Microsoft Copilotってどんなサービス?

「最近、目にするCopilotって何?」「Copilotで何ができるの?」と疑問に思っていませんか?
Microsoft Copilotは、仕事の効率を劇的に向上させる強力なAIアシスタントです。文章作成、翻訳、情報収集、コーディングなど、日常業務の様々なタスクをサポートしてくれます。
本記事では、Microsoft Copilotの基礎知識から使い方、メリット・デメリット、活用例、関連サービスまで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
業務効率化や生産性向上を目指している方、最新のAIツールに興味のある方は必見です。ぜひご参考にしてください。
Microsoft Copilotとは何か
Microsoft Copilotとは、マイクロソフト社が提供するAIアシスタントツールで、読み方は「マイクロソフトコパイロット」です。以前は「Bing Chat」「Bing Chat Enterprise」と呼ばれていましたが、2023年に統合し、Microsoft Copilotに名称変更しました。
「Copilot」は、後述する「Microsoft Copilot Pro」「Microsoft 365 Copilot」といった関連サービスの総称として呼ばれることもあります。
「Copilot」とは副操縦士のことであり、ユーザー(=操縦士)のあらゆるビジネスをサポートするという意味が込められています。
Microsoft Copilotは、様々なサービスからデータを統合したり、連携したりできるMicrosoft Graphと、OpenAI社が開発したGPT-4やGPT-4 Turboなどの大規模言語モデル(LLM)が基盤となっています。これにより、膨大な数のテキストデータを学習し、自然な対話形式で文章や画像の生成が可能です。
無料ツールのため、専用アプリをインストールするか、ブラウザ(Microsoft Edge)を起動するだけで誰でも簡単に始められます。
Microsoft Copilotでできること
Microsoft Copilotは、様々なタスクを支援する強力なAIアシスタントです。
文章作成、画像作成、要約、翻訳、アイディア出し、音声会話など、幅広いビジネスシーンで活用できます。ここでは、Microsoft Copilotでできることを具体的に見ていきましょう。
文章作成
Microsoft Copilotは、様々な種類の文章作成をサポートします。文章の組み立てだけでなく、「フォーマルなビジネス向けの表現で」「若者向けのカジュアルな表現で」など文章のトーンを指定することも可能です。
- メール本文
メールの件名や本文を生成、または受信メールの内容に基づいた返信を提案してくれます。お礼メールや案内メール、依頼メール、メルマガなど目的や内容を伝えるだけで適切なメール文を作成できます。
- 資料の下書き
企画書、提案書、報告書など資料の構成案や骨子の作成が可能です。下書きまで自動で行われ、追記や修正、グラフや画像の追加などブラッシュアップするだけで完成するため、作業時間を大幅に短縮できます。
- 業務マニュアル
業務プロセスや操作手順などをマニュアルとして作成できます。作業対象となる製品名や読み手(新入社員向け、顧客向けなど)を指定するだけのため、効率的なマニュアル作成に取り組めるでしょう。
- ブログ記事
指定したキーワードに基づいてブログ記事の構成案や本文を作成したり、SEO対策を考慮したタイトルや見出しを提案したりできます。また、既存の記事の校正や改善もサポートします。
- SNS投稿文
X(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNS投稿文の作成が可能です。魅力的なキャプションやハッシュタグを提案し、エンゲージメント向上に貢献します。
画像作成
イメージを伝えるだけで、画像やイラスト作成が可能です。生成された画像に、さらに要望を追加することもできるため、よりイメージに近い画像を生成できます。

要約・翻訳
論文や議事録など長い文章の要約や翻訳も可能です。Microsoft Copilotは英語をはじめとする40か国語以上の言語に対応しています。例えば、英語の長文メールを翻訳して、その後に要約するといったことも可能です。
Microsoft Copilotでサポートされている言語についてはこちらから。
アイディア出し
Microsoft Copilotは、企画やアイディアの提案も行えます。Microsoft Copilotをブレインストーミングや壁打ち相手として活用すれば、より創造的な発想を生み出すことができるでしょう。また、Web検索やデータベース検索から必要な情報を効率的に収集するため、調査や研究にも役立ちます。
音声会話
音声入力に対応しているため、キーボードを使わずに声で質問したり、指示を出したりすることもできます。出力はテキストや音声から必要に応じて選べます。これにより、音声データの文字起こしや手入力が難しい作業現場での活用が実現します。
Microsoft Copilotの種類
「Copilot」と名の付くサービスは実は複数あり、混乱しているユーザーも多いでしょう。
以下は、主なCopilotサービスの一覧です。
サービス名
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料金
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特徴/概要
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Microsoft Copilot
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無料
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検索エンジン型AIアシスタント
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Copilot in Edge
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Edge上で利用できる検索エンジン型AIアシスタント
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Copilot in Windows
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Windows 11上で利用できる検索エンジン型AIアシスタント
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Microsoft Copilot Pro
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有料
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Microsoft Copilotを高性能にした有料版
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Microsoft 365 Copilot
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有料
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Microsoft 365 Appsに組み込まれたAIアシスタント
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Copilot in Teams
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議論の要約、タスク整理など
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Copilot in Outlook
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メール文の自動作成、要約、整理など
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Copilot in Word
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原稿の下書き作成、要約、推敲など
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Copilot in Excel
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データの自動修正、分析、グラフの作成など
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Copilot in PowerPoint
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資料の自動作成、ブラッシュアップ、要約など
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Microsoft Copilot Studio
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有料
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Microsoft 365 Copilotのカスタマイズが可能なIDE(統合開発環境)
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Microsoft Copilot for Sales
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有料
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営業担当者向けAIアシスタント
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Microsoft Copilot for Service
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有料
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コンタクトセンター/CRM連携用AIアシスタント
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Microsoft Copilot for Finance
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有料
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財務担当者向けAIアシスタント
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Microsoft Copilot for Security
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有料
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セキュリティ担当者向けAIアシスタント
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GitHub Copilot
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有料
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コーディングをサポートするAIアシスタント
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【無料】Copilot in Edge
Copilot in Edge は、Microsoft Edgeのブラウザ上でMicrosoft Copilotを利用できるサービスです。EdgeにはMicrosoft Copilotが統合されており、ブラウザの右上にあるCopilotアイコンから誰でも無料で利用できます。あらゆる情報検索や情報収集に役立ちます。
【無料】Copilot in Windows
Copilot in Windows は、Windows 11上でMicrosoft Copilotを利用できる無料サービスです。Windows 11にはCopilotアプリが搭載されており、デスクトップから直接利用できます。タスクバーのCopilotアイコンをクリックすればすぐにアクセスでき、日常業務をサポートしてくれます。
【有料】Microsoft Copilot Pro
Microsoft Copilot Proは、Microsoft Copilotに以下のような便利な機能を追加した有料サービスです。
- 最新モデルへの優先アクセス
Microsoft Copilot(無料版)とMicrosoft Copilot Pro(有料版)は、GPT-4 Turboという高度な最新言語モデルを使用しています。Microsoft Copilot(無料版)は、利用者数が多くサーバーが混み合う時間帯などは利用を制限される場合がある一方、Microsoft Copilot Pro(有料版)は優先アクセスが保証されており、混雑時でもスムーズに処理が行われ、快適な利用ができます。
- Microsoft 365アプリとの連携
後述のMicrosoft 365 Copilotの機能を一部利用でき、Word、PowerPoint、Excel、OneNote といったMicrosoft 365アプリと連携させて、文章の下書きや編集、データ分析、プレゼンテーション作成などが可能です。
- 画像生成の制限緩和
Microsoft Copilot(無料版)の画像生成のブースト(高速生成)回数は、1日15回までですが、Microsoft Copilot Pro(有料版)は1日100回までブースト可能です。
Microsoft Copilotのいわゆる上位版であり、いつでも円滑なAIサポートを利用したい場合におすすめのサービスです。
【有料】Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilot(旧Copilot for Microsoft 365)とは、WordやExcelなどのMicrosoft 365 Apps上でAIアシスタント機能を活用できるサービスです。
例えば、Word で「〇〇の資料を作成して」と指示し、作成された資料をさらにPowerPointで「〇〇.doc(Wordで作成したデータ)をスライドにして」と指示することで、プレゼン資料をあっという間に作成できます。
Microsoft Copilotと違い、Officeアプリケーションに最初から組み込まれたCopilotであるため、より高度で便利な活用ができ、作業時間を大幅に短縮します。
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▼Microsoft 365 Copilot(旧Copilot for Microsoft 365)とは? 機能や使い方を分かりやすく解説
▼【2025年最新】Microsoft 365 Copilotの料金は? 追加費用や注意点を解説
▼Microsoft 365 Appsとは? for business/enterpriseの違い
【有料】Microsoft Copilot Studio
Microsoft Copilot Studio は、Microsoft 365 Copilotのカスタマイズや、生成AI機能を含むチャットボットをローコードで作成できる統合プラットフォームです。自分だけのCopilotをゼロから作成することが可能です。
Microsoft 365 Copilotを自社に合わせて使いやすくカスタマイズしたい場合や、自社のニーズに合ったAIチャットボットを作成したい場合におすすめのサービスです。
Microsoft 365 Copilotのライセンスがなくても、Microsoft Copilot Studioのライセンスがあれば利用可能です。
Microsoft Copilotの使い方
ここでは、初めてMicrosoft Copilotを利用する方に向けて、使い方を解説いたします。
Copilot in Edgeの場合
- 「Microsoft Edge」ブラウザを起動する
- 右上、または検索ボックス横Copiloアイコンをクリックする

アイコンが見当たらない場合は、右上「…」から「設定」をクリックする

左メニューから「サイドバー」をクリックし、アプリと通知の設定>Copilotをクリックする。「ツールバーの [Copilot] ボタンを表示する」を「オン」にして、ブラウザを再起動する

- 自由にプロンプト(指示)を出す
プロンプトはできるだけ具体的にすることをおすすめします。「あなたはライターです」など役割を与え、目的や出力条件(「〇〇字以内で」「フォーマルな文章で」など)を明示すると、より理想的な回答を引き出せるでしょう。出力された回答文は「コピー」をクリックすると、簡単にコピーできます。

繰り返し指示を出し、質問や要望を重ねていくことで、より精度の高い提案を得られるでしょう。
新しい質問をする際は、右上の「新しいチャット」をクリックします。
Copilot in Windowsの場合
前提:最新版のWindows 11へのアップデートが必要です。
- タスクバーのCopilotアイコンをクリックする。または、スタートメニューからCopilotアプリを開く

- 自由にプロンプト(指示)を出す。以降はin Edgeの使い方と同様です。

Microsoft Copilot利用のメリット
Microsoft Copilotを利用することで、様々なメリットが得られます。
作業時間の短縮
仕事をする上で資料作成に費やす時間の割合は、全労働時間のうち43%という調査結果があります。
様々な書類が電子化され、運用面が効率化される一方で、依然として提案書、企画書、報告書などの作成作業に多くの時間を費やしているのが現状です。
Microsoft Copilotを活用することで、文章をゼロから作成しなくても、生成された文章を修正、加筆するだけで大幅な作業時間の削減ができるようになります。作業時間を短縮することは、人員不足や業務負担の軽減にもつながるでしょう。
品質向上
Microsoft Copilotは、エラー検出やミスの修正、最適な提案を行うことによって、成果物の品質向上に貢献します。
タスクの自動化で人為的なミスを減らしたり、プロセスの見直しをさせることで、改善点の指摘をしてくれたりします。これにより、エラーの発生率を低下させ、問題が発生する前に対処できます。
また、膨大なデータからリアルタイムで情報収集し、最適な提案をすることは、迅速な意思決定をサポートします。Microsoft Copilotは、重要な決定をスムーズかつ正確に行うための役立つツールといえます。
生産性向上
Microsoft Copilotの活用は、作業効率や生産性の向上にも寄与します。
資料作成、メール作成、情報収集など様々なタスクが、Microsoft Copilotで自動化されることによって、従業員はルーティンワークなどのノンコア業務から解放されます。従業員の多くが、より目標達成に直接貢献するコア業務に集中できるようになれば、生産性の総合的な向上につながります。
また、Microsoft Copilotは知識習得のサポートもできます。従業員の学習とトレーニングを効率化し、短期間で必要な知識やスキルを身につけることが可能です。
作業時間や学習時間の短縮は、生産性の向上につながるでしょう。
Microsoft Copilot利用の注意点
Microsoft Copilotを利用する上で、注意しなくてはならない点もあります。以下の注意点をよく理解した上で、正しく活用することが重要です。
セキュリティリスク
Microsoft Copilotを私用アカウントで使用し、機密情報を入力した場合、情報漏洩のリスクがあるため注意が必要です。
Microsoft Copilotは、基本的に入力した質問や回答データを学習し、精度を高めていくサービスです。学習した情報を他ユーザーへの回答に利用することもあるため、機密情報や個人情報を入力すると、意図せず第三者に漏れてしまう可能性があります。
Microsoft Copilotで機密情報を扱う場合は、必ず職場アカウント(Microsoft Entra ID)を使ってログインしてください。職場アカウントであれば、取り扱うデータは暗号化され、第三者への流出を防ぐことができます。
職場アカウントは、左上のアカウントマークをクリックすると「職場」と表示され、確認できます。また、右上に緑のマークがあれば商用データ保護が適用されているため、入力したデータが外部に漏れないかが判断できます。

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▼ChatGPTを安全にビジネス利用するには? リスクと対策を解説
精度の問題
一般的に、Microsoft Copilotは高い精度で文章などのコンテンツを生成できますが、生成された情報が必ず正しいものとは限りません。情報の真偽は必ず確認し、必要に応じて修正することが重要です。
Microsoft Copilotはインターネット上に公開されている情報をもとに回答していますが、もとのデータが誤っている可能性もあります。生成結果の下部に「AI で生成されたコンテンツは誤りを含む可能性があります。」と注意書きされているように、生成結果をそのまま使用するのではなく、必ずファクトチェックを行い、古い情報になっていないか、誤りや不適切な表現が含まれていないかなどをよく確認しましょう。情報源はどこかを確認するには、生成結果の下にある参照元を調べるとよいでしょう。

過度な依存
生成AIの便利さに過度に依存してしまうと、従業員の思考力や問題解決能力の低下、さらにはスキルアップの機会損失につながる恐れがあります。
生成AIに頼りすぎず、Microsoft Copilotはあくまで補助ツールとして活用し、自身の能力開発も怠らないようにすることが重要です。また、生成AIが提供する情報を鵜呑みにせず、常に批判的な視点や客観性を持ち続け、自らの判断力を維持するよう意識しましょう。
Microsoft Copilotの活用例
Microsoft Copilotは様々な場面で活用できます。ここでは、具体的な活用事例をいくつかご紹介します。
顧客対応での活用
Microsoft Copilotは、顧客からの問い合わせメールの返信内容を生成したり、文言の言い回しやフレーズの最適化を提示したりするため、顧客対応業務を効率化できます。これにより、対応時間を短縮し、顧客満足度を向上させることが可能です。
また、製品情報や市場データに基づいて、説得力のある営業資料を作成するのに役立ちます。顧客のニーズに合わせたカスタマイズも容易に行えるため、営業活動の成果向上に貢献します。
その他、文章の誤字脱字チェック、議事録の要約、英文の翻訳など、あらゆる場面で作業時間の大幅な短縮が可能です。
マーケティング/販売促進での活用
Microsoft Copilotを活用して、市場のトレンドや競合他社の分析などリサーチ業務が行えます。
また、キャッチコピーのアイディア出し、ブログ記事やメルマガのライティング、SNS投稿作成といったクリエイティブコンテンツの作成も可能です。これらの行動を生成AIに任せることで、ユーザーはキャンペーンのプランニングなど、より多くの時間を戦略的な活動に費やせるでしょう。
開発での活用
Microsoft Copilotは、プログラミング言語や特定のタスクに応じて、コードのサンプルやスニペットを提供できます。Python、JavaScript、C#など、様々なプログラミング言語に対応しており、関数やクラスの定義、アルゴリズムの実装など、複雑なタスクもサポートします。
例えば、Pythonで特定の機能を実装したい場合、その機能名を入力するだけで、コードの候補を提示してくれます。
また、既存コードのバグやエラーを検出して修正案を提示したり、コードの意味や動作を自然言語で解説したりすることも可能です。
開発時間を短縮し、生産性や品質の向上、さらにコード理解の促進や学習支援に役立ちます。
Copilotを活用して作業を効率化

Microsoft Copilotで何ができるか、使い方、メリット・デメリットについて解説してきました。
Microsoft Copilotは、文章作成だけでなく、コーディング、データ分析など、様々な作業を効率化できる強力なツールです。積極的に活用することで、新たな可能性を広げられるでしょう。ぜひ、この記事を参考にMicrosoft Copilotを活用し、日々の作業効率化に役立ててください。
また、Microsoft Copilotは、Microsoft 365 CopilotやMicrosoft Copilot Studioなど、関連サービスも充実しています。自身のニーズに合わせて最適なサービスを選択することで、Copilotの機能を最大限に活用できます。どのサービスを利用したら良いか、自社に合っているのはどのサービスかお悩みの方は、テクバンまでお気軽にご相談ください。
お客様のニーズやご予算に合った生成AIサービスをご提案いたします。
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※本記事の内容は2025年4月時点のものです。Microsoftの仕様や利用環境は変更する場合があります。