SharePoint Onlineのデータ管理は?
ビジネスにおいて、クラウドサービスの利用は当たり前のこととなりました。多くのクラウドサービスの中でも、特にSharePoint OnlineをはじめとしたMicrosoft 365は多くの企業や組織に取り入れられ、業務効率化やリモートワークの活性化に貢献しています。
しかし、これらSharePoint OnlineをはじめとしたMicrosoft 365上のデータは私たち自身の責任で適切に管理しなければならないことをご存じでしょうか。
実はクラウドサービス任せにしていると、データが失われ、組織の業務に深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。
そこで、今回は特にSharePoint Onlineデータのバックアップを保全する必要性とデータ損失リスク、その対策について詳しく解説します。
SharePoint Onlineで業務効率を高めたい方はこちらの記事をご覧ください。
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SharePoint Onlineのバックアップの必要性は?
ファイル、情報共有ツールとして多くの組織で活用されているSharePoint Online。編集中も自動的にデータ保存がなされるため大変便利ですが、なぜ自らの責任でバックアップを取らなければならないのでしょうか。
Microsoftの規約では、削除によるデータ消失の責任は同社にはなく、利用者側がデータバックアップを行うことを推奨しています。また、利用者自身がデータを削除した場合に加え、データ破損、マルウェアやウイルス攻撃、インターネット障害などによるデータ損失に対しても、マイクロソフト社は責任を負いません。つまり、一度削除したデータは永久に復元できないものとなるのです。
このため、定期的なバックアップは、SharePoint Onlineを安心して利用するために必須といえます。
SharePoint Onlineの機能について「もっと知りたい」方はこちらの記事をご覧ください。
▼SharePointの使い方は? 機能や活用メリット、課題の解決法も紹介
データ消去期限は93日間
SharePoint Onlineの1サイトあたりの最大ストレージは25TBですが、サイトのパフォーマンスを保つため、ストレージの使用量を抑えることが推奨されています。不要なサイトやファイルの削除やゴミ箱の定期的な整理は、パフォーマンス向上に有効ですが、削除後にデータが必要になったという経験はありませんか。
SharePoint Online上のサイト、ファイル、フォルダー、ドキュメントを削除した場合、いったんゴミ箱に保管されますが、その後93日を経過すると完全消去となります。
例えば、重要データをうっかりミスでゴミ箱に入れたことに気づかぬまま消去され、データ復旧できなかったという事態も起こり得るのです。
さらに、Microsoft 365では退職者のアカウントが削除された30日後にはデータも削除されます。
いずれも削除期限が到来する前に、必要なデータのバックアップが必要となります。この点に十分留意する必要があるでしょう。
SharePoint Onlineの容量について、詳しい記事をご用意しております。ぜひご確認ください。
▼SharePoint Onlineの容量を確認する方法は? 容量の追加方法や節約ポイントも解説
SharePoint Onlineのデータ損失ケース
SharePoint Onlineのデータをバックアップする必要性を解説してきましたが、どのような状況でデータ損失が発生するのか、実際に起こり得るケースを紹介します。
1.利用者の誤操作
よく発生するデータ損失の原因としては、利用者の誤操作によるデータの消去や移動があります。これは、SharePoint Onlineのフォルダデータの誤操作、プロジェクト外の従業員の操作ミス、組織変更や異動時の引き継ぎミスなどにより、生じます。
利用者の誤操作が原因の場合、タイミングによっては権限を持つ管理者が復元できますが、古いデータの復元は対応できないケースがあります。
2.システム不具合や管理者による誤操作
次にデータ損失が起こるケースとして挙げられるのが、システムの不具合が起因するものや管理者の誤操作です。
管理者は多くの操作権限を持つため、バックアップデータの削除や権限設定の誤り、アプリ設定によるアクセス権限の問題などのトラブルが発生する可能性が高く、誤操作の影響はより深刻となる傾向があります。管理者によるバックアップデータの削除は、データ回復が不可能であることが多いためです。
3.悪意ある攻撃による被害
データがウイルスやその他の悪意のあるソフトウェアによって、データ損失する危険を考慮することも重要です。
ウイルス感染やランサムウェア攻撃などに対する防衛策としては、ウイルス対策のソフトウェアやファイアウォールなどのセキュリティ製品の導入が考えられます。しかし、導入しても、セキュリティの弱点をつく新たな攻撃にさらされるリスクは、ゼロにはなりません。
損失以外でデータのバックアップが必要になるケースも
先ほどは予期せぬデータ損失のケースを紹介しましたが、これ以外もバックアップデータが必要となるケースがあります。例えば次のような場合です。
- 内部監査で操作記録(ログ)や特定のファイルの提出を求められた
- 法令に基づきデータ提供を求められた
- 管理者権限を持っていた退職者が不適切な操作を行った
これらに対処するためにも、やはりバックアップデータを一定期間、自社で保全することが必要なのです。
ではバックアップデータを取るためにはどうしたらいいのでしょうか。次はSharePoint Onlineのバックアップを取る方法について紹介します。
SharePoint Onlineのバックアップ方法は?
SharePoint Onlineのデータはサイト、リスト、ライブラリと様々な場所に保存されています。また、SharePoint Onlineでは特定のデータバックアップツールや復元ツールの提供がないため、データ保存は容易ではありません。
しかし、SharePoint Onlineの機能やサードパーティ製品を利用することで、SharePoint Onlineのデータバックアップが可能になります。
いくつかあるSharePoint Onlineのバックアップ方法について、紹介します。
バージョン履歴からバックアップ
SharePoint Onlineのバージョン履歴機能で、データをバックアップする方法です。
SharePoint Onlineでは、ファイルをSharePoint Online上で修正したり、アップロードし直ししたりすると、自動的に新たなバージョンが生成され、以前のバージョンも保存されます。
このバージョン履歴の機能を使って、古いバージョンのファイルをバックアップすることができます。
ゴミ箱からバックアップ
SharePoint Online上でファイル削除すると、ゴミ箱に移されます。先述のように、ここで最大93日間保全されます。ゴミ箱を開いてみて、ここにファイルがある場合はユーザー権限を持つ人でも復元可能です。
このゴミ箱からさらにファイルが削除された場合、もう復元はできないのでしょうか。
実はサイトの管理者だけがアクセスできる、サイトコレクションのゴミ箱にファイルは移されます。このサイトコレクションのゴミ箱に移されてから93日間、ファイルは保全されるため、管理者権限を持つ人なら復元することが可能です。
バックアップサービスの利用
SharePoint Onlineの機能を利用してデータをバックアップする場合、データ損失が起きてからの対処がほとんどです。これはイレギュラー対応となるため、業務に混乱をきたす場合があります。
そこでサードパーティのバックアップサービスの利用を検討するといいでしょう。バックアップサービスを活用すると、自ら定期的なバックアップ作業をする必要がなく、作業ミスを防ぎ、生産性向上にも寄与します。
ではどのようなバックアップサービスがあるのでしょうか。
バックアップサービス「AvePoint Cloud Backup」とは?
SharePoint OnlineをはじめとしたMicrosoft 365のデータバックアップサービスにAvePoint Cloud Backupがあります。
AvePoint Cloud Backupには自動バックアップ機能があり、一日に最大4回、もしくは6時間ごとにMicrosoft 365のデータを安全にバックアップします。このため、予期しないトラブルが起きても、必要に応じて迅速にデータを復元し、損失の影響を最小限に抑えます。
詳しい資料をご用意しております。ぜひご覧ください。
データ消失のリスクに対応するAvePoint Cloud Backup
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SharePoint Onlineのバックアップは重要
クラウドサービスは高いセキュリティレベルを持つため、データ保全の必要性を認識しづらいといえるかもしれません。しかし、SharePoint Onlineを含むMicrosoft 365をはじめ、多くのクラウドサービスでは、一度消去されたデータは一定期間後に完全に削除されることがほとんどです。
クラウド上のデータが消去されている事実を見落とし、適切なバックアップを実施していないと、重要データを永遠に失うことにつながりかねません。これはビジネスにとって大きなリスクをはらんでいます。
SharePoint OnlineをはじめMicrosoft 365データのバックアッププランがない場合、早めにバックアップ対策を講じることをおすすめします。
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※本記事の内容は2023年6月時点のものです。Microsoftの仕様や利用環境は変更する場合があります。