kintone(キントーン)はあらゆる業務を改善させるビジネスプラットフォームで、日報や報告書の管理においても有効です。
日報や報告書で使用されることが多いExcelで作成し上長にメールで送信するといった従来の運用方法では、「Excelファイルの管理が煩雑になりやすい」「メールを見落としてしまう」などの問題が発生しがちでしょう。
この問題を解消するのがkintoneです。そこで本記事では、kintoneの日報活用事例についてご紹介します。
kintoneの日報について、下記記事にて詳細を解説していますので、併せてご覧ください。
▼kintone日報アプリのメリットは? 見える化の事例やポイントを解説
kintoneで日報を作成するには
kintoneで日報を作成・管理するには専用の「アプリ」を作成しなければなりません。しかし、kintoneにはアプリのひな型である「サンプルアプリ」が用意されているため、ご利用中のkintoneへ追加してすぐに使えるようになります。
kintoneの日報アプリ
kintoneの日報アプリとして、以下のサンプルアプリがあります。
サンプルアプリはそのまま使うことも、カスタマイズすることも可能です。上記のサンプルアプリで自社に合うものがなければ、一番オーソドックスな「日報」をダウンロードして、独自の日報アプリを作り上げるのもよいでしょう。
アプリパックは、関連性のあるアプリを一つにまとめたものです。マスタアプリも含まれていますが、他に必要なアプリがあればカスタマイズして追加できます。
サンプルアプリを使わずに、一から自由に日報アプリを作ることも可能です。アプリの作成方法について、下記記事にて解説していますのでご参考にしてください。
▼kintoneのアプリとは? 作成方法やサンプルを解説
日報アプリの特長・メリット
日報アプリの特長として、kintoneにアクセスできる環境があれば、外出先から日報の作成・登録ができることが挙げられます。スマホやタブレットでも日報を作成でき、現場にいても日報を作成して上長へ報告可能なため、場所を選ばないことが特長です。
また、日報に関するやりとりは、アプリのコメント機能を使ってコミュニケーションをとることができます。日報へのフィードバックや質問・相談など、日報の登録内容と紐づけたやりとりを可能にします。
kintoneアプリで日報を作成する運用にすれば、メンバー全員の日報を一元管理化できるようになり、一覧で確認することも可能です。Excelではメンバー全員の日報を一覧化するには編集し直さなければなりませんが、kintoneではメンバーが日報を登録すれば一覧画面が作られるため、Excelより効率的だといえます。
そして、日報アプリで報告されたデータを集計する機能もkintoneにはあります。集計結果から分析し、さらなる業務改善や企業利益向上につながるような施策を導き出せるでしょう。
次章より、サイボウズ公式サイトなどで紹介されている日報の活用事例についてご紹介します。どのようにして日報を活用できたのか、業務改善につながったのか参考にしてみてください。
日報活用事例①紙でのアナログな運用をkintoneへ
大学ノートで日報を作成し提出するというアナログな運用方法を採用していたケミカル産業社。建物管理において資材の卸しや、食品衛生に関連する資材の販売・サポート事業を展開しています。
日報を使った引継ぎ方法に不便さを感じ、kintone導入を検討したようです。
導入前の課題
日報を使った引継ぎでは「日付順に記載されており、お客様ごとに並んでいない」「何冊もあるため、確認が大変」などの問題がありました。
時系列の活動履歴としては意味のある日報でしたが、「誰に、どのようにアプローチしたのか」「その案件がどのような経緯で発生したのか」といった活動の履歴を日報から把握できない状態だったようです。引継ぎがうまく行えず、新規顧客の取りこぼしも発生。
また、経理担当者の押印や上長承認も時には発生していましたが、外出や出張などで会社にいないときは確認できないため、リアルタイムでのやりとりを行えないことも課題のひとつでした。

導入効果
メンバーの活動履歴が簡単に確認できるようになり、上長からのアドバイスも迅速に行えるようになったことに効果を感じているようです。
また、部署全体の行動を分析することで現状の問題を可視化し、それを基に行動計画を立てて活動するようになりました。その結果、成果が上がり、メンバーも問題が解消したことを実感できたため、意識の変化や活動の質が向上しました。
ある業務のスケジュールを管理部がkintoneで管理し、それに従って実務担当者は業務を行うようにしたところ、稼働日数が約3分の1に短縮され、業務改善を実現しました。実務担当者はスケジュール通りに遂行するだけでよいため、無駄が省略され、稼働日数の短縮につながったのでしょう。管理部を中心とするスムーズな業務体制の構築も、kintoneを導入したことで確立されました。
日報活用事例②事故報告書をスピーディーに提出
かねてよりペーパーレス化を検討していたPT AEON Fantasy Indonesia社では、kintone導入のイメージは描けていたものの、他の業務もあり、思うように導入が進まずにいたようです。
導入前の課題
PT AEON Fantasy Indonesia社は、アミューズメント施設を運用しており、毎年15店舗ペースで拡大。店舗開発スタッフも3倍に増員しています。その中で、事故報告書が提出されてから担当者に届くまでに時間がかかる点が、大きなリスクとなっていました。
新人教育を行いながらも、施設の安全確保は最も重要な業務です。そのため、事故報告書による再発防止や原因解明が必要ですが、そもそも事故報告書を即座に確認できる仕組みが構築されていなかったのです。
導入効果
kintoneを導入後、懸念だった事故報告書の提出は2倍にスピードアップ。報告書をデジタル化し、担当者へスムーズに届く仕組みをつくりました。業務改善に大きな成果を上げられたようです。
また、事故報告書の作成・提出だけでなく、修理リクエストや納品書管理、イベント管理、支払い申請など、様々な業務をkintoneで行えるようカスタマイズしました。元々は事故報告書の提出スピード改善の目的でkintoneを導入しましたが、他の業務でもkintoneを活用できたことも、PT AEON Fantasy Indonesia社にとって大きな導入効果となったのではないでしょうか。
日報活用事例③日報から始める従業員へのkintoneの浸透
光成工業社は、粉体塗装パレット、ラック等、運搬用及び収納保管用機器の製造などの事業を展開しています。受注する製品の半数以上が新規案件であり、取引先の工場・物流ラインに合うパレットやラックをオーダーメイドで作ることができるのが強みでした。
セミナーでkintoneを知ったことをきっかけに導入したものの、従業員になかなか浸透せず、日報入力率は18%にとどまっていたようです。
導入前の課題
製造にあたって営業部と製造現場での密な情報共有が必要となりますが、営業部からの情報がうまく伝わらず、認識齟齬が多発していました。
情報共有の目的でkintoneを導入しましたが、一部の課題解決だけでなく、全社的に使用するツールとしてまずは日報から使い始めました。しかし、しばらくは浸透しておらず、従来の日報の運用方法を用いている従業員がほとんどだったようです。
kintoneの活用が広がらないことも、課題の一つでした。
導入効果
朝礼で紙での日報を完全廃止することを宣言し、PC上にある日報のデータも削除するところから再スタートしました。
従業員の意識が変わり、kintoneでの日報入力率は2倍に。さらにキックオフを開催し、その後2倍へと増加。全体の81%に到達したようです。また、ゲーム感覚でkintoneアプリを楽しみながら触れる社内イベントも開催し、kintoneを利用してこなかった従業員にも「kintoneを使ってみるきっかけになった」と普及が進みました。
全社的にkintoneでの日報が浸透したため、次は根本の課題解決に取り組みました。
営業部と製造現場の情報共有において、kintoneの受注表アプリを作成し、営業が商談の内容や変更点を入力。そのため、製造現場はその情報をすぐにkintone上で確認することが可能に。また営業側も、受注案件について受注表アプリから納品までの進捗をリアルタイムで把握できるようになりました。
プラグイン「krewData」や「krewSheet」を利用し、日報データの集計も行っています。見た目や操作を使い慣れたExcelに近づけることができるため、従業員に大変好評で、受注表の入力率も2倍に上がったようです。
参考:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/kousei.html
krewDataやkrewSheetについては、下記の記事をご参考にしてください。
▼krewData×kintoneで仕事効率UP! データ集計も自動化へ
▼krewSheetでkintoneをExcelのように操作! 機能や活用方法を解説

事例を参考に、kintoneの日報を有効活用しよう
密な情報共有や進捗把握のために日報の活用は欠かせません。kintoneで日報を作成・管理すれば、それにとどまらず新たな課題解決や業務改善につながるでしょう。
kintoneでの業務改善に関して、さらに詳しい事例をお知りになりたい場合はkintoneオフィシャルパートナーに問い合わせてみることをおすすめします。お客様の抱えている課題に沿った事例や解決案を提示してくれるはずです。
テクバンもkintoneオフィシャルパートナーです。kintoneでのお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneのパートナー企業を活用してみよう!
▼kintoneの活用についてご紹介! 業務改善につながる導入事例
※本記事の内容は2025年2月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
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