kintoneは様々な業務を効率化させるビジネスプラットフォームですが、スケジュール管理を行うためのカレンダー機能も備えています。しかし、標準機能だけでは他のカレンダー管理ツールと比べ、使いづらさを感じるかもしれません。
そこで、kintoneベンダー企業から提供されているプラグインを活用することで、機能を拡充させた使いやすいカレンダーになります。
本記事では、無料で使えるカレンダープラグインについて紹介しますので、現在kintoneでカレンダー機能をお使いの方は、ぜひご参考にしてください。
kintoneカレンダーでできること
kintoneカレンダーを「スケジュール管理」として活用している方も多いのではないでしょうか。
kintoneでは、アプリのトップページにカレンダーを表示でき、月のスケジュールも一目で確認可能です。カレンダー形式の表示は、カレンダーにどのフィールドを表示するか選択できますが、設定できるフィールドは1つのみです。レコード詳細とリンクしているため、クリックしてレコード内容を確認できます。
また、カレンダーを「写真日記」として活用することもできます。何か写真として作業記録を毎日残す必要がある場合に、役立てられるでしょう。毎日の変化をカレンダー上で簡単に確認できます。
カレンダー表示機能の使い方
カレンダー表示機能の使い方について説明します。設定には、そのアプリの管理権限が必要です。
以下の手順に沿って、アプリにカレンダーを表示させます。
- カレンダーを表示させたいアプリの画面右上にあるメニューボタンから[アプリの設定を変更]を選択
- 画面上の「一覧タブ」をクリックし、右上の[+]ボタンを押す
- 画面右上の「一覧名」に表示名を記入
- 「レコード一覧表示形式」で[カレンダー形式]を選び、レコード表示する項目を選択
名称、担当者、開始日時、終了日時など、カレンダー上にスケジュールを表示するために必要な項目を入れてください。 - 設定が完了したら、右上の[保存]ボタンをクリック
- アプリ設定画面に移り、「作成済みの一覧」の中に作成したカレンダーがあることを確認できたら、右上[アプリを更新]ボタンをクリックし設定を反映させる
カレンダー以外に一覧を作成している場合は、「一覧」タブからカレンダー表示の一覧を一番上にドラッグして移動させましょう。これにより、アプリを開いた時に最初にカレンダーが表示されるようになります。
カレンダーの設定や使い方について、詳細を解説している記事をご用意しております。併せてご覧ください。
▼kintoneのカレンダー表示機能|便利なプラグインも紹介
標準機能でできないこと
標準機能のカレンダーだと、指定した日付に対して、指定したフィールドの値が表示される、いたってシンプルな見え方になります。
出典:「kintoneでスケジュールを管理するには」kintoneヘルプ
https://jp.cybozu.help/k/ja/utility/app/calender.html
kintoneの標準カレンダーでは、以下のようなことは行えません。
- 予定の種類や担当者に応じた色分け
- 複数日にわたる予定の表示
- 週・日ごとの予定の表示
- 担当者別の予定や案件別の予定の確認
これらのことをカレンダー機能に追加して行えるようにするには、プラグインのインストールが必要です。次章より、プラグインについて解説していきます。
kintoneのプラグインとは?
kintoneのプラグインとは拡張機能のことをいいます。基本的に、設定画面用のHTML・CSS・JavaScriptファイルがパッケージされています。
kintoneを標準機能から拡張させるには、プラグインをインストールしたり、プログラミングを行ってカスタマイズしたりする方法があります。
プラグインは、インストールするだけですぐに業務で使用できる手軽さがメリットです。
ちなみに、kintoneのアプリ/プラグイン/連携サービスの違いは以下の通りです。
- アプリ:kintone上で作る業務システム
- プラグイン:kintone上でインストールして使用する拡張機能
- 連携サービス:kintoneの外部で設定画面がある拡張機能
おすすめプラグインを下記記事で紹介していますので、併せてご参考にしてください。
▼【2024年】無料版kintoneプラグインのおすすめをご紹介!
プラグインのインストール方法
kintoneベンダー企業や開発会社などが提供するプラグインを使用する場合、ファイルから読み込んでプラグインをお使いのkintoneへ追加します。インストール手順は以下の通りです。
- kintone画面上にある歯車アイコンをクリックし、「kintone管理システム」を開く
- 「その他」の[プラグイン]をクリック
- 画面左上の[読み込む]をクリック
- [参照]をクリックし、プラグインのZipファイルを選択
- [読み込む]をクリックして完了
「読み込んだプラグイン」として追加したプラグインが表示されていれば追加完了です。読み込んだプラグインをアップデートする際は、新しいバージョンのプラグインを同じ手順でkintoneにインストールさせます。
システム管理者がプラグインを追加した後は、アプリ管理者が各アプリの設定画面にてプラグインの追加を行います。複数のプラグインをkintoneアプリに適用する場合、プラグイン同士が競合し、うまく動作しないことが稀に発生します。
運用に支障がないか事前に確認した上で、各アプリにプラグインを適用しましょう。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneのプラグイン開発|必要なファイル、開発手順を紹介
完全無料で使えるkintoneカレンダープラグイン
ここでは、以下3つの無料プラグインについて紹介します。
- 複数日付選択カレンダープラグイン/TiS
- kintoneイベントカレンダープラグイン/cybozu developer network
- カレンダープラグイン/Ribbit's works
複数日付選択カレンダープラグイン/TiS
TiSが提供する「複数日付選択カレンダープラグイン」は、標準機能でできない「複数日にわたる予定の表示」を可能にします。また、連続した複数日だけでなく、カンマ区切りの日付データを文字列(1行)フィールドに入力すると、複数の日付を管理できるようになるのです。
日付の選択・解除は、カレンダー上の日付をクリック・ダブルクリックするだけの簡単操作で行えます。
出典:「複数日付選択カレンダープラグイン」TiS
https://www.tis2010.jp/multicalendar/
kintoneイベントカレンダープラグイン/cybozu developer network
cybozu developer networkから提供されている「kintoneイベントカレンダープラグイン」は、デフォルトでは月次表示ですが「週・日ごとの予定の表示」ができるようになります。
また、プロセス管理と連携したイベントの進捗確認と色分けが可能です。
出典:「イベントカレンダープラグイン」cybozu developer network
https://cybozu.dev/ja/kintone/tips/development/plugins/sample-plugin/eventcalendar-plugin/
カレンダープラグイン/Ribbit's works
Ribbit's worksの「カレンダープラグイン」は、Googleカレンダーに似たUI(ユーザーインターフェース)で、直感的にスケジュール登録を行えるカレンダーを実装します。
デフォルトでは週次表示ですが、月次表示にすると予定のタイトルと開始時間だけの表示になります。
タイトルと予定の説明には「文字列(1行)」もしくは「文字列(複数行)」を選択でき、予定のカテゴリーを設定して、カテゴリー別の色分けも可能です。
人気プラグイン「カレンダーPlus」について
カレンダープラグインとして人気を集めている「カレンダーPlus」は、標準機能でできなかった機能をすべて実現できるようになります。
カレンダーPlusは、試用ライセンスと有償ライセンス(Basic・Pro)で提供されており、試用版でも十分に使用できますが、有償版は警告が表示されなくなったり、メールによるサポートやバージョンアップ時の案内があったりと、特典を受けられます。
カレンダーPlusを利用するには、kintoneスタンダードコースの契約が必要です。
kintoneスタンダードコースの詳細については、下記記事をご参考にしてください。
▼kintoneのスタンダードコースとは? 機能や月額料金、ライトコースとの違いを解説
カレンダーPlusでできること
カレンダーPlusでできる基本的な機能として、以下のことが挙げられます。
- 担当者ごと、予定の種類に応じた色分け
- 開始日と終了日の指定で、複数日にわたる予定を表示
- 月・週・日ごとで表示形式を変更可能
- リソース別機能により、担当者や案件別の予定を分けて表示
- モバイル端末対応
ドラッグ&ドロップの簡単操作で予定を登録したり、スケジュールを共有したりできます。また、カレンダーPlusで定期的な予定の一括登録・更新・削除には「くりかえしPlus」を使って行うことが可能です。くりかえしPlusもまた、試用ライセンスと有償ライセンスで提供されています。
カレンダーPlusの機能をもっと拡充させたい場合には、「Calendar Plus JavaScript API」カスタマイズで補うことが可能です。
有償ライセンス「Basic」「Pro」の違い
有償ライセンスBasic版の機能に加え、Pro版ではリソース別でスケジュールを管理できる機能が搭載されています。担当者別や会議室別など、任意の軸によって表示を切り替えられるのです。最大5軸まで設定できます。
また、cybozu.com組織情報と連動した部門別のスケジュール表示にも対応しており、細かな階層化された組織も簡単に切り替え表示できます。
組織の部門やメンバーの数が多い場合のスケジュール管理であれば、Pro版をおすすめします。
有償ライセンスの料金プラン
有償ライセンスは、利用人数によって複数の料金プランが用意されています。買い切り制で、利用人数が増えた場合でも、最初に契約したプランの人数内であれば追加料金はかかりません。
利用人数 | Basic | Pro | Basic→Proへ アップグレード |
1~20名まで | ¥39,800 | ¥189,800 | ¥150,000 |
21~50名まで | ¥59,800 | ¥209,800 | |
51~100名まで | ¥79,800 | ¥229,800 | |
101~200名まで | ¥99,800 | ¥249,800 | |
201~500名まで | ¥119,800 | ¥269,800 | |
501~1,000名まで | ¥139,800 | ¥289,800 | |
1,001名~無制限 | ¥159,800 | ¥309,800 |
※税別
プラグインの選定に迷ったら・・・
ここまでいくつかのプラグインを紹介してきましたが、他にもまだベンダー企業から提供されているプラグインはたくさんあります。
その中から自社に最適なプラグインを選ぶには、kintoneについて熟知していたり、プラグインの機能だけでなくJavaScriptカスタマイズの知識を有していたりする必要があるでしょう。
そのような人材が社内にいれば問題ありませんが、もしいなければkintoneの開発支援を行っているベンダー企業に相談するのもひとつの手です。
ベンダー企業にはkintoneの開発・カスタマイズに関するノウハウや経験が豊富で、お客様に最適なプラグインの選定も対応可能です。
テクバンもkintone開発支援サービスを提供しています。「どのプラグインが最適かわからない」「今使っているプラグインのJavaScriptカスタマイズを行って機能を拡張させたい」など、お悩みごとがありましたら、お気軽にテクバンまでご相談ください。
テクバンのkintone開発支援サービス
プラグインを使ってより便利なkintoneカレンダーへ
kintoneカレンダーを標準機能から拡張させるプラグインについて紹介してきました。
プラグインを活用すれば劇的に機能が充実したカレンダーへとなるため、積極的に取り入れてみるとよいでしょう。
お客様独自のカレンダー実装も、JavaScriptカスタマイズを行えば実現できます。業務環境に最適なkintoneカレンダーを作ってみましょう。
関連記事をご用意しております。
▼kintoneでJavaScriptを活用し、さらなる業務改善へ!
※本記事の内容は2024年7月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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