メールの誤送信は誰にでも起こり得るミスではありますが、主な原因はTO(宛先)のアドレス入力ミスや「CC」「BCC」の使い分け、ファイルの添付ミスなど様々です。こうした誤送信は、社員の不注意から起きる場合と、社内の運用ルールに問題がある場合があります。
以下では、メールを誤送信してしまう主な原因を紹介します。
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2023.04.27
#セキュリティ#業務改善#誤送信対策
ビジネスに欠かせないメール。日々の業務の中で数十通とやり取りを行うと、忙しさや集中力の低下で間違った宛先に送信してしまったり、添付するファイルを間違えてしまったりなど、誤送信の経験はありませんか。
一度送信してしまったメールは取り消すことが出来ません。うっかりミスと考えてしまいがちなメール誤送信は、重大なセキュリティ事故につながり、企業が大きな損失を負う可能性があります。
本記事では、メール誤送信の原因や発生パターンとともに、効果的な誤送信対策のポイントを紹介します。誤送信を防ぐ対策について理解を深めたい方、メールセキュリティサービスやソフトウェアの導入を検討している方におすすめです。
メールの誤送信は誰にでも起こり得るミスではありますが、主な原因はTO(宛先)のアドレス入力ミスや「CC」「BCC」の使い分け、ファイルの添付ミスなど様々です。こうした誤送信は、社員の不注意から起きる場合と、社内の運用ルールに問題がある場合があります。
以下では、メールを誤送信してしまう主な原因を紹介します。
社員の不注意による人為的ミスが原因になるケースです。うっかり間違えて送信してしまう、忙しく注意散漫になってしまうという状況から誤送信が起きてしまいます。また、社員が情報漏洩リスクを軽視している、メール送信ルールを無視しているといった場合は、危機管理意識の低さが誤送信の発生につながるのです。
社内でメール送信時のルールが定まっておらず、各社員の判断でメールを送信しているケースです。OutlookやGmailなどのメーラーの運用ルールに問題がある場合に誤送信は多いといわれています。
例えば、メーラーが多機能なため使いにくい、運用ルールが煩雑なため守らない社員がいるなど様々な問題があります。
リテラシーのレベルは社員それぞれで異なるため、社内の規定を定めて誤送信を起こさない仕組み作りや対策が重要です。
メール誤送信の原因を紹介しましたが、具体的にどのような行動で誤送信が起こるのでしょうか。ここでは、代表的な誤送信が発生するケースを紹介します。
添付するファイルを間違える、ファイルを添付し忘れるというケースがよくあります。「それだけのことで?」と感じるかもしれませんが、添付するファイルを間違える、添付し忘れることで重要データの情報漏洩や、会社への信頼低下につながる可能性があるのです。
さらに、誤って送ってしまったファイルに個人情報が入っていた場合は、重大な個人情報の漏洩になるため、謝罪だけで解決しない場合もあるでしょう。
代表的な誤送信のパターンとして、TO(宛先)の入力ミスがあります。
アドレスの手入力により誤った宛先にメールを送信する、アドレス帳の機能を用いて宛先を入力するも同姓の別人のアドレスを入れて送信してしまうなど、宛先の入力ミスのパターンは誤送信が発生しやすいのです。
こうした誤送信では、別の宛先のアドレスに送信することで、本来送るべき人にメッセージが届かない、また誤って受信した人に個人情報が漏洩してしまうといった問題があります。
宛先入力欄に送信先の候補が自動的に表示される、オートコンプリート機能は非常に便利ですが、間違った送信先を選択しないよう十分な確認と対策が必要です。
CCとBCCに間違った宛先を入力してしまうことでトラブルに発展します。CCは共有メンバー全員に宛先が表示され、BCCは送信者以外に表示されません。
そのため、複数人に一斉にメールを送信する際にBCCでなくCCで送ってしまうと、宛先に入力した全員のメールアドレスが共有され、個人情報の漏洩につながってしまいます。お詫びでは済まされない問題に発展する可能性もあるのです。
誤送信は大きなミスと認識しているかもしれませんが、具体的にどのような損害が生じるかご存じでしょうか。ビジネスにおいてメールの誤送信は、企業運営に関わる重大な問題です。
ここでは、誤送信対策を行わない場合に生じる損害リスクを3つ紹介します。
誤送信すると、発売前の商品情報や開発に関する極秘情報などが社外に流れてしまう可能性があり、企業にとって重大な情報漏洩につながります。例えば、競合他社に取引の状況を知られてしまう、有益な情報を盗まれてしまうなど自社が不利な状況に陥る原因になってしまうのです。
さらに、うっかり送ってしまったメールが原因で、多額の損害賠償請求をされる場合もあります。情報漏洩は、他者の権利や利益を侵害する不法行為にあたるため、あってはならないミスといえます。
メールの誤送信により個人情報を漏洩してしまう可能性があります。誤送信したメールに記載された社員のメールアドレスや氏名などは重要な個人情報です。メールを送る際、先頭の宛名に「企業名+部署名+氏名+様」など名前だけでなく部署名や役職が含まれている場合もあり、誤送信することでそういった個人情報まで漏れてしまいます。
また、顧客の情報が入ったファイルを添付していた場合は、自社が持つ顧客の個人情報まで外部へ漏洩させてしまいます。
こうした個人情報が第三者により悪用されると、なりすましや不正利用の被害に遭うケースもあるため、個人情報漏洩から発生する損害の大きさを理解しましょう。
どのような情報にしても、情報漏洩が起きれば、顧客や取引先の信用を失ってしまいます。
さらに、インターネットやSNS上で話題となれば社会的信用まで失い、株式会社の場合株価が下落する恐れもあるのです。
こうした誤送信による情報漏洩の影響は計り知れず、取引縮小や業務停止となれば、会社にとって存続が危ぶまれる、大きな損害へとつながるでしょう。
また、誤送信した相手や本来送るべき相手にお詫びの連絡をするなど謝罪だけでは済まず、機密情報や個人情報が漏洩していた場合はその対応に追われたり、社内や相手先に報告書や始末書を提出することになったりと、通常業務を一時停止することにもつながります。
メールの誤送信が企業にとってどれほど大きな損害があるのか理解できたかと思います。
ここからは、誤送信対策を4つ紹介します。
メールソフトの機能を活用したり、社内でルールを定めたりすることが重要です。
必要な連絡先だけをアドレス帳に登録しておく、アドレスの予測入力機能をオフにしておくなどの設定はすぐに実施できるでしょう。
また使用しているメールソフトに、メール送信後であっても設定した数十秒の時間は送信を取り消せる「送信取り消し機能」があれば、この機能を活用するのもおすすめです。
こうしたメールソフトの設定を社内でルール化し、各社員に徹底させることも有効な誤送信対策といえます。
重要なファイルを送信したい場合は、クラウドストレージの利用がよいでしょう。
従来の送付方法として多かったのが、添付ファイルにパスワードを設定して送付する「PPAP」という手法です。このPPAP運用は、ZIPパスワードの脆弱性やウイルスチェックが稼働できないなど多くの課題やリスクがありました。こうした理由から、内閣府デジタル庁ではPPAPの廃止を発表し、クラウドストレージの活用を推奨しています。
クラウドストレージは、オンラインストレージとも呼ばれ、ファイルや大量のデータをインターネット上にある保管スペースに格納できるサービスです。送りたいファイルをメールに直接添付するのではなく、クラウドストレージにアップロードし、格納先のURLをメールに貼り付け相手にURLにアクセス・ダウンロードしてもらうことで、ファイルを共有できます。メール送信後に宛先間違いに気づいたとしても、クラウドストレージ上からファイルを削除することが可能です。
一方で、無料のクラウドストレージサービスでは情報漏洩や改ざんが起こる可能性もあるため、利用する際はセキュアなサービスや有料のサービスを利用するなど注意が必要です。
社内運用ルールを定めた上で、第三者チェックを徹底することも効果的です。送信前のチェックは、メール本文や件名だけでなくTOやCC、添付ファイルなどが最も重要なポイントです。メール送信時に確認すべきことをまとめたチェックリストを作成し、送信前に各項目をを必ず確認するといった運用ルールを作成してみるとよいでしょう。
さらに、業務に詳しい上長や管理者に「件名」「宛先」「内容」「添付ファイル」などを確認してもらい承認を得るとより有効な対策になります。
メールの誤送信を防ぐには、危機管理セミナーといった社員教育をして意識を変えるだけでは難しいでしょう。どれだけ注意を払っていても、ミスは完全に防げるものではありません。
運用ルールや社員の意識を変えた上で、ヒューマンエラーを補うためにも誤送信対策ツールや誤送信防止ソフトを導入することが効果的です。
これらのツールやソフトには、メール送信時の宛先確認や、送信時に上長の承認がないと送れないといった機能があります。ツールを導入すれば、社員の負担や手間を軽減し、自動で誤送信防止対策が可能です。
誤送信対策の主な原因はヒューマンエラーといえます。そのため誤送信を防ぎ、メールに関する業務全体の改善を目指すのであれば誤送信対策ツールの活用が最適です。
メールの誤送信対策、添付ファイルの暗号化などを実現する、誤送信対策ツールの代表的な製品を2つ紹介します。
Active! gate SSはクオリティア社が提供する、クラウド型のメール誤送信サービスです。豊富な誤送信防止機能によりクラウドメールの安全運用を実現し、メール経由の情報漏洩防止に役立ちます。
Active! gate SSには以下の7つの機能があります。
ClouXionとは、SBテクノロジー社が提供するMicrosoft 365の利活用を促進するアドオンサービスです。ClouXionには、業務効率化ソリューションと認証セキュリティソリューションの2つのサービスがあり、今回紹介するのは認証セキュリティソリューションのMail SafeとMail Alertです。
Mail Safeは、Microsoft 365に特化したクラウド型メールセキュリティサービスです。情報漏洩の防止や、メール誤送信対策に必要な機能をオールインワンで提供できます。TLSによるメール暗号化や添付ファイルのWebダウンロード化機能が搭載されているため、PPAP対策も叶います。
Mail Safeには以下の8つの機能があります。
Mail Alertは、メール誤送信を予防するOutlookアドインツールです。メールセキュリティサービスとして、送信時にポップアップ画面でチェックを促すことで、Outlook上でのメール誤送信を予防できます。
Mail Alertには以下の6つの機能があります。
ここまで、メール誤送信の原因や損害リスク、誤送信対策などについて広く紹介してきました。メール送信時にどれだけ気を付けていても、ミスが起こるのは仕方のないことです。そうした問題を補うためにも、メールセキュリティサービスを導入して誤送信のリスクを低減することが重要です。
テクバンは、マイクロソフト社から認定されたパートナー企業として数多くのMicrosoft製品を取り扱っています。
本記事で紹介したActive! gate SSとClouXion(Mail Safe/Mail Alert)の導入・運用サポートも提供しています。ご興味のある方は、ぜひ一度テクバンまでご相談ください。
メールの誤送信対策についてもっと知りたい方は、こちらの記事も併せてをご覧ください。
▼Outlookのメール誤送信対策とは? 具体的な設定方法や機能的な対策ツールを解説
※本記事の内容は2023年4月時点のものです。Microsoft製品の仕様や利用環境は変更する場合があります。
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