を逐一調べたり、kintone公式サイトの開発操作手順を参考にしながら作業したりだと、通常の開発作業に比べて時間がかかってしまいます。
もちろん、作業を続ければ慣れていくため、いずれは解決される点ではありますが、初めて開発作業を行う人・プログラミングに苦手意識がある人などは、時間がかかるということを念頭に置いておきましょう。
また、複雑な工程をたどるシステムの構築や、ユーザーが選択する条件によって動作が変わるといった高度な開発には、それなりの専門知識を要します。例えば、kintoneの複数のアプリ同士を連携させたデータの一元管理化や、kintoneと外部システムの連携によるワークフローの構築など、JavaScriptのカスタマイズ開発が必要となり、難易度も上がります。
自社で高度な開発を行うことになりそうだと予測できたら、対応するメンバーの選定も重要となります。
どれほど高度で難しいものなのかをしっかり理解した上で、自社で本当に開発するのか、少し開発クオリティのレベルを落とすのか、外部に依頼するのか、など決定しましょう。
メンバーを選定し、コア業務と兼務してkintone開発を行うことになったら、コア業務への支障を考慮しなくてはなりません。コア業務の実施時間を落とすと、組織として生産性の低下や利益損失につながることは想像に難くないでしょう。
さらに、開発作業も中途半端になってしまうという恐れもあります。
そして兼務となれば、任せられた社員の心理的負担も気にかけましょう。できる人につい仕事を任せてしまいがちですが、負担に感じていないか、残業が多くなっていないかなど気遣い、時にはサポートするような姿勢が必要だといえます。
kintone開発を自社で行うときのポイント
kintoneの開発を自社で行う際のポイントや注意点を解説します。事前に準備するものもありますので、ぜひご参考にしてください。
既存データの見直し
これまで社内で使用してきた紙の書類やExcelを、kintoneに移行する際、そのままの形にしないことをおすすめします。
kintoneには、テーブル(表)、関連コードといった単一のもので表現されるデータ構造以上に便利でわかりやすい機能があります。
これらの機能を活用せず、既存データを基にkintoneの開発を進めていくと、将来的にアプリの拡張やプラグインのカスタマイズ開発の際に障害となってしまう可能性が高まります。
まずはkintoneの機能を十分に理解した上で、kintoneへ移行する Excelといったデータの構造を見直しましょう。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneのExcel連携方法は? 事例や拡張機能をご紹介
▼kintoneのテーブル(表)とは? 機能のメリット・デメリットや活用方法を紹介
▼kintone「関連レコード一覧」の便利な使い道は? 設定方法も解説
プラグインに頼りすぎない
拡張機能「プラグイン」は、各開発会社から提供されており、中には無償で利用できるプラグインもあります。
しかし、やみくもにプラグインを入れすぎると、プラグイン同士の競合が起きてしまい、kintoneの動作が遅くなったり、まったく動かなくなってしまったりなどの障害が発生する恐れがあります。
様々な開発会社がプラグインをリリースしていますが、機能的に重複したものも多く存在しています。自社にとって最適なプラグインの選定が必要です。
便利だからとあれこれプラグインに頼りすぎると、思わぬ問題につながりかねません。プラグインを導入する際は注意しましょう。
kintoneプラグインについて下記記事にて解説しています。ぜひ、ご参考にしてください。
▼【2024年】無料版kintoneプラグインのおすすめをご紹介!
▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
社内のたくさんの人の意見を聞く
組織によっては、開発作業を1人で行っている組織も多いようです。
作業自体は1人になるかもしれませんが、作業の途中で悩んだり、どのような開発を行えば業務改善につながるのか迷ったりしたら、社内の誰かに相談するようにしましょう。
会話の中で問題解決につながるヒントやアイデアが見つかるかもしれません。担当者は、積極的に社内のメンバーとコミュニケーションを図ることで、よりよいkintoneの開発へと進められるはずです。
それでも社内で解決できない場合は、サイボウズ社が公開している「cybozu developer network」を利用するのも有効でしょう。
ディベロッパー同士が課題を解決し合えるオープンなコミュニティで、プログラムやシステム開発についてディベロッパーに質問することができます。
kintone開発を外注すべきケース
ここまで自社でkintone開発を行うことを前提に紹介してきましたが、時にはプロの手を借りることも必要です。しかし、自社or外注の判断は存外難しいものです。
kintoneにはサイボウズ社認定のバートナー制度があり、パートナー企業はシステム導入・構築やアプリ開発、運用支援など幅広くサポートサービスを提供しています。
どのような状況になったらパートナー企業に外注すべきか、次項にて解説していきます。
実装までに時間がない
kintoneへシステム実装までに時間が十分に確保できない場合は、外注をおすすめします。
仮に開発まで終わったとしても、その後のテスト検証や不具合解消まで行う必要があり、そこまで考慮したスケジュールの確保が不可欠です。
社内で時間を割けられず早急な実装を希望する場合は、パートナー企業に依頼する方がメリットは大きいでしょう。
早急な対応となると、若干上乗せ料金の見積もりとなる可能性がありますが、パートナー企業が対応する以上、成果物は確実で適切なものが期待できるため、システム実装まで安心して任せられるといえます。
実装・公開希望日から逆算して、社内で開発するか、外注にするか決めるのもひとつの手です。
JavaScriptなどプログラミングの知識が必要な開発
JavaScriptに精通しているメンバーであれば問題ありませんが、複雑なコードや条件分けなど、プログラミングの一定の知識・経験が必要となります。
コードはWeb上にいくつも公開されていますが、読み解くことができない非エンジニア者がプログラミングをしようとすると、難しいと感じるのではないでしょうか。
初歩的なJavaScriptのカスタマイズであれば、マニュアルなどを見ながら対応できますが、難易度が上がるものは有識者にお任せした方が有効です。
下記記事にて、入門的なJavaScript活用を紹介しています。こちらもぜひ、ご参考にしてください。
▼kintoneでJavaScriptを活用し、さらなる業務改善へ!
外部システムとの連携
kintoneは、外部システムとの連携を比較的容易に行えるサービスではありますが、簡単なものを除いて外部システムとの連携を行いたい場合は、パートナー企業に相談することをおすすめします。
SaaS(Software as a Service)同士の連携であれば、各サービスの仕様をよく理解した上で、kintoneとの連携が必要となります。それぞれの仕様をよく理解できないと不具合や障害発生につながりかねません。プロにお任せするのが確実でしょう。
また、顧客情報や機密情報などを蓄積しているデータベースとkintoneを連携させたい場合、セキュリティ面での考慮が重要です。
セキュリティ対策は大前提として、外部システムの連携を実現した実績があるパートナー企業に任せれば、セキュリティ面も安全なシステム連携を行えます。
kintoneのセキュリティについて、下記記事にて解説しています。
▼kintoneのセキュリティは安心? 製品の各種機能と設定を解説
kintone開発の事例を参考に
kintone開発について、自社で行うか、外部に依頼するかを解説してきました。
kintone開発を検討している方や、開発を行うことが決定したという方は、パートナー企業が紹介している事例や実績を参考にしてみるのはいかがでしょうか。業務改善へのシステム開発が、自社でできるかどうか判断材料となるでしょう。
テクバンでは、kintone開発支援を行っており、システム開発だけでなくコンサルティングや運用・サポートを行っております。
「業務改善のために開発が必要なのはわかっているけれど、何から行えばよいかわからない」「社内で対応しきれない部分だけ対応してほしい」などお客様のご要望に柔軟に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。
※本記事の内容は2023年1月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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