Exchange Online は他と何が違う?

Microsoftブログを紹介する女性

昨今では様々な電子メールシステム・サービスがリリースされ、あらゆる特徴を持ったものが登場しています。よりコストパフォーマンスに優れたメールシステムに移行したい、メールサーバーの運用をやめたい、とお考えのお客様もいらっしゃるでしょう。

そこで、その検討候補にふさわしいひとつとして、マイクロソフト社が提供している電子メールサービス「Microsoft Exchange Online」を取り上げ、サービスの概要や特徴、料金プランなどの情報を詳しく紹介します。メリット・デメリットについても解説するため、導入をお考えなら、ぜひご参考ください。

Microsoft Exchange Online とは

Microsoft Exchange Online はマイクロソフト社が提供しているクラウド型の法人向けメールサービスです。マイクロソフト社は社内にサーバー構築して利用できる Microsoft Exchange Server という製品も提供していますが、Exchange Online は Exchange Server のクラウド版にあたります。

そのため、Exchange Online を導入すれば、メールサーバーを会社に構築しなくとも、スケジュール管理やセキュリティなど多機能なメールシステムが利用可能です。これにより、PCやスマホなど様々なデバイスからメール、連絡先、スケジュールなどの情報にアクセス、一括管理・共有できるようになり、業務効率化が進みます。

Outlook と何が違うのか

よく知られているメールアプリのひとつに、同じマイクロソフト社が提供している Outlook があります。

もしかしたら、Exchange Online と Outlook、どちらがいいのかとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、両者は同列に検討するものではありません。

Outlook は電子メールクライアントと呼ばれるもので、メールの表示、作成する役割を提供しています。一方の Exchange Online は電子メールサービスと呼ばれ、メールの保持・送受信などの機能を担当しています。つまり、Exchange Online でメールを作成したり、Outlook でメールを送受信したりはできず、両方がそろうことで初めてメールを作成し、送信が可能になるのです。

  • Outlook の役割
    メールの作成と表示
  • Exchange Online の役割
    メールの送受信・保持

Office 365 から Microsoft 365 への名称変更と、一部残っている Office 365 について

ところで、Exchange Online が Office 365 や Microsoft 365 に含まれているのか気になる方もいらっしゃるかと思います。2020年4月に新しいサブスクリプションサービスである Microsoft 365 が登場し、Office 365 の多くのプランが自動で Microsoft 365 に切り替わりました。

現在は、Microsoft 365 Business Standard などの Microsoft 365 プランや一部残存している大企業向け Office 365 プランの Office 365 E1・E3・E5 などのプランで Exchange Online が利用できます。

Exchange Online が利用できるプランや費用は「Exchange Online の料金プランと特徴」の章で改めて紹介します。

Exchange Online の4つのメリット

Exchange Online の利用で得られる主なメリットを紹介します。

1.メールの保存容量が大きい

Exchange Online は、一番コストが低いプランでもメールの保存容量が50GBと十分な容量を保障しています。50GBもあれば、よほどのことがない限り、一般的なビジネスでは十分な容量です。サイズが大きいファイルを大量にやり取りする、毎日数千通規模でメールを送受信することなどがなければ問題なしといえるでしょう。

実際に使用してみて、50GBでは足りないという場合は、保存容量100GBやメールアーカイブ1.5TBなどが利用できるプランへの変更も可能なので安心です。

メール保存容量が大きい

2.サイズの大きいファイルも添付可能

Exchange Online では、メールの添付ファイルは最大150MBまで送信可能です。同じクラウドメールサービスの Gmail のメール添付ファイルは最大25MBまで。Gmail と比べて、Exchange Online はかなり大きな添付ファイルの送信にも対応していることがわかります。

サイズの大きい画像や Excel、表や画像を多く利用した PowerPoint などの資料も、ファイルサイズの制限を気にせず送信できることは生産性アップにもつながるでしょう。

ファイルの大きい添付ファイルの送受信もOK

3.セキュリティ対策を行える

さらに Exchange Online では、標準で Exchange Online Protection というマルウェア・スパム対策の保護機能が利用可能です。カスタム可能なマルウェア・スパム対策ポリシーや、ユーザーごとの接続フィルター設定などにより、悪意あるメールからユーザーやデバイスを保護できます。

セキュリティレポートや監査ログなどの監視機能は管理者の負担軽減にも役立つでしょう。

マルウェアやスパムメールをブロック

4.メールサーバーの運用が不要

自社でメールサーバーを構築し運用するには、オンプレミスであれクラウドであれ、サーバーの調達・稼働にかかる費用やオペレーターの人件費など、多くのコストがかかります。

Exchange Online はクラウドメールサービスのため、自社でメールサーバーを運用する必要がなくなります。これまでメールサーバーの運用にかかっていた様々なコストを削減し、その分を、新規事業創出など企業成長につながることに振り向けることも可能になるのです。

Exchange Online の2つのデメリット

Exchange Online の利用で注意すべきデメリットを解説します。

  • 突然のアップデート、仕様変更が発生する可能性がある
    Exchange Online はクラウドサービスのため、突発的なアップデートによる仕様変更が発生する可能性があります。クラウドサービスはバージョンの保留やダウングレードができないため、基本的にユーザー側は仕様変更に従うしかありません。以前は利用できていた機能が急に利用できなくなる可能性もあるため、この点には注意が必要です。
  • 障害復旧はマイクロソフト社に依存する
    Exchange Online のサービス提供サーバーはマイクロソフト社が管理しています。万一、障害が発生した場合、復旧はマイクロソフト社に依存するため、ユーザー側は復旧を待つしか方法がありません。

    利用時にはマイクロソフト社のSLA(サービスレベル合意)を確認し、障害発生時の代替手段を検討しておく必要があります。

Exchange Online の料金プランと特徴

Exchange Online の料金プランには大きく分けて3パターンがあります。それぞれの料金プランと特徴を解説します。

  • Exchange Online (プラン1)
    Exchange Online (プラン1)は、Exchange Online 単体の利用プランです。中小規模の利用で Exchange Online のみ導入したい場合におすすめです。

プラン名

月額

メール保存容量

アーカイブメールボックス

Exchange Online (プラン1)

430円/ユーザー

50GB/ユーザー

50G/ユーザー

  • Exchange Online (プラン2)
    Exchange Online(プラン2)は、Exchange Online (プラン1)と同様に Exchange Online 単体のプランですが、メールの保存容量やアーカイブメールボックス機能などがより強化されたプランです。大規模の利用やメール数が多い環境で Exchange Online のみ導入したい場合におすすめです。

プラン名

月額

メール保存容量

アーカイブメールボックス

Exchange Online (プラン2)

870円/ユーザー

100GB/ユーザー

1.5TB/ユーザー

  • ソリューションプラン
    ソリューションプランは企業規模などに合わせて複数のアプリケーションが含まれるプランです。マイクロソフト社の複数アプリケーションを利用する場合には、Exchange Online 単体のプランよりもソリューションプランの利用がお得です。各プランの主な違いは下記一覧をご確認ください。
    Microsoft 365 の料金プランについての詳しい記事もご用意しております。ぜひご覧ください。
    ▼Microsoft 365 の最適プラン選び! 4種類を比較・解説

プラン名

月額

メール保存容量

アーカイブメールボックス

Microsoft 365 Business Basic

650円/ユーザー

50GB/ユーザー

50GB/ユーザー

Microsoft 365 Business Standard

1,360円/ユーザー

50GB/ユーザー

50GB/ユーザー

Microsoft 365 Business Premium

2,390円/ユーザー

50GB/ユーザー

1.5TB/ユーザー

Microsoft 365 E3

3,910円/ユーザー

100GB/ユーザー

1.5TB/ユーザー

Microsoft 365 E5

6,200円/ユーザー

100GB/ユーザー

1.5TB/ユーザー

Microsoft 365 F3

870円/ユーザー

2GB/ユーザー

なし

Office 365 E1

1,090円/ユーザー

50GB/ユーザー

50GB/ユーザー

Office 365 E3

2,500円/ユーザー

100GB/ユーザー

1.5TB/ユーザー

Office 365 E5

4,130円/ユーザー

100GB/ユーザー

1.5TB/ユーザー

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Exchange Online でメールをバージョンアップ

Microsoftのお役立ち情報を知って喜ぶ男女

Exchange Online はマイクロソフト社が提供しているクラウド型のメールサービスです。Exchange Online を導入することで、メールサーバーを自社で構築しなくとも、スケジュール管理やセキュリティなど多機能なメールシステムを利用できるようになります。

ユーザー・デバイス保護の強化や管理者負担軽減に役立つことも大きな魅力です。この機会に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

導入プランの選択や運用方法にお悩みの際には、マイクロソフト社公認のオフィシャルパートナー企業へ相談されることをおすすめします。パートナー企業は、確かな製品知識や運用実績をもとに、お客様の状況に合ったサポートを行うことが可能です。

テクバンもマイクロソフト社のオフィシャルパートナー企業です。お困りのことがあれば、ぜひご相談ください。

Microsoft 365 について解説した記事もご用意しております。ぜひご覧ください。
▼Microsoft 365 の導入からセットアップ手順を解説
▼Microsoft 365 のメリット・デメリットと導入時の注意点を解説!

※本記事の内容は20227月時点のものです。Microsoft 製品の仕様や利用環境は変更する場合があります。

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