kintoneのプロセス管理は、条件分岐が必要な申請業務まで標準機能で対応可能です。
しかし、標準機能だけではカバーできない部分もあり、組織によっては実際の業務において使いづらさを感じるケースもあるかもしれません。
そこでおすすめなのが、kintoneプラグインの活用です。本記事では、kintoneプロセス管理の機能を拡張させるプラグインについてご紹介します。
kintoneプロセス管理について、下記記事でも詳細を解説していますので、併せてご覧ください。
▼kintoneのプロセス管理|基本設定とワークフローの設定例
kintoneのプロセス管理機能とは
kintoneのプロセス管理機能を使うと、日々の業務で多く発生する申請・承認業務や稟議の決裁など、複数人で作業するワークフローをkintone上で行えるようになります。
kintoneアプリでよくプロセス管理が使われるのは、稟議書アプリ・交通費申請アプリをはじめ、作業タスク管理アプリ・クレーム処理アプリなどが挙げられます。
従来の紙での申請・承認業務では、「承認者が不在だと、承認をもらえるまでに時間がかかる」「承認フローが現在どこで止まっているのかわからない」「紙の申請書を管理するのが大変」などの課題がありました。
ワークフローをkintone化することで、PCやスマホから確認・承認が行えたり、ボタンひとつで次の人にフローを回せたりというようなメリットがあります。
また、kintoneはデータベースとしても活用でき、すべての申請情報はkintoneアプリ内に蓄積されます。過去の内容を検索して確認したり照らし合わせたりすることに役立てられるでしょう。
なぜプラグインが必要?
標準機能のプロセス管理で対処できていれば問題ありませんが、自社の申請ルールに適応できない場合や、標準機能では物足りなさを感じている場合には、プラグインの導入をおすすめします。
kintoneはカスタマイズしたりプラグインを導入したりすることで、さらなる効果を発揮します。次章より、プロセス管理機能をさらに拡張させるおすすめプラグインについてご紹介します。
kintoneのプラグインについて、関連記事をご用意しております。
▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
▼【2024年】無料版kintoneプラグインのおすすめをご紹介!
【有料版】プロセス管理でおすすめのプラグイン
ここでは、4つの有料版プラグインについて紹介します。
プロセス管理 拡張プラグイン/コントラクトマネジメント社
コントラクトマネジメント社から提供されている「プロセス管理 拡張プラグイン」は、承認者に対して詳細情報をメールで送信できる機能があります。プロセス管理のアクション実行後に、任意のメールアドレス宛へレコードの情報を送ることが可能です。
急ぎの承認事項や特記内容をメール本文に記載できることで、kintoneにいちいちログインして確認する手間を省きます。最終承認後に、関係者全員にメール配信することも可能です。
6か月88,000円(税込)で契約できますが、お試し期間が30日間設けられているため、まずはそちらで使用感を確認してみるとよいでしょう。
お試し版のダウンロードはこちらから。
ワークフロー・プラグイン/アディエム社
アディエム社の「ワークフロー・プラグイン」は、プロセス管理のステータスやフィールドの入力値、申請者の属性などに応じて、それぞれ入力フィールドへの制限をかける機能があります。「ステータス制御」「レコード保存可否制御」の2つの制御方法があり、エラーチェックを自動で行い該当する場合は、エラーを表示してステータス変更・レコード保存ができないようにします。
料金体系は、308,000円(税込)/1ドメイン買い切り制で、一度購入したらずっと利用できます。バージョンアップは無料で対応しており、また30日間のお試し期間も設けられています。
お試し版の申し込みはこちらから。
Smart at tools for kintone 申請パック/エムソリューションズ社
エムソリューションズ社の「Smart at tools for kintone 申請パック」は、稟議申請や交通費申請など業務でよく利用するワークフローを17種類のテンプレートから選んで利用できるため、自身でアプリを作成する手間が省けます。また、複数のワークフローパターンから業務運用に適した経路を簡単に設定でき、申請状況はステータス別の一覧表示で確認可能です。
4つのプランが用意されており、料金体系は以下の通りです。
初期費用(税込) | 使用料(税込) | 備考 | |
スタータープラン | 110,000円 | 99,000円/年 | 1ドメイン50IDまで |
スタンダードプラン | 110,000円 | 198,000円/年 | 1ドメイン100IDまで |
プロフェッショナルプラン | 220,000円 | 528,000円/年 | 1ドメイン300IDまで |
エンタープライズプラン | 220,000円 | 858,000円/年 | 1ドメイン500IDまで |
こちらも、15日間のお試し期間が設けられています。
お試し版の申し込みはこちらから。
kintone統合型ワークフロー DeemS®プラグイン&アプリ/アイティーフィット社
アイティーフィット社の「kintone統合型ワークフロー DeemS®プラグイン&アプリ」は、標準機能のプロセス管理では難しいkintoneアプリ間連携を実現するプラグインです。
出張申請や購買申請など、複数の申請元となるkintoneアプリを1つのワークフローアプリの一覧画面から確認できるようになります。また、cybozu.com共通管理に登録されている上位部門と役職などを指定して経路を設定することが可能です。その他、便利な機能が多数用意されています。
料金体系については、以下4つのプランです。
費用(税込) | 備考 | |
プラン50 | 22,000円/月 | 50ユーザーまで |
プラン100 | 44,000円/月 | 100ユーザーまで |
プラン200 | 77,000円/月 | 200ユーザーまで |
プラン300 | 99,000円/月 | 300ユーザーまで |
※301ユーザー以上は、別途見積り
30日間のお試し期間が設けられていますので、様々な機能を試してみるとよいでしょう。
お試し版の申し込みはこちらから。
【無料版】プロセス管理でおすすめのプラグイン
次に無料で利用できるプラグインを紹介します。
ステータス連動必須フィールド設定プラグイン/TiS
TiSから提供されている「ステータス連動必須フィールド設定プラグイン」は、アクションごとに特定のフィールドを必須項目に設定したり、アクションを実行しても必須項目に情報が入力されていなければ入力を促したりすることが可能です。
例えば、案件管理アプリにて「受注」というアクションを実行する場合は「受注日」の入力を必須にするとします。受注日を入力せずにステータスを変更しようとすると、エラー画面が表示され、入力を促します。また、とあるステータスになった時に、特定の項目は自動入力・自動コピーしたり、入力を不可とする項目を設定したりできます。
一見、当たり前のような機能に思えるかもしれませんが、kintoneの標準機能にはない機能ですので、こちらのプラグインも積極的に使ってみるとよいでしょう。
プラグインのインストール方法とプロセス管理設定方法
プラグインのインストール方法と、プロセス管理の設定方法について、簡単に説明します。こちらの手順に沿って、設定してみてください。
プラグインのインストール方法
プラグインのインストールには、ファイルから読み込むか、プラグインストアから追加するかの2つの方法があります。
ファイルから読み込む場合、事前に開発ベンダーが提供するプラグインファイルをダウンロードして、以下の流れに沿ってkintoneへインストールしてください。
- kintone画面上部の歯車アイコンをクリックし、「kintoneシステム管理」画面を開く
- 「その他」の[プラグイン]をクリック
- 画面左上の[読み込む]をクリック
- [参照]をクリックし、ダウンロードしたプラグインファイル「○○.zip」を選択
プラグインファイルはZip形式のまま読み込みますが、読み込めるファイルの容量は100MBまでとなっているため、ご注意ください。 - [読み込む]をクリック
「読み込んだプラグイン」としてプラグイン名が表示されていれば、インストール完了です。
プラグインストアからインストールする方法は、以下の手順です。
- kintone画面上部の歯車アイコンをクリックし、「kintoneシステム管理」画面を開く
- 「その他」の[プラグイン]をクリック
- インストールするプラグインの[インストール]ボタンをクリック
- [OK]をクリック
プラグインのステータスが「インストール済み」となれば、インストール完了です。
プラグインがバージョンアップされた場合、プラグインストアからインストールしたプラグインは自動でアップデートされます。一方、ファイルから読み込んだプラグインは、最新バージョンのプラグインファイルを再度読み込んで、自身でバージョンアップさせる必要があります。
プロセス管理の基本設定
プロセス管理の設定は、「ステータス」「アクション」「作業者」の3つを設定します。
- プロセス管理を設定するアプリを開き、画面右上の歯車アイコンをクリック
- 「設定」タブの「一般設定」から[プロセス管理]をクリック
- 「1.有効化」の[プロセス管理を有効にする]のチェックボックスを選択
- 「2.ステータス」からワークフローのステータスを設定
あらかじめ「未処理」「処理中」「完了」の3つのステータスが設定されているため、こちらのステータス名を変更したり、右側にある[+]をクリックしてステータスの項目を増やしたりすることも可能です。 - 「3.プロセス」でステータスごとの「作業者」と「アクション名」を入力
アクション名に入力したテキストが、作業者の画面にボタンとして表示されます。 - 「実行後のステータス」を設定
アクションが実行されると、「アクション実行前のステータス」から、ここで設定したステータスに移ります。手順4で設定したステータスから選択できます。 - ここまでの手順を終えたら、他のステータスでのプロセスも同様に設定
- すべてのプロセスを設定したら、画面右下にある[保存]ボタンをクリック
- 画面右上の[アプリを更新]ボタンをクリックすると、アプリに設定したプロセス管理が適用される
上記は基本的なワークフローの設定ですが、条件によって分かれるプロセス管理を設定する方法もあります。入力された値によってアクションを分岐できるようになります。
「3.プロセス」の真ん中にある「アクションが実行できる条件」で設定可能です。
出典:「https://jp.cybozu.help/k/ja/id/040575.html」kintoneヘルプ
https://jp.cybozu.help/k/ja/id/040575.html
詳しい設定方法については、下記記事にて解説しています。併せてご覧ください。
▼kintoneのプロセス管理で条件分岐があるワークフローを設定
プラグインを導入する前に確認すること
便利なプラグインはいくつも導入したくなりますが、プラグインを導入する前にいくつか注意点があるためご紹介します。
プラグインの使用には「スタンダードコース」の契約が必要
kintoneには、スタンダードコース・ライトコースの2種類がありますが、プラグインを使用するにはスタンダードコースの契約が必要です。ライトコースではプラグインはインストールできないため、注意しましょう。
スタンダードコースで利用できるアプリの数は1,000個までですが、プラグインの数は制限がありません。
スタンダードコースについて、下記記事にて詳細を解説しています。
▼kintoneのスタンダードコースとは? 機能や月額料金、ライトコースとの違いを解説
プラグイン同士が競合して正常に動作しないことも
kintoneは自由にアプリを作成したり、プラグインをインストールしたり、時にはJavaScriptカスタマイズを行ってさらに便利に作り変えたりすることで、よりkintoneの力を発揮します。しかし、たくさんのプラグインを導入すると、プラグイン同士が競合して不具合を起こすケースもあります。また、JavaScriptカスタマイズを行っていると、プラグインのJavaScriptファイルと競合してしまうケースもあります。
プラグインを導入する際には、テスト動作を必ず行ってからインストールするようにしましょう。
セキュリティリスクやサポートの有無
開発ベンダーから提供されている有料プラグインは、基本的にセキュリティ対策やサポート体制が整っていますが、無料のプラグインは提供元のサポートがない場合がほとんどです。
プラグインのぜい弱性を狙われ、kintoneの情報が漏えいしてしまうリスクも考えられます。プラグインを導入する前に、提供元のセキュリティ対策やサポートの有無を必ず確認しましょう。
プラグインの拡張性には限度がある
数多くのプラグインが提供されていますが、その拡張性には限度があり、必ずしも自身の要望をすべて実現するプラグインが存在するとは言い切れないでしょう。
プラグインで機能が不足している場合は、独自の開発・カスタマイズが必要です。プラグインのJavaScriptファイルをカスタマイズして、自社の業務ルールに沿うような機能を実装できますが、プログラミングの高度な知識・技術を要します。自社に人材がいれば問題ありませんが、いない場合は開発ベンダーへ相談してみることをおすすめします。
テクバンのプラグイン導入・開発サポート
プラグインを使って効率的なワークフローを実現
kintoneのプロセス管理はプラグインの導入により、さらに便利で効率的に業務を行える機能を実装することが可能です。
ここでは一部のプラグインを紹介しましたが、他にも便利なプラグインはたくさんあります。「どのプラグインを選べばよいかわからない」「開発・カスタマイズを行って業務の手間を減らしたい」という方は、ぜひテクバンまでご相談ください。
お客様にとって最適なプラグインの選定、開発・カスタマイズを提供します。
※本記事の内容は2024年7月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
kintone開発支援サービス
kintoneプラグイン