業務改善ビジネスプラットフォームとして多くの組織で導入されている「kintone(キントーン)」は、開発・カスタマイズを行うことでさらに便利なツールになります。
非エンジニアでも簡単操作でアプリを作成できる手軽さが魅力のひとつですが、高度なアプリ・システム開発となると、プロに頼らなくてはならないケースもあるでしょう。
本記事では、kintoneサポート会社の活用法について紹介します。
kintone開発について、関連記事をご用意しております。
▼kintoneの開発でさらに便利に! メリット・デメリットや注意点を解説
kintoneが多くの組織に活用されている理由
サイボウズ株式会社が提供するkintoneは、導入企業数30,000社を突破し、大企業から中小企業、官公庁まで幅広く利用されています。さまざまな組織で活用されている理由として、以下のような点が挙げられます。
- 迅速なアプリ作成
- 効率的なワークフロー管理
- クラウド型のセキュリティ機能
迅速なアプリ作成
kintoneは、プログラミング知識がなくてもアプリを作成できるローコード・ノーコードツールです。ドラッグ&ドロップで直感的にアプリ(業務システム)を一から作成できる他、無料で提供されている「サンプルアプリ」というアプリのひな型を利用してそのまま使ったり、自社業務に合うようにカスタマイズしたりすることも可能です。
kintoneのアプリを使用すれば開発工数をかけずに業務へと反映できるため、ビジネススピードに後れをとることなく、スピーディーに効率化を目指せます。
作成したアプリは「データベース」として活用し、業務に必要な情報を登録します。例えば、顧客管理や案件管理、営業活動の管理・分析などの業務に活用できます。
現在、問題を抱えていたり非効率となってしまっていたりする社内業務があれば、kintoneでアプリ化することで課題解決へと導き、生産性の向上を実現するでしょう。
kintoneアプリについて、下記記事にて詳細を解説しています。
▼kintoneのアプリとは? 作成方法やサンプルを解説
効率的なワークフロー管理
複数人で行うワークフロー業務を「プロセス管理機能」を使ってkintone上で管理・完結できます。
未だ従来の紙やExcel・メールを用いたアナログな申請・承認業務を行っている組織も多いのではないでしょうか。そこで、申請・承認業務をkintoneでデジタル化すれば、進捗状況がkintone上で可視化されスムーズに把握できたり、kintoneにアクセスできる環境があればどこからでも確認・承認を行えたりといったメリットを得られます。
「誰で申請フローが止まっているのかわからない」「会社に出社しないと申請・承認を行えない」などの従来の申請・承認業務の煩わしさをkintoneで解消できるのです。
また、すべてのワークフローをkintoneで一元管理化することにより、業務の効率化が目指せます。プロジェクトやタスクの状況把握にもつながるため、kintoneでのワークフロー管理は全社的に取り入れたい機能のひとつです。
kintoneのワークフロー管理について、下記記事にて詳細を解説していますので、併せてご覧ください。
▼効率的なワークフロー管理を実現! kintoneで申請業務をスピードアップ
複数のワークフローシステムをkintoneに集約することで、業務の改善を実現した事例があります。ぜひ下記の資料をダウンロードして、ご参考にしてください。
【事例】複数のシステム・ワークフローをkintoneへ一本化。紙での業務もすべてkintoneで業務アプリへと変換
クラウド型のセキュリティ機能
kintoneをはじめとするサイボウズ社のサービスは、クラウド基盤の堅牢なセキュリティ機能によって安全な環境を提供しています。
例えば、想定外の接続をシャットアウトする「IPアドレス制限」や接続できる端末を制限する「セキュアアクセス」、認証アプリによる「2要素認証」機能などを利用可能です。
また、第三者機関によるセキュリティ監査を毎年実施しており、高いセキュリティ評価を得ています。kintoneやGaroonなどのサイボウズ社のグループウェアは、ユーザーが安心して利用できる環境や情報資産を守るための体制が整っているといえます。
kintoneのセキュリティについて、関連記事をご用意しております。
▼kintoneのセキュリティは安心? 製品の各種機能と設定を解説

kintone開発により実現できること
kintoneは標準機能でも十分に業務改善を目指せるソリューションですが、開発を行うことでさらに便利なツールへと生まれ変わります。
kintoneの開発により、以下のことが実現できます。
- 独自のアプリやワークフローの構築
- 外部クラウドサービスとの連携
- プラグインのカスタマイズ
前章にて紹介したアプリやワークフローは、JavaScriptコードのカスタマイズにより自社独自の仕様に作り替えることが可能です。標準機能では物足りない、自社の業務環境に合わせた仕様に変更したいという際には、JavaScriptのカスタマイズを行い、kintoneを開発します。
また、kintoneは外部クラウドサービスとの連携も柔軟に行えるツールです。外部クラウドサービスと連携することで、情報の一元管理化を実現したり、それぞれの強みを生かして役割を分けたりという使い方ができます。
これらを連携する仕組みを構築すれば、ビジネスの成長や社会変化への対応力の向上も可能となるのです。
また、インストールするだけでkintoneを機能拡張できる「プラグイン」が多くのベンダー会社から販売されています。プラグインとは、複数のJavaScriptやCSSファイルを1つのパック、あるいはサービスとして適用できる追加プログラムのことをいいます。アプリに適用するだけで機能を拡張できますが、このJavaScriptとCSSを編集すれば、プラグインの機能・仕様自体をカスタマイズすることも可能です。
有償プラグインは基本的に高性能・多機能なものが多いですが、自社独自の仕様に変更したい場合はプラグインにパッケージングされているJavaScriptやCSSファイルのカスタマイズを行いましょう。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneのアプリ開発|方法や外注のメリット、ポイントも紹介!
▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
▼kintoneとデータを連携! その種類と方法を解説
開発・カスタマイズをするには「スタンダードコース」以上の契約が必要
kintoneには、ライト/スタンダード/ワイドコースの3つのプランが用意されており、JavaScriptを用いた開発・カスタマイズやプラグインの導入には、「スタンダードコース」以上の契約が必要となります。
ライトコースをご契約中の方は、開発・カスタマイズやプラグインの導入を行えないため、注意が必要です。ワイドコースは、エンタープライズ企業を対象としたコースであり、大規模利用に特化しています。
各プランの料金体系や特徴については、下記記事にて詳細をまとめています。
▼kintoneを使うには? ライセンス別の料金や特徴一覧
開発をサポート会社に依頼すべきケース
上記で紹介したkintone開発では、中には高度なプログラミングを伴うため、サポート会社(Web・ITシステム開発会社)への依頼が必要なケースもあります。
以下3点のうち、該当するものがあればサポート会社に依頼することを検討してみましょう。
- JavaScriptのカスタマイズが必要で、エンジニアが社内にいない場合
- 外部クラウドサービスとの連携を行う場合
- システム実装を急いでいる場合
次項より、詳細を解説します。
JavaScriptのカスタマイズが必要で、エンジニアが社内にいない場合
JavaScriptは一般的なプログラミング言語ですが、コードの内容を理解するには専門知識を要します。社内にJavaScriptを扱えるエンジニアがいない場合は、サポート会社への依頼をおすすめします。
JavaScriptコードはネット上で多く公開されていますが、そのままコピー&ペーストで使うのは危険が伴います。JavaScript同士が競合を起こしてバグが発生したり、kintoneのバージョンアップによってJavaScriptが動作しなくなったりするためです。高度なシステムになるほどJavaScriptコードも複雑となるため、コードを理解できない場合はプロに任せた方が安心でしょう。
kintoneのJavaScriptカスタマイズについて、下記記事をご参考にしてください。
▼kintoneでJavaScriptを活用し、さらなる業務改善へ!
外部クラウドサービスとの連携を行う場合
外部クラウドサービスとの連携には「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」を利用します。APIは、アプリケーション同士を連携する接点となるものです。
kintone APIには「kintone JavaScript API」と「kintone REST API」の2種類がありますが、外部クラウドサービスとの連携にはkintone REST APIを使います。便利な機能が豊富になる一方、JavaScriptの高度な知識が必要となり初心者には難しいでしょう。
また、JavaScriptの知識に加え、それぞれのシステムの仕様をしっかりと把握した上で連携を行わなければなりません。クラウドサービスの中には相性が悪く、連携できないケースもあるため、サービスのシステムそのものの理解も必須です。
kintoneのサポート会社は、クラウドサービスの連携について実績やノウハウがあるため、一度相談してみるとよいでしょう。
システム実装を急いでいる場合
システム実装まで時間がない場合は、サポート会社に任せることをおすすめします。早急な対応として通常料金より割高になるかもしれませんが、急いでいる時こそプロに任せるのが安心です。
システム開発は、プログラムを構築して完成ではありません。その後に、動作検証を繰り返したり、その中で発生した不具合を解消したりしてからシステムを実装します。開発スケジュールはその工程も考慮しなければならないのです。
システム開発の実績が豊富にあるサポート会社であれば、短期間でのプログラム構築にも経験があるはずです。社内で時間をかけられず早急にシステムを実装したい場合は、サポート会社に依頼しましょう。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneでアプリ開発するには? 費用や開発方法について解説

kintoneサポート会社の特長・メリット
ここでは、kintoneサポート会社の一般的な特長を紹介します。ここで紹介していない内容でも対応してくれるケースもありますので、ぜひお気軽にサポート会社に問い合わせてみてください。
システムの全体設計から個別開発まで対応
サポート会社はシステムの開発に長けているため、全体設計・要件定義から個別開発まで幅広く対応可能です。
kintoneに独自の新システムや他のクラウドサービスと連携させたシステムを構築する場合には、精密な全体設計と要件定義が必要となります。kintoneのシステム仕様や連携させるクラウドサービスの仕様、またシステム連携の影響範囲などをしっかりと理解した上で、全体設計を行わないといけないためです。
kintoneの開発・カスタマイズの実績が豊富なサポート会社は、どんな開発要望でも対応できる知見・ノウハウを備えています。まずはヒアリングから始め、お客様の要望を汲み取り、最適な改善施策やシステム開発を提案します。
「kintoneで本当に業務改善ができるのか」「kintoneでどんな導入効果を得られるのかわからない」とお悩みの方は、一度サポート会社と話してみるとよいでしょう。
伴走サービスを提供
伴走サービスとは、kintoneの開発やアプリ作成などをはじめ、将来的にお客様の「内製化」を目指したサポートを行うことをいいます。
kintoneに熟知した業務改善のプロである伴走パートナーが、お客様の抱えている課題に合わせて最適な解決方法を定期的に提案したり、導入後も継続的にサポートを行うだけでなくお客様自身でできるようレクチャーしたりと、自走を目指す組織には安心なサービスです。
要件の整理からシステム実装までお客様と一緒に進めるため、担当者自身にIT活用の知見が身につき、また会社としてもノウハウを蓄積できる点が魅力です。担当者の属人化を防ぐためにも効果的でしょう。
kintoneの伴走パートナーについては、こちらから詳細をご確認ください。
研修・レクチャーの実施
kintoneの操作方法やアプリの使い方などについて、研修・レクチャーを実施してくれます。kintoneを導入したら、従業員に浸透させることが大切です。そのためにも研修・レクチャーの時間は必ず設け、従業員への教育を行うことをおすすめします。
kintone運用中に改めて研修を行ってほしいという場合は、伴走サービスの範囲内で対応してくれるサポート会社もあるはずです。会社によってサービス内容が変わるため、運用中のサポートについて事前に問い合わせてみるとよいでしょう。
サポート会社はどうやって探す?
kintoneの導入・開発支援を行っているパートナーは多く存在するため、どの会社を選定すればいいのかお悩みの方も多いようです。
ひとつの判断基準として、サイボウズ社が高く評価したパートナーに星を付与する「CyPN Report」制度を参考にするとよいでしょう。
4つの評価部門から複数の評価軸でパートナーの活動を評価しています。パートナーによって得意分野があるため、その評価されている部門からどの会社に依頼するか選んでみてはいかがでしょうか。また、パートナーの実績や事例などをホームページから必ず確認しましょう。実績や事例が豊富な会社ほど、自社の要望に柔軟に対応し、さらなる改善提案を示してくれることもあります。
伴走サービスの利用が増えている理由
近年、kintoneを利用している組織の中で、伴走サービスを取り入れる組織が増えてきています。開発やアプリ作成が発生する度にサポート会社に依頼するのもよいですが、外注となるとそれなりのコストが必要であり、予算の確保から社内の承認を得るまで何かと大変です。
そこで、サポート会社に依頼せずとも自社でそれらを内製化できれば、コストカットに加えkintoneへの知識や開発技術、ノウハウが蓄積されます。組織にとってそれらは大きな財産になるといえるでしょう。
kintoneを導入して業務改善を図ると共に、内製化できる環境の構築に多くの組織が取り組んでおり、伴走サービスの需要はますます高まっています。kintoneは開発・カスタマイズすることでさらに効果を発揮するツールのため、自社でそのスキルを身につけることはとても大きな好影響をもたらすでしょう。

テクバンの伴走支援サービスについて
テクバンもkintoneオフィシャルパートナーであり、CyPN Reportのセールス・インテグレーション部門にて二つ星を獲得しています。
kintoneの導入・開発サポートに加え、伴走支援サービスを提供しており、お客様の内製化をサポート。お客様ごとに専用スペースを開設し、個別のお問い合わせ環境を作ります。その中でお客様からの問い合わせに迅速に対応します。
JavaScriptコードの書き方やアプリ連携など、専門性を問われる分野において問い合わせをいただくことが多いです。そこで、テクバンの伴走支援サービスを継続的にご利用いただければ、そのような専門知識を必要とするカスタマイズも、将来的にお客様自身で対応できるようになります。
「外注に頼らない体制を社内で整えたい」「kintone開発担当者を増やしていきたい」などのご要望がある方は、ぜひテクバンの伴走支援サービスをご検討ください。
kintone開発支援サービス・サポート
テクバンの伴走サービスについて、資料を提供しています。ぜひダウンロードしてご覧ください。
テクバンの伴走支援で、kintoneを使いこなす!テクバンのサービスメニュー
kintoneサポート会社の力を借りよう
kintoneは非エンジニアでも手軽にアプリを作成できるメリットがありますが、自社独自のシステムを構築したり外部システムとの連携を行ったりする場合には、専門知識が必要です。さらなるkintoneでのIT活用・業務効率化を目指すのであれば、サポート会社の力を借りるのもひとつの手でしょう。
kintoneオフィシャルパートナーは、お客様のご要望に沿って柔軟に対応いたします。お困りごとがあれば、オフィシャルパートナーの利用をおすすめします。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
▼kintoneのパートナー企業を活用してみよう!
※本記事の内容は2025年4月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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