企業のあらゆる業務を効率化するクラウド型の業務改善プラットフオーム、kintone。予実管理にももちろん、kintone が活躍します。この記事では、kintone 上で予実管理を行うメリットや、アプリの作成手順、活用方法などをわかりやすく解説します。
kintone で利用できる拡張機能や、様々なサポートが受けられる kintone 開発支援サービスについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
予実管理とは?
予実管理とは、予算実績管理の略で、企業の予算と実績を管理することです。予算とは達成すべき数値目標で、その予算通りに実績が積み上げられているか確認することで管理します。予算と実績に差異がある場合は原因を分析して、改善に向けて対策します。
予実管理では、月次・年次の売り上げや仕入れ、経費、利益などの数値を入力した予実管理表を使って比較分析を行います。予実管理表の作成には、Excel などの表計算ソフトや、クラウド型の予実管理ツールが多く用いられています。予実管理は企業経営に関わる重要な業務のため、予算と実績データを正確に把握することが重要です。
予実管理に kintone を利用するメリット
kintone で予実管理を行うことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットを5つ紹介します。
1.より正確な予実管理の実現
kintone には集計機能があり、フォームに売り上げや経費を入力するだけで自動に集計を行い、予実管理表に反映します。計算式を手入力したり、表を作成したりする必要がなく、コピー&ペーストで編集できるためヒューマンエラーの防止にも役立ちます。
また、変更履歴を記録する機能があり、「誤ったデータで上書きを繰り返してしまった」というようなトラブルが発生しても、すぐに元の正しい状態に戻せます。
2.アプリ作成の自由度が高い
kintone なら、自社の予実管理に最適なオリジナルアプリが簡単に作成できます。必要な項目を選択してドラッグ&ドロップで並べていくだけで、イメージ通りのアプリが完成します。システム構築の知識や経験は必要ありません。
アプリ作成の方法は他にもあり、アプリストアのサンプルアプリ「予算・実績管理」を利用する、Excel を読み込ませてアプリ化するなど、複数の方法から選択できます。
3.データをリアルタイムに確認・共有できる
kintone は、膨大な業務データを蓄積して一覧化するため、データベースとしても有用です。予実管理だけでなく、様々な業務に活用できます。クラウドサービスのため、各種デバイスからアクセス可能で、業務に必要な情報をリアルタイムに場所を問わず確認、共有できます。
なお、kintone にはアクセス制限機能があり、データ共有の際に閲覧や編集の可否を設定できるようになっています。
4.他の kintone アプリや外部ツールと連携可能
拡張機能が豊富で柔軟な使い方ができるのも kintone の特長です。kintone のアプリ同士でデータの連携ができる他に、プラグインによる機能拡張や、外部クラウドサービスとのAPI連携にも対応しています。
例えば予実管理用に、アプリ間のレコードを自動集計できるプラグイン「krewData」や「予実管理プラグイン」を導入がおすすめです。複数のアプリの中の目的のレコードだけをピックアップして、細かな予算項目ごとに集計することができます。また、アプリ側のデータが更新されたタイミングで即時に自動集計を実行するよう設定することも可能です。
API連携により外部の販売管理システムから売り上げの実績を取り込み、アプリ上で予実管理と結合させて予実差異を算出する、などの便利な活用方法もあります。
5.クラウド型で時間と場所を問わずアクセスできる
kintone はクラウドサービスのため、インターネット環境さえあれば、いつでもどこからでもアクセスできます。外出先でも予実管理に必要な情報を確認したり、業務連絡に対してリアルタイムに返信したりすることも可能です。
管理会計の元となる数値に関わるすべての人が、リアルタイムなデータを確認・対応できます。
Salesforce との比較についても以下の記事にてご紹介しております。
▼「Salesforce(セールスフォース)」と「kintone(キントーン)」どちらを選ぶ? おすすめの利用シーンも解説
kintone による予実管理アプリ作成方法
kintone では、以下の方法でアプリを作成できます。
- アプリストアのサンプルアプリを利用する
- ドラッグ&ドロップでイチから作成する
- Excel やCSVファイルから読み込む
- 作成済みのアプリをコピーする
次に、サンプルアプリの「予算・実績管理」とプラグインを利用して予実管理を行う方法を紹介します。サンプルアプリとは、いわゆるアプリのテンプレートで、そのまますぐに使い始められます。元々の設定やデザインを変更して、使いやすい仕様にカスタマイズすることも可能です。
サンプルアプリ「予算・実績管理」
サンプルアプリの「予算・実績管理」にプラグインを読み込ませて機能を拡張することで、予算と実績の差異や達成率などの確認が可能です。作成の大まかな流れと、できあがったアプリの使い方を紹介します。
サンプルアプリ「予算・実績管理」の利用手順
- kintone アプリストアで「予算・実績管理」を選択。「予算管理」と「実績管理」の2つのアプリが自動作成される
- 予算管理アプリに、予算や拠点などの情報を登録する
- 実績管理アプリに、拠点ごとの売り上げや日付、担当者名などを登録する
- 開発者向けコミュニティ「cybozu.com developer network」で無料公開されている、JavaScriptサンプルコード(プラグイン)を読み込ませる
- 予算と実績の差異や達成率を表示する予実管理アプリが完成
※JavaScriptを使用したカスタマイズは、kintone 料金プラン「スタンダードコース」でのみ利用可能(2022年5月時点)
kintone で作成した予実管理アプリの使い方
上記の方法で作成した予実管理アプリには、「拠点」「予算」「実績」「差異」「達成率」の項目があり、集計データを一覧表で確認できます。必要なレコードを絞り込んで表示したり、グラフ化して売り上げの推移などを分析したりすることも可能です。
一覧表の見方は、予算に対して実績が到達していない場合は差異がマイナスとなり、数値が赤字で表示されます。達成率の項目を見れば、各拠点の達成状況や課題が容易に把握できます。このようなわかりやすい表示機能も特徴といえます。
便利なプラグイン機能に注目!
kintone の特長のひとつに、拡張性が高いことが挙げられます。JavaScriptやCSSを用いたプラグイン、API連携に対応しており、業務内容に合わせてアプリの機能を拡張できます。そのため kintone 専用拡張機能サービスだけでなく、外部の様々なサービスとの連携が可能です。予実管理に役立つ拡張機能を導入することで活用範囲がさらに広がり、業務効率化が実現します。
kintone のプラグイン機能における詳細は以下にて解説をしております。
▼kintoneのおすすめ無料プラグイン|機能別に紹介
▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
kintone 開発支援サービスでアプリを最大限に
「初めての導入でアプリ作成や運用に不安がある」「プラグイン設定や外部サービスとの連携がうまくいかない」そんな悩みを解消してくれるのが、kintone 開発支援サービスです。kintone 標準機能の使い方だけでなく、他システムとの連携サポートや運用アドバイスなど、様々な導入支援が受けられます。
kintone 開発支援サービスを行う会社は複数存在するため、サポート内容やコストを比較検討して、自社に最適なサービスを選びましょう。
kintone で効率的な予実管理を実現
この記事では、kintone で予実管理を行うメリットやアプリの作成手順、活用方法などを紹介しました。
kintone は手軽にアプリ作成ができる使いやすいツールですが、拡張機能を利用する場合は複雑な設定が必要になり、作成の難易度がやや上がります。
アプリ作成に不安がある場合は、kintone 開発支援サービスの利用を検討するのもおすすめです。サイボウズ社が認定しているオフィシャルパートナー企業であれば、確かな製品知識と豊富なサポート実績により、企業の状況ごとに最適な開発支援を行えます。
テクバンも kintone オフィシャルパートナー企業です。kintone の導入や運用でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
※本記事の内容は2022年5月時点のものです。kintone の仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
kintone開発支援サービス
kintoneプラグイン