Pardot は、セールスフォース社が提供しているのマーケティングオートメーションツールです。Salesforce のサービスと連携しやすく、多くの企業が導入しています。使える機能は料金プランによって異なるため、自社の環境や製品に合わせてプランを選ぶことが大切です。

今回は、Pardot の価格について解説します。料金プランごとの機能やツールなどもまとめました。参考になさってください。

マーケティングオートメーションではなにができる？

マーケティングオートメーションツール（MAツール）は、リード獲得から育成、商談、成約までマーケティング活動をサポートするための機能を備えたツールです。顧客情報の管理や育成までのステップを自動化できます。

これまで営業やマーケティング活動では、さまざまなデータ分析をおこない、分析結果をもとに施策を立てるなど労力が必要でした。しかし、近年の顧客は自ら情報を収集して、商品の購入やサービスの利用を検討するなど、企業と直接コミュニケーションを取らない購買スタイルが主流です。

MAツールは、Web上における顧客の行動や興味、関心などのデータをもとに、効果的なアプローチをおこなう適切なタイミングを教えてくれます。複数のツールを使用しなくても、一貫して対応することが可能です。

Pardot（現Account Engagement）とは？

Pardot はセールスフォース社が提供するマーケティングオートメーションツールです。2022年4月7日より、名称を「Account Engagement」へ変更していますが、使用できる機能に変わりはありません。Pardot はBtoB向けの機能を豊富に備えており、リード獲得から育成、商談、成約へとつなげることができます。

Pardot の初期設定や使い方については、Salesforce のプラットフォーム「Trailhead（トレイルヘッド）」でも学ぶことが可能です。くわしく解説します。

Marketing Cloud との違い

Salesforce には「Marketing Cloud」というBtoC向けのマーケティングオートメーションツールがあります。Marketing Cloud でもWebコンテンツの作成やSNSマーケティングなどに活用が可能です。オウンドメディアや自社ECサイトのアクセス流入を増やしたいときに、活躍する機能を備えています。さらに、顧客の購買行動や成約率を上げるための適切なタイミングでのアクションなど、売上向上につながるマーケティング活動をサポートしてくれる機能を備えています。

BtoC商材を扱う場合は Marketing Cloud を活用するべきでしょう。それぞれの機能や特徴を理解した上で、自社の事業形態や目的にあわせて使い分ける必要があります。

ランディングページやフォームの作成が可能

Pardot は、集客型ビジネスにも活用できるランディングページ（LP）を作成できます。LPは検索結果や広告のリンクを経由して、最初にアクセスするWebページです。自社のビジネスの認知度向上や新規顧客の獲得に活用できます。

Pardot にはレイアウトテンプレートやフォーム、各種ページを組み合わせて作成する「拡張ランディングページ」があります。HTMLの知識が無くてもかんたんに作成できるうえに、レスポンシブ対応のテンプレートも選ぶことが可能です。もちろんテンプレートを使用せずに、JavaScriptの実装などこだわりを反映させたオリジナリティの高いLPも作れます。

さらに、Pardot で作成したフォームを連携させることで、新規顧客の獲得につなげることができます。フォームの項目には氏名や会社名、メールアドレスなどがあり、新規顧客の情報を獲得することが可能です。顧客が入力したら連携している Salesfoce に自動で反映されます。

一般的にLPを作成して公開するときは、サーバーへのアップロードが必要です。Pardot はアップロード不要のため、作成から公開までスピーディーに対応できます。他部署へ作成を依頼しなくても、マーケティング担当者が作成できるのが魅力です。

Pardotでのフォーム作成について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
▼Pardot（現Account Engagement）のフォームをCSSでカスタマイズする方法を解説
▼Pardot（現Account Engagement）のフォームの埋め込み手順や連携方法を解説

BtoBマーケティング業務を効率化

Pardot は、Salesforce のコミュニティ「Trailhead」で使い方を学べます。日本人向けのコミュニティでは、オンラインイベントの周知などがされており、同じように活用されている方の運用方法なども知ることが可能です。

また、Pardot は Salesforce の各サービスと連携が可能です。シングルサインオン設定（SSO）対応のため、もともと業務に Salesforce のサービスをお使いなら、Pardot を使うことで業務効率の向上につなげることができるでしょう。

Pardot（現Account Engagement）の価格は？ 料金プランを比較

Pardot には無料トライアル期間はありませんが、一部機能を制限したトレーニング環境を活用して使い勝手を体験できます。デモ機能を利用することで、自社の環境やサービスに合っているのかを理解することが可能です。

Pardot には4つの料金プランがあり、それぞれ利用できる機能が異なります。各料金プランの機能を比較して、目的に合わせた使い方ができるか検討しましょう。各料金プランの価格と主な機能、活用方法の事例を紹介します。

Growth

Growthプランの価格は月額150,000円（税抜）です。Pardot の基本機能を備えたプランで、Salesforce との連携できることが強みです。通常業務に Salesforce のCRM（顧客管理システム）を活用されている企業なら、使い勝手のよさを実感していただけるでしょう。はじめてMAツールを導入する中小企業にぴったりのプランです。

フォームやLPの作成数は50件と上限があるため、すでに獲得しているリード数が多い企業や、これから大きく増える可能性があるならPlusプランがおすすめです。

Plus

Plusプランの価格は月額300,000円（税抜）です。Pardot のなかでも標準的なプランとなっており、Google広告やSNSの運用をおこなっている企業やマーケター、すでにマーケティングオートメーションツールを使用していて、Pardot へ乗り換えを検討されている方におすすめの機能を備えています。

Growthプランの基本的な機能にくわえて、多くの機能を使えます。マーケティングに欠かせない「B2B Marketing Analytics」が使用できるのはPlusプランからです。

フォームやLPは無制限に活用できますが、オンラインストレージの容量は500MBのためマーケティングとして本格的に活用するなら次のAdvancedプラン以上を選びましょう。

Advanced

Advancedの価格は月額480,000円（税抜）です。料金プランのなかでもっとも多く利用されているプランです。Plusで追加費用が必要だった機能を標準ライセンスで利用できます。

獲得したリードの選定などをおこなうための「Einstein」と「マーケティングデータ共有」の機能を利用することが可能です。

すでに一定のリードを獲得しており、行動データをもとに適切なアプローチをとるなどリード獲得後の具体的な施策を立てられます。フォームやLPも無制限で作成できるうえに、オンラインストレージの容量が10GBとなり、Plusより大幅に容量が増加します。

Premium

Premiumの価格は月額1,800,000円（税抜）です。「Pardotビジネスユニット」や「Sadbox」など大企業のマーケティング部門で活用できる機能を備えています。Advancedプランでは有料オプションとなっている「B2B Marketing Analytics Plus」も標準で装備しています。

さらに、Salesforce エキスパートから24時間365日、ライブチャットによるサポートを受けられる「Premier Success」も利用することが可能です。エキスパートからコーチングやトレーニングを受けられるため、Pardot をスムーズに導入し運用できます。

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Pardot の各料金プランの機能を比較

Salesforce の公式サイトより、Pardot の価格一覧が掲載されている「全エディションの比較表」より主な機能をまとめました。

機能	Growth	Plus	Advenced	Premium
価格	150,000円（税抜）	300,000円（税抜）	480,000円（税抜）	1,800,000円（税抜）
プロスペクト数	最大1万件			最大7万5,000件
オートメーションルール	50件	100件	150件
ファイルホスティング	100MB	500MB	10GB
高度なメール分析など※1	有料オプション	〇
高度なトラッキング※2	3	10	20
ランディングページ	50	無制限
フォーム	50	無制限
SEOキーワードのモニタリング	100個	250個	1,000個
Google広告連携	有料オプション	〇

※1 高度なメール分析、メールレンダリング、プレビュー分析
※2 SSLバニティドメイン／トラッカードメイン

Pardot の拡張機能

Pardot をより強化できる拡張機能（アドオン）の概要と価格について解説します。

SALES EMAILS AND ALERTS

SALES EMAILS AND ALERTSは月額6,000円（税抜）の追加料金で利用できる機能です。

顧客の行動をリアルタイムでチェックし、顧客がメールを開封したり、Webサイトを閲覧したりしたタイミングでアプローチをおこないます。SALES EMAILS AND ALERTSの機能は以下のとおりです。

名称	機能
Engageアラート	顧客の行動をリアルタイムでモニタリングして適正なタイミングでアプローチをおこなう
Engageキャンペーン	リスト作成からメール配信までおこなう
Engageレポート	送信したメールのパフォーマンスなどを把握できる
Engage for Gmail・Engage for Outlook	担当者がGmailやOutlookのメール画面からEngageメールを送信できる

SALES EMAILS AND ALERTSはすべての料金プランで有料オプションとなっています。

B2B Marketing Analytics Plus

B2B Marketing Analytics Plusは月額360,000円（税抜）で利用できるプラットフォームです。Plusプラン以上で利用できる機能で、Premiumプランでは5ライセンスのみ利用できます。

B2B Marketing Analytics Plusは、キャンペーンのパフォーマンスや各コンテンツの顧客の反応などがダッシュボードで可視化されます。ダッシュボードのデータはカスタマイズが可能で、ドロップ＆ドラッグによりCRM内に設置が可能です。設置したデータはスマートフォンなどのモバイルデバイスからもアクセスできるため、マーケティング部署から営業部署へとスムーズな情報共有が可能です。

ENGAGEMENT HISTORY DASHBOARD

ENGAGEMENT HISTORY DASHBOARD（エンゲージメント履歴ダッシュボード）は月額3,000円（税抜）で利用可能です。Pardot のすべての料金プランで利用できますが、ユーザーライセンスの数に上限があります。

料金プラン	ユーザーライセンス数
Grows	5
Plus	10
Advanced	20
Premium	20

 ダッシュボードには、Salesforce のキャンペーンや取引先、見込み顧客、取引責任者、など各レコードにもとづいたデータが組み込まれます。ダッシュボードは以下の4種類があります。

• キャンペーンダッシュボード
• 取引先ダッシュボード
• リード／取引先責任者ダッシュボード
• 商談ダッシュボード

Pardot の導入・運用はテクバンへお問い合わせください

Pardot の価格は、Salesforce のツールのなかでも割高です。30日間の無料トライアルが利用できますが、一部機能が制限されているため、自社環境でしっかりと運用できるかは判断がむずかしいこともあるかと思います。

Pardot 導入に不安をお持ちなら、「Pardot 導入支援サービス」を提供するテクバンにご相談ください。セールスフォース・ドットコム認定パートナー企業として、導入から運用サポートまでていねいに対応いたします。「Pardot で何ができるのか」「初期費用はどのくらいかかるのか」などサービスや価格についてくわしく知りたい方は、ぜひお気軽に問い合わせください。