サイボウズ社「kintone(キントーン)」を導入したものの、運用定着にお悩みではありませんか。
標準機能でも十分に業務改善を行えるkintoneですが、プラグインを使うことでより便利なツールへとカスタマイズできるのが、kintoneの特長です。
運用定着に役立つプラグインのひとつが、「krewSheet(クルーシート)」です。この記事では、krewSheetの機能や活用方法を詳しく解説します。
krewSheetでExcelライクに
krewSheetとは、メシウス社が提供するkintoneの有料プラグイン「krew」シリーズのひとつです。krewSheetは、以下3つの特長があります。
- Excelライクな操作性
- 直感的に一覧作成が可能
- 柔軟なレイアウト
次項より詳しく解説していきます。
krewシリーズについて、下記記事にて詳細を解説していますので、併せてご参考にしてください。
▼krewでkintoneをExcel風に使おう
Excelライクな操作性
krewSheetを使えば、kintoneでのデータ編集・加工がExcel感覚で行えるようになります。
アプリの各フィールドに入力した値(情報)を1つにまとめたものを「レコード」といい、kintoneではそのレコードを一覧画面で確認できます。通常、レコードに登録したデータはレコード一覧画面から編集はできず、レコード詳細画面にて修正・更新します。
しかし、krewSheetであれば、レコード一覧画面から直接データを編集できるため、わざわざ詳細画面に移る手間もなく、Excel感覚でスムーズに編集可能です。
Excelでよく使用するようなコピー&ペースト、列・行の追加や削除など基本的な操作は同じです。使い慣れたExcel操作でkintoneのデータを扱えます。
直感的に一覧作成が可能
レコード一覧画面をExcel風にできるだけでなく、kintoneの一覧設定画面とExcelを融合させたプラグイン設定画面により、高機能なレコード一覧画面を直感的に作成可能です。ドラッグ&ドロップ操作で、誰でも簡単に一覧画面のデザインを組めます。
また、データの視認性が向上するデータスタイリングの機能もあり、データバー・カラースケール・アイコンなどを活用することで、一覧上のデータが視覚的にわかりやすく表示されます。さらに、Excelと同等の条件付き書式やデータを俯瞰できる全画面表示など、レコード情報の確認や操作に役立つ機能を備えています。
柔軟なレイアウト
kintoneアプリの項目に「テーブル(表)」フィールドがありますが、krewSheetではテーブルのデータを一覧上に表示するだけでなく、直接編集することも可能です。テーブル同様に「関連レコード」も一覧上で表示・編集できるため、関連情報を見ながらデータを確認したり編集したりと、柔軟なレイアウトで一覧画面を作れます。
また、一覧画面に検索パネルを設置可能です。検索条件によく使用するフィールドを検索パネルに表示し、探しているレコードをスムーズに検索できます。
kintoneのテーブルや関連レコードについて、下記記事をご覧ください。
▼kintoneのテーブル(表)とは? 機能のメリット・デメリットや活用方法を紹介
▼kintone「関連レコード一覧」の便利な使い道は? 設定方法も解説

krewSheetの料金体系
プラグインを利用するには、kintoneスタンダードコース以上の契約が必要となります。一番低額のライトコースをご利用の方は、krewSheetを使えませんのでプランアップを検討しましょう。
kintoneの各プランについて、下記記事をご参考にしてください。
▼kintoneプランの選び方は? 機能・月額料金を比較、解説!
krewSheetはドメイン単位での契約となり、サブスクリプション体系です。ユーザー数によって料金が異なります。(※すべて税込)
ユーザー数 | 月額 | 年額 |
~100名 |
25,300円 |
275,000円 |
101~200名 |
33,000円 |
363,000円 |
201~500名 |
45,100円 |
495,000円 |
501~1000名 |
75,900円 |
825,000円 |
1001名~無制限 |
126,500円 |
1,375,000円 |
30日間の無料お試し期間が設けられているため、まずはそちらを利用することをおすすめします。お申し込みは、こちらのページよりお申し込みください。
メールでのサポートや無償バージョンアップにも対応しているため、安心して利用できるでしょう。
用途ごとに選べる2つのモード
krewSheetは、Excelの操作性とレイアウトの柔軟性を実現するために、2つのモードを用意しています。
次項より、詳細を解説します。
Sheetモード
Sheetモードとは、kintoneアプリのレコード一覧をExcel風に表示・編集できる形式です。
Sheetモードでは、レコード一覧のレイアウトを変更せず、行列固定、数式、インライン編集、検索・置換といったExcelと同じ機能を使えます。
また、300種類以降のExcel関数と演算子を利用でき、レコード一覧上にあるデータを用いた複雑な計算も実現します。レコード一覧上で、テーブルの表示・編集や関連レコードの表示も行えるため、関連する情報を容易に確認できます。
Sheetモードは、更新頻度が高いデータの編集・管理に向いており、例えばタスク管理・顧客管理・予実管理などに活用できるでしょう。
Xrossモード
Xrossモードは、レコード一覧のレイアウトを変更したい場合に使用する形式です。ビュータイプは次の2種類があります。
- ピボットビュー
ピボットテーブル機能。複数レコードをクロス集計し、1つのセルにまとめる。数値を集計したい場合に使う - 行列変換ビュー
1つのレコードの行列を変換する。数値の集計が不要かつ、行列を変更したい場合に使う
上記2つのビュータイプを使い分けることで、情報管理がしやすくなります。その他、後々レコードを登録できるように空白欄を設定する「ないレコード」や、特定の行を小計できる「カスタム小計」などの機能もあります。
ピボットビューで損益予算管理を行ったり、行列変換ビューで月間シフト表を作成したりといった使い方が可能です。
krewSheetの活用方法
krewSheetは、以下のようなシーンで活用できます。
活用シーン | 活用例 |
顧客管理 |
案件や担当者の情報を顧客情報に紐づかせ、関連レコードとして表示・閲覧できるように。また、任意の顧客からの問い合わせデータを登録可能 |
案件管理 |
各案件の取引先や確度、進捗を一覧表示して可視化。また、検索パネルを使い、スムーズに案件を検索できるように |
在庫管理 |
条件付き書式と数式により在庫状況を色分けして管理 |
シフト表 |
従業員のシフトを1か月単位で作り、ないレコードで来月分の入力欄を作成。決定次第、空の入力欄に入力する |
予実管理 |
月ごとや四半期ごとの予実数値、各部門の全体に対する実績比などを確認可能。また、月ごとの予算・実績・達成率を縦並びで配置すれば、コンパクトなレイアウトで予実を確認できる |
販売管理 |
各商品の販売実績と原価から日ごとの成果を集計し、各店舗の売上総利益を1画面で確認。また、各商品の直近の販売数を参考にしながら、製造数や販売目標などの計画を策定可能 |
関連記事をご用意しております。
▼kintone(キントーン)で顧客管理をするメリットや方法は? 注意点も詳しく解説
▼kintoneで在庫管理をしよう! 必要なアプリやポイントを解説

krewDashboardとの連携
kintoneの標準機能でグラフは作成できるものの、異なるアプリのグラフは一覧表示できません。krewSheetにも、グラフの一覧表示機能はありません。krewSheetで編集したデータをさらに見やすくしたい場合、krewDashboardとの連携をおすすめします。
krewDashboardは、データの可視化・分析を行うプラグインです。異なるアプリのグラフをダッシュボードに一覧で表示されるため、一目で情報を把握できます。
krewSheetとkrewDashboardを組み合わせ、入出庫から売上管理、労務管理、販売管理、会計処理など、多くの社内業務のkintone化が進んだ事例もあるようです。kintoneで複数のアプリをお使いであれば、krewSheetとともに導入を検討してみてはいかがでしょうか。
krewシリーズの導入事例は、こちらのページから。
krewDashboardについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▼krewDashboardとは? kintoneデータのグラフ化と一覧表示が可能!

krewSheetでルックアップはできる?
kintoneには「ルックアップ」という他のアプリのデータを参照して自動で反映する機能があります。入力の手間を省け、誤入力といったヒューマンエラーも防げるため、積極的に利用したい機能のひとつです。
krewSheetでもルックアップは利用できます。設定手順は以下の通りです。
- krewSheetのデザイン画面でフィールドを設置
画面左側にあるフィールド項目から「ルックアップ」フィールドを設定し、アプリを更新します。 - ルックアップ元の値が変更されたら、ルックアップ値を再取得する
行・セル単位で更新できます。再取得したい行・セルを選択し、右クリックで「ルックアップ取得」をクリックすれば更新されます。 - レコード一覧画面の上にある[保存]ボタンをクリックして完了
1度に取得できる最大のレコード数は500です。行を追加して500レコード以上選択した状態では「ルックアップ取得」のコンテキストメニューは表示されませんので、ご注意ください。
krewSheetのルックアップについては、下記記事にて詳細を解説しています。併せてご覧ください。
▼krewSheetでkintoneのルックアップ機能は使える?
krewSheetの導入はテクバンへ
krewSheetを導入すると、kintoneの利用定着による業務効率の改善が見込めます。せっかくkintoneを導入しても、使い慣れたExcelから離れられない企業は珍しくありません。こうしたケースではデータが分散してしまい、業務の効率化が難しくなります。社員にkintoneの運用を促すためには、脱Excelできるシステムが必要です。
Excelのような画面設計と機能のkrewSheetなら、今までと同じ操作感で使い始められます。社員の利用が定着すればkintoneに業務データが集約され、業務効率の向上につながるでしょう。
テクバンは、krewSheetを含むプラグインやkintoneの導入サポートを行っております。kintoneの導入要件の整理から丁寧に支援いたしますので、お気軽にご相談ください。
kintone導入支援サービス
※本記事の内容は2025年7月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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