工数管理は業務のマネジメントや効率化において欠かせないものです。現在では多くの企業で工数管理が行われていますが、工数の入力や集計に手間取り、無駄なコストがかかっているという企業が多くあります。この問題の解決策として有効なのが、kintone による工数管理です。
本記事では、kintone で工数管理を行う方法やメリット・デメリットなどを解説します。本記事を参考に、kintone での工数管理導入をご検討ください。
kintone による工数管理とは
kintone はサイボウズ株式会社が運営しているクラウド型の業務アプリ開発サービスです。kintone は、プログラミングやアプリ開発の知識がなくても、パーツのドラッグ&ドロップで簡単にアプリを開発できます。誰でも簡単にアプリ開発が行えるため、業種・職種にとらわれずに様々なシーンで利用可能です。
この kintone を活用すれば、各現場や作業にあわせた工数管理アプリが開発でき、効率的な工数管理を実現できます。kintone は Excel からデータを読み込んでのアプリ開発ができるようになっているため、現在 Excel で工数管理を行っている場合もスムーズに移行ができるでしょう。
Excel での工数管理の課題
Excel を利用して工数管理を行っているという企業は多いでしょう。マイクロソフト社の Office 製品を導入している企業では、多くの従業員が利用に慣れており、新しくツールを導入するコストをかけずに工数管理ができるという理由で Excel が用いられるケースが多くあります。しかし、Excel を利用した工数管理には、以下のようなデメリットも発生します。
- 入力者が関数やマクロを壊してしまう
- ファイルが重くなる
- 最新バージョンを管理しにくい
- ファイルの共有、共同編集がしにくい
Excel での工数管理では、集計や分析のために関数やマクロを活用しますが、入力者が関数の入ったセルを上書きしてしまう、入力フィールドでない部分に入力してしまいマクロが動かなくなってしまう、というトラブルがよく発生します。特定のセルやシートを保護する機能はありますが、うまく設定しなければ管理が煩雑になってしまいます。入力データや関数、マクロ処理、グラフ描画などで負荷が増えると、Excel の動作が重くなり 、ファイルが開きにくくなる点も注意が必要です。
また、Excel の更新をかけた際にどれが最新のファイルかわかりにくい、ファイル共有や編集がしにくく社外からの更新方法を検討しなければいけない、といった点も デメリットでしょう。
kintone で工数管理を行うメリット
kintone での工数管理には以下のようなメリットがあります。
工数入力時のリスクがなく、バージョン管理もしやすい
kintone による工数管理では、開発したアプリ上でユーザーが工数入力を行いますが、入力するフィールドが限定されているために、Excel のように入力者がファイルを壊してしまうリスクがありません。また、複数人の工数管理を1つの Excel ファイルで管理していると、誤って違う人のセルに工数を入れてしまうことがありますが、アプリでは一人ひとりが別で情報を登録するため、そのようなミスが発生しなくなります。
kintone で作成したアプリは、自動で誰がいつどのような変更を行ったのかをアプリ一覧から確認できるようになっています。過去のバージョンにも復元できるため、誤って更新をかけた場合でも安心です。
もし誤ってアプリを丸ごと消してしまった場合でも、アプリIDやアプリIDを特定できる情報(アプリ名や削除時間、削除ユーザー)があれば、削除後13日以内であれば復元できます。kintone での工数管理の方が、誤操作に対しても多くのメリットが得られるでしょう。
柔軟な利用の仕方ができる
Excel での工数管理の場合、ファイルの共有や共同編集がしにくいため、社外からの利用や大人数での利用をしたい場合には、どのように利用するかを検討する必要があるでしょう。一方、kintone はクラウドサービスのため社外からの利用がしやすく、アプリは個々人での入力になるため大人数での共同編集の問題も発生しません。スマホ やタブレットからでも閲覧、編集が容易で様々な働き方にも対応しやすいでしょう。
また、kintone は誰でも簡単にアプリをカスタマイズできるため、部署ごとに必要な情報を入力項目としてカスタマイズできます。kintone のアプリによる工数管理は、利用ケースに応じて柔軟な利用ができる点も大きなメリットです。
工数管理以外にも活用でき、連携可能
kintone は様々なアプリを開発できるため、工数管理だけでなく、プロジェクト管理やタスク管理、日報管理などのアプリも開発できます。kintone を導入すれば、工数管理以外にも様々な業務において効率化や生産性向上を実現できるでしょう。また、それぞれのアプリを連携する、プラグインを使って高度な利用をする、外部のシステムと連携することも可能です。必要に応じて様々な管理ツールをシームレスに連携できるため、より効率的な管理がしやすいでしょう。
kintone によるプロジェクト管理、タスク管理、日報管理については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▼kintone でプロジェクト管理すると進捗管理・情報共有がスムーズ! おすすめアプリ・プラグインも紹介
▼kintone でタスク管理! メリットとおすすめのプラグインも紹介
▼kintone 日報アプリのメリットは? 見える化の事例やポイントを解説
kintone で工数管理を行う際の注意点
kintone での工数管理には多くのメリットがありますが、以下の点には注意して利用するようにしましょう。
アプリを乱立させない
企業内では、部署によって工数管理を行う際に収集したい情報が異なる場合があるでしょう。kintone は専門的な知識なしにアプリを開発できるため、それぞれの部署に最適化した工数管理アプリを開発可能です。しかし、アプリを開発して利用アプリが増えるほど、その分管理が難しくなります。
せっかく Excel での管理から抜け出せたとしても、カスタマイズするごとに新しいアプリを作っていたのでは、どのアプリが実際に使われているのか把握しにくくなりますし、アプリ開発数の上限にひっかかる可能性もあります。工数管理アプリの数は最小限におさえ、アプリ担当者に対して定期的な棚卸しをするなど、適切な管理が行われるようにしましょう。
コストをふまえて利用範囲を検討する
kintone はユーザー数ごとの料金体系であるため、利用ユーザーが増えるほどコストが高くなります。一人一人のコストはそれほど高額でなくても、従業員数が多い企業で全従業員が kintone を利用できるようにすると、その分コストは高額になるでしょう。kintone を導入する際には、社内のどの業務を kintone で工数管理するのか、どの部署に導入するのかなど、コストパフォーマンスをふまえた利用方法の検討が必要です。
利用する機能やプラグインを検討する
kintone は柔軟なアプリであるため、現在では様々なカスタマイズやプラグインの実装が可能になっています。単なる工数管理だけでなく、別のシステムと連携することで、大幅な業務効率化につなげられる可能性がありますし、標準機能だけでは実現できない機能もカスタマイズやプラグインを追加すれば実現できる可能性があります。kintone を利用するのであれば、カスタマイズやプラグインで、より最適化された利用方法ができないか検討するのが良いでしょう。
しかし、高度な利用をしようとするほど、専門的な知識もしくは金銭的なコストがかかります。また、そもそもどのような利用方法ができるのかを知りたい、ベストプラクティスは何かを知りたい、という需要は多いでしょう。
kintone などのITツールを専門に扱っている企業であれば、企業にあわせてどのような利用方法が可能なのか、実現したい機能を実装するためにより良いアプローチは何かをアドバイスしてくれます。kintone を導入する際には、事前に専門企業に相談してみると良いでしょう。
kintone を活用して工数管理を最適化
誰でも簡単にアプリ開発が行える kintone を活用すれば、それぞれの業務にあわせた工数管理アプリを作成できます。アプリによる工数管理は、Excel と比べて、誤操作の防止やバージョン管理、社外からの利用・共有、高度な活用・連携などの面でメリットがあります。
kintone は幅広い活用方法があり、どう使うかによって導入効果が大きく変わるツールです。kintone を最大限に使いこなすためには、ナレッジを豊富にもっている企業に相談することをおすすめしています。テクバンでは、kintone の開発支援サービスを提供しておりますので、kintone 導入をご検討の際はぜひご相談ください。
※本記事の内容は2023年3月時点のものです。kintone の仕様や利用環境は変更する場合があります
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また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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