工程管理は、製造業において非常に重要な役割を担っています。しかし、生産工程において広範囲を管轄するため、手間がかかる、複雑で管理しづらいという課題があります。kintone を活用すれば、わかりやすく効率的な工程管理を行うことが可能です。
本記事では、工程管理の概要や課題、kintone を活用した業務効率化の方法などを紹介します。工程管理が複雑で難しい、kintone を活用したいが具体的な方法がわからないという方の参考になれば幸いです。
工程管理とは?
工程管理とは、効率的に目標を達成できるように生産計画を立て、各工程の進捗や実績を管理することです。労働力・設備・資材の管理から、工場での生産計画や日程計画を立てるなど、製造工程全般を管理しています。
各工程が問題なく進行しているか、過不足なく生産されているかなど、一定の品質・生産量を保つことが管理の目的です。
十分な工程管理ができていないと、納期の遅れ、無駄な人員配置、認識の齟齬など、トラブルが発生しプロジェクトがスムーズに進まなくなってしまいます。
プロジェクトを円滑に進めるためにも、正確な工程管理が重要といえるでしょう。
工程管理の課題
プロジェクトを成功させるためには、質の高い工程管理が重要となってきます。しかし、工程管理を行うにも管理業務の幅が広いことから複雑で難しいという印象を持っている方も多いでしょう。
以下では、工程の管理をする際に発生する課題を3つ紹介します。
1.Excel で管理すると分裂する可能性が高い
工程管理を Excel で行っている企業も少なくありません。しかし、Excel で工程管理をする場合は様々なデメリットがあります。
- 容量が増えるとファイルが破損する可能性がある
- 複雑な処理やマクロを組み立てられる人が属人化する
- 複数人で同時に編集できない、二重入力のリスクがある
こうした問題を抱えたまま管理していくうちに Excel が複数ファイルに分裂したり、いつの間にか進捗管理表が使われなくなったりして、結果的にプロジェクト全体の進捗の遅れにつながります。
2.案件やプロジェクトとタスクが紐づかない
kintone を使わずに工程管理をしていると案件とタスクが紐づかず、以下のようなデメリットが生じるケースもあります。
- プロジェクトのメンバー間で情報共有ができない
- 作業の遅れに気づけず納期が遅れる可能性がある
プロジェクトとタスクが紐づいていないと、全体の進捗状況が把握できない、案件に対する作業者のタスク量がわからないといった問題から、適切な判断ができない可能性があります。クオリティの維持や納期を守るためにも、案件やプロジェクトに紐づく形で管理することが重要です。
3.ホワイトボードで行う進捗管理は手間がかかる
Excel のように複数に分裂することはなく、記入する手軽さからホワイトボードで工程管理を行う企業もあるでしょう。しかし、以下のようなデメリットがあります。
- データの蓄積や参照ができない
- 都度手書きで書き換える必要がある
- 確認するためにはホワイトボードがある場所にいかなければならない
- 誤って消してしまう可能性がある
このようにホワイトボードでの進捗管理はアナログな手法のため、手間のかかる管理になってしまい、非効率といえるでしょう。
kintone で工程管理を効率化する方法
kintone で工程管理を行えば、プロジェクトとタスクを紐づけて管理できたり、リアルタイムで情報共有できたりします。
しかし、kintone の標準機能ではできることに限度があり、それだけでは理想的な工程管理は難しいでしょう。そこで、kintone をカスタマイズして工程管理により適した環境にする必要があるのです。
以下では、サンプルアプリで効率化する方法と、プラグインを活用して効率化する方法を解説します。
工数管理できるサンプルアプリ3選
まずはアプリストアにある、サンプルアプリを活用する方法から紹介します。
- 製造業作業工数管理
製造業の工程管理を行うアプリです。作業者が作業内容を登録することで、管理者が作業工数を把握しマネージメントを適正化します。作業者や製品別にグラフで状況を確認できるため、効率的な管理が可能です。
- SE工数管理日報
プロジェクトごとの工数や進捗状況をリアルタイムで確認できる日報アプリです。データを蓄積し、分析することでプロジェクトの改善に役立ちます。
- 図面管理
図面の変化点や履歴など、図面に関する情報を管理できるアプリです。案件ごとに作業状況や作業者のタスク量をグラフで可視化できるため、設計/CAD担当者の工数管理も可能です。
工数管理におすすめな無料プラグイン3選
以下では、無料で利用できるプラグインを紹介します。
- 日程・工程・稼働表作成プラグイン
kintone のレコードをガントチャート形式で表示できるプラグインです。生産ラインの稼働状況、在庫状況、作業割り当てといった工程を視覚的に確認できます。プロジェクトごとにタスクがまとまっているため、Excel と同じような感覚で使用可能です。 - カレンダー Plus
月別・週別・日別表示や色分け表示で、わかりやすいスケジュール管理ができるプラグインです。一見、ただのカレンダーと思う方もいるかもしれませんが、リソース別に表示することで案件やプロジェクトごとにタスクを可視化できます。各自のタスク量やスケジュールを確認できるため工程管理が捗ります。 - ガントチャートプラグイン
ガントチャートプラグインは、様々な情報をガントチャート上で確認できるプラグインです。各タスクの担当者や期間を一目で確認し、プロジェクトの全体像を把握できます。ガントチャート上でドラッグ&ドロップ操作を行うだけで、タスクの詳細情報やスケジュール調整が可能。その操作の手軽さや、情報の見やすさが特長的なプラグインです。
kintone で工程管理の業務改善を実現
kintone の活用によって、煩雑になりがちな工程管理の効率化が図れます。全体の進捗状況が把握しにくい、スケジュールの遅れに気付きにくいなどの課題を解消し、スムーズな業務遂行を目指せます。
今回紹介したように、サンプルアプリやプラグインを活用し、kintone をカスタマイズすることでより活用の幅が広がります。自社での開発が難しい場合は、kintone パートナー企業に相談するのもひとつの手段です。
テクバンも kintone パートナー企業であり、経験と実績のあるエンジニアによるサポートも可能なため、お気軽にご相談ください。
他にも kintone の工程管理、プラグインに関する記事をご用意しています。ぜひ参考にしてください。
▼kintone でガントチャートをプラグイン|設定方法と使用例
▼kintone でタスク管理! メリットとおすすめのプラグインも紹介
※本記事の内容は2023年1月時点のものです。kintone の仕様や利用環境は変更する場合があります。
開発支援承ります
テクバンではkintoneの開発支援を受け付けております。日々の運用でお困りの方は以下より弊社サービスをご覧ください。
また、kintoneの標準機能に加えて、拡張機能であるプラグインを利用することで kintoneの活用の幅がより広がります。プラグイン選定から導入までサポートいたします。
kintone開発支援サービス
kintoneプラグイン