メールの誤送信は大きな損害につながる

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ビジネスに欠かせないメール。日々の業務の中で数十通とやり取りを行うと、忙しさや集中力低下間違った宛先に送信してしまったり、添付するファイルを間違えてしまったりなど、誤送信してしまった経験はありませんか。

しかし、うっかりミスと考えてしまいがちなメール誤送信は、重大なセキュリティ事故につながる可能性があります。

本記事では、メール誤送信の原因や発生パターンとともに、効果的な誤送信対策のポイントを紹介します。誤送信を防ぐ対策について理解を深めたい方、メールセキュリティサービスやソフトウェアの導入を検討している方におすすめです。

メール誤送信の原因と背景を探る

メール誤送信の原因は、宛先間違いや「CC」「BCC」の使い分け、ファイルの添付ミスなど様々です。こうした誤送信は、社員の不注意から起きる場合と、社内の運用ルールに問題がある場合があります

以下では、メールを誤送信してしまう主な原因を紹介します。

メール誤送信の原因

社員の不注意

社員の不注意による人為的ミスが原因になるケースです。うっかり間違えて送信してしまう、忙しく注意散漫になってしまうという状況から誤送信が起きてしまいます。また、社員が情報漏えいリスクを軽視している、メール送信ルールを無視しているといった場合は、危機管理意識の低さが誤送信の発生につながるのです。

社内の運用ルールに問題がある

社内でメール送信時のルールが定まっておらず、各社員の判断でメールを送信しているケースです。OutlookGmailなどのメーラーの運用ルールに問題がある場合に誤送信は多いといわれています。
例えば、メーラーが多機能なため使いにくい、運用ルールが煩雑なため守らない社員がいるなど様々な問題があります。
リテラシーのレベルは社員それぞれで異なるため、社内の規定を定めて誤送信を起こさない仕組み作りや対策が重要です。

誤送信が発生しやすいケース

メール誤送信の原因を紹介しましたが、具体的にどのような行動で誤送信が起こるのでしょうか。ここでは、代表的な誤送信が発生するケースを紹介します。

添付するファイルを間違える

添付するファイルを間違える、ファイルを添付し忘れるというケースがよくあります。「それだけのことで?」と感じるかもしれませんが、添付するファイルを間違える、添付し忘れることで、重要データの情報漏えいや、会社への信頼低下につながる可能性があるのです。
さらに、誤って送ってしまったファイルに個人情報が入っていた場合は、重大な個人情報の漏えいになるため、謝罪だけで解決しない場合もあるでしょう。

添付するファイルを間違える

送付先のアドレス入力ミス

代表的な誤送信のパターンとして、宛先の入力ミスがあります。
アドレスの手入力により誤った宛先にメールを送信する、アドレス帳の機能を用いて宛先を入力するも同姓の別人のアドレスを入れて送信してしまうなど、宛先の入力ミスのパターンは誤送信が発生しやすいのです。
こうした誤送信では、別の宛先のアドレス宛に送信することで、本来送るべき人にメッセージが届かない、また誤って受信した人に個人情報が漏えいしてしまうといった問題があります。
宛先入力欄に送信先の候補が自動的に表示される、オートコンプリート機能は非常に便利ですが、間違った送信先を選択しないよう、十分な確認と対策が必要です。

CCとBCCの宛先を間違える

CCとBCCに間違った宛先入力してしまうことでトラブルに発展します。CCは共有メンバー全員に宛先が表示され、BCCは送信者以外に表示されません。
そのため、複数人に一斉にメールを送信する際にBCCでなくCCで送ってしまうと、宛先に入力した全員のメールアドレスが共有され、個人情報の漏えいにつながってしまいます。お詫びでは済まされない問題に発展する可能性もあるのです。

誤送信対策しない場合の損害リスク

誤送信は大きなミスと認識しているかもしれませんが、具体的にどのような損害が生じるご存じでしょうか。ビジネスにおいてメールの誤送信は、企業運営に関わる重大な問題です。誤送信を謝罪するだけでなく、業務の一時停止や損害賠償が発生する可能性もあります。
ここでは、誤送信対策を行わない場合に生じる損害リスクを紹介します。

機密情報の漏えい

誤送信は、発売前の商品情報や、開発に関する極秘情報など企業にとって重大な秘密情報の漏えいにつながります。例えば、競合他社に取引の状況を知られてしまう、有益な情報を盗まれてしまうなど自社が不利な状況に陥る原因になってしまうのです。
さらに、うっかり送ってしまったメールが原因で、多額の損害賠償請求をされる場合もあります。情報漏えいは、他者の権利や利益を侵害する不法行為にあたるため、あってはならないミスといえます。

個人情報の漏えい

メールの誤送信により個人情報を漏えいしてしまう可能性があります。誤送信したメールに記載された宛先や、社員氏名などの情報は重要な個人情報です。
また、顧客の情報が入ったファイルを添付していた場合は、自社が持つ顧客の個人情報まで外部へ漏えいさせてしまいます。
こうした個人情報が第三者により悪用されると、なりすましや不正利用の被害に遭うケースもあるため、個人情報漏えいから発生する損害の大きさを理解しましょう。

社会的信用の低下

どのような情報にしても、情報漏えいが起きれば、顧客や取引先の信用を失ってしまいます。
さらに、インターネットやSNS上で話題になり社会的信用まで失い、株式会社であれば株価が下落する場合もあるのです。
こうした誤送信による情報漏えいの影響は計り知れず、取引縮小、業務停止となれば、会社にとって存続が危ぶまれる、大きな損害へとつながるでしょう。

メールの誤送信を防ぐ方法は?

メールの誤送信が企業にとってどれほど大きな損害があるのか理解できたでしょう。
ここからは、誤送信対策を4つ紹介します。

1.メールソフトの使い方やルールを設定する

メールソフトの機能を活用したり、社内でルールを定めたりすることが重要です。必要な連絡先だけをアドレス帳に登録しておく、アドレスの予測入力機能をオフにしておくなどの設定はすぐに実施できるでしょう。
また使用しているメールソフトに、メール送信後であっても設定した数十秒の時間は送信を取り消せる「送信取り消し機能」があれば、この機能を活用するのもおすすめです。
こうしたメールソフトの設定を社内でルール化し、各社員に徹底させることも有効な誤送信対策といえます。

2.クラウドストレージの利用

重要なファイルを送信したい場合は、クラウドストレージの利用がよいでしょう。
従来の送付方法として多かったのが、添付ファイルにパスワードを設定して送付する「PPAP」という手法です。このPPAP運用は、ZIPパスワードの脆弱性やウイルスチェックが稼働できないなど多くの課題やリスクがありました。こうした理由から、内閣府デジタル庁ではPPAPの廃止を発表し、クラウドストレージの活用を推奨しています。

一方で、無料のクラウドストレージサービスでは情報漏えいや改ざんが起こる可能性もあるため、利用する際はセキュアなサービスや有料のサービスを利用するなど注意が必要です

3.社内運用ルールを徹底し上長のチェックを実施する

社内運用ルールを定めた上で、第三者チェックを徹底することも効果的です。メール送信時に確認すべきことをまとめたチェックリストを作成し送信前に確認する、といった運用ルールを作成してみるとよいでしょう。
さらに、業務に詳しい上長や管理者に「件名」「宛先」「内容」「添付ファイル」などを確認してもらい承認を得るとより有効な対策になります。

社内運用ルールを徹底し上長のチェックを実施する

4.誤送信対策ツールを導入する

メールの誤送信を防ぐには、危機管理セミナーといった社員教育をして意識を変えるだけでは難しいでしょう。どれだけ注意を払っていても、ミスは完全に防げるものではありません。
運用ルールや社員の意識を変えた上で、ヒューマンエラーを補うためにも誤送信対策ツールを導入することが効果的です。
これらのツールには、メール送信時の宛先確認や、送信時に上長の承認がないと送れないといった機能があります。ツールを導入すれば、社員の負担や手間を軽減し、自動で誤送信防止対策が可能です。

誤送信対策におすすめのツールを紹介

誤送信対策の主な原因はヒューマンエラーといえます。そのため誤送信を防ぎ、メールに関する業務全体の改善を目指すのであれば誤送信対策ツールの活用が最適です。

メールの誤送信対策、ファイル経由の情報漏えい対策などを実現する、誤送信対策ツールの代表的な製品を2つ紹介します。

Active! gate SS

Active! gate SSはクオリティア社が提供する、クラウド型のメール誤送信サービスです。豊富な誤送信防止機能によりクラウドメールの安全運用を実現し、メール経由の情報漏えい防止に役立ちます。

Active! gate SSには以下の7つの機能があります。

  • 添付ファイルの暗号化
  • BCC強制変換
  • 時間差配信
  • 送信メールの一時保留
  • 添付ファイルのWebダウンロード
  • 送信拒否
  • 上司承認

ClouXion(Mail Safe/Mail Alert)

ClouXionとは、SBテクノロジー社が提供するMicrosoft 365の利活用を促進するアドオンサービスです。ClouXionには、業務効率化ソリューションと認証セキュリティソリューションの2つのサービスがあり、今回紹介するのは認証セキュリティソリューションのMail SafeMail Alertです。

Mail Safe

Mail Safeは、Microsoft 365に特化したクラウド型メールセキュリティサービスです。情報漏えいの防止や、メール誤送信対策に必要な機能をオールインワンで提供できます。TLSによるメール暗号化や添付ファイルのWebダウンロード化機能が搭載されているため、PPAP対策も叶います。
Mail Safe
には以下の8つの機能があります。

  • 送信拒否
  • 時間差配信
  • 添付ファイルのWebダウンロード化
  • 添付ファイルの暗号化
  • 送信メールの一時保留
  • 上司承認
  • BCC強制変換
  • TLS確認機能

Mail Alert

Mail Alertは、メール誤送信を予防するOutlookアドインツールです。メールセキュリティサービスとして、送信時にポップアップ画面でチェックを促すことで、Outlook上でのメール誤送信を予防できます。
Mail Alert
には以下の6つの機能があります。

  • 添付ファイルの暗号化
  • 送信メールの一時保留
  • BCC強制変換
  • ポップアップ警告
  • 添付ファイルリンク機能
  • 宛先追加

img-light 誤送信対策は担当者の意識だけでは難しい

Microsoftのお役立ち情報を知って喜ぶ男女

ここまで、メール誤送信の原因や損害リスク、誤送信対策などについて広く紹介してきました。メール送信時にどれだけ気を付けていても、ミスが起こるのは仕方のないことです。そうした問題を補うためにも、メールセキュリティサービスを導入して誤送信のリスクを低減することが重要です。

テクバンは、マイクロソフト社から認定されたパートナー企業として数多くのMicrosoft製品を取り扱っています。
本記事で紹介したActive! gate SSClouXionMail Safe/Mail Alert)の導入・運用サポートも提供しています。ご興味のある方は、ぜひ一度テクバンまでご相談ください。

※本記事の内容は20234月時点のものです。Microsoft製品の仕様や利用環境は変更する場合があります。

最適なセキュリティ環境で得られる安心感は、企業の成長、ビジネスの活性化、イノベーション創出につながります。包括的なセキュリティ強化を検討してみませんか。