Microsoft Teams と Zoom、それぞれの特徴は?

Microsoftブログを紹介する女性

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに多数の企業がリモートワークに移行し、その環境を支援するビジネスチャットやWeb会議ツールが一気に普及しました。
そんなリモートワークに欠かせないツールの中でも、よく知られているのが「Microsoft Teams」と「Zoom」です。同じようなコミュニケーションツールですが、それぞれに強みや特徴があります。

そこで、両者の違いやメリット・デメリット、おすすめの利用シーンなどについて解説します。

Microsoft Teams と Zoom の特徴

まず、Microsoft Teams と Zoom はどういったツールなのか、それぞれについて紹介します。

Microsoft Teams と Zoom の特徴

Microsoft Teams とは

マイクロソフト社が提供するコミュニケーションツール「Microsoft Teams」は、チャットやWeb会議、予定管理など、チームワークに便利な様々な機能が集約され、Microsoft 365 アプリと連携して作業を行えます。
有料版のほかに、Microsoft のアカウントがあれば利用できる無料版があります。

有料版と無料版の違いについては、こちらもご参考ください。
▼Microsoft Teams の料金プランを比較! 無料版と有料版の違いを解説

Zoom とは

Zoom」は、Zoom Video Communications が提供するオンライン会議ツールです。有料版と無料版があります。
Zoom アプリのインストールをしていない人も、相手が主催するWeb会議URLをクリックするだけで、ウェブブラウザから参加できることが特徴です。

このためデスクトップからモバイルまで、様々なデバイスから場所を問わず利用できます。ミーティングの開催や、参加が簡単なため、リモートワークにも適しています。

Teams と Zoom の比較表

無料版と有料版がある Teams  Zoom の機能の違いを以下の表にまとめました。

Teams

Zoom

チャット機能

ビデオ会議

録画・録音

※有料版のみ

※無料プランではローカル保存のみ

参加人数

最大300

最大100

外部ユーザーの招待

画面共有

バーチャル背景

※デスクトップ版とスマートフォン(iPhone)のみ

遠隔操作

ウェビナーの各機能

プランの種類

  • Microsoft 365 Business Basic
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Office 365 E3
  • プロ(小規模チーム向け):2,000/1ライセンス/
  • ビジネス(中小企業向け):2,700/1ライセンス/
  • 企業(大企業向け):2,700/1ライセンス/



Teams のメリット・デメリット

次に、Teams のメリットとデメリットについて、紹介します。

Teams のメリット

Teams の最大のメリットは、Microsoft 365 アプリとの連携機能です。
業務に欠かせないWordExcelPowerPoint といった Office アプリケーションと連携。他のメンバーと Teams 上で共同編集することも可能です。Teams の無料版でも、Web版の WordExcelPower Point が利用可能で、チームでの共同作業をその場で行うことができます。

チャットや通話機能、Web会議はもちろん、ファイルの管理・共有ができるなど、業務を効率化する多様な活用方法があります。

Microsoft 365 アプリとの連携機能

Teams のデメリット

Teams のアカウントがないユーザーでも、ゲストとして様々なデバイスから Teams の会議に参加できますが、利用できる機能には制限があります。

Zoom のメリット・デメリット

Zoom のメリットとデメリットについて、紹介します。

Zoom のメリット

Zoom は、アプリやアカウントのないユーザーとのWeb会議が簡単に行え、会議用のURLを発行するだけで、誰とでもWeb会議を始めることができます。相手のアカウントを気にせず利用でき、招待しやすいところが大きな魅力です。また、ミーティングIDを入力してミーティングルームにアクセスするという方法もあります。
通話にも安定性があるため、ストレスなく使用できることも強みです。

Zoom のデメリット

Zoom は、チャットやファイルの共有ができるのはWeb会議中のみ。Web会議をしていないときは、他のツールを使うなど別の手段を取る必要があります。

また、無料版ではミーティングへの参加人数が100人までの制限があり、研修や全社会議といった大人数が集まるケースでは対応できないかもしれません。また、無料版はミーティング時間に制限があり、最大で40分まで。長時間に及ぶミーティングには、有料版へのアップグレードが必要になります。

Teams・Zoom のおすすめ職種と利用シーン

次に、メリットやデメリットを踏まえ、Teams  Zoom が得意な利用シーンなどを紹介します。

Teams がおすすめのケース

結局、自分がどちらを使うべきか迷っている方に、Teams がおすすめのケースを紹介します。

Microsoft Office の利用者

業務でもよく利用される Word  ExcelPowerPoint などの Office アプリと連携が容易です。Office を利用して会議をする場合は、Teams の方が適しているといえます。Office アプリで作成されたファイルは、ただ共有するだけでなく、共同編集も行えるため、効率的に業務を進められます。

会議以外のコミュニケーションもしたい

Teams は会議以外にも、チャットや通話などで気軽にコミュニケーションすることができるツールのため、離れた場所で働くメンバーとのコミュニケーションを円滑に行うのに適しています。

データを一元管理したい

Teams は、Web会議だけでなく、Microsoft office  ExcelPowerPoint などのファイルの共有や共同編集がシームレスに行え、データの一元管理にも優れています。
Teams
の会話タブの横にファイルタブがあり、関連するファイルがすべてファイルのタブに入っているため、業務がスムーズです。

データの一元管理

Zoom がおすすめのケース

次は Teams と比較して、Zoom がおすすめのケースを紹介します。

外部利用者とのコミュニケーションが多い

Zoom はアカウントを持ってない人でも会議に参加ができ、事前に専用のURLを共有するだけで、誰でも簡単に参加することができます。
他のツールでは、アカウントの作成やメールアドレスの登録などが必要な場合も多く、会議実施までの事前準備に労力がかかります。

その点、Zoom は誰でも簡単に取り組めるため、リモートワークに慣れていない企業にとっても利用しやすいツールといえます。

ウェビナーを開催したい

Zoom にはウェビナー開催に必要な機能が搭載されているため、ウェビナーを主に開催するユーザーには Zoom がおすすめです。最大10010,000人まで参加可能で、参加者の分析・レポートの取得やアンケート機能が使用できます。
また、回線の安定性は Zoom の方が高いというユーザーの声も多いようです。

通話の安定性の優先度が高い

Zoom は大人数での会議を想定して設計されており、データ通信量を抑えながら高品質な通話が可能です。
会議中に通信が途切れることは大きなストレスになり、業務にも大きく影響するため、通話の安定性は重要なポイントです。

Teams・Zoom のセキュリティ比較

ここからはリモートワーク環境で気になる、それぞれのセキュリティ対策を紹介します。

セキュリティ対策

Teams のセキュリティ

Teams をより安全に使うため、備えられているセキュリティ環境をチェックしましょう。

Teams は外部アクセスやゲストアクセスを制御

Teams のセキュリティ対策には、チャネルごとにアクセス権を制御する機能があります。
例えば、Teams で組織外のユーザーとコミュニケーションや共同作業を行う必要があるものの、ファイルやチャネルなどを共有したくない場合もあるでしょう。

このようなとき、相手ユーザーの属性によって、アクセス範囲を限定してやり取りできる2つのセキュリティ設定「外部アクセス制御」と「ゲストアクセス制御」があります。Teams 上で組織外のユーザーとコミュニケーションを取りつつ、組織内のセキュリティも守ることができるのです。

  • 「外部アクセス制御」設定
    「外部アクセス制御」は、一部組織内のリソースへのアクセスを制御しつつ、取引先やパートナーなどと、会議、チャットなどができる設定です。
    デフォルトの設定では「外部アクセス制御」が「オン」で、すべての外部ユーザーとアクセスが可能な状態になっています。管理者が Teams の管理センターで、特定の取引先を許可または禁止にする設定も可能です。
  • 「ゲストアクセス制御」設定
    「ゲストアクセス制御」は、あらかじめ制限されたアクセス権を付与することで、チャット、通話、会議で Office アプリを使用した共同作業を外部ユーザーと行うことができます。
    デフォルトの設定では「ゲストアクセス制御」は「オフ」で、ゲストユーザーのアクセスが遮断されています。ゲストユーザーが利用する場合、管理者が Teams 管理センターよりオンにする必要があります。
    「外部アクセス制御」よりも密にコミュニケーションを取れる機能です。

この2つをコミュニケーションの用途に応じて使い分けることで、外部とのコラボレーションを効率的かつセキュリティを高めることができます。

Microsoft 365 のセキュリティ機能と連携したセキュリティ対策

Teams は、Microsoft 365 のセキュリティ機能と組み合わせることで、さらに安全な環境で活用できます。
Azure AD
の条件付きアクセスを利用することで、Teams へのアクセスに様々な条件を設定できます。さらに、Teams でファイル共有をする際には、Azure Information Protection を活用することで、情報漏えいのリスク回避が可能です。

Zoom のセキュリティ

次は Zoom に備えられているセキュリティ環境を確認しましょう。

暗号化によるミーティングのロック・パスワード設定

Zoom は、暗号化によりミーティング中の映像や音声を保護するだけでなく、ミーティング自体をロックして安全な環境でWeb会議を進行することが可能です。また、待機室機能では、招待ユーザーを個別に任意のタイミングで会議に参加させられるため、参加者の属性ごとに情報開示することもできます。

シングルサインオン(SSO)

シングルサインオン(SSO)とは、組織の認証情報を使用してサインインする方法です。一つのID・パスワードで複数のサービスにログインできるため、ユーザーはID・パスワードをいくつも管理する必要がなく、情報漏えいのリスクも軽減できます。

あらかじめ組織のドメイン情報を設定しておき、メンバーは組織のドメインを利用して Zoom にログインすることで、組織外からのアクセスをブロックできます。
シングルサインオン(SSO)は Zoom の有料版のみ利用が可能です。

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用途別に Teams・Zoom を使い分けるべき

Microsoftのお役立ち情報を知って喜ぶ男女

今回は、Teams Zoom の違いやメリット・デメリット、おすすめの利用シーンについて解説しました。
Web会議に使えるツールとして活用が広がる Teams  Zoom は、無料版と有料版、使用する用途により様々な機能の違いがあります。
ご自身の環境や用途から必要な機能、セキュリティ面をチェックし、適切なツール選びの参考になれば幸いです。

Teamsについて、さらに理解を深めたい方は下記記事を参考にしてみてください。
▼Microsoft Teams とは? 導入方法や主な機能や利用メリットを紹介
▼Skype と Microsoft Teams の違いとは? ビジネスチャットツールを比較
▼Teams と Slack の違いと共通点を解説&徹底比較

※本記事の内容は20224月時点のものです。Microsoft 製品の仕様や利用環境は変更する場合があります。

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