kintoneには、簡単に使える「サンプルアプリ」が豊富に用意されており、ユーザーは自由に活用できます。しかし、簡単に導入できる半面、様々あるサンプルアプリからどれを選べばよいか悩む人も多いようです。
そこで本記事では、「在庫管理アプリ」をはじめ、kintoneでおすすめの総務・人事向けのサンプルアプリをご紹介します。
商品の入庫・出庫管理や在庫情報の更新・集計業務などを行っている方は、ぜひご参考にしてください。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneで顧客管理をするメリットや方法は? 注意点も詳しく解説
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kintoneのサンプルアプリとは?
「サンプルアプリ」とは、kintoneで提供されているアプリケーションのひな型です。様々な機能を持つアプリが展開されています。
kintoneのユーザーは、業務に役立つアプリを自由に使うことができるため、サンプルアプリを取り入れて機能拡張しないのはもったいないかもしれません。サンプルアプリには、データを蓄積していく「データベース機能」、コミュニケーションを円滑に進めるための「サポート機能」など、多様な種類があるのが特長です。
また、部署別・業種別に業務で活用できそうな100以上のサンプルアプリが用意されているため、課題を抱える現場の心強いリソースといえるでしょう。
サンプルアプリは、ダウンロードしたらそのまま使え、スピーディーな業務改善も可能です。プログラミングをはじめとする専門知識や技術がなくても使いこなせることもメリットです。
さらに、必要に応じてアプリの設定を変えられます。例えば、アプリのデザイン変更や拡張の機能などを簡単にカスタマイズ可能です。
kintoneを使うときは、まずどのようなサンプルアプリがあるかチェックすることがおすすめです。
在庫管理アプリの機能について
kintoneのサンプルアプリの中では「備品在庫管理」がおすすめです。
これは、社内の備品(消耗品)の在庫を管理するアプリで、入出荷数を記録して業務に必要な在庫状況を正確に把握できます。
在庫管理をきちんとしていないと、「備品を発注しすぎて倉庫に眠っている」「棚卸をすると記録と実際の備品の数が合わない」といった事態につながり、無駄なコストが発生することに。
また、管理表を紙やExcel等で作成している場合も多いでしょう。入力が容易な半面、それらの管理は煩雑になりやすいデメリットがあります。
備品在庫管理アプリは次のような機能があります。
- 在庫数の自動計算
入荷数と出荷数を記録して自動で数量を集計して在庫を算出します。 - 在庫状況をグラフで簡単チェック機能
在庫の状況をグラフで把握できるため、視覚的に簡単な在庫管理が可能です。
備品在庫管理アプリは、在庫状況の管理や把握を助けます。kintoneのサンプルアプリの中でもポピュラーなため、在庫管理に課題があるときに導入してみることをおすすめします。
販促ツール在庫管理
「販促ツール在庫管理」というアプリもあり、主に次のような機能を備えています。
- 会社全体の販促ツールの管理状況がわかる
部門が違う場合でも一括して管理できるため、重複した制作を未然に防げます。
- 制作側と利用側が明確になる
入荷状況と出荷状況の履歴を表示できるため、在庫数が明確になります。
- 販促ツールの使用期限を把握できる
使っている販促ツールの使用期限が明確になるため、計画的な利用を実現できます。
販売促進につながるチラシやポスター、POP、ノベルティ、DM、メールマガジンなどのツールは、季節やキャンペーン、新商品のPR期間によって入れ替わることが多いでしょう。
年間の制作スケジュールや各店舗での利用状況、使用期限などを把握するなら、販促ツール在庫管理アプリで一括管理と効率的な運用ができます。
在庫管理プラグイン
サンプルアプリ以外にも、在庫管理が行えるプラグインが提供されています。
TiSの「在庫管理プラグイン」は、無料で使用できるプラグインです。在庫の集計に加え、「在庫が少ない場合は管理者へアラートを出す」という条件付きの機能を搭載しています。
何かと手間がかかる在庫管理や棚卸業務の工数削減につながるでしょう。
また、「入庫単価フィールド」にて在庫評価を行うことも可能です。集計業務も迅速かつ正確に行えるでしょう。
在庫管理アプリの追加方法や活用事例
在庫管理アプリを追加する方法や、どんな場面で有効活用ができるかなど活用事例を交えて解説します。
在庫管理アプリの追加方法
備品在庫管理や販促ツール在庫管理以外にも、様々な在庫管理アプリがあります。そうした在庫管理アプリは、次の方法で追加できます。
- kintoneのトップページで「アプリ」の横にある「追加」アイコンをクリック
- kintoneのアプリストアで在庫管理アプリを探す
- アプリの詳細画面でアプリの追加を行う
無料アプリであれば、そのまま簡単にkintoneのアカウントにダウンロードできます。在庫管理以外にもkintoneには役立つアプリがたくさんあるため、定期的に探してみることもおすすめです。
また、kintoneアプリの設定は「レコード一覧画面」もしくは「レコード詳細画面」で「設定」ボタンをクリックし、変更できます。
アプリの設定には、「アプリ名」「アプリ管理者用メモの設定」「フォームの設定」「データの一覧の設定」「一般設定」などがあります。必要に応じて設定に変更を加えることで、より使いやすいスタイルにカスタマイズできます。
アプリの詳しい追加方法
アプリの作成例について、下記記事にて解説しています。
▼kintoneのアプリ作成例が知りたい! 使い方やおすすめを紹介
在庫管理アプリの活用事例
kintoneの在庫管理アプリは、次のようなケースで活用できます。
例えば、余剰や不足が発生しがちな品の在庫調整に活用できるでしょう。
余剰在庫はスペースを含めた保管コストを高くする要因となるため、削減を進めることでコストカットにつながります。
さらに、在庫不足を解消することで利益獲得の機会損失を防止し、また在庫不足による生産ストップの回避にもつながります。在庫のバランス管理をしたい場合、在庫管理アプリは有益でしょう。
その他、在庫管理アプリは、商品の売れ行きの分析にも応用できます。
定期的に在庫管理アプリの詳細を見直すことで「なぜこの時期にこの商品の在庫が多いのか」「最も在庫不足になりやすいタイミングはいつなのか」などを判断できます。
データとして保存・蓄積していけば、その後も同時期の在庫状況と比較して、さらに分析を進めることも可能です。また、取り扱う商品を見直したい、もっと売れる商品やタイミングを考えたいというときにも有効活用できます。
このように、kintoneの在庫管理アプリは様々なシーンで生産管理の効率を高めるでしょう。
バーコードを使ってさらに便利に
kintoneの在庫管理アプリは、サイボウズ社以外の企業が提供するアプリと連携できる場合があります。
在庫管理の機能に新しい機能を付け加えることもでき、より使いやすいシステムの構築が可能です。
例えば、在庫管理アプリとバーコード実績収集アプリ「Pittaly」を組み合わせると、バーコードを読み取るだけで簡単にkintone上で在庫登録ができるようになります。また、在庫状況の確認においても、レコード一覧から簡単に検索でき、リアルタイムで把握することが可能です。
いちいち在庫情報を手打ちする手間が削減でき、新規の在庫もすぐに管理体制に組み込めるのです。
在庫管理方法が簡単になれば、在庫管理の業務に当たる従業員の負担を軽減したり、別の従業員に作業を引き継ぐのもスムーズになったりと、効率的な在庫管理業務が行えます。
kintoneには、その他にもアプリに適応できる拡張機能が豊富なため、積極的に機能を追加し、便利な在庫管理を実現してみましょう。
総務・人事におすすめのサンプルアプリ
在庫管理アプリ以外にも、kintoneには、総務や人事の業務に役立つサンプルアプリが多数あります。
便利なサンプルアプリも同時に利用することで、業務内容や職場環境の改善をさらに進められるのです。
例えば、kintoneにあるサンプルアプリで総務・人事におすすめしたいのは、以下の5つのアプリです。
- 総務への依頼受付
- タイムカード
- ワークフローパック
- 作業依頼
- 目安箱
業務改善や効率化につながるサンプルアプリを見つけることはメリットが大きく、kintoneの機能性が高まります。
以下で解説するサンプルアプリは独自機能に特化しています。すぐにでも活用できる機能があるかもしれませんので、ぜひ検討してみてください。
総務への依頼受付
「総務への依頼受付」は、総務部に各種依頼を行う際に利用できるサンプルアプリです。
例えば、消耗品の発注や設備の修繕といった業務を、クラウド経由で依頼できるため、業務の効率化を図れます。具体的なメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
- 未完了のタスクを明確にする
- 利用者とのやりとりが「見える化」される
- データとして簡単に管理可能
多くの業務を依頼される総務部では、過去のタスクが未完了のまま埋もれてしまうことも珍しくはありません。
総務への依頼受付アプリでは、完了していないタスクを絞り込んで表示できるため、多くの業務が重なっても管理しやすいのが特長です。
さらに、案件ごとの進捗の確認やコメントによるコミュニケーションなども可能なため、現状を「見える化」できます。月ごとの対応数もグラフで管理でき、データを用いた業務の進捗率を確認しやすくなります。
また、総務への依頼受付アプリは、連絡にかかる作業を省略し、対応忘れなどのケアレスミスを防ぎやすくなります。
総務部との連携がうまくいっていないときや、メール・紙といった依頼方法による業務が妨げになっているときには、総務への依頼受付アプリが役立つでしょう。
タイムカード(月次版)
「タイムカード(月次版)」勤怠管理をクラウド上で行えるようになるサンプルアプリです。
出勤時刻と退勤時刻を入力して勤務時間を算出し、上長への申告を実施できます。承認もそのままサンプルアプリで行えるため、デジタルに出退勤を管理可能です。
以下のような魅力的な機能があります。
- 労働時間の自動算出
- スマホからでもワンクリックで申請・承認ができる
- ICカードを使った自動打刻も設定可能
出勤時刻と退勤時刻を入力すれば、労働時間が自動で算出されるため、月末にまとめて計算するといった手間も必要ありません。また、申請した勤怠は一覧で表示されるため、簡単に総労働時間を確認できます。履歴もすぐにチェックでき、過去にさかのぼって勤務状況を確認することも容易です。
申請や承認といった作業はスマホからも行えるため、業務の合間を見てワンクリックで処理できます。紙を使ったアナログな勤怠管理を改善したい、過去の勤怠データをまとめて管理するツールが欲しいときなどにおすすめのアプリです。
タイムカード(IF関数搭載版/月次版)
前述のタイムカード(月次版)アプリにIF関数等を組み込み、勤怠状況に応じた労働時間や残業時間が算出できる「IF関数搭載版/月次版」もあります。
月次版と違い、勤怠が「未選択」や「終日休」の場合は勤務時間を「0」とし、それ以外は、出勤時間や退勤時間を元に自動で算出できます。
さらに、8時間を超えた場合、または半休で4時間を超えた場合の労働時間は残業時間として自動処理されます。勤怠に応じて残業時間を算出できるため、管理がしやすいのが特長です。
kintoneの勤怠管理については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
▼kintoneで勤怠管理するメリットは? 導入手順やアプリの例も紹介
ワークフロー(社内申請管理)パック
「 ワークフロー(社内申請管理)パック」は、多くの企業で使用される機会の多い3種類の申請フォームをまとめたサンプルアプリです。
「交通費申請」「出張申請」「物品購入申請」がパックになっていて、申請から決裁までの流れがスムーズに行えます。各プロセスに必要な処理がサンプルアプリから可能となるため、業務全体の効率化を進められます。
ワークフロー(社内申請管理)パックには、以下のような機能があります。
- 社外からも対応可能
- 申請経路を自由に設計可能
- 承認すべき申請を通知で確実に処理できる
承認処理が社外からでも行えるため、上長の外出が多い職場でも使いやすいことが特長です。
申請経路は、社内のフローに合わせてカスタマイズでき、多くの部門が関係するような複雑な業務にも対応可能。承認すべき人に対しては通知が届くため、必要な処理を見落としにくいのもメリットです。
業務に必要な申請をしてから承認されるまでの時間が長すぎる、紙・押印などのアナログな承認形式を改善してリモートワークを導入したい、というような課題を解決できるでしょう。
作業依頼申請
「作業依頼申請」は、主に他の部署や別のチームに対して作業依頼を行う際に利用できるサンプルアプリです。
普段、別の業務を行っている相手に対してもスムーズに作業依頼ができます。作業依頼申請には、以下のような機能とメリットがあります。
- 依頼ごとに担当者とステータスを付けられる
- 対応状況を「見える化」できる
- 依頼にひも付いたコメント機能で情報が管理できる
作業を行う担当者を指定し、「申請中」などのステータスを付けられ、「誰が何をすべきか」が明確にできます。
また、ステータスは進捗によって変化し、現在の対応状況が常に「見える化」。対応の遅れを防ぎます。
さらに、作業依頼に対しコメントを残せ、内容に関する質問やお礼などをまとめて行えるのもメリットです。
メールなどレスポンスの悪い方法で連絡をしなければならない社内環境であれば、作業依頼申請のサンプルアプリを導入することで、作業スピードをアップさせ、業務の効率化を図れるでしょう。
目安箱
「目安箱」は、社内から様々なアイデアを集めるフォームとして活用できるサンプルアプリです。
会議にかけるほどでもない、会社のちょっとした不満や改善点などを気楽に募集でき、細かな環境改善に役立てられます。
上長に対して直接言いづらい商品の改善点や意見を集めるのに活用でき、例えば「新事業への貴重な意見交換」という目的にも使えるでしょう。
このアプリのメリットは、次に集約されます。
- 匿名性を守れる
- 担当者を設定してアイデアが埋もれることを防ぐ
- アイデアごとにコメントを付けてコミュニケーションが取れる
匿名性を尊重してアクセス権を設定し、改善点や意見を誰が提案したのかをわからないようにできます。また、投稿された意見に対して、担当者や担当部署を付けられるため、誰がその案を拾い上げるのかが明確になります。
せっかく投稿された貴重な意見が無視されてしまう可能性を防ぎ、具体的なアクションにつなげることが可能です。
投稿された意見にはコメントを付けられ、気になったことや、そこから発展したアイデアをどんどん発信できます。社員の声を聞く機会が少ない、会議で細かなことまで相談する時間が取れない、といったときに利用してみてはいかがでしょうか。
その他にもkintoneには様々なサンプルアプリが提供されていますので、関連記事を参考にしてください。
▼kintone(キントーン)を活用してアンケート業務を効率化! 作成方法や注意点を解説
▼kintone(キントーン)で経費精算業務をシステム化する方法を解説
サンプルアプリで在庫管理も人事管理も
kintoneには、在庫管理アプリをはじめとした便利なサンプルアプリがたくさん提供されています。
総務・人事の業務を改善するサンプルアプリも多数あるため、この機会にそれぞれの特徴を把握し、導入を進めてみてはいかがでしょうか。
kintoneを便利にするカスタマイズについてはこちら。
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▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
▼kintoneのカスタマイズ|初心者向けの方法は?
※本記事の内容は2021年3月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
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