Excelからの脱却を目指し、業務をkintoneへ移行する組織は多いですが、使い慣れたExcelをそのままkintoneでも使用したいというケースもあるのではないでしょうか。
そんな時は「krewSheet」で実現できます。
本記事では、krewSheetの使い方や機能について紹介します。kintone機能を拡張させるプラグインを探している方や、これまで使っているExcelを活用してkintoneへの移行を考えている方は、ぜひご参考にしてください。
krewSheetとは
krewSheetとは、メシウス社から提供されている「krew」シリーズのひとつです。
kintoneで脱Excelを実現するプラグインとして、krewSheetの他にアプリ間の集計が簡単にできる「krewData」と、豊富なグラフとピボットテーブルによりアプリに蓄積されたデータを可視化する「krewDashboard」の2つがあります。
krewシリーズの3つのプラグインの中から、どれか一つだけではなく、複数組み合わせて導入する企業が多いようです。特にkrewSheetは、Excel文化が根強い現場でkintoneを展開する上で欠かせません。新規システムへの移行の際に何かとネガティブな意見が出てくることもありますが、krewSheetであればExcelライクなインターフェースのため、そのような懸念を払拭できるでしょう。
krewSheetについて、下記記事でも詳細を解説しています。併せてご覧ください。
▼krewSheetでkintoneをExcelのように操作! 機能や活用方法を解説
ライセンスと価格
krewSheetのライセンスはドメイン単位となり、ライセンス体系はサブスクリプションです。
krewSheetを利用するには、kintoneスタンダードコースでの契約が必要となります。
ユーザー数 | 料金 ※税込 |
~100名 | 25,300円/月額 275,000円/年額 |
101~100名 | 33,000/月額 363,000円/年額 |
201~500名 | 45,100/月額 495,000円/年額 |
501~1000名 | 75,900/月額 825,000円/年額 |
1001名~無制限 | 126,500/月額 1,375,000円/年額 |
初期費用・解約費用なしで利用できます。また、メールでのサポートや無償バージョンアップにも対応しており、導入後も安心して利用できるでしょう。
30日間の無料お試し期間が設けられているため、まずはこちらを使用して契約を検討することをおすすめします。お申し込みはこちらから。
無料お試し期間の終了日に関係なく、発注日を基準として契約(課金)がスタートします。発注日の当月末日までは無償利用期間、翌月1日が契約開始日(有償期間の開始日)となります。
krewSheetの使い方
ここでは、krewSheetの使い方を紹介します。こちらの手順に沿ってkrewSheetの設定を行ってみてください。
1.開始する前の準備
krewSheetの利用を開始する前に、まずはkrewSheetをインストールします。krewSheetのプラグインファイル(Zipファイル)は無料お試しを申し込むと取得できます。
なお、この操作はkintoneのシステム管理者が行います。
- システム管理画面を開き、「その他」の[プラグイン]をクリック
- 画面左上[読み込む]をクリックし、[参照]からkrewSheetのプラグインファイルを選択。その後、青色の[読み込む]ボタンをクリック
次に、krewSheetをkintoneアプリに適用させます。これらの操作は、アプリ管理者が適用させるアプリごとに行ってください。
- アプリの設定画面を開き、「設定」タブをクリック。「カスタマイズ/サービス連携」の[プラグイン]をクリック
- 画面左上[プラグインの追加]をクリックし、krewSheetのチェックボックスを選択。その後、[追加]ボタンをクリック
krewSheetを表示させる一覧を追加します。この操作はkintoneシステム管理者が行います。
- アプリの「一覧」タブを開き、右側にある[+]をクリック
- 「一覧名」を入力し、「レコードの表示形式」にて「カスタマイズ」を選択
- [保存]ボタンをクリック
- 「設定」タブを開き、「カスタマイズ/サービス連携」の[プラグイン]をクリック
- 歯車アイコンをクリックして、krewSheetの設定画面を開く
- シリアルナンバーを入力するポップアップが表示されるため、無料お試し申込時に入手したシリアルナンバーを入力
- ライセンス状況を確認するには「設定ファイル」タブのメニューから[ライセンス]を選択
以上にて、事前準備は完了です。
2.モードの選択
krewSheetでは2つのモードから選択して使用します。
- Sheetモード
kintoneアプリのレコード一覧画面をExcelのように表示し、編集できるモードです。通常、レコードの情報を編集するには詳細画面を開いてからフィールドの値を編集して更新する必要がありますが、Sheetモードでは詳細画面を開く必要がなく、一覧画面上で直接情報を編集できる手軽さが魅力です。 - Xrossモード
kintoneアプリの登録された情報をピボットテーブルで計算し、表示・編集が可能になるモードです。ピボットテーブルでレコード一覧を俯瞰しながら直接レコードを編集できる点が特長です。
krewSheetのデフォルトはSheetモードで設定されています。プラグイン設定画面の左上にあるSheetモードのアイコンをクリックすることで、モードを切り替えるドロップダウンが表示されます。
3.Sheetモードの設定の流れ
Sheetモードのプラグイン設定画面にて、機能設定の手順を説明します。
- 一覧の選択
リボンエリア(様々な機能のボタンやメニューを表示する画面上部の領域)にある「一覧」ドロップダウンで設定対象の一覧を選択します - 表示項目の設定
表示するフィールドをフィールドエリアからシートエリアにドラッグ&ドロップで配置します。 - 機能設定
ソートやフィルタ、条件付き書式など、様々な機能を選択して設定します。また、「設定ファイル」からkrewDataとの連携も設定できます。 - 設定内容の保存とアプリの更新
[アプリを更新]ボタンをクリックすると、krewSheetの設定内容とアプリの詳細設定が保存され、アプリに反映します。
4.Xrossモードの設定の流れ
Xrossモードの設定も、Sheetモードとほぼ同様になります。
- 一覧の選択
リボンエリア(様々な機能のボタンやメニューを表示する画面上部の領域)にある「一覧」ドロップダウンで設定対象の一覧を選択します - モードの選択
左上のアイコンが「Sheet」になっている場合は、クリックして「Xross」に変更します。 - 表示項目の設定
表示するフィールドをフィールドエリアからシートエリアにドラッグ&ドロップで配置します。 - 機能設定
ソートやフィルタ、条件付き書式など、様々な機能を選択して設定します。また、「設定ファイル」の[設定をコピー]で、krewSheetで設定した内容を同一アプリ内の別の一覧にコピーしたり、設定情報をエクスポートして同一アプリまたは他のアプリにインポートしたりといったことが可能です。 - 設定内容の保存とアプリの更新
[アプリを更新]ボタンをクリックすると、krewSheetの設定内容とアプリの詳細設定が保存され、アプリに反映します。
学習コンテンツ「krewSheetドリル」
krewSheetの各機能の使い方と活用できるシーンについて学べるコンテンツ「krewSheetドリル」が用意されています。krewSheetを初めて使う方は、まずチュートリアルを実施することから始めましょう。チュートリアルはこちらから。
基本編と応用編に分かれており、基本編では年度の抽出や小計の計算、異なるレコード値の取得など一般的な機能を学べ、応用編では予算の査定や昨対比の可視化、案件管理・顧客管理・販売実績管理などの機能について学習できます。
自社環境で試す準備
krewSheetドリルでは、演習ファイルをダウンロードして試用できます。テンプレートを提供しているシナリオにて、各記事の文末にテンプレートファイルのURLが記載されているため、そこからダウンロード可能です。展開すると以下3つのファイルとフォルダが格納されています。
- アプリテンプレート(シナリオ名アプリテンプレート.zip)
- krewSheetの設定ファイル(シナリオ名.json)
- サンプルデータ(シナリオ名のCSVファイル)
展開したファイルを以下の手順でkintoneアプリに読み込ませます。
- krewSheet利用例を配置するスペースを作成
スペースとは、チーム単位で必要なコミュニケーションやアプリを集約できる機能です。[はじめから作る]を選択してスペースを作成します。 - アプリの新規作成
アプリの作成にて[テンプレートファイルを読み込んで作成]をクリックし、アプリテンプレート.zipを指定します。読み込まれると「KS500-10 案件管理」というアプリが作成されます。 - krewSheetの設定ファイルを読み込ませる
任意のアプリを選択すると「設定情報が見つかりません。プラグイン設定画面でkrewSheetの設定をしますか?」というポップアップが表示されるため、[OK]をクリック。krewSheetのプラグイン設定画面に移り、シリアルナンバーを入力してください。 - 「設定ファイル」タブを選択し、[インポート設定ファイル]をクリック。ダウンロードしたkrewSheetの設定ファイル(JSON)を選択
- [OK]をクリックし、[アプリを更新]ボタンで設定ファイルの読み込みが完了
- ダウンロードしたCSVファイルをサンプルデータとして読み込む場合、アプリを開いて右側にある[…]から[ファイルを読み込む]を選択して読み込ませる
krewSheetの使い方をマスターしよう!
krewSheetは多彩な使い方ができる一方で、すべてを理解しようとするには少し時間がかかるかもしれません。しかし、krewSheetドリルや公式ページの解説などを参考にして、使い方をマスターしましょう。
「kintoneプラグインを導入したいけれど、いまひとつ活用できていない」「プラグインの有効的な使い方を知りたい」という方に向けて、テクバンではサポートを行っております。kintoneでのお悩みごとがございましたら、お気軽にご相談ください。
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▼krewとは? kintoneをExcel風にしてデータ集計・分析もできるプラグイン
※本記事の内容は2024年9月時点のものです。kintoneの仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
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